専門医より推薦を受けた診療科目・診療領域

近畿大学奈良病院は、複数の有名専門医(※)の間で「自分や家族がかかりたい」と推薦されています。
このページでは、専門医より推薦を受けた分野(科目、領域)の特色や症例数、所属している医師について取材・調査回答書より記載しています。 ※推薦、選定して頂いた有名専門医の一覧表

消化器・内分泌内科

分野

消化器・一般内科

特色

99年に近畿大学医学部の附属病院として奈良県生駒市に新規に開院した新しい病院である。緑豊かな自然に恵まれた生駒市の丘陵にあり、外来や病室もゆとりが感じられるように設計されている。当科では消化器疾患だけでなく糖尿、内分泌疾患も担当している。大学病院として高度な先進医療を行うとともに、地域の第一線病院として地域医療にも大きな役割を果たしている。外科、放射線科とも定期的なカンファレンスを行い、緊密な連携のもとで集学的治療を行っている。近隣の開業医や病院からの紹介が多く、退院後は再び紹介元に戻る場合が多い。消化器疾患の先進医療が可能な施設として、いわば地域の「消化器病センター」としての役割を担っている。また、専門研修の教育体制が充実していることも特長で、当院は、消化器病学会、消化器内視鏡学会、超音波医学会の指導施設に認定されている。

症例数

08年度の年間外来患者数約29,000人、入院患者数約12,000人である。外来は原則として、予約診2診、予約外1診、糖尿・内分泌1診の4診体制である。病床数は30床であるが、緊急入院や入院待ちの患者が多く、しばしばこれを上回る患者数となっている

★消化器内科カンファレンスを1回/週、科長回診を1回/週、内科、外科、放射線科合同カンファレンスを1回/月、行っている

★内視鏡検査件数は、上部約3,500件、下部約1,200件、胆膵約200件である。緊急内視鏡が必要であれば、迅速に対応できる体制を整えている。上部、下部消化管出血例に対する止血術は原則として即日施行可能である。食道、胃の早期癌に対する内視鏡的粘膜切除術も積極的に実施しており、特に最新治療であるESD(粘膜下層剥離術)の経験も豊富である。分化型の胃癌で粘膜内の癌であれば大きさに関わらず内視鏡での治療が可能である。大腸ポリープの内視鏡的切除は2泊3日の入院で行っており、症例も多い(年間約200例)。近隣に胆膵系の内視鏡治療に対応できる病院が少ないためか、胆膵系疾患(胆道結石、胆管炎、胆管癌、膵炎、膵癌)の紹介が多い。閉塞性黄疸例は入院後ただちにドレナージ術を実施している。その後の結石排石術、ステント留置などの治療数も多い。また悪性疾患については、細胞診、組織診により確定診断をつけてから、外科手術を依頼している。消化管、胆膵疾患に対して必要があれば、超音波内視鏡による精密検査も行っている

★消化管、胆膵系の進行癌に対する抗癌剤治療も最新の薬剤および投与スケジュールを導入して、積極的な治療を行っている

★肝疾患についても、近隣の医療機関から多数の紹介を受けている。C型慢性肝炎に対する最新治療であるペグインターフェロン治療は、多数の治療経験を持つ。通常初期の2週間は入院のうえ治療を行うことが多いが、当院では患者の利便性を考えて入院治療とはせず、原則として最初から通院治療としている。ペグインターフェロンは従来のインターフェロンと比べて副作用も大幅に軽減されているので、現在まで特に問題は生じていない。ペグインターフェロン治療の対象とはならない症例に対しても種々の治療法を駆使し、病態の進行抑制に努めている。肝癌の早期発見、早期治療にも力を注いでいる。2cm以下で単発の早期肝癌に対しては、短期入院でのラジオ波治療により良好な成績をあげている(09年54例)。3cm以下、3個以下まではラジオ波治療の適応としている。手術適応があれば精密検査ののちに外科へ依頼している。進行肝癌に対しては、カテーテルによる肝動脈塞栓治療およびリザーバー動注治療を積極的に行っている(09年120例)。特に肝動脈塞栓術は、通常の鼠径部からでなく手首の撓骨動脈から実施していることで、術後の安静が不要となり好評を博している。

医療設備

CT(MDCT)、MRI、エコー、内視鏡(上部、下部、ERCP)、超音波内視鏡、血管造影装置、ラジオ波治療装置。

「医者がすすめる専門病院 大阪・奈良」(ライフ企画 2011年5月)

