順天堂大学医学部附属浦安病院

専門医より推薦を受けた診療科目・診療領域

順天堂大学医学部附属浦安病院は、複数の有名専門医(※)の間で「自分や家族がかかりたい」と推薦されています。
このページでは、専門医より推薦を受けた分野(科目、領域)の特色や症例数、所属している医師について取材・調査回答書より記載しています。 ※推薦、選定して頂いた有名専門医の一覧表

外科

分野

消化器・一般外科

特色

順天堂大学医学部付属病院外科の一つとして、また、がん診療連携拠点病院として、指導医、専門医、研修医、看護師、薬剤師などの医療スタッフが連携を密に図り、常に最新の質の高い医療を提供するように心がけている

★当科の特色は患者さんとよく相談した上で個々の患者さんの病状、病期に応じ根治性を最優先したうえで、さらに術後の生活の質(QOL)の向上を重視したオーダーメイドの治療を選択していることである

★開腹手術と腹腔鏡下手術の両方の治療法に対応可能な体制を整えているが、患者さんに優しい、痛みの少ない手術として腹腔鏡手術を積極的に導入し、良好な結果を得ています。重症患者には最新設備が完備した集中治療室において、重点治療を行い成果をあげている

★日常診療ではホームドクターとの間で病診連携を重視し、また在宅治療、終末期医療(ターミナルケア)にも積極的に対応し、術後患者さんのきめ細かい治療を心がけている。

症例数

★入院手術年間総数約1,100人、日帰り手術年間総数約250人

食道癌=患者数は年間約5人。治療は手術療法、抗癌剤療法、放射線療法を駆使した集学的治療を行い、手術療法では症例により開胸開腹3領域郭清と胸腔鏡、腹腔鏡による食道切除を行っている。術後の合併症は軽減し、QOLが向上した

胃癌=年間約80人、早期胃癌は胃癌ガイドラインにもとづき消化器内科と連携し内視鏡切除(EMR、ESD)を積極的に行っている。この適応外の早期癌と一部の進行癌には腹腔鏡下胃部分切除または胃切除術を行う。腹腔鏡下手術を取り入れ約10年が経過し 、現在までに腹腔鏡胃切除手術は国内でも有数の症例数と経験を誇っている。一方、進行癌は可及的膵温存の徹底したリンパ節郭清を行う。抗癌剤は進行、再発・転移例でTS-1、タキサン、low dose CDDP+ 5FU、MTX+5FUが主体。5年生存率はほぼI期 95%、II期 75%、III期 45%、IV期 20%

大腸癌=年間約170人、早期大腸癌は消化器内科と連携し内視鏡切除(EMR、ESD)や経肛門的内視鏡手術(TEM)を積極的に行う。進行癌もできるだけ開腹手術は行わず、低侵襲手術として腹腔鏡下大腸切除術を導入し15年以上を経過した。1,700人以上を経験し、国内で有数の症例数と成績で、この領域のリーダー的な施設として国内で認められている。術後の痛みが軽く、術後合併症が少なく、早期の社会復帰が可能となっている。結腸癌の5年無再発生存率は治癒切除例で0期 100%、I期 100%、II期 96%、IIIa期 91%、IIIb期 90%で開腹手術と比較して遜色ない。直腸癌は神経温存による性機能、排尿機能温存に努め、術後のQOLを高めること、またできるだけ人工肛門を回避し本来の肛門を温存する術式を採用している。stageIVの肝臓などへの他臓器転移例に対しても、切除可能例に対しては積極的に切除を行っている。抗癌剤治療はstageIIの一部の患者、stageIII以上の術後患者にはUFT+ leucovorin、ゼローダやTS-1による経口薬治療を中心に、再発・転移例にはXELOX、FOLFOX、FOLFIRIに アバスチン、アービタックス、ベクディビックスなどの点滴投与を癌治療センターと連携して外来化療を中心に行っている。症例により臨床治験をお願いする場合がある

急性虫垂炎=年間約110人、腹腔鏡下手術を多く採用している。開腹手術に比べ創感染が少なく良好な成績

肝癌・胆道癌・膵癌=消化器内科との協議で治療法を選択している。原則として膵胃吻合を採用した膵頭十二指腸切除を採用している

胆石症=年間約120例、急性胆嚢炎を含め原則的に腹腔鏡下手術を行い低侵襲化をめざしている。総胆管結石はまず内科で内視鏡的乳頭切開で結石を除去し、その後腹腔鏡下手術を行っている。最近では開腹移行はほとんどない

ヘルニア=成人では基本的にクーゲル法、PHS法、メッシュプラグ法を選択し、早期退院・社会復帰を目指している。その他、逆流性食道炎、炎症性腸疾患、腸閉塞などを治療対象としている。患者の負担が少なく、キズがほとんどわからなくなる単孔式腹腔鏡下手術を胆石症、急性虫垂炎、大腸癌に導入しています。

医療設備

3DCT、MR、超音波内視鏡、ハイビジョン内視鏡手術セットなど。
  • セカンドオピニオン受入 △
  • 初診予約 〇
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 △

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 千葉・茨城」(ライフ企画 2012年11月)

泌尿器科

分野

泌尿器科

特色

順天堂の伝統を礎とした良質な医療の提供し、医学・看護学教育を実践する。副腎・泌尿器・男性生殖器疾患全般を取り扱う外科で、病状に応じて保存的薬物療法なども積極的に行うが、腎炎、人工透析(血液浄化療法)は内科が担当する。他科、他病院・医院との連携を重視している。

症例数

最近の1日平均外来受診者数約150人、割当て病床数25床

★年間外来初診者数(04年)1,695人、年間時間外患者数約300人、年間入退院患者総数636人(被紹介入院患者率21.4%で一般病院からと医院・クリニックからがおよそ同数)

★術後平均在院日数は、尿路系手術例が11.5日(腎手術46例:29.2日、尿管手術36例:5.2日、膀胱手術103例:6.7日、尿道手術2例:7.0日、その他24例:7.8日)、男性性器手術例が4.7日(前立腺・精嚢手術211例:4.4日、陰嚢手術8例:7.6日、精巣手術10例:7.4日、精巣・精巣上体・精管手術1例:9.0日、陰茎手術3例:4.0日)

