和歌山県立医科大学附属病院

専門医より推薦を受けた診療科目・診療領域

和歌山県立医科大学附属病院は、複数の有名専門医(※)の間で「自分や家族がかかりたい」と推薦されています。
このページでは、専門医より推薦を受けた分野(科目、領域)の特色や症例数、所属している医師について取材・調査回答書より記載しています。 ※推薦、選定して頂いた有名専門医の一覧表

第2内科(消化器内科)

分野

消化器・一般内科

特色

当内科の専門分野である消化器疾患を中心に診療および研究を行っている。特に消化管疾患では胃癌、大腸癌、肝臓疾患ではウイルス肝炎、肝癌を対象として積極的に診療を行っている。各スタッフは専門分野での深い知識と熟達した技術を兼ね備えており、診療成績向上を目標として日々努力を積み重ねている。

症例数

年間の入院件数は約800例で、内訳は肝疾患50%、消化管疾患35%、胆膵疾患15%である

★上部消化管疾患では、年間約4,000例の上部内視鏡検査、約300例の内視鏡治療を行っている。食道静脈瘤に対しては、再発率の低い内視鏡的硬化療法を中心に結紮術を加えることで高い消失率を得ている。胃癌に対しては、ヘリコバクター・ピロリ菌感染とペプシノーゲン法により高危険群を効率よく囲い込み、早期発見に役立てている。ピロリ菌の除菌療法は年間100例以上に施行し、消化性潰瘍の再発防止や発癌予防も行っている。早期癌の治療に関しては一括に切除できる内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を導入し、積極的に行っている

★下部消化管では、年間約1,500例の下部消化管内視鏡検査、約150例の内視鏡治療を行っている。大腸腫瘍は、生検による組織診断のほか、必要に応じて超音波内視鏡や拡大内視鏡を用いて詳細に検討し、ESDを含めた内視鏡治療を行っている。小腸疾患に対しては、ダブルバルーン内視鏡を用いて診断、治療を行っている。また、切除不能の進行胃癌・大腸癌に対し、QOL(生活の質)と治療成績を考慮した薬剤の選択と投与法を工夫し、化学療法を中心とした治療を積極的に行っている

★肝臓疾患では、C型慢性肝炎に対し発癌予防の観点からインターフェロン療法を積極的に行っている。特に高齢者や血小板数の少ない肝硬変症、他の疾患を伴う治療困難例に対しても安全に治療が行えるように、腹腔鏡的脾摘術の導入や投与法の工夫、きめ細かい副作用対策を行い、良好な成績を収めている。肝細胞癌の治療に関して、経皮的ラジオ波焼灼療法を01年より導入し、小肝癌に限らず手術不能の肝癌に対しても積極的に治療を行うと共に、人工胸水法や造影エコー法、バーチャルエコーを駆使して、どのような場所にあっても死角なく安全に癌を治療できるように工夫している。5年間での治療数は延べ536例である。初発例で3cm、3個以内の症例の5年生存率は68%、2cm以下単発、Child A(肝機能が良い)の5年生存率は86%と良好な成績であった

★胆膵疾患では、合併症として重症膵炎が問題となっているERCPにかわり、侵襲が小さく安全性の高いMRCPやDIC-CT、超音波内視鏡検査(EUS)を駆使し、総胆管結石や胆管癌、膵癌などの診断を行っている。さらに必要に応じFNAも導入している。また胆嚢疾患の診断にハーモニックイメージングを用いた超音波検査を行い、診断に役立てている。総胆管結石の治療では、従来の内視鏡的乳頭切開術(EST)だけでなく、出血や穿孔がない乳頭バルーン拡張術も行い、年齢や結石の大きさなどを考慮し安全で確実な採石術を行っている。胆道閉塞に対しては、経乳頭的、経皮経肝的ルートの両方を駆使して胆道ドレナージ術を展開し、個々の症例に合わせステント留置や集学的治療を行っている。特に肝門部胆管癌などドレナージが容易でない症例に対しても、複数本のメタリックステントを挿入することにより良好なQOLが得られている。切除不能な膵癌に対してもQOLと効果を両立した化学療法を目指し、積極的に取り組んでいる。また急性膵炎後の膵仮性嚢胞に対しても、侵襲の小さい内視鏡的ドレナージ術を積極的に行っている。