消化器外科

分野

消化器・一般外科

特色

当院は1999年に開院し、奈良県北部の基幹病院の一つとして機能しており、2008年2月から地域がん診療連携拠点病院の指定を受けている。当院における外科の役割は①消化器・内分泌系を中心としたがんセンター、②3次救急を含む救急センターのふたつに大別出来る。癌の治療は手術療法のみでなく、化学療法や、放射線療法などと組み合わせた集学的治療が重要であるが、当院では消化器内科、腫瘍内科、放射線科などとの連携が非常にスムーズに行われており、専門性を重視しつつ、各患者に最も適したテイラーメイド的な治療を提供することが可能である。化学療法は外来通院治療センターを設置し、専門の医師、薬剤師、看護師で構成したスタッフにより実施している。これにより、入院治療期間を可及的に短縮し、治療中の患者の社会活動を出来るだけ妨げないようつとめている。一方、救急も積極的に対応しており、救命救急の医師と連携して24時間いつでも胸部、腹部外傷や急性腹症に対する手術が可能な体制をとっている。術前、術後の管理には疾患別にクリニカルパスを導入し、リスクマネージメントの充実をはかり、加えて入院期間の短縮を目指している。手術は積極的に内視鏡手術を取り入れるよう努力している。外科に関連する認定施設の資格は日本外科学会、日本消化器外科学会、日本乳癌学会と日本胸部外科学会である。

症例数

消化器外科は病床数43床で運用しており、年間入院患者総数は約900名、平均在院日数は14日台で、年間手術件数は約650件である。癌の手術は約300例と全手術症例の50%程度である。進行程度は、大腸癌症例の約10%に初診時にすでに肝転移があるなど、各臓器ともに進行癌が多い傾向にある。治療方針は各臓器別にガイドラインに準拠する方針で、治療成績は進行度別に比較すると全国平均と同程度である

★食道癌は年間25例程度で、そのうち約10例が根治術不能で化学放射線治療の対象となり、手術例は15例前後である。化学放射線治療後のサーベイランス手術も積極的に行っている。手術術式は、頸部食道癌は頸部食道切除、血管吻合による遊離空腸間置術、胸部・腹部食道癌は胸腹部切除、2領域郭清術である。開胸操作は小切開、内視鏡補助下手術を行い侵襲の軽減を図っている。術後2〜3日はICU管理である

★胃癌のうち粘膜癌の内視鏡的切除術(EMR/ESD)はガイドラインに沿って適応を決定している。年間手術症例は約80例で、術式は2群郭清の定型手術を基本とし、幽門温存手術など縮小手術も積極的に取り入れている。進行度IIIbやVIを疑う症例は腹腔鏡下に検索し根治不能例は化学療法先行としている

★大腸癌の年間切除例120例のうち結腸癌が約80例で、直腸癌が約40例である。侵襲の軽減を図り、内視鏡下手術もとり入れ、さらに右半結腸切除術も小切開内視鏡補助下に2群郭清手術を工夫している

★肝臓癌の年間切除例は約15例で、約50%が大腸癌の転移例である。大腸癌の肝転移に対しては、切除術の他、化学療法、ラジオ波焼灼肝動脈塞栓術などを行っている

★胆嚢癌・胆管癌は約10例である

★乳頭部癌、膵癌は約10例で膵頭十二指腸切除例は60%程度である

★乳癌の年間切除例は増加傾向にあり約60例で、約80%の症例に対し乳房温存手術を施行している。また、術前・術後の化学療法、ホルモン療法や放射線治療を加えた集学的治療も積極的に行っている

★胆石症やそけいヘルニアなどの良性疾患の予定手術は約180例前後である。消化管穿孔や壊死による急性腹症や交通事故などによる外傷性胸部・腹部損傷など、重症例の緊急手術が約80例と全手術症例の12%あり、一般の消化器外科に比べ多くなっているのが当科の特徴の一つである。

医療設備

MRI、CT、DSA、RI検査装置、超音波装置、電子内視鏡・超音波内視鏡装置、放射線治療装置、ラジオ波焼灼装置、内視鏡下手術装置、ヤグレーザー・アルゴンレーザー装置、ハーモニック・スカルペルなど。

「医者がすすめる専門病院 大阪・奈良」(ライフ企画 2011年5月)

呼吸器・アレルギー内科

分野

呼吸器内科

特色

生駒市を中心とした奈良県の基幹病院としての役割を担う。2010年度から呼吸器外科医師増員により間質性肺炎の診断や肺癌診療が充実した。

症例数

年間入院患者数は約370人、1日外来受診患者数約40人、気管支鏡検査施行数年間約150例。主な呼吸器疾患は、呼吸器感染症、気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、睡眠時無呼吸症候群、肺癌(診断)、間質性肺炎である。①呼吸器感染症に対しては、喀痰等の検査から、推定病原菌に選択的抗菌薬を用いる。②気管支喘息・COPDに対してはガイドラインに沿った治療を行う。③睡眠時無呼吸に対しては、PSGという検査(脳波を含む)により正確に診断し、CPAP、歯科口腔外科的治療などで適切に対応する。④肺癌に対しては、当院腫瘍内科と呼吸器外科と連携し治療を進めていく。⑤間質性肺炎に対しては、気管支鏡検査や肺生検等により適切な診断と治療を行う