★前立腺生検約160件、体外衝撃波結石治療80~100件を含めると、年間総手術数は500~560件ほどで、そのうちの約160件が内視鏡手術

★腎細胞癌根治手術は年間10~15件、前立腺癌根治手術は年間12~24件ほどである

★腎細胞癌は手術(患側温存手術を含む:患側全摘の場合も副腎は可能な限り温存)とインターフェロンなどによる免疫療法のいずれかまたは両者

★尿路上皮癌には内視鏡手術、開腹手術、化学療法を適宜選択。内視鏡手術直後からの膀胱腔内薬液注入療法に実績がある。上皮内癌にはBCG膀胱内注入療法を行う。膀胱全摘に際しては、代用膀胱か回腸導管などの尿路変更術を選択

★前立腺癌には、無治療経過観察、根治手術(勃起機能温存術式を含む)、放射線療法(小線源療法は順天堂医院などにて施行、当院では外照射療法のみを実施。重粒子線治療等希望者は放射線医学研究所に紹介依頼している)、内分泌療法のいずれかまたは併用。前立腺生検組織検査にも入院・麻酔、生検前超音波・MRI検査などの用意あり

★前立腺肥大症は薬物療法が主流ながら、内視鏡手術、開放手術にも実績がある。レーザーや高温度治療器も導入されている

★腎盂・尿管腫瘍や尿路結石の診断・治療における細径尿管鏡操作にも熟練している

★輸血は自己血貯血を重視。同種血は原則放射線処理をしている

★尿路性器癌化学療法には対応しているが、精子凍結保存設備は確保しておらず、また、現在は腎移植手術や尿失禁手術には対応していないので、必要に応じて他院(順天堂医院、国立がんセンター、東京歯科大学市川総合病院など)に紹介依頼している

★迅速な診断と治療で、成績の向上を期しているが、入院、外来の選択や検査・治療法の選択については可能な限り、本人の意向を尊重している

★04年4月以降、泌尿器科連日当直体制あり。

医療設備

CT、MRI、超音波画像診断装置(アロカ社製)、核医学診断装置、結石破砕装置(ダイレックス社製体外衝撃波、ノースゲート社製電気水圧衝撃波、リソクラスト圧縮空気衝撃波)、サーメックス前立腺高温度治療装置、レーザー治療装置、超音波メス(ソノップ、ウルトラシアーズなど)、マイクロウエーブ手術装置(マイクロターゼ)、各種内視鏡(検査用/手術用硬性・軟性膀胱鏡、硬性手術用尿管鏡、軟性尿管鏡、腎盂鏡、腹腔鏡など:ストルツ社製など)、下部尿路機能測定装置、陰茎勃起機能持続測定装置(リジスキャン)、リニアック放射線治療装置などを備えている。
  • セカンドオピニオン受入 〇
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 ×

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 千葉・茨城」(ライフ企画 2012年11月)

形成外科・美容外科

分野

形成外科

特色

診療においては「患者さまにやさしい医療」を信条に、安全で根拠に基づく適切な質の高い医療を行うことを基本方針としている。症例は顔面骨骨折を含む顔面外傷、先天性外表異常、皮膚悪性腫瘍、乳癌術後の乳房再建、血管腫・アザなどが多い。特殊疾患としてクルーゾン病、アペール症候群などを含む頭蓋縫合早期癒合症の手術も手掛ける。また近年では加齢に伴う眼瞼下垂の患者が多く集まり、これに関連したまぶた周囲の若返りや顔面皺取りなどの美容外科手術、シミに対するレーザー治療にも取り組んでいる。

症例数

11年の形成外科新患者数は598人。年間手術数は560件(入院手術286件うち全身麻酔220件、外来手術272件)であった。手術の内訳は口唇口蓋裂関連手術12例、手・足の先天異常8例、その他の先天異常26例、顔面骨骨折54例、母斑・血管腫・良性腫瘍204例、悪性腫瘍切除および再建40例、瘢痕・ケロイド19例、褥創・難治性潰瘍22例、眼瞼下垂55例などである

★当院では救命救急センターを有することから、顔面骨骨折を含む顔面外傷を多く取り扱っている。最近では吸収性プレートを用いた骨折整復固定術を行っている

★口唇口蓋裂の治療では目安として生後3カ月で口唇裂の手術、1歳~1歳半で口蓋裂の手術を行っている。成長に伴って必要な言語訓練、歯科矯正は専門医と連携をとり総合的な治療を行っている。必要に応じ鼻変形の修正、顎裂部への腸骨移植、上下顎骨の骨切り術などを考慮する

★手・足の先天異常では多趾(指)症、合趾(指)症などが中心となる

★狭頭症(頭蓋縫合早期癒合症、クルーゾン症候群、アペール症候群)では順天堂大学本院脳神経外科とチームを作り、手術を行っている

★顔面を中心とした小皮膚腫瘍やホクロの切除術は、傷跡が目立たないよう心がけて治療を行っている

★乳房再建では乳腺外科と連携を取りながら年齢、組織欠損の状態、体型等を考慮して最適な術式を選択している。術式はインプラント挿入、広背筋皮弁移植、腹直筋皮弁移植などである。最近では穿通枝皮弁とすることで、腹直筋の犠牲を最小限に抑えた術式を選択している

★眼瞼下垂は先天性の小児患者では筋膜吊り上げを行っている。最近では加齢に伴う弛緩性の眼瞼下垂症例が増加している。手術は眼瞼挙筋の機能低下の程度により皮膚・眼輪筋の切除のみ、挙筋腱膜の前転などの方法を選択して行っている。希望によっては短期入院も可能である

★太田母斑、異所性蒙古斑などに対しQスイッチルビーレーザー、血管腫に対し色素レーザーによる治療を行っている。早期治療によりよい結果が得られるので、幼児に対しては全身麻酔下でのレーザー照射を行っている。シミに対してはQスイッチルビーレーザーおよび外用薬による治療を行っている

★まぶた周囲のたるみに対する手術や顔面皺取り(フェイスリフト)などの若返り手術も行っている。

医療設備

3DCT、MRI、Qスイッチルビーレーザー、色素レーザー(V beam)、超音波など。
  • セカンドオピニオン受入 〇
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 △

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 千葉・茨城」(ライフ企画 2012年11月)

産婦人科

分野

産婦人科

特色

68床という病床数を最大限に生かし、周辺地域との病診連携を大切にし、救急症例にもいつでも対応できるようにしている。周産期関連では地域周産期センターとして、周辺地域からの母体搬送はもとより、週2回の合併症妊娠外来にてハイリスク妊娠を管理している。婦人科悪性腫瘍では診断から治療まで一貫して行い、治療に関しては個々の患者にあった治療を行っている。また、緩和ケアも初期から積極的に導入している。さらに、産科・婦人科、良性・悪性を問わずセカンドオピニオンを積極的に取り入れ、十分に時間をかけ専門医が相談に乗っている。さらに、毎日1人は女性医師が外来に出るようにしており、患者さんのニーズにも配慮している。