医療設備

CT、MRI、超音波装置、血管造影、シンチ、電子内視鏡、超音波内視鏡、ダブルバルーン内視鏡、放射線治療装置、温熱治療装置など。

「医者がすすめる専門病院 大阪・奈良」(ライフ企画 2011年5月)

消化器外科・内分泌小児外科

分野

消化器・一般外科

特色

和歌山医大第2外科は和歌山県下のみならず、大阪府泉南・泉北地域の消化器癌センターとしての役割を担い、肝胆膵外科・食道胃外科・大腸外科をはじめとする消化器外科を中心として小児外科、内視鏡外科および内分泌外科を担当している。入院患者のほとんどが消化器癌患者で、腫瘍外科に特化した高度な診療を行っている。年間消化器癌の手術件数が900例を超え、多くの臨床研究が進行している先進的な外科診療科である(総手術件数:07年997件、08年981件、09年927件)。できるだけ手術までの待ち期間を短くすることを心がけており、医療機関から外来紹介後、手術日までの待ち期間を短くするように努めている。食道癌・胃癌・大腸癌の早期癌ではESD(EMR)と腹腔鏡・胸腔鏡下手術を組み合わせた低侵襲手術・縮小手術を行い、「患者のQOLを重視した患者本位の心優しい治療」を心がけている。進行食道癌・進行胃癌では個々の患者に応じた合理的なリンパ節郭清術(標準手術から拡大手術まで)を行っている。すなわち、当科では診断・内視鏡治療・拡大手術まで一貫して自己完結型で診療している。また、術前化学療法を行い根治手術不能癌でも積極的に切除している。肝臓外科では術前MD-/CTを用いて立体構築を行い、肝切除の術前シミュレーションによる「術中輸血ゼロ」を、膵臓外科では手術手技の改良により「術後合併症ゼロ」を目指した手術を行っている。

症例数

09年度の年間手術件数は927件で、このうち食道癌40例、胃癌178例、大腸癌164例(結腸癌89例、直腸癌75例)、肝癌73例、膵臓外科98例の手術を行った

食道癌=上縦隔を中心とする転移好発部位のリンパ節郭清を重点的に行う合理的な3領域郭清術で根治を目指す。周術期の呼吸器リハビリテーションや徹底した栄養管理により、術後集中治療室(ICU)への入室期間は平均1日のみで術後合併症はゼロに近づいている。年間手術件数は35~40例で、5年生存率はStageI:100%、II:84.2%、III:76.9%、IV:23.1%である。小開胸で縦隔鏡を併用し、胃管作成も腹腔鏡を応用したHALSにて低侵襲手術を行っている。進行食道癌で根治手術不可能な場合でも術前化学放射線療法により臨床病期をダウンステージングさせた後に安全に根治手術を行っている。標準治療に抵抗性の食道癌に対するペプチドを用いた新規免疫療法も行っている

胃癌=根治性とともに術後QOLに重点を置き、迷走神経を温存した幽門輪温存胃切除術や噴門側胃切除術を行うとともに腹腔鏡手術を積極的に導入し、技術的に高難度の胃全摘術や噴門側胃切除でも腹腔鏡下に低侵襲で手術を行っている。また、症例によっては大動脈周囲リンパ節を含めた拡大リンパ節郭清術を行い、膵臓などの他臓器に浸潤した胃癌でも、膵頭十二指腸切除術を含めた他臓器合併切除術により根治を目指す。術前・術後化学療法も標準的に施行している。年間手術件数は170~200例で、5年生存率はStageI:97.3%、II:69.7%、III:37.8%、IV:12.3%である。なお、2cm以内の潰瘍のない分化型胃癌では内視鏡的切除術を当科で行っている

大腸癌=最近、手術件数が増加し、特に直腸癌手術が急増した。当科では骨盤神経叢・下腹神経を温存し、術後の排尿障害・性機能障害が少ない手術を行っている。さらに人工肛門を避けるために、肛門近傍の直腸癌であっても括約筋間を切離する究極の肛門温存手術を行っている(Intersphincter resection:ISR)。また、胃癌と同様、大腸癌でも腹腔鏡手術を導入し(大腸癌手術症例の約30%が腹腔鏡手術になっている)、できるだけ低侵襲で手術を行うように努めている。年間手術件数は164~178件で、そのうち直腸癌は75~89件である。5年生存率は結腸癌84.1%、直腸癌77.8%と全国登録より10%以上良好である。また、手術手技や補助化学療法のレベルが反映するStageIIIA、IIIBについては、5年生存率は結腸癌でそれぞれ91.3%、88.9%と全国平均より15%以上良好で、直腸癌でも同様にそれぞれ67.0%、79.8%ときわめて良好な成績である