外来診療=月~土。初診受付:平日は午前8時30分~11時30分、土は午前8時30分~11時。

医療設備

ヘリカルCT、高分解能CT、MRI、RI、リニアック、気道過敏性試験、精密肺機能検査、気管支鏡、PSGなど。

「医者がすすめる専門病院 大阪・奈良」(ライフ企画 2011年5月)

循環器内科

分野

循環器科

特色

心臓血管外科と協力して24時間体制で循環器疾患に対応している。他病院や開業医との密接な診療連携(毎月の診療報酬上紹介率70~80%台)。検査、治療にクリニカルパスを導入。検査、治療内容に関して文書にて懇切丁寧かつ詳細に説明している。MDCTやMRIによる非侵襲的冠動脈、心機能評価を施行。画像データ等を患者へ提供している。

症例数

年間入院患者数は延べ700~800人で、そのうちCCUは130~160人(対象疾患は急性心筋梗塞、不安定狭心症、急性心不全、大動脈解離、肺塞栓症、重症不整脈等)。平均在院日数は11.9日。年間検査件数は心臓カテーテル検査550~600件、心臓超音波検査3,300~3,800件、運動負荷心電図1,100~1,300件、ホルター心電図750~950件、心臓核医学検査550~650件など。治療では、緊急例も含めた心臓冠動脈のカテーテル治療―血管形成術のみ25~50件、ステント留置90~160件で両者合わせて成功率は慢性閉塞病変を含め96%、重篤な合併症は亜急性冠動脈閉塞を含め1%。末梢動脈のカテーテル治療20~25件(成功率89%)、ペースメーカー植え込み30~40件、不整脈に対する経皮的カテーテル心筋焼灼治療10~20件(合併症なし)、下大静脈フィルター留置術5件以上(合併症なし)、2008年から植込型除細動器(ICD)移植術、2009年から両心室ペースメーカー移植術(CRT)を開始し、症例数を増やしている

虚血性心疾患=合併する危険因子(喫煙、高血圧、糖尿病、脂質異常症など)の管理とともに薬物治療が基本。冠動脈に高度な狭窄があれば、カテーテルによる治療(冠動脈形成術、ステント留置)を行う。できるだけ血管内超音波を使用して、冠動脈内の病変の様子を見ながら、安全に治療を進めている。薬剤溶出性ステントが導入され、再狭窄率は通常のステントの22%から5%へ減少した。カテーテル治療が困難、あるいは危険性が高い場合(狭窄が多枝にわたる、長い慢性完全閉塞、左主幹部病変など)は、院内の心臓外科へ紹介する

急性冠症候群=急性心筋梗塞に対しては、入院後迅速にカテーテル治療により、閉塞している冠動脈を再開通させる治療を行う。重症者には、大動脈内バルーンパンピングを使用し、ショックなど超重症例には経皮的人工心肺補助装置を用いる。急性期の管理は、救命救急センター内のCCUで行う。リハビリテーションはクリニカルパスに沿って行う。開院後10年間の累積496例の急性心筋梗塞で、死亡は37例(7.7%)。不安定狭心症に対しては、薬物治療を行うが、カテーテル治療を追加施行することが多い

心不全=薬物治療が基本。急性心不全ではCCUで血行動態を管理し、薬物を点滴で投与。重症例では人工呼吸、循環補助、血液濾過・血液透析を併用。慢性心不全では学会のガイドラインに沿った薬物治療を行う。左室収縮に部分的にタイミングのずれがある場合、両心室ペースメーカー移植術を検討する。手術適応のある弁膜症や左室瘤では、心臓外科へ紹介する

不整脈=薬物治療が第一選択。治療抵抗性の頻脈性不整脈に対して経皮的カテーテル心筋焼灼治療や植込型除細動器移植術を行う。心房細動では、心拍数コントロールとワーファリンによる抗凝固療法を行うことが多いが、難治例では経皮的カテーテル心筋焼灼術を開始した。失神を伴う徐脈に対してはペースメーカーを植え込む

大動脈解離=上行大動脈解離は直ちに心臓外科へ紹介し、手術施行。下行大動脈解離では厳格な血圧管理(内科的治療)