症例数

11年の総手術件数は1,058件。そのうち緊急手術は産科、婦人科を合わせて234件(22.4%)であった

周産期=11年の分娩数は870件を扱った。そのうち双胎分娩24例、帝切数は287件(選択的167件、緊急120件)で帝切率は33.2%であった。母体搬送は67例受け入れている。主な搬送理由は早産徴候、前期破水、妊娠性高血圧症候群、常位胎盤早期剥離、胎児頻脈、前置胎盤などである。11年の1,000g未満の分娩数は25件あった。当院の周産期の特徴は合併症妊婦が多いことである。婦人科疾患では子宮筋腫合併や子宮筋腫核出術後、内科疾患では糖尿病、甲状腺疾患、膠原病等が代表される。また、産科合併症ももちろん多く、妊娠性高血圧症候群、前置胎盤や子宮内胎児発育不全などが代表される。このため週2回、ハイリスク妊娠外来を設け、これらの患者を厳重に管理している。総分娩数の約半数は何らかの合併症を持った妊婦である。前置胎盤には可能な限り自己血貯血法を行い、帝切時の出血に対応している

婦人科良性疾患=子宮筋腫、子宮内膜症、良性卵巣腫瘍の症例も多い。その治療に関しては、超音波検査・CT・MRI検査などを行い症状とあわせ、手術療法やホルモン療法を患者さんとよく相談し、選択している。手術療法においては、より侵襲の少ない内視鏡的手術(腹腔鏡下・子宮鏡下)を可能ならば選択している。08年の婦人科良性手術512件のうち内視鏡的手術は190件、37.1%となっている

婦人科悪性腫瘍=11年の新規婦人科癌患者症例(子宮頸癌0期は除く)101例。子宮頸癌は30例(I期14、II期7、III期5、IV期4)であった。治療法としてはIb期~IIb期までは、原則的に広汎性子宮全摘を行うが、症例によっては術前に化学療法(全身投与)を行い、腫瘍が縮小してから手術に移行している場合もある。III期には手術療法は行わず、放射線治療を行いながら同時に抗癌剤を投与するChemoradiation(化学放射線療法)を行って良好な成績を収めている。またこの方法はI、II期の術後追加療法にも行っている。なお、子宮頸癌0期に関しては、子宮を温存し円錐切除を積極的に行っている。子宮体癌は20例(I期15、II期3、III期1、IV期1)であった。初回治療は手術療法であり、原則としてリンパ節郭清は骨盤のみで、傍大動脈リンパ節郭清は行っていない。術後の補助化学療法はIc期以上に対して行っている。子宮体癌は比較的初期のものが多く予後は良好である。外来でも子宮内膜細胞診だけに頼らず、不正出血や超音波にて子宮内膜の肥厚が認められるものに対しては、積極的に内膜の生検を行っている。卵巣癌は26例(I期15、II期2、III期8、IV期1)であった。基本的にはI・II期では場合によっては傍大動脈リンパ節を含めた根治的手術、III・IV期においても可能な限り腫瘍減量手術を行っている。初回手術が困難な症例には、最初に化学療法を行い腫瘍を縮小したあとで行うNeoadjuvant Chemotherapyを行っている。化学療法はタキソールとカルボプラチンを用いたTJ療法を基本レジメンとしている。この10年間の5年生存率はI期91%、II期82%、III期31%、IV期12%であった。

医療設備

パワードプラ超音波、3D超音波、CT、MRI、リニアック。
  • セカンドオピニオン受入 〇
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 〇
  • 執刀医指名 〇

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 千葉・茨城」(ライフ企画 2012年11月)

小児科

分野

小児医療

特色

11年1月よりNICU 6床、GCU 12床の地域周産期センターがオープンした。一般小児は24床であり、感染症専門医の連携研修施設として11年3月に認定された。12年1月には小児外科が開設され、救急診療科とともに外因性小児救急疾患にも対応する“こども救急センター”が新たに立ち上がった。地域の中核病院として一般小児診療から専門診療に至るまで幅広く対応しており、近隣医師会、病院との連携を基に後方支援病院として、地域小児医療を担っている。<専門外来>

★循環器=心雑音・不整脈・心電図異常の診断、先天性心疾患・川崎病の冠動脈合併症などについて小児循環器専門医(大槻・織田)が診療

★神経=てんかん、精神運動発達障害など神経筋疾患を小児神経専門医(中澤)が担当している

★腎泌尿器=各種腎炎・ネフローゼ症候群・尿路感染症・夜尿症の診療を腎臓外来(原)で行っている

★アレルギー疾患=食物アレルギーに対する食物負荷試験および気管支喘息などに対する小児アレルギー専門医(松原)が専門的に診療している

★内分泌・代謝=低身長・肥満・脂肪肝・糖尿病などの診断・治療を専門医(大日方・庄野)が行っている。

症例数

診療実績=年間小児科外来患者数 約1,100人、年間時間外小児受診者数約5,000人(入院100人)、小児救急車受入台数約800台、年間小児科入院患者数約400人。 1日平均小児外来患者数 約100人、外来紹介率60%

学会認定施設=小児科専門医研修施設、(指導責任医:大日方)小児科専門医研修支援施設(大日方)、感染症専門医連携研修施設(大日方)

地域医療に対する貢献=“浦安小児医療懇話会”を隔月開催し、病診・病病連携を深めている。10年以来、20回を超えて開催している。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 ○
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 千葉・茨城」(ライフ企画 2012年11月)

眼科

分野

眼科

特色

眼疾患の中でも手術を要する三大疾患、即ち白内障、緑内障、網膜硝子体疾患に対して最良の治療を行っている。特に当科の主たる専門領域は網膜硝子体疾患であり、治療成績の向上に努めている。白内障、緑内障についても同様である。当科のもう一つの専門は小児眼科であり、斜視弱視をはじめとして小児の眼科医療も充実している。これらの分野において最先端の医療レベルを保ちつつ新しい治療法の開発のための研究も充実させ、最良の患者サービスを医師、視能訓練士、看護師、クラークともども心掛けている。

症例数

11年の年間手術件数は約2,000件で、網膜硝子体手術は640件、白内障手術は660件、その他であった

★網膜剥離はすべて緊急手術を行い、第一選択としてはバックリング手術を行っている。難治症例には硝子体手術で対応している。最終治癒率は99%である

★糖尿病網膜症は我が国の失明原因の上位である。軽症から重症まで最善の治療を行っている。初期の症例はレーザー治療で対応し、重症となることを予防している。難治の増殖糖尿病網膜症の硝子体手術成績も向上しており、治癒率は90%になっている。視力の中心である黄斑部に病変のある糖尿病黄斑症の治療には力を入れ、積極的にレーザー治療や硝子体手術を行っている。これまで本症に対して硝子体手術を行い、改善60%、維持30%という良好な成績をあげている