肝癌=肝臓癌手術が安全にできるよう術前に個々の症例ごとにMD-/CTを撮像し、3次元構築の上、肝静脈・門脈と肝癌の位置関係、肝切離線上で結紮すべき脈管の術前シミュレーションを行っている。また、門脈閉塞術など様々な工夫を凝らすとともに、高度進行肝癌に対しても下大静脈などの血管合併切除を確実に行うことで安全に切除している。以上の手術手技の工夫により、肝臓手術においては「術中輸血ゼロ」を目指している。胆嚢癌・肝門部胆管癌についても拡大肝切除と血管合併切除をうまく併用することで、長期間の生存が得られるようになってきた。さらにC型肝炎由来肝癌では術後再発をいかに抑制するかが重要であり、当科では抗癌剤混入リピオドール肝動注およびインターフェロンを応用することで肝内再発を予防している。肝癌の年間手術件数は66~75件で、3年・5年生存率はそれぞれ70.1%、50.3%であり、無再発生存率は3年41.6%、5年23.7%である

膵癌=最近本邦で増加している癌で、当科には和歌山県下だけでなく、大阪府下からも多くの膵臓癌の方が来院されており、南近畿における膵臓癌センターになっている。膵頭部癌では膵頭十二指腸切除術を行うが、「術後合併症ゼロを目指して」をスローガンに手術を行っている。どのような細い膵管でも空腸と8針吻合する膵腸吻合を行い、術後膵液瘻は2%以下の手術成績を誇る。また、全胃を温存する幽門輪温存膵頭十二指腸切除術を施行しているが、その合併症である胃内容排出遅延を予防する新しい再建法を確立し、術後合併症を限りなくゼロに近づけている。合理的なリンパ節郭清を行い、門脈合併切除を積極的に施行している。なお、術中出血量を減少させるために、術前MD-/CT で膵への流入血管を3次元構築することで、術中できるだけ早い段階で膵頭部への流入血管を結紮切離している(CLIP法)。臨床試験として、幽門輪温存膵頭十二指腸切除術における胃内容排出遅延を予防する新しい術式の開発のために、幽門輪を完全に温存する術式と幽門輪を切除して全胃を温存する術式の優劣についての前向き試験(RCT)を開始している。また、膵管空腸吻合におけるステントチューブの挿入法についても、外瘻とロストチューブの比較臨床試験を行っており、近日中に成績を発表する予定である。術後化学療法として国際的な標準治療であるジェムザールと当科独自のTS-1+CDDPの併用療法の第II相臨床試験を行っている。年間膵臓手術は100例であり、膵癌手術後の1年・3年・5年生存率はそれぞれ49.4%、16.9%、12.9%である。なお、膵頭十二指腸切除術の適応となる下部胆管癌や十二指腸乳頭部癌でも合理的なリンパ節郭清術を伴う手術を安全に行っている。標準治療抵抗性の膵癌に対するペプチドを用いた新規免疫療法も行っている

膵管内乳頭粘液性腫瘍=膵癌(浸潤性膵管癌)以外にも最近話題になっている膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)の治療経験も豊富であり、教室の手術適応として、(1)嚢胞径が3cm以上(2)主膵管径が7mm以上(3)壁在結節径が5mm以上(4)術前内視鏡的に採取した膵液のCEA値が110ng/ml以上を悪性度診断として確立している。IPMNの年間手術件数は10~20例で、上皮内癌および微小浸潤癌の5年生存率は100%、浸潤癌でも80%ときわめて良好な手術成績を得ており、IPMNでは進行度に応じた個別治療(縮小膵頭十二指腸切除術から標準膵頭十二指腸切除術まで)を展開中である

内視鏡外科=当科では、他施設に先駆けて腹腔鏡手術を臨床応用し、日本内視鏡外科学会技術認定医もきわめて早期から輩出している(瀧藤講師)。09年度の内視鏡手術は計297例で、その内訳は腹腔鏡下胆嚢摘出術79例、腹腔鏡下胃癌手術79例、腹腔鏡下大腸癌手術101例、腹腔鏡下脾摘術12例、腹腔鏡下副腎摘出術4例などである。特に肝硬変による血小板減少を治療する目的の腹腔鏡下脾摘術では、術後に全例インターフェロンによる肝炎ウイルス治療が可能になり、肝硬変に対する集学的治療の一環としての意義もある。