肺塞栓=急性肺塞栓では、CCUで血行動態監視下にヘパリン(血栓予防薬)や血栓溶解薬(t-PAやウロキナーゼ)を投与。必要に応じて、下大静脈に血栓を捕まえる下大静脈フィルターを留置。血栓の原因病変の検索、治療とともに血栓予防のためワーファリンによる抗凝固療法を行う

外来診療=月~土(土は初診のみ)。再診は予約制。受付時間午前8時30分~11時30分(土は11時まで)。緊急患者には24時間対応。初診の方にも予約を推奨。院内処方をしているため、ジェネリック薬希望の方には院外処方箋を使用して対応することになる。

医療設備

CCU4床、心・血管造影装置、電気生理学検査用ポリグラフ、体表および経食道心臓超音波装置、トレッドミル運動負荷、ホルター心電図、脈波計測装置、心臓核医学検査装置、大動脈内バルーンパンピング、経皮的人工心肺補助装置、X線CT(冠動脈CTを含む)、MRIなど。

「医者がすすめる専門病院 大阪・奈良」(ライフ企画 2011年5月)

心臓血管外科

分野

心臓血管外科

特色

本院は99年10月、近畿大学医学部の付属病院として開院し「何事もスピーディで、人に優しい、心のこもった医療」を病院の目標としている。心臓血管外科は、冠動脈疾患、心臓弁膜症、大血管疾患、末梢血管、不整脈疾患ならびに先天性心疾患など心臓血管外科領域のあらゆる疾患、あらゆる年齢層を対象としている。なかでも緊急手術への対応は優れた緊急搬送システムを有している。他院から緊急手術の要請があれば24時間いつでも直ちにモービルCCU(循環器疾患対応の特殊仕様救急車)が心臓血管外科医と共に出動して患者の搬送を行うため、搬送開始時点から患者の病態把握が開始され、得られた情報を刻々と病院の待機医師に伝えられることにより、緊急手術への迅速な対応が可能となっている。また、手術後は紹介病院へ短期間でモービルCCUを使用して転院してもらう方針をとっていることから、遠方の患者さんも気兼ねなく手術を受けてもらうことが可能である。院外からの紹介率は80%以上である。

症例数

開院以来症例数が増加し、心臓胸部大動脈症例手術数が02年には年間300例を超え、現在まで通算3,300例である。週5日の予定手術に加えて、常時緊急手術に対応しており、08年の心臓および胸部大動脈の手術数は386例である

★冠動脈疾患に対する冠状動脈バイパス手術症例は200例。基本方針は、完全血行再建を目指して動脈グラフトを多用した手術を行うことにある。平均バイパス枝数は3.9枝。開存率は98%、死亡率1%であった。この中には、虚血性心筋症での心筋拡張に対する左心室縮小手術を同時に行った症例や、胸部大血管手術に合併施行した症例も含まれる。心臓の手術に必要である人工心肺を使用することが困難な重症の患者さんに対して、人工心肺を用いずに行う低侵襲冠状動脈バイパス手術(OPCAB)にも積極的に取り組んでいるが、ハイリスクな症例には、00年から低侵襲の人工心肺を使用した心拍動下冠状動脈バイパス術を導入している。手術中に安定した血行動態を維持することで安定した確実な吻合が可能であり、完全血行再建、脳合併症の回避等良好な成績を確立し、患者および紹介先の循環器内科医にご満足頂いている

★弁膜症手術は91例、死亡率1%であった。僧帽弁や三尖弁においては、可能な限り自己弁を温存する弁形成術を目指し、僧帽弁閉鎖不全症に関しては95%の症例で弁形成術を行っている。最近は、連合弁膜症、虚血性弁膜症等、複合手術が増加傾向にあるが、各症例にあった確実な術式選択により、安定した成績を得られている

胸部大動脈疾患=08年の年間症例数は71例であり、緊急性の高い急性大動脈解離(解離性大動脈瘤)は当科の緊急搬送システムにより迅速に病院に収容し、緊急手術を行っている。急性大動脈解離を含む胸部大動脈瘤では、基本的な術式として超低体温、循環遮断併用、選択的脳還流での脳保護下に人工血管置換術を行っている。緊急手術においても院内死亡率は4.4%にとどまっている。また、ステント治療も導入し、より一層の低侵襲化と手術成績の向上に努めている

★先天性心疾患手術は08年度は70例行っており、複雑心奇形が多くを占めていることが特徴である。小児科との連携により、より早期の手術を目指しており、乳児(12カ月未満)の根治手術症例数は47例である。困難といわれているノーウッド手術も4例で成功している。08年度先天性心疾患死亡率は1.4%

