骨形成不全症
こつけいせいふぜんしょう
骨形成不全症とは?
どんな病気か
重症度と合併症により、複数の分類がありますが、骨折しやすく、これによって脚や腕の骨の変形を伴うことが共通の特徴です。
原因は何か
骨形成不全症は遺伝性疾患で、両親のいずれかがこの疾患であって、その親から50%の確率で遺伝する常染色体優性遺伝が基本ですが、その他の遺伝形式をとる場合もあります。また突然変異で発症することもあり、必ず親から遺伝するわけではありません(健常な両親から生まれることもあります)。
原因のほとんどは1型コラーゲンという骨の形成に重要な遺伝子の変異によって生じます。
症状の現れ方
骨折しやすい、脚や腕の骨の変形を併うといった症状以外にも側彎や胸郭変形、低身長などの骨所見を伴うことも多いです。また、眼の青色強膜、歯牙形成不全、皮膚の異常、難聴などを伴うこともあります。
一般に骨の脆弱性は骨成熟とともに改善しますので、小児期から成人期にかけて骨折は起こりにくくなります。しかし女性の場合には、閉経後に悪化する傾向があります。知的障害や精神発達障害はありませんが、骨折による運動障害や、骨折を予防するための運動制限の必要性はあります。
分類
①1型 眼の青色強膜と成人期の難聴を伴います。骨折はさまざまですが、軽度の場合が多いです。
②2型 2型は重症で死産になったり、出生後の早期に亡くなることが多いです。
③3型 重症型ですが、症状は2型よりやや軽度です。
④4型 中等度の重症度で、青色強膜を伴わないことが特徴です。
近年は分類が細分化されて5~7型までに分類されることもあります。
診断と検査
前記の症状があった場合に骨形成不全症が疑われますが、診断確定はX線検査で全身の骨化不良、骨折と再生像、頭蓋骨で菲薄化等がみられれば確定します。血液検査では骨代謝マーカーを用いた検査で、骨代謝の亢進所見がみられます。
治療の方法
薬剤治療としてビスホスフォネート製剤の投与、長管骨の骨折や変形に対しては髄内釘手術などが行われますが、根治的な治療方法はありません。
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