医療設備

MRI、CT、ヘリカルCT、DSA、超音波エコー、腹腔鏡下手術装置、電子内視鏡(上部消化管・下部消化管・胆道)・超音波内視鏡、血管撮影装置、CUSA、ハーモニック・スカルペルなどの超音波凝固装置。

「医者がすすめる専門病院 大阪・奈良」(ライフ企画 2011年5月)

呼吸器内科(第3内科)

分野

呼吸器内科

特色

91年度より呼吸器内科の診療を開始。和歌山県内はもとより、県外周辺地域の呼吸器疾患患者の受け入れを幅広く担当し、呼吸器専門病院として地域との連携に力を入れている。診療は、閉塞性肺疾患・肺癌・肺感染症・間質性肺疾患など呼吸器疾患全般に及ぶが、特に慢性閉塞性肺疾患および気管支喘息の診断・治療については専門的に行っている。

症例数

★現在、呼吸器内科として38床のベットを占有するほか、必要に応じて共通ベッドも利用しながらより多くの患者入院にあたっている。重症の呼吸器疾患に対応する際には、救急部と連携しHCU・ICUなど集中治療室に入室の上、より高度な全身管理も行っている。また、当科独自に人工呼吸器・非侵襲的人工呼吸器を常備し、当科一般病棟においても高度な呼吸不全患者に対応できる体制を整えている

★県内外を問わず院外から多くの紹介患者を受けて入れておいるが、院内においても種々の呼吸器疾患についての紹介を常時受け付けている。術前評価や、術後呼吸器管理へのサポート、集中治療室での治療方針の決定など、呼吸器診療において重要な役割を果たしている

★外来受診患者延べ人数で年間15,000人を超え、新患数も年間750-800人にのぼる。現在通院中の患者における疾患内訳は上位より気管支喘息・慢性閉塞肺疾患・間質性肺炎となり、以下、原発性肺癌・睡眠時無呼吸症候群・サルコイドーシス・その他呼吸器疾患と多岐にわたる

★入院患者についても年々増加しており、疾患頻度としては原発性肺癌・慢性閉塞性肺疾患・細菌性肺炎・間質性肺炎の順で、呼吸器疾患全般にわたる診断・治療を行っている

★気管支鏡による腫瘍や感染症・間質性肺疾患の診断、局所麻酔下胸腔鏡を用いた胸水鑑別診断等に加え、レーザーやマイクロ波による腫瘍焼灼術、ステント留置による気道狭窄への治療など気管支鏡を用いた治療も積極的に行っている。特に気管支鏡検査は呼吸器内視鏡専門医資格を持つスタッフを中心に週2日で3-5件の検査を行っており、年間約250件の検査を実施している

★慢性閉塞性肺疾患や気管支喘息などの閉塞性肺疾患については診断・治療を特に精力的に行っており、外来に気道過敏性検査装置・呼気NO測定装置・呼気凝縮液採取装置・スパイログラム・精密肺機能検査装置を常備し、呼吸器科スタッフが直接呼吸機能を測定評価する体制を整えている。また、短期入院により、疾患についての教育・適切な薬剤選択や効果の評価・運動耐容能の評価・呼吸リハビリや生活指導・酸素吸入導入などの包括的な疾患管理・指導も行っている。安定期のみならず疾患増悪時には速やかに入院加療できる体制を備えている

★気管支喘息などのアレルギー疾患については、アレルギー専門医・膠原病専門医資格を有するスタッフを中心に診療に携わっている。特に咳嗽の鑑別と気管支喘息の適切な診断、ピークフローモニタリングや呼気NO濃度を用いた日常管理を行っている。また、好酸球性肺炎やアレルギー性気管支肺アスペルギルス症・過敏性肺臓炎など、その他のアレルギー性呼吸器疾患の診療も行っている

★肺癌の診断・治療においては、呼吸器外科や放射線科と連携し、気管支鏡検査のみならず、CTガイド下肺生検・胸腔鏡下生検等を行うとともに、外科切除・放射線治療・化学療法による包括的な治療を行っている。治療が困難な肺癌症例における終末期ケアも積極的に行っており、緩和ケア部と連携しながら疼痛や呼吸困難など様々な症状緩和に携わっている