★加齢性黄斑症に対しては、症例に応じて光線力学療法、抗血管新生薬を行い良好な成績をあげている。また、様々な抗血管新生薬が開発され臨床治験にも参加し治療を行っている。世界で行われているすべての治療法を積極的に取り入れ、臨床および研究を行っている。黄斑円孔、黄斑前膜に対して早期に治療を心がけ良好な結果が収めている

★白内障は超音波乳化吸引術ですべての患者さんの満足が得られている

★緑内障は点眼治療を原則としているが、手術の必要な患者さんにはトラベクレクトミー、トラベクロトミーで対応している。手術成績は飛躍的に向上し、現在のところ全例で目的とする眼圧コントロールができているが、難症例もあり早期発見にも心掛けている

★小児眼科は弱視、内反症、眼瞼下垂、眼内腫瘍を主に治療している。小児科とも協力し未熟児網膜症の管理治療にも努力している。ぶどう膜炎については網膜硝子体手術を含め原因検索薬物治療等、力を入れている。眼外傷については網膜硝子体手術を専門の一つとしていることから、すべての穿孔性外傷や眼内異物にも対応している。夜間当直は毎日行っている。様々な手術を要する疾患へのインフォームド・コンセントを行い、最良の医療を心掛け、またセカンドオピニオンにもしっかり対応している。医療はサービス業との信念に基づき、受診されたすべての患者さんに満足して頂ける医療を行っている。

医療設備

最新最善の診断・治療を行うすべての機器が備わっている。
  • セカンドオピニオン受入 〇
  • 初診予約 〇
  • 主治医指名 〇
  • 執刀医指名 〇

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 千葉・茨城」(ライフ企画 2012年11月)

皮膚科

分野

皮膚科

特色

医局員一同で「説明と納得」の治療をモットーに診療にあたっている。外来・入院診療は皮膚科疾患の全般にわたるが、特に角化異常症(魚鱗癬、掌蹠角化症、乾癬)、水疱症(天疱瘡、類天疱瘡、先天性表皮水疱症)、色素異常症(白斑)などの難治性疾患の病態と治療が専門である。また、アトピー性皮膚炎、脱毛症、水虫、更にはニキビ、シミ、ソバカスといった美容皮膚科分野の治療にも力を入れており、エビデンス(科学的根拠)に基づく専門的な生活指導も行っている。

症例数

09年度年間外来新患者数=3,886人、年間入院患者数=約322人。年間手術件数=中央手術室63件、外来手術室471件。年間治療実績(新規患者数)=皮膚癌手術・化学療法48人、アトピー性皮膚炎557人、尋常性乾癬81人、脱毛症180人、自己免疫性水疱症8人など

★アトピー性皮膚炎に対しては病因検索、増悪因子の究明、痒み対策などきめ細かい生活指導を行い、重症難治例には3〜4週間の入院で光化学(PUVA、ナローバンドUVB)療法。または、免疫抑制剤の内服(シクロスポリン)や外用(タクロリムス)によるコントロールを行っている

★円形脱毛症は自己免疫性疾患であるという学説に基づいて、外用・内服療法、局所注射療法、冷凍療法、紫外線療法などを併用して加療している。なお、当院ではSADBEやDPCPなど局所免疫療法、ステロイド長期内服による治療法は取り扱いがない

★乾癬には活性型ビタミンD3、ステロイドなどの外用療法を中心に、ナローバンドUVB療法、エキシマライト、ビタミン A 誘導体(レチノイド)や免疫抑制剤(シクロスポリン)、生物製剤などを適宜併用して治療している

★帯状疱疹の重症例は原則的には入院で治療する。疼痛対策、特に帯状疱疹後神経痛の予防のため、神経ブロック、超短波照射、抗ウィルス剤の点滴を併用して行っている

★皮膚悪性腫瘍(悪性黒色腫、基底細胞癌、有棘細胞癌、べーチェット病、悪性リンパ腫など)は、社会の高齢化に伴って増加している。当院ではダーモスコピーによる診断や迅速生検術を積極的に行い、日本皮膚悪性腫瘍学会の規約に沿った治療を行っている。また、良性の皮膚腫瘍である脂漏性角化症(老人性イボ)や頚部に好発するアクロコルドンには凍結療法や焼却療法を行っている

★ざ瘡(ニキビ)に対しては、洗顔の仕方や食生活などの指導を行いながら、抗生物質の内服や外用療法を中心に治療を行っている。難治の場合にはケミカルピーリング(自費診療)も併用している

★水虫(足白癬・爪白癬)の治療は外用療法を中心に行い、難治な爪白癬には内服療法を併用して効果を上げている

★自己免疫性水疱症、特に重症難治性の天疱瘡には入院の上で血漿交換療法、大量ガンマグロブリン療法などの併用を積極的に行っている

★男性型脱毛症にはフィナステリド「プロペシア」の処方(自費診療)も行っている。

医療設備

ナローバンドUVB照射装置(全身用)、紫外線(UVA)照射装置(全身用、手足用、頭部・顔面用)、エキシマライト(局所用)、炭酸ガスレーザー照射装置、電気分解・イオントフォレーシス用器械、超短波照射装置、顕微鏡、ダーモスコーピー、外来手術室、ケミカルピーリング用装置一式(グリコール酸、サリチル酸マクロゴール)。
  • セカンドオピニオン受入 〇
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 千葉・茨城」(ライフ企画 2012年11月)

脳神経内科

分野

神経内科

特色

患者さん本位の実践的神経学をモットーとし、Quality of Life(QOL:生活の質)を尊重し、地域に密着した診療を行っている。すべての神経疾患の診療に積極的に取り組んでおり、脳卒中(脳梗塞、一過性脳虚血発作、脳出血)をはじめとした神経救急疾患、パーキンソン病や認知症などの神経変性疾患、神経感染症、神経免疫疾患、および頭痛、てんかんといったcommon disease(一般的な病気)の診療を行っている

★質の高い神経疾患診療にはチーム医療が重要であり、関連各診療科との連携のもと、脳梗塞超急性期に対する血栓溶解療法(rt-PA 静注療法)を実施している。脳梗塞の発症基盤である動脈硬化の評価に頸動脈エコー検査をルチンに行い、さらに原因不明の脳梗塞や若年性脳梗塞の原因検索に経食道心エコー検査を積極的に行っている

