出典:家庭医学大全 6訂版(2011年)
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ビタミンB2欠乏症
びたみんけつぼうしょう

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ビタミンB2欠乏症とは?

原因は何か

 ビタミンB2は、エネルギー産生に重要なミトコンドリアの電子伝達系の補酵素(酵素の作用発現を助ける物質)としての機能をもった水溶性ビタミンです。

 欠乏症は、慢性アルコール依存症や長期の感染症などで現れます。また、大量の抗生剤、精神安定薬や副腎皮質ステロイド薬などが投与された時にも現れることがあります。

症状の現れ方

 口角炎、口唇炎、口内炎舌炎が発症します。眼の症状(流涙、羞明(まぶしがる)、結膜炎硝子体混濁、角膜血管新生)や脂漏性皮膚炎も認められ、重症になると性格変化や知能障害が現れることがあります。

検査と診断

 尿中のビタミンB2排泄量を測定し、1日40μg以下であれば欠乏症です。血中のビタミンB2濃度の測定も行われます。

治療の方法

 ビタミンB2の1日所要量は成人男性で1・2mg、成人女性で1・0mgとされています。ビタミンB2を1日10mg経口投与すると症状は完全に改善します。他のビタミン欠乏を伴うことも多く、その場合は総合ビタミン剤が必要になります。

(執筆者:東北大学大学院医学系研究科先端再生生命科学教授 菅原 明)

ビタミンB2欠乏症に関連する可能性がある薬

医療用医薬品の添付文書の記載をもとに、ビタミンB2欠乏症に関連する可能性がある薬を紹介しています。

処方は医師によって決定されます。服薬は決して自己判断では行わず、必ず、医師、薬剤師に相談してください。

・掲載している情報は薬剤師が監修して作成したものですが、内容を完全に保証するものではありません。

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東北大学大学院医学系研究科先端再生生命科学教授 菅原明

 ビタミンは、①毎日摂取する必要がある栄養素で、②1日100mg以下の微量摂取で十分であり、③有機物であり、④体内ではほとんどつくられない、と定義されます。

 ビタミンは大きく、水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンとに分類されます。

 水溶性ビタミンには、ビタミンB1、B2、B6、B12、パントテン酸、ニコチン酸、葉酸、ビオチンなどのビタミンB群とビタミンCが含まれます。

 脂溶性ビタミンには、ビタミンA、D、E、Kが含まれます。

 当初は、ビタミンB群の補酵素(酵素の作用発現を助ける物質)としての作用が主によく知られていましたが、最近になって各ビタミンが生体内でさまざまな作用をもっていることが明らかになってきました。

ビタミンB2欠乏症に関する医師Q&A