★睡眠時無呼吸症候群についてもポリソムノグラフィや経時的酸素飽和度モニターを完備し、いびき患者を中心に積極的に診断を行うとともに、マスク式持続陽圧呼吸(CPAP)療法を導入し管理を行っている

外来診療=予約制(電話予約可、予約センター☎073-441-0489)

医療設備

呼吸機能検査装置(スパイログラム・精密呼吸機能測定検査)、気道過敏性検査装置、呼気NO測定装置、呼気凝縮液採取装置、胸腔鏡、気管支鏡(超音波内視鏡を含む)、ポリソムノグラフィ、人工呼吸器、非侵襲的人工呼吸器、X線検査装置(単純X線・CT・3次元CT)、MRI検査装置、ラジオアイソトープ検査装置、血管造影装置、放射線治療装置。

「医者がすすめる専門病院 大阪・奈良」(ライフ企画 2011年5月)

第1外科・呼吸器乳腺外科グル-プ

分野

呼吸器外科

特色

肺、縦隔の疾患を中心に乳腺疾患も診療している。胸腔鏡下手術を積極的に適用して手術の低侵襲化に努める。肺癌を含む悪性疾患に対しては、抗癌剤感受性試験に基づく術前術後の補助療法を含め、集学的治療を当診療科内で取り扱い、個々の患者の状態を熟知した医師による治療を、入院、外来とも継続して受けられるようにしている。

症例数

年間約130例の呼吸器外科手術を行う。そのうち約半数を肺癌などの悪性疾患が占める。手術件数の約80%を胸腔鏡下に施行し低侵襲化に努める。肺癌ではIIIA期までを通常の手術適応とし、IIIB期では放射線同時併用化学療法を第一選択とし、down staging例のみを手術適応とする。IIIA期 (cN2) 症例では、術前に縦隔鏡検査を施行後し、術前補助療法後に手術を施行する。早期の末梢型小型腺癌症例では、CTガイド下マーキングの後、胸腔鏡下に縮小手術を施行している。肺癌に対する術中迅速組織診断に基づく縮小リンパ節郭清、抗癌剤感受性試験に基づく補助化学療法を積極的に推進し、適用症例の予後は良好である。術後合併症発生率は極めて低く、最近10年間で1%未満。手術死亡は0%。肺癌の病期別術後5年生存率(他病死を含まない)は、IA期 89%、IB期 82%、II期 (IIA+IIB) 74%、 IIIA期 54%、IIIB期39%。

医療設備

胸腔鏡、縦隔鏡、レ-ザ-、電子内視鏡、MRI、MDCT、人工心肺装置、放射線治療など。

「医者がすすめる専門病院 大阪・奈良」(ライフ企画 2011年5月)

循環器内科

分野

循環器科

特色

本病院は98年に現地に統合移転し、和歌山県の中核医療機関として高度で先進的な医療の提供と、きめ細かい看護に努めている。00年に救命救急センターを設置するとともに、03年には遠隔地で発生する救急患者に高次医療を提供するためドクターヘリを導入し、就航3年で1,000回を超え、現在では年間約400回の患者搬送を実施している。循環器内科は心筋梗塞や狭心症、心不全などの急性心臓疾患を専門とし、救急集中治療センターや心臓血管外科と緊密に連携を取りながら、安全で質の高い医療の提供に努めている。24時間体制で心臓カテーテル検査やカテーテル治療(インターベンション)、心臓血管手術が可能で、リハビリテーションの設備も充実している。最先端の診断・治療機器を装備しており、06年には64列マルチスライスCTを導入し、心臓カテーテル検査を行わなくとも外来通院で虚血性心疾患の診断が可能となった。本病院の病床数は800床で、循環器内科は冠疾患集中治療室(CCU)5床と一般病床40床である。病院へのアクセスはJR紀三井寺駅から徒歩5分である。来院者用有料駐車場は約800台。

症例数

入院症例の原疾患の内訳は、狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患が52%、不整脈13%、弁膜症12%、心筋症5%、血管疾患3%である