★また、パーキンソン病、認知症などの難治性の疾患に関しては、最新の医療情報を提供し、社会資源の活用や地域医療機関との病診連携を通じて患者や家族の支援にあたっている。また、国や地方公共団体・保健所の難病ネットワークや検診・在宅診療にも積極的に参加している

★脳神経筋疾患全般にわたって標準的な診療を心がけており、地域の医療機関との連携も密に取りながら診療を行っている。さらに12年4月より脳神経・脳卒中センターの一般外来を開設し、脳神経外科と密に連携を取りながら外来診療を実施する体制となっている。

症例数

11年度年間外来総患者数27,477人、初診患者数2,634人、再診患者数24,843人。平均外来患者数85~90人/日、2,500人/月であり、さらに救急の患者は別に救急外来にて対応している。平日は午前、午後各2~3診察室、土曜日午前は1診察室を開けて行っている

★通常の外来診療以外にも頚動脈超音波と経食道心エコー検査などの神経超音波検査、筋電図検査とボトックス治療を開設し、専門性の高い診療を行っている。入院診療は、神経学会認定医と研修医からなる3グループ(各々2~3人)を構成して直接の診療にあたっている。定床37床で、常時45~50人の兼科を含む入院患者を診療している。病棟の診療体制は3グループ制で、平均15人の患者を受け持っている。11年度年間入院患者総数722人。入院患者の疾患別の割合は、脳血管障害(脳梗塞、一過性脳虚血発作、脳出血)が約25~30%を占めており、その次にはパーキンソン病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症といった変性疾患が多い。当院では救急診療科が3次救急を取り扱っているため、てんかん発作・てんかん重積や重度意識障害の初診入院も多く、地域との連携による神経救急疾患としてギラン・バレー症候群、脳炎・髄膜炎、神経免疫疾患の重症例も数多く紹介されてくる

★脳卒中に関しては、救急診療科および脳神経外科と協力し積極的に超急性期からの診療に当たっている。年間入院数の約3分の2は緊急入院であり、頭部CTおよびMRI検査、神経超音波検査を迅速に行い、臨床病型診断に基づく治療を行っている。超急性期の血栓溶解療法を積極的実施しており、今後は脳神経外科の脳血管内治療チームと協力のもとで、積極的に急性期血管内機械的血栓除去術を実施する予定である

★パーキンソン病については、発病初期からの診断と薬物療法を行っており、頭部MRI検査とSPECTによる脳血流の評価や心筋シンチグラフィーを参考にして、正確なパーキンソン症候群の鑑別診断に努めている

★認知症に関しては、頭部MRI検査、およびSPECTによる脳血流評価を行い、アルツハイマー病、血管性認知症、およびパーキンソン症候群にともなう認知症の診断を行い、薬剤療法による治療を行っている

★ギラン・バレー症候群などの炎症性疾患や神経免疫疾患の重症例に対しては、呼吸管理から大量ガンマグロブリン療法および血漿交換療法を積極的に行っている。以上のように様々な神経疾患に関しての専門診療を行い、慢性期や進行期の神経疾患には、リハビリテーション科、医療連携室、および医療福祉相談室と協力し、家庭復帰や社会復帰または在宅療養への支援も進めている。

医療設備

CT、MRI、MRA、RI(脳血流シンチ、脳槽シンチ、MIBG心筋シンチなど)、頸動脈超音波診断装置(頚動脈エコー、経食道心エコー、経頭蓋ドプラ血流測定)、脳波、筋電図(磁気刺激装置を含む)。
  • セカンドオピニオン受入 〇
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 〇
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 千葉・茨城」(ライフ企画 2012年11月)

脳神経外科

分野

脳神経外科

特色

順天堂大学浦安病院脳神経外科では、脳と脊椎脊髄の病気を広域にわたり診療している

★診療内容は脳腫瘍(髄膜種、神経膠腫、脳血管腫、脳悪性リンバ腫、転移性脳腫瘍、頭蓋底腫瘍、下垂体腫瘍、小児脳腫瘍)、脊椎脊髄疾患(変形性頸椎症、頚椎椎間板ヘルニア、頚椎後縦靭帯骨化症、腰部脊柱管狭窄症、腰椎椎間板ヘルニア、脊髄腫瘍、脊髄血管奇形)、脳血管障害(脳動脈瘤、脳動静脈奇形、くも膜下出血、脳出血、モヤモヤ病)、水頭症、小児脳神経外科疾患(頭部外傷、水頭症、脳腫瘍、先天奇形、内視鏡手術を含む)、機能的脳神経外科疾患(三叉神経痛、顔面けいれん)、頭部外傷など多岐にわたっている

★新生児から高齢者まで対応し、安全で確実な外科治療を心がけている。脳の疾患のみならず、脊椎脊髄の病気も診療、手術もしている。関連科として脳神経内科、小児科、循環器内科、糖尿病・内分泌内科、耳鼻咽喉科、整形外科、メンタルクリニック、ペインクリニック科などと連携しながら診療をしている。12年より脳神経・脳卒中センターを開設した。

症例数

年間手術数は250〜300例。11年の年間手術例は271例

脳腫瘍=良性脳腫瘍から悪性脳腫瘍までナビゲーション誘導、電気整理学的モニターを併用し安全で確実な顕微鏡手術を行っている。頭蓋底腫瘍、小脳橋角部腫瘍、脳深部腫瘍、脳室内腫瘍、下垂体腫瘍、眼窩腫瘍、神経膠腫、転移性脳腫瘍など多くの種類の脳腫瘍を治療している。小児脳腫瘍にも積極的に取り組んでいる。悪性腫瘍に対しては、術後化学療法、放射線治療を行う

脳血管障害=脳動脈瘤、脳動静脈奇形(くも膜下出血)には顕微鏡手術と血管内治療を、脳出血にはナビゲーション誘導血腫吸引術を行っている。脳ドック等で発見された未破裂脳動脈瘤の治療は部位、大きさ、患者さんの希望を参考にして顕微鏡手術治療(クリッピング)と血管内治療(コイリング)のいずれかを適切に選択する。脳梗塞は脳神経内科で内科的治療を行うが、モヤモヤ病、脳動脈閉塞症の血行再建術(脳血管バイパス術、頸動脈内膜剥離術)、腫れる脳梗塞に対する減圧術は当科で行っている