★末梢血管疾患として、腹部大動脈瘤、閉塞性動脈硬化症に対する手術例数は、08年は年間約60例で、死亡例は1例のみである。心臓外科病棟は48床。心臓血管外科スタッフは8人で診療に当たっている。

医療設備

人工心肺装置、PCPS(経皮的人工心肺補助装置)、IABP(大動脈内バルーンパンピング装置)、超音波メス(ハーモニック・スカルペル)、術中自己血回収輸血装置、近赤外光内酸素飽和度測定装置、電磁血流計、心臓カテーテル検査装置、冠動脈血管撮影装置、RI検査装置、CT、MRI(磁気共鳴撮影装置)、心臓超音波断層装置(心エコー)、経食道心臓超音波断層装置(経食道心エコー)、血液透析装置、血漿交換装置など。

「医者がすすめる専門病院 大阪・奈良」(ライフ企画 2011年5月)

整形外科・リウマチ科

分野

整形外科

特色

99年の開院と同時に整形外科・リウマチ科を開設。最新の医療を目指して、最新の設備と最新の治療薬の早期導入を図ってきた。常勤医5名は全員日本整形外科学会専門医であると同時に日本リウマチ学会専門医(1名は指導医)、日本整形外科学会認定リウマチ医の資格を有しており、日本整形外科学会および日本リウマチ学会の教育認定施設に認定されている。整形外科領域全般の疾患を扱っているが、特に関節リウマチに関しては新しく承認される生物学的製剤の市販後全例調査対象施設となっており、市販後すぐに使用可能であるばかりでなく、市販前の臨床試験(いわゆる治験)も多く行っている。関節リウマチに対しては外来診療が主体となるが、毎日リウマチの専門の医師がおり、副作用などの問題点に対し他科の協力を含みいつでも対処可能である。さらに、進行例のなかには手術が必要となる例もあるが、各部位の専門の医師による手術が可能である。整形外科領域の慢性疾患として患者数が多いものに、変形性関節症と骨粗鬆症がある。変形性関節症に対しては、積極的に保存的治療を行い可能な限り手術を回避する方針で臨んでいる。不幸にして手術が必要となっても股関節、膝関節の専門の医師により適切な手術が可能である。骨粗鬆症については、関節リウマチと同様に薬物療法の進歩は目覚ましいものがあり、新たに市販される薬剤を出来るだけ早期に使用できる態勢をとっているとともに治験も行っている。また、2010年の日本骨粗鬆症学会を当科にて主催する予定である。外傷に対しては可能な限り紹介患者ならびに救急患者を受け入れ、出来るだけ早く手術を含む対処を行っている。当院ではリハビリテーションに関しては入院患者に限定して行っており、必要な場合には近隣の施設にお願いしている。入院患者に対し30数種類のクリニカルパスを導入し、効率的な医療に努め、急性期を終えた患者さんで希望のある場合には回復期リハビリテーション施設に紹介、転院して頂いている。また、近隣には脊椎、手、足の外科の専門医のいる施設があり、必要な例については手術を含む治療に関して紹介させて頂いている。さらに、生駒地区の整形外科の集う会を定期的に行っており、病病連携および病診連携に努めている。

症例数

09年の外来患者1日平均約125人、入院患者1日平均約25人、当科通院中の関節リウマチ患者は約300例弱で生物学的製剤の使用例は約20%で我が国では比較的多い方であるが、ステロイドの使用例は30%台で我が国では少ない。手術数は年間365件。部位別内訳は脊椎29例、上肢114例、股関節54例、膝関節74例、その他94例である

人工関節置換術=人工股関節置換術は年間25件、人工膝関節置換術は年間45件であり、当院における感染を含む再置換率は股関節・膝関節ともに1%弱であるが、他院で初回手術が行われた人工関節の再置換術も含まれており、また関節リウマチ例の比率が高い

関節鏡手術=年間25件、関節鏡用レーザーも用いている

外傷=可能な限り手術適応の紹介患者を受け入れており、骨折に対する手術は年間165件(抜釘も含む)と多い。また、救命救急センターと協力し、骨折を合併している多発外傷にも対応している。

医療設備

MRI、CT、各種造影検査装置、アイソトープ検査装置、骨量測定装置(全身用DXAとpQCT)、超音波検査装置、電気生理学的検査装置、放射線治療装置、手術用クリーンルーム、各種関節鏡、手術用レーザー。

「医者がすすめる専門病院 大阪・奈良」(ライフ企画 2011年5月)