★虚血性心疾患に対する心臓カテーテル検査は年間約600例で、カテーテルインターベンションは約300例である。カテーテルインターベンションと外科的バイパス手術の比率は4対1。カテーテルインターベンションの成功率は97%で、ほぼ全例でステントを植え込む。安定狭心症例では薬剤溶出性ステントを使用し、再狭窄率は5%以下である。治療の適応や結果判定に冠動脈内圧や血流の測定、血管内超音波、光干渉断層撮影(OCT)を積極的に導入している。方向性冠動脈粥腫切除術(DCA)やロータブレーターによる治療も熟達している。急性冠症候群によるCCUの年間収容患者数は年間約250例で、救命率は97%である。これらの治療とリハビリテーションは綿密なクリニカルパスに従って行われ、生活指導も充実している

★不整脈に対する電気生理学的検査は年間約40例、カテーテルアブレーションは20例で、心房粗動や発作性上室性頻拍の成功率は95%、心室性頻拍に対する成功率は75%である。永久ペースメーカーの植え込みは年間約40例。致死性不整脈に対する植え込み型除細動器の植え込みは年間約5例。近年、重症心室性不整脈患者が増加傾向にある

★弁膜症の診断と手術適応の決定にあたっては、最新の心エコー技術やマルチスライスCT、MRIなどを駆使して可能な限り非侵襲的に行う。僧帽弁狭窄例では病態に応じてカテーテルによる治療(PTMC)を行う。また心臓外科と協力し、高齢者の大動脈弁狭窄症に対する手術治療や、虚血性僧帽弁閉鎖不全症に対する僧帽弁形成手術を推奨している

★心不全は薬物療法を基本とする。適応があれば両心室ペースメーカーの植え込み(年間約10例)も可能であり、左室縮小形成術に関しても積極的である

★血管疾患で閉塞性動脈硬化症や腎動脈狭窄に対して、薬物治療とあわせて必要に応じてカテーテルインターベンションを行う。

医療設備

CCU 5床、心臓カテーテル装置、心エコー、経食道心エコー、心臓核医学検査装置、マルチスライスCT、MRI、運動負荷心電図、ホルター心電図、電気生理学的検査用ポリグラフ、大動脈内バルーンパンピング装置(IABP)、経皮的人工心肺補助装置(PCPS)、人工透析などを完備している。

「医者がすすめる専門病院 大阪・奈良」(ライフ企画 2011年5月)

心臓血管外科

分野

心臓血管外科

特色

第1外科は心臓血管外科(先天性心疾患、後天性心疾患)と乳腺外科、呼吸器外科で構成されている。心臓血管外科は、和歌山県内で最多の症例数と成績を誇る後天性心疾患外科治療と県内唯一の治療施設としての先天性心疾患外科治療を行っており、大学病院としての中心的役割を担っている。また03年1月からはドクターヘリコプターが稼働し、緊急例の搬送時間の短縮などの成果を挙げ、24時間の緊急手術体制をとっている。未熟児、新生児の複雑心奇形の手術から、低侵襲心拍動下冠動脈バイパス術や80歳以上の超高齢者まで、また大動脈解離や心破裂、胸部腹部の大動脈瘤破裂の緊急手術まで、心臓移植を除くあらゆる心臓疾患手術をカバーできる体制が整っている。

症例数

09年の総手術件数は303例(人工心肺+OPCAB症例193例)で、内訳は先天性61件、虚血性63例、弁膜症47例、虚血性+弁膜症同時7例、胸部大動脈瘤30例、腹部大動脈瘤22例、末梢血管その他73例で、緊急手術や難易度の高い手術も多かったが、術後急性期死亡率は4%であった

先天性心疾患= 86年から総数で1,600例を超える手術経験がある。手術症例の特徴としては新生児期緊急手術が必要な総肺動脈還流異常症や左心低形成症候群類縁疾患、肺動脈閉鎖を伴ったファロー四徴や両大血管右室起始、単心室などの複雑心奇形に対する治療が多い。特に新生児手術は年間約10-15例・乳児期手術が20-25例あり、新生児・乳児期早期の複雑心疾患に対する手術経験は豊富である。緊急手術に即対応できるようチーム医療体制が整っており、新生児科、心臓小児科、心臓外科、麻酔科、救急集中治療科が待機しており、母体搬送や出生直後の新生児緊急ドクターヘリ搬送にも対応可能。また、成人先天性心疾患の外科治療や遠隔期成人先天性心疾患再手術も増加傾向にあり、安定した手術成績を提供している