脊椎脊髄疾患=手足がしびれる、指がうまく動かない、歩行が困難となる、首、背中、腰、足が痛くなる病気は脳の病気だけではなく、脊椎脊髄の病気(背骨の病気)が原因疾患のことがある。順天堂大学浦安病院脳神経外科では脳疾患のみならず、頸椎から腰椎まで「背骨の病気」にも積極的な治療を行っている。頸椎症(変形性頸椎症)、頸椎椎間板ヘルニア、頸椎後縦靭帯骨化症、腰部脊柱管狭窄症は高齢者に多い病気。適切な外科治療法を選択することにより良好な成績をあげている。脊髄腫瘍、脊髄空洞症、キアリ奇形の治療も顕微鏡手術を用い最新の治療を行っている

機能的脳神経外科疾患=三叉神経痛(顔面におこる激烈な痛み)、顔面けいれん(顔のぴくつき、引きつれ)、舌咽神経痛などの機能的疾患に対して、神経血管減圧手術を行うことによって良好な治療成績が得られている

水頭症・くも膜のう腫・小児奇形=小児・成人の非交通性水頭症、くも膜のう腫などののう胞性疾患(頭のなかに水のふくろができる病気)に対して、シャント術、神経内視鏡手術を行っている。認知症、歩行障害、失禁で発症する正常圧水頭症に対しては、いくつかの検査を組み合わせた上で手術適応(脳室-腹腔または腰椎—腹腔シャント術)を決定しており良好な治療成績を収めている

頭部外傷=交通外傷、転落、転倒による頭部外傷を扱っている。緊急手術が必要な場合、多発外傷はすみやかに対処している。重症頭部外傷、多発外傷は救急診療科およびその他の科と連携して診療している。

医療設備

CT 2台、MRI 2台、SPECT(脳血流シンチ)、DSA(脳血管造影装置)、神経超音波装置、手術ナビゲーション装置、超音波メス、神経内視鏡、神経モニタリング装置、放射線治療装置。
  • セカンドオピニオン受入 〇
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 〇
  • 執刀医指名 〇

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 千葉・茨城」(ライフ企画 2012年11月)

外科

分野

乳腺・内分泌外科

特色

順天堂大学医学部の6つの付属病院の一つとして、常に最新の質の高い医療を提供するため各領域の指導医、専門医を中心に日常診療に当たっている

★乳腺疾患についても同様で、個々の患者様の病状、病期に見合った根治性を追求し、術後のQOL(生活の質)の向上を重視した質の高い治療を目指し、オーダーメイドの治療を心掛けている。術後の経過観察も乳腺専門医が定期的に行い、必要な場合には関連各科と連携し、きめ細かな診療が可能な体制を整えている

★治療は、医師だけでなく、看護師、薬剤師、臨床心理士、超音波技師らとともに行うことで、チーム医療の実践を目指し、安心して入院、外来通院、がん治療センターでの通院治療が可能な体制を整えている。乳腺関係では日本乳癌学会評議員1人、日本乳癌学会専門医2人、日本乳癌学会認定医2人、日本乳腺検診学会検診マンモグラフィ読影認定医3人が在籍している。放射線科には、日本放射線腫瘍学会認定医が在籍しており、適切な乳癌の放射線治療を行っている。

症例数

84年の開業以来、25年間で1,400例の乳癌手術を経験した。11年の入院手術総数は約1,000件、そのうち乳癌は151件であった。乳癌10年生存率はI期93%、II期85%、III期60%、IV期15%

★95年から乳管内視鏡を導入し、これまでに250例以上の内視鏡検査を行っており、乳頭分泌異常や乳頭直下の腫瘍診断に効果をあげている。診断ばかりでなく内視鏡からメスを挿入し、乳管内の腫瘍を切除することも可能。05年度から経皮吸引式乳房生検システム(マンモトーム)を導入。マンモグラフィにより、良悪の判定に迷うような微少石灰化を認めた場合、これまでその部位を切除して病理検索を行っていたが、この手技のみで十分量の組織標本を得ることができ、切除術に比較して侵襲は軽度であり、患者様にメリットが大きいと考えている

★乳癌手術に伴う腋窩リンパ節の郭清による合併症(患肢のリンパ浮腫や末梢神経障害)を防ぐため、04年春から放射線アイソトープと色素を用いたセンチネルリンパ節の同定を術中に行い、転移の有無を確認することで、不必要な腋窩リンパ節郭清を回避している。11年は、131例(同時期の乳癌手術数151例)で本手技を実施し、ほぼ全例でセンチネルリンパ節の同定ができ、そのうち105例で転移がなく、腋窩リンパ節の郭清を省略することができた。省略した症例では術後の回復が早く、合併症もなく、患者様にとってメリットが大きい。この手技は腫瘤径3cm以下、腋窩リンパ節が触知されず、患者様の同意が得られた症例で実施している

★当科では乳房温存療法を積極的に導入しており、約60~70%の患者に実施。当院の乳房温存手術の適応は日本乳癌学会のガイドラインに基づき、大きさが3cm以下であること、病巣が広範囲に広がっていないこと、多発病巣でないこと、放射線照射が可能であること、患者様が希望されていることであるが、超音波診断における乳頭・腫瘍間距離、ヘリカルCT診断での乳頭・腫瘍間距離、乳管内進展の有無、腋窩リンパ節の状態、穿刺吸引細胞診により得られた組織型などを参考として、最終的には、患者様の希望を優先し、術式を決定している。しこりが3cm以上であっても温存の希望が強い患者様には、術前に化学療法を実施して温存を図ることも行っている。この場合、通常は手術まで6カ月の期間が必要となる。温存手術例については原則として残存乳腺への放射線照射を行っている。術後補助療法は原則として国際的ガイドライン(St.Gallen)やNCCNを基準として、化学療法の適応があるかどうかを判断し、患者様に提案し、納得して頂いた上で実施している。

医療設備

ヘリカルCT、MRI、マンモグラフィ、乳管内視鏡、マンモトーム、アイソトープナビゲーターシステム、マルチディテクターガンマカメラ、シンチグラム、リニアックなど。
  • セカンドオピニオン受入 〇
  • 初診予約 /
  • 主治医指名 /
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 千葉・茨城」(ライフ企画 2012年11月)

放射線科

分野

放射線科

特色

大学病院と市中病院の両方の正確をもった施設の中で、救急医療から日常診療、そして癌診療までを網羅し、臨床科の多岐にわたるニーズに応える放射線科である。すなわち放射線画像診断・核医学・放射線治療の3部門からなり、放射線医学の全領域にわたって担当している。大学病院としての高度先進性と地域病院としての緊密な病診・病病連携を目指しており、熟練した診療放射線技師とともに、診断、核医学、治療の各部門担当の専門医が診察を行っている。

