淋菌感染症
りんきんかんせんしょう
淋菌感染症とは?
どんな感染症か
淋菌感染症は性感染症のなかでも頻度の高いもので、男性では尿道炎、精巣上体炎、女性では子宮頸管炎などを発症します。
1960年前後から登場したペニシリン系の抗菌薬により淋菌感染症の治療は容易になったものの、1976年にはペニシリンを加水分解するペニシリナーゼ産生淋菌(ペニシリンが効かない)の出現が初めて報告されました。そののちテトラサイクリン耐性淋菌、ニューキノロン耐性淋菌も次々に現れ、近年では多くの抗菌薬に耐性をもつ(薬が効かない)淋菌による感染症が問題となっています。
症状の現れ方
男性の淋菌性尿道炎の場合、潜伏期間は1週間以内で、典型的な症状は尿道痛、排尿痛、亀頭部の発赤、尿道口からの膿性分泌物などです。女性の症状は男性よりも軽く、腟分泌物が多少増加するという程度の場合も少なくありません。
検査と診断
病原体の特定は、PCR法、TMA法、SDA法などの遺伝子診断法が感度、特異性ともにすぐれています。遺伝子診断法は淋菌とクラミジアを同じ検体で検出でき、さらに男性の尿道炎では初尿を検体に用いることもできます。
治療の方法
淋菌に対してはかつてはニューキノロン系抗菌薬が有効でしたが、日本ではこの薬に対する耐性をもつ頻度が約80%とされ、現在は使用できません。現在有効と考えられているのはスペクチノマイシンの筋肉注射、セフォジジムの静脈注射、セフトリアキソンの静脈注射など数種類しかありません。
また、口腔咽頭の淋菌感染症が増加していますが、この場合はスペクチノマイシンも無効といわれています。
病気に気づいたらどうする
症状から淋菌感染症が疑われる場合は泌尿器科・婦人科を受診してください。簡単な検査で診断できます。診断された場合はパートナーの治療も併せて行う必要があります。オーラルセックスのみでも感染するので、可能性があるパートナーの十分な検査・治療が必要です。
前述のように治りにくくなっていることを頭に入れ、予防することの重要性を認識し、正確な知識をもつこととコンドームの使用が重要です。
淋病に関連する可能性がある薬
医療用医薬品の添付文書の記載をもとに、淋病に関連する可能性がある薬を紹介しています。
処方は医師によって決定されます。服薬は決して自己判断では行わず、必ず、医師、薬剤師に相談してください。
-
▶
ビクシリン注射用0.25g
主としてグラム陽性・陰性菌に作用するもの
-
▶
硫酸カナマイシン注射液1000mg「明治」
主として抗酸菌に作用するもの
-
▶
注射用ペニシリンGカリウム20万単位
主としてグラム陽性菌に作用するもの
-
▶
ホスフラン注-10mg
ビタミンB剤(ビタミンB1剤を除く。)
-
▶
リノロサール注射液2mg(0.4%) ジェネリック
副腎ホルモン剤
-
▶
アモキシシリンカプセル125mg「トーワ」 ジェネリック
主としてグラム陽性・陰性菌に作用するもの
-
▶
ユナシン錠375mg
主としてグラム陽性・陰性菌に作用するもの
-
▶
フラジール内服錠250mg[ヘリコバクター・ピロリ感染症]
抗原虫剤
・掲載している情報は薬剤師が監修して作成したものですが、内容を完全に保証するものではありません。
淋病に関する記事
-

自分の身は自分で守ろう。これだけは知っておきたい「性感染症」の話
性感染症から自分の身を守ることはもちろん、ほかの人への感染を防ぐためにも、最低限知っておくべきポイントについて、蓮池先生にお話を伺いました。
おすすめの記事
淋病に関する病院口コミ
淋菌感染症に関する医師Q&A
咽頭クラミジア、淋菌について
仮に陰茎のみにクラミジア等の感染症が移った際に、一切のキス等の性的接触がない場合、自身の陰茎から咽…
処女 性感染症検査 項目について
処女ですが、念の為、性交渉前に性感染症検査を行いたいと考えています。 性器の挿入経験はなし 指などの…
初めまして。喉の痛みについて質問させてください。 1月初めに不安行為(ゴムありの挿入、オーラルセック…