後天性心疾患=虚血性心疾患の治療に関しては循環器内科と十分な検討のもと、患者様に最適な治療方針を検討している。単独冠動脈バイパス術では動脈グラフトを積極的に多用した低侵襲手術であるoff-/pump CABGを第一選択として行っている。また、冠動脈バイパス術と同時に左室形成術、僧帽弁形成術、不整脈手術など虚血性心疾患に関連した合併症に対する同時手術も多く、安定した治療成績を上げている

★弁膜症に対しては、自己弁を温存すべく僧帽弁閉鎖不全に対する僧帽弁形成術に積極的に取り組み、大動脈弁疾患は適応により自己弁を温存する大動脈基部再建術を取り入れている。また、心房細動合併例に対してはメイズ手術や肺静脈隔離術も積極的に同時施行している

★血管疾患に対しては、胸部大動脈瘤、急性大動脈解離、腹部大動脈瘤手術が多く、特に胸部大動脈の緊急手術は救急部のドクターヘリの導入により円滑、早急に、24時間体制で県内全域から紹介を受けている。大血管疾患へのステント治療や手術とステント治療を併せたハイブリッド手術にも取り組んでいる。心臓・大血管の術後急性期管理は集中治療室の全面的な協力を得ており、安全に行われている。

医療設備

ICU、CCU、NICU、DSAによる血管造影検査、MRI、CT、MD-CT、心臓核医学検査、心エコー、血管内エコー、食道エコー、人工心肺、補助人工心臓、PCPS(経皮的人工心肺補助装置)、IABP(大動脈内バルーンパンピング装置)、自己血回収装置、サーモグラフィー、ABI測定装置などを完備。

「医者がすすめる専門病院 大阪・奈良」(ライフ企画 2011年5月)

泌尿器科

分野

泌尿器科

特色

泌尿器科領域全般にわたり安全性を確保した先進医療を提供することを目標として実践している。十分な説明と同意のもとに、エビデンス(根拠)に基づいた低侵襲で身体機能が損なわれることの少ない治療を提供できるように、また個々の患者さん一人ひとりに合った、生活の質を重視した治療を行えるように努力している。県内外の12施設に常勤医を派遣し、専門的知識と技術を備えた優秀な医師の育成を行うとともに、地域医療機関との病診病病に関しても緊密な連携を深めている。

症例数

年間外来新患者数は約1,000人、1日平均外来患者数70~80人、延べ入院患者数1,000~1,100人、手術数約450件でいずれも増加傾向にある

副腎腫瘍=年間手術数約15例、大きな副腎癌を除いて、大半を腹腔鏡下摘除術で行っている

腎臓癌=年間症例数は約50例。初診患者には基本的に腎摘除術を施行し、そのうち直径10cm以下の腎癌に対しては腹腔鏡下に根治手術を施行している。進行例あるいは転移症例にはソラフェニブやスニチニブによる分子標的療法を積極的に行っている。4cm以下の小さな腎癌に対しては腎部分切除術を選択し、その中でも条件が満たされた症例には腹腔鏡下腎部分切除術も施行している。下大静脈に進展した腫瘍塞栓を伴う進行腎臓癌症例に対しても、積極的な摘除術を行っている。5年生存率は病期I約90%、II70%、III以上30%程度である

腎盂・尿管癌=年間15例程度。原則的には腹腔鏡手術と開腹手術を併用した腎尿管全摘除+膀胱部分切除を行うが、低異型度、低深達度症例には内視鏡による腫瘍切除術または尿管部分切除術を行う。T3以上の症例には手術+補助化学療法を、転移癌症例には化学療法(+放射線療法)による集学的治療を行っている。5年生存率は病期I・IIが80%、III以上は30%である

膀胱癌=年間症例数は再発例も含めて約140例。表在性膀胱癌(Ta-1)には内視鏡切除(TUR)を、多発、再発、高異型度症例にはTUR+BCG膀胱内注入療法を行っている。浸潤性膀胱癌(T2以上)には膀胱全摘除術を行い(年間約20件)、症例によりTUR+化学療法+放射線療法による膀胱温存治療も行っている。T3以上の症例には手術+補助化学療法を、転移癌症例には化学療法(+放射線療法)による集学的治療を行っている。尿路変更術は、QOLを考慮し、患者さんの希望を取り入れ新膀胱造設術などを行っている。5年生存率はTa、T1で約95%、T2で70%、T3以上が30~40%である