症例数

診断部門=一般X線撮影、消化管造影検査、尿路造影検査、CT検査、MRI検査、超音波検査、血管造影検査のほか、各科より依頼のある特殊造影検査にも対応し診断レポートを作成している。その他、画像診断技術を用いて行うIVR(インターベンショナル・ラジオロジー)にも積極的に取り組んでいる。悪性腫瘍に対する動脈塞栓術や動注療法、血管性病変に対するPTA(経皮的血管形成術)や血栓溶解など、カテーテルを用いた非侵襲的な治療法も積極的に行っている

核医学部門=通常の各種シンチグラフィーのほか、脳・腫瘍・心臓を中心にSPECT(単一光子放射断層撮影)を用いて心臓や脳の虚血状態やその範囲、悪性腫瘍の進展範囲や再発・転移の有無を高精度に診断している

放射線治療部門=リニアック(直線加速器)と最新の治療計画装置を用いた、より高精度な外照射を行っている。患者様への負担を少なく、機能・形態の温存を図り、関連する臨床各科と協力・連携して集学的治療を行っている。また、最近は核医学部門との連携により、放射性同位元素(ストロンチウム-89)を用いた多発性骨転移の疼痛緩和治療法も導入している。ゼバリンによる難治性の悪性リンパ腫の治療についても導入の準備をしている。
  • セカンドオピニオン受入 /
  • 初診予約 /
  • 主治医指名 /
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 千葉・茨城」(ライフ企画 2012年11月)

がん治療センター

分野

癌化学療法

特色

順天堂大学医学部附属浦安病院は08年3月厚労省、千葉県より地域がん診療連携拠点病院として認可され、同年5月に開業した。化学療法室職員は専任医師1人、がん治療専門看護師1人を含め専従看護師6人、がん専門薬剤師1人を含む専従薬剤師2人である。

症例数

11年度に外来がん化学療法室で行った外来化学療法の件数は4,594件(月平均382件)、病棟で行った入院化学療法実施件数は2,287件(月平均190件)である

レジメン審査委員会=08年5月のがん治療センター発足と同時に開設され、レジメン審査を行っている。審査委員会は、日本腫瘍学会認定がん薬物療法専門医の資格を持つ医師が委員長となり、各癌腫に造詣のある医師が9人、院長より任命され、薬剤科科長を加え、月1回、開催されている。08年5月の開始時、レジメン総数は80であったが、12年3月現在登録レジメン数は外来・入院共通レジメン294件、外来登録レジメン215件、入院レジメン187件に増加した。癌薬物療法の進歩、新薬の登場により、レジメン数の増加は避けられないが、レジメン委員会で古くなったものは、廃棄する方針で、調整が行われている

薬剤師による化学療法の監査と調剤=抗癌剤の調製は、外来、入院を問わず、外来化学療法室に付属している調剤室で、薬剤師が行っている。薬剤師は、前日までに内容を監査し、疑義があれば直ちに受け持ち医に連絡、協議されることにより、過剰投与などを避けることができている。調剤室には、屋外へ通じる排気筒を備えた、安全キャビネットが3台装備されている

外来化学療法室=外来化学療法室には、3床のベッドとリクライニングシート11床があり、外来化学療法室には常勤医師1人、看護師5人、がん薬物療法認定薬剤師1人が常駐している。化学療法実施の決定、静脈路確保など化学療法の実施については、各診療科が責任を持って行っている。リウマチ様関節炎に対する薬物療法も、外来化学療法室で行われている。外来化学療法では、安全が最優先される。安全に実施するため、患者へのWrist Bandの装着、PDAによる患者・薬液照合システムなど、幾つものSystemが準備されている。11年度実施総件数4,594件。発足当時の1カ月70件に比べて、月平均380件と大幅に増加しつつある。内訳は消化器外科1,229件(26.7%)、乳腺外科802件(17.46%)、血液内科693件(15%)、消化器内科569件(12.4%)、呼吸器内科515件(11.2%)、婦人科192件(4.2%)、泌尿器科33件(0.72%)、呼吸器外科22件(0.48%)であった

入院化学療法=12年度実施件数は2,287件(月平均190件)で、呼吸器内科、消化器内科、血液内科、膠原病内科、消化器外科、乳腺外科、婦人科、泌尿器科の入院患者を対象に入院化学療法が行われた。11年6月より血液内科では自家移植医療が開始され、12年5月までの1年間、25症例で実施された。

医療設備

がん治療センター癌化学療法室には14床(ベッド3床、リクライニングシート11床)、調整室には安全キャビネット3台設置、放射線科には全身放射線照射装置(リニアック)、病棟には無菌室1床、準無菌室1床、末梢血幹細胞採取装置・保存システムがある。
  • セカンドオピニオン受入 〇
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 ×
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 千葉・茨城」(ライフ企画 2012年11月)

麻酔科

分野

ペインクリニック

特色

麻酔科(ペインクリニック)外来は有痛性疾患のみでなく、末梢神経疾患や末梢循環障害の患者さんの診断と治療にあたっている。他院や他科からの紹介も多いが、初診時に詳細な問診と理学的所見をとり、必要な血液検査、X線検査、CT、MRI等の検査をした上で総合的な評価を行い、QOL(生活の質)の向上を目指して治療を行っている。また、総合病院としての利点を生かして、積極的に他科と連携した治療を行っている。

症例数

84年5月に開設、現在は1日平均60人が来院し、治療を受けている

★最も多い疾患は帯状疱疹痛および帯状疱疹後神経痛である。皮膚症状の強い帯状疱疹では疼痛が激しいことが多く完治はなかなか難しいが、それ以外では治療が早期から行われれば、ほぼ完治していて神経痛に移行していない。そのため、当院の皮膚科を受診された患者さんに当科での疼痛治療を勧めてもらい、より早期からの治療を行っている

★帯状疱疹痛に並んで多い疾患は腰痛症(変形性脊椎症、腰部脊柱管狭窄症、腰椎椎間板ヘルニア、腰椎すべり症、腰部筋筋膜症等)である。急性腰痛症は神経ブロックや内服療法によりほとんどが完治する。一方、経過の長い慢性腰痛症での完治は難しいことが多いものの、疼痛を軽減させることにより患者さんのQOLを向上させることができている

★次に多い突発性難聴と顔面神経麻痺に対しては積極的にブロック治療を行っているが、耳鼻咽喉科や脳神経内科との連携した治療により、突発性難聴は約70%が、顔面神経麻痺では約80%がほぼ完治している。三叉神経痛、顔面けいれん、顔面神経麻痺後遺症には神経ブロック以外に点滴療法も併せて行い、好結果を得ている