産婦人科

分野

産婦人科

特色

①日本婦人科腫瘍学会暫定指導医および日本臨床細胞学会専門医2人(井上、小畑)が中心となり、婦人科腫瘍の診療にあたっている。化学療法は可能な限り05年4月に開設されたを通院治療センターにて日帰りで行っている。②子宮内膜症は小畑准教授が中心となり、腹腔鏡を基本とした診断および内視鏡下手術、さらには、GnRHaだけでなく、漢方療法、低用量ピルを含めた個人に対応した多彩な薬物療法を行っている。③当院ではすぐれた心臓小児科医、心臓外科医、小児外科医が診療しており、胎児異常を伴う周産期管理を多く扱っている。④不妊治療には腹腔鏡、卵管鏡、子宮鏡下手術を取り入れて診療にあたっている。

症例数

09年の手術件数は508件、うち悪性腫瘍手術は81件、腹腔鏡下手術48件、子宮鏡下手術41件、帝王切開術147件

悪性腫瘍=09年度の子宮頸癌症例は43例である。0期、Ia期の初期癌は子宮頸部円錐切除術のみで治療を終了することがほとんどである。Ib期、II期のものには骨盤リンパ節の郭清を伴う子宮全摘出術すなわち広汎子宮全摘出術を行っている。III期以上あるいは広汎子宮全摘出術が可能な病期のものであっても、合併症などで手術のリスクが高い場合は、放射線療法を選択している。その場合、すでに効果が確認されている抗癌剤の併用、すなわち放射線・化学同時併用療法を行っている。09年度の子宮体癌症例は19例である。骨盤リンパ節郭清を伴う子宮全摘出術、および腹部傍大動脈リンパ節への転移のリスクが高いものには同リンパ節の郭清も行っている。09年度の卵巣悪性腫瘍は19例、卵巣境界悪性腫瘍は5例である。悪性卵巣腫瘍が疑われる場合には、基本的には患側付属器摘出術を行い、術中迅速組織診断を行って悪性と診断されれば、両側付属器摘出術、単純子宮全摘術、大網部分切除術に加えて骨盤および傍大動脈リンパ節郭清術を行っている。術中出血量は少なく、ほとんどの手術を無輸血で行い、排尿障害、リンパ浮腫などの術後合併症も少ない

良性腫瘍=画像診断および腫瘍マーカー等で悪性卵巣腫瘍の疑いのない卵巣嚢腫に対しては、腹腔鏡下手術を行っている。粘膜下子宮筋腫に対しては子宮鏡下手術を基本とし、子宮筋腫に対しては腹腔鏡補助下腟式単純子宮全摘術(LAVH)や腹腔鏡下子宮筋腫核出術も取り入れている。子宮内膜症の診断には、内診、腫瘍マーカー、超音波検査、MRI、腹腔鏡を行って確定し、治療は年齢、挙児希望、症状等より個人に対応した治療法を選択している。チョコレートのう胞の癌化を視野に入れ、40歳未満で長径4\_c07602以上のチョコレートのう胞にはのう胞の摘出、40歳以上あるいはのう胞の長径が10\_c07602以上の場合には卵巣の摘出を勧めている。また、思春期の月経困難症に対しては、カウンセリング、漢方薬を中心とした薬物療法を行っている

周産期=年間分娩数は374件。常に小児科NICUと連携をとり、切迫早産、前期破水、妊娠高血圧症候群などの症例を受け入れ、大村講師が中心となり管理している。また、心臓小児、小児外科が充実していることから、それら胎児異常のある症例も積極的に受け入れている

不妊診療=週4回午前診にて専門外来を開設し、三橋講師が診療にあたっている。検査として内分泌的な検討を詳細に行った上で、子宮卵管造影検査、超音波検査、MRI等から器質的な異常の有無の検討を行い、治療として受胎指導、漢方療法、性ホルモンの刺激および補充療法などの薬物療法と腹腔鏡および卵管鏡による外科的処置を組み合わせ、自然妊娠の成立を推奨している

★セカンド・オピニオンの受け方:紹介状要、電話予約可。特にセカンド・オピニオン外来枠は設定していない。通常の初診と同じ手続きで受診する。

医療設備

NICU、化学療法通院治療センター。

「医者がすすめる専門病院 大阪・奈良」(ライフ企画 2011年5月)