前立腺癌=年間新患症例数は約120例。臨床的局所前立腺癌患者には、根治を意図した前立腺全摘除術あるいは放射線療法(外照射併用高線量率前立腺組織内照射)を施行している。根治手術例数は年間約60例で、臨床病期T2以下、75歳以下の症例を対象として施行しているが、その術式としては、腹腔鏡下前立腺摘除術および開腹による根治的前立腺摘除術のいずれも選択可能である。極端に大きな前立腺を有する患者や局所進行癌の疑いのある患者に対しては開腹手術を選択している。術後の尿失禁発現率は5%前後で、術式による差は認められていない。手術拒否例や合併症のある症例、T3-4N0M0症例には放射線療法(年間約40例)を行っている。また、局所浸潤性の前立腺癌に対しては、内分泌療法を併用した外照射併用高線量率前立腺組織内照射を行っている。再発症例や転移癌症例には内分泌療法を行っている

精巣癌=年間症例数は10例。病期Iでは高位精巣摘除術後経過観察、II以上の症例では、精巣摘除術に加え後腹膜リンパ節郭清術、化学療法を行う。難治例には末梢血幹細胞自家移植を併用した超大量化学療法も行っている。5年生存率は病期Iが98%、II以上が80%である

前立腺肥大症=薬物療法が主体であるが、重症例や治療効果に乏しい例には経尿道的前立腺切除術を行う。最近ではホルミウムレーザー前立腺核出術を行い良好な成績を収めている。温熱療法やステント留置は行っていない

尿路結石症=腎結石、尿管結石に対して、体外衝撃波結石破砕術(ESWL)、経尿道的尿管砕石術(TUL)、腎経皮的腎砕石術(PNL)を単独または併用して行っている。大きなサンゴ状結石に対してはPNL、TUL同時併用下に手術を行い、できるだけ短期間での結石の完全排除を目指している

緩和医療=癌患者の終末期医療の重要性を考慮し、緩和ケア病棟と協力し、疼痛や精神的苦痛の緩和を中心に、人間性を尊重した医療に取り組んでいる。

医療設備

ヘリカルCT、3次元CT、MRI、DSA、ESWL、高線量率組織内照射装置、リニアック、ビデオ・尿流動態検査装置、ヤグレーザーなど。

「医者がすすめる専門病院 大阪・奈良」(ライフ企画 2011年5月)

泌尿器科移植グループ

分野

腎移植

特色

当科では、85年以来、生体腎移植手術22例、献腎移植術17例、合計39例の移植手術を施行しており、和歌山県における数少ない腎移植施設の一つである。また、心停止および脳死ドナーからの腎摘出も行っている。昨今、腎移植臨床における大きな問題点としてドナー不足があげられるが、当院では、ABO不適合移植にも積極的に取り組んでいる。また、現在のところ夫婦間のみの経験ではあるが、非血縁者から生体腎移植を行う際には、保険証などによる個人認証と、複数回の外来診察により、ドナーおよびレシピエントの意識確認を確実に行い、書面に残している。移植医および血液浄化センター医師、看護師、薬剤師および栄養士などのコメディカルスタッフと連携し、きめ細かな術前術後管理を行い、好結果を目指している。

症例数

85年以降06年11月までの間に、生体腎移植手術19例、献腎移植術14例、合計33例の腎移植手術を施行した。当初シクロスポリンを中心としていたが、最近の免疫抑制剤は、タクロリムス、セルセプト、ステロイドの3剤に加え、移植直後にはバシリキシマブを併用投与し、早期のステロイド減量を目指している。治療成績については、観察期間の中央値が36カ月と若干短いが、生体腎移植術の1年、5年、10年の移植片生着率はそれぞれ100%、81.6%、53.5%で、献腎移植術の場合は92.9%、77.4%、61.9%であり、他施設と遜色ない。当院は、透析施設としても充実しており(血液浄化センター)、通常の血液、腹膜透析のほかに、ABO不適合移植の際に必要とされる二重濾過分離交換器を備え、随時対応できる体制をとっている。

医療設備

MRI、CT、DSA(血管造影)、超音波検査(血流ドプラ検査)、シンチグラム、血液透析、二重濾過分離交換器などを備えている。

「医者がすすめる専門病院 大阪・奈良」(ライフ企画 2011