★他に外傷性頸部症候群(むち打ち症)、頸椎変形症、頸椎椎間板ヘルニア、頸肩腕症候群等の治療も行っている。これらでも疼痛が軽減し、QOLの向上が見られている

★いわゆる神経因性疼痛(反射性交感神経萎縮症、カウザルギー)、外傷や手術後に当該部が治癒機転が過ぎた後にも腫れたり痛んだりして、その後痛みが拡大し頑固な疼痛となり、QOLを大いに妨げるようになる疾患の治療はなかなか難しいが、発症早期(3カ月~6カ月以内)では治癒するものも多い。したがってこれらの疼痛や疾患が疑われた場合は、できるだけ早期にペインクリニックを受診することを心掛けたい。6カ月を過ぎると治癒率は極端に悪くなる

★非定型顔面痛、自律神経失調症、多汗症など精神的な要素に強く影響される疾患にも神経ブロックや薬物療法などによる両面的な治療に取り組んでいる。治療には神経ブロック療法を中心に点滴療法、レーザー照射などの処置も行っている

★神経ブロック療法で最も多いのは星状神経節ブロック、腰部硬膜外ブロック、仙骨部硬膜外ブロック、トリガーポイント注射等である。このような処置では、患者さん一人ひとりに合わせた治療をしていくために、通常はブロック注射を行う疾患でも小児、若年者では痛くないレーザー照射によるブロックをしたり、老人では局麻薬の量を減じたりしている。また、凝固機能に異常がありブロック注射が困難な場合や、注射による治療に強い抵抗感を感じている患者さんの場合には、レーザーを用いたブロック照射も積極的に行っている。従ってブロック治療による合併症は少なく、患者さんの要望に合った安全な除痛が達成できている

★鎮痛薬だけではなく、抗うつ薬や抗不安薬などの鎮痛補助薬、漢方薬を用いた薬物療法も行っており、精神的援助も同時に行うことにより慢性疼痛の治療にあたっている。必要があればメンタルクリニックと共同して治療にあたることも多い。

医療設備

外来処置ベッド8台、スーパーライザー3台。診断にはMRI、MRA、CT、3DCT、誘発電位記録装置(神経筋の活動を記録し神経の傷害程度を診断)、脈波測定装置(四肢で血圧を測定し、動脈の閉塞状況や動脈硬化の度合いを測定)などを用い、診断と治療にあたっている。入院ベッドは5床で、腰痛症や帯状疱疹痛、末梢循環障害の患者さんの集中的な治療に用いている。
  • セカンドオピニオン受入 〇
  • 初診予約 〇
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 千葉・茨城」(ライフ企画 2012年11月)

救命救急センター(救急診療科)

分野

救急医療

特色

07年に大幅なスタッフの増員を行い体制を一新した。現在の診療体制は千葉県東葛南部地域の3次救急医療施設また災害拠点病院として、最重症患者に対して各専門医療チームによる高度な急性期医療と大学病院の最先端医学情報に基づいた集中治療を提供している。また各科とのチーム医療を強く推し進めER診療を展開している

★12年4月には「こども救急センター」を併設し、重篤小児の地域の砦として小児救急患者を常時受け入れる方針をとっている。救急医療は“医”の原点であり、かつ、すべての国民が生命保持の最終的な拠り所としている根源的医療と位置付けられている。人々が「いつでも、どこでも、だれでも」適切な救急医療を受けられることは当然の権利であり、救急医療は一種の危機管理システムとして、「健康で文化的な」生活に欠かすことができない社会基盤となるべきである

★また一方で救急医療は生命への挑戦であり、生命が危機的状況に曝されたとき、我々は科学的根拠に基づいて救命の可能性を探ることに全力を注いでいる。救急診療科は地域の「救急医療の最後の砦」として、ERから集中治療まで幅広い分野における救急医療を展開している

★また「チーム医療の要」として、各専門診療科、様々な職種の人たちと連携をとり、密接なチーム医療を展開している。我々は「救急を科学する」を目標に、今まで救命が不可能であった患者さんの病態を科学的に解明し、日々新たなる診断・治療法の確立を目指している。

症例数

★救命救急センターでは、様々な原因・病態による臓器不全やショック、多発外傷、広範囲熱傷、中毒、敗血症、特殊感染症(壊死性筋膜炎、ガス壊疽、破傷風など)、心肺停止、意識障害、代謝疾患、心不全や呼吸不全といった慢性病態の急性増悪、心血管障害、脳血管障害など、心肺危機に瀕した重篤な病態の症例を扱っている

★千葉県東葛南部医療圏160万人口をカバーする当救命センターでは、浦安、市川市内を中心に、隣接する船橋市、千葉市、また東京都内からも救急患者を受け入れている。11年度は19,544件の救急患者が当院救急外来に受診しており、うち5,146件が救急車搬入症例であった

★年間の重篤患者数は1,389例で、内訳は病院外心停止178例、急性冠症候群147例、大動脈疾患11例、脳血管障害249例、多発外傷162例、広範囲熱傷14例、重症急性中毒57例、消化管出血42例、敗血症・敗血症性ショック29例、重症体温異常7例、特殊感染症16例、呼吸不全74例、急性心不全120例、出血性ショック14例、高度意識障害28例、急性肝不全10例、急性腎不全17例、その他の重症病態214例である

★救急診療科が担当する患者は内因性疾患が51%、外傷40%、以下CPA4%、中毒3%などであった。救急外来を受診・搬入された患者の転帰は83%が帰宅、16%(外来死亡例を含む)が入院した。救急診療科で入院となった患者数は1,034人で、569人(55%)が救命センターへ、465人(45%)が一般病棟に入院した

★治療成績は全入院患者の死亡率が6.4%、CPAを除く死亡率は2.2%、重篤患者の死亡率は18.7%であった。年間を通じて救急診療科で行った全麻下手術件数は57件で、外傷が22例、急性疾病が18例、熱傷7例、その他が10例であった。

医療設備

専用の初療室(7床)、集中治療室(15床)。熱傷用空気流動ベッド、人工呼吸器、血液透析装置、持続的血液浄化法装置、超音波診断装置、各種ビデオファイバースコープ、オンライン化されたベッドサイドモニター、経皮的人工心肺補助循環装置、全身血管撮影装置、マルチスライスCT、MRIなど。
  • セカンドオピニオン受入 /
  • 初診予約 /
  • 主治医指名 /
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

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