小児外科

分野

小児外科

特色

新生児および小児の、消化器、呼吸器、泌尿器、一般の外科、重症心身障害児の疾患を扱っている。周産期・新生児特殊治療センターに属し、胎児期からの診断・治療、周産期管理を行っている。小児外科疾患は、先天性の非常に特殊な病気や将来の発達までも考慮しなければならない病気が多い。そこで当施設では小児の未熟性や、小児疾患の特異性(先天性疾患など)を考慮し、患児の成長や長期的なQOL(生活の質)を考慮した診療を目指している。また、侵襲の少ない腹腔鏡や胸腔鏡を用いた鏡視下手術を積極的に導入している。さらに、入院・治療に伴う患児・家族の負担を軽減するために日帰り手術も行っている。小児悪性固形腫瘍(小児がん)に対しては集学的治療を行っている。05年秋より奈良県より依頼を受け、小児3次救急の受け入れを行っている。

症例数

1999年10月に開院。年々症例数が増え、近年の年間新患外来数は約850人、年間入院患児は約600人、全身麻酔下手術は年間約500例、このうち鼠径ヘルニアなどに対する日帰り手術は約250例で、鼠径ヘルニア女児症例は腹腔鏡下手術による日帰り手術可能である

★新生児症例は約45例。主要疾患として食道閉鎖、横隔膜ヘルニア、腸閉鎖、鎖肛、ヒルシュスプルング病、腸回転異常症、臍帯ヘルニア、水腎水尿管症等があり、重症合併奇形、染色体異常を除き100%の生存率を得ている。2001年よりヒルシュスプルング病は新生児期に腹腔鏡を用いた一期的根治術を、食道閉鎖症も腋窩のシワに沿い孤状の切開による手術を行い、良好の経過を得ている。小児外科において胎児診断専門外来を行っており、胎児期から胎児治療を含めた周産期管理を行っている

★小児泌尿生殖器外科に関する疾患もすべて扱う。膀胱尿管逆流症、水腎水尿管症、尿道下裂、停留睾丸等がある。膀胱鏡検査や治療を新生児期から行っている

★内視鏡外科治療も開院当初から取り入れ、腹腔鏡手術として胃食道逆流症、ヒルシュスプルング病、鎖肛、虫垂炎、メッケル憩室、胆石症、脾摘出術、女児の鼠径ヘルニア、触知不能の停留睾丸、精巣静脈瘤、卵巣嚢腫等の手術を、胸腔鏡手術として漏斗胸、遅発性横隔膜ヘルニア、嚢胞性肺疾患、肺腫瘍等の手術を、後腹膜腔アプローチで腎摘出術の手術を施行し、良好な結果を得て国内外の学会等で発表している。近年の全手術症例の約25%が鏡視下手術である。夜間にかかわらず、常時鏡視下手術は可能である

★漏斗胸は、胸腔鏡を用いた胸骨挙上術(Nuss法)を99年より行っており、術後良好の結果を得ている

★小児悪性固形腫瘍は15例治療を行い、手術、抗癌剤治療のほか、術中放射線治療や末梢血幹細胞移植を行っている

★重症心身障害の患児に対しても、術前検査を十分にしたうえで患児の状態に応じQOLの向上を目指した手術を行い、在宅栄養管理や在宅呼吸管理をしている

★小児救急では、小児外科医が24時間体制で当直を行い、県内のみならず県外からの小児3次救急の受け入れを行っている。新生児重症症例はNICUで、乳児以降の重症症例はICUや救命センターでと、幅広い受け入れが可能である。血液透析、ECMO、小児外傷、重症膵炎、呼吸不全、気道異物等の小児重症症例の治療を救命救急センター、ICUで行っている

★小児外科スタッフや麻酔科医、看護師、放射線、臨床検査、ME部等、24時間対応している。こども病院に劣らない治療が可能である。

医療設備

NICU、ICU、救命救急センター、無菌室、新生児搬送ドクターカー、母体搬送システム、NST、MRI、CT、核医学、リニアック、3次元超音波装置、消化管機能検査(消化管内圧、食道pHモニター)、喉頭鏡、気管支鏡、消化管内視鏡、膀胱鏡、腹腔鏡、胸腔鏡、ヤグレーザー、KTPレーザー、人工肺(ECMO)、HFO、NO吸引装置、小児血液透析等。

「医者がすすめる専門病院 大阪・奈良」(ライフ企画 2011年5月)

皮膚科

分野

皮膚科

特色

レーザー治療、皮膚腫瘍、アレルギー性疾患(アトピー性皮膚炎、じんま疹)など、ほぼ皮膚疾患のほとんどに対応できる。アンチエイジングドック外来、美容外来を開設しており、育毛、脱毛にも対応している。皮膚は内臓の鏡としての立場から治療にあたる。日本皮膚科学会教育認定施設、日本アレルギー学会教育認定施設、日本東洋医学会教育認定施設。

