出典:家庭医学大全 6訂版(2011年)
挫滅症候群
ざめつしょうこうぐん
挫滅症候群とは?
どんな外傷か
挫滅症候群は、筋肉が持続的に圧迫されたために血流障害が起こり、その筋肉が麻痺を起こすだけではなく、横紋筋の融解によって、高カリウム血症、ミオグロビン血症、凝固障害、腎不全などの全身的な異常を示す症候群です。
原因は何か
阪神・淡路大震災では、倒壊した建物や家具の下敷きになって多発し、注目を集めました。このような災害以外では、まれに交通事故などで何かにはさまれ、救出までに時間を要した場合にも発症します。
症状の現れ方
両下肢の挫滅症候群では、両下肢が麻痺していることから脊髄損傷と誤診されることがあるといわれています。しかし、腹壁の知覚鈍麻がなく、下肢の知覚・運動障害は少なくとも多少の左右差があること、損傷部がはれていることなどから、区別はそれほど困難ではありません。
意識がはっきりしていて、血圧が保たれていると、一見軽症にみえますが、崩壊した筋肉から放出される大量のカリウムにより、突然、心停止に陥ることがあります。
検査と診断
診断は、はさまれていた、下敷きになっていた、という受傷機転(きっかけ)と損傷部の腫脹(はれ)、知覚・運動麻痺だけからでも可能ですが、導尿により、赤褐色のミオグロビン尿を認めれば確実です。
検査では、代謝性アシドーシス、血液濃縮、高カリウム血症、高クレアチンキナーゼ血症、低カルシウム血症、凝固障害などの異常が現れます。
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