症例数

1日平均外来数約60~80人、年間外来手術数約300件、外来レーザー数約1,200件、入院手術数約150件。皮膚悪性手術一般。皮膚悪性腫瘍切除術(悪性黒色腫、有棘細胞癌、基底細胞癌、日光角化症、ボーエン病)、植皮術、化学療法、紫外線療法、入浴PUVA療法、スーパーライザー、白斑に対するサクションブリスター、アトピー性皮膚炎の教育入院、食物アレルギーの検査(スクラッチ、負荷試験)、オーラルトレランスの誘導、掌蹠膿疱症の原因検索と治療、パッチテスト、漢方療法

★乳幼児の食物アレルギーとしてのアトピー性皮膚炎への対応。Qスイッチ・アレキサンドライトレーザー、ダイレーザー、外来、入院とも可

★脱毛レーザー、V-/beam、ケミカルピーリングなどの美容(保険対象外)にも対応。炭酸ガスレーザーでの小手術も実施

★アンチエイジングドック外来では血管、神経、骨、筋肉、皮膚などの年齢を割り出し、抗酸化ストレス、水溶性抗酸化物質、脂溶性抗酸化物質の測定、毛髪での重金属測定を行い、運動、食事の指導・教育を行っている

外来診療=月~土。基本は地域医療室での予約制。初診後、専門外来に振り分け。山田は月・水・金午後を担当。外来手術は毎日。入院手術は主に火・金。

医療設備

各種レーザー、スーパーライザー、V-beam、ダーモスコピー、ロボスキンアナライザー、ストレスアナライザー、フィジオンXPなど。

「医者がすすめる専門病院 大阪・奈良」(ライフ企画 2011年5月)

消化器・内分泌内科

分野

糖尿病内分泌内科

特色

糖尿病、甲状腺、内分泌疾患について診療している。糖尿病治療ではできるだけ患者のライフスタイルにあわせるよう心がけている。

症例数

現在通院中の糖尿病患者数は約1,000名、1型糖尿病は約30名。甲状腺疾患患者は約150名、高脂血症患者は約150名

糖尿病=SU剤の二次無効例や糖毒性解除目的のインスリン導入を入院で行っている。栄養指導は随時。糖尿病の合併症進展阻止のため網膜症に対して眼科との緊密な診療連携、腎症に対して蛋白制限の栄養指導、透析導入、脳梗塞に対しては脳神経外科との診療連携、冠疾患に対しては循環器内科、バイパス手術必要例には心臓外科で直ちに手術が行われる

★また外科、整形外科、泌尿器科などの外科疾患で入院されてきた糖尿病合併患者の術前後の血糖管理を一貫して行っており、術後の早期回復の一助となっている

外来診療=月は午前9時~15時、水・木は午前9時~午後4時、土は午前9時~12時。1人外来のため原則的に予約制。

医療設備

大学病院のため、CT、MRIをはじめ最新医療機器が備わっている。

「医者がすすめる専門病院 大阪・奈良」(ライフ企画 2011年5月)

血液内科

分野

血液内科

特色

99年10月開院。造血幹細胞移植、遺伝子治療など高度医療に対応可能な設備が整備されている。インフォームド・コンセントを重要視しており、患者と率直に相談し、治療を行っている。日本血液学会認定施設。骨髄バンクおよび臍帯血バンク指定病院。

症例数

常時36人以上の血液疾患患者が入院。年間の新患者数は、白血病20例、悪性リンパ腫40例、骨髄異形成症候群・再生不良性貧血15例、多発性骨髄腫10例、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)15例で、いずれも増加傾向にある。急性白血病の治療はJALSGプロトコールに基づいた治療で、寛解率は80%を超えている。3年無病生存率は約50%。高危険群に対しては幹細胞移植を行っており、良好な成績を残している。最近はHLAミスマッチ症例、ミニ移植も手掛けている。慢性骨髄性白血病は分子標的療法により、高い治療成績をあげている。遺伝子診断によって治療有効例の選別を行い、幹細胞移植の適応を検討している。骨髄異形成症候群では国際予後判定基準によって、免疫抑制療法、分化誘導療法、強力化学療法など個々の患者に適切な治療法を選択している。悪性リンパ腫は、遺伝子、染色体、表面マーカーによって正確に診断し、国際予後指標に沿って化学療法の強度、放射線療法や自己を含めた幹細胞療法を選択している。多発性骨髄腫は分子標的療法やサリドマイド・デカドロンの併用、自己幹細胞移植等、積極的に新しい治療を行っている。ITPは、ステロイド依存性例では、腹腔鏡下摘脾術を、難治例では、CD20抗体投与等を考えている。

医療設備

無菌室5床、簡易無菌装置7台、血液成分分離装置。

「医者がすすめる専門病院 大阪・奈良」(ライフ企画 2011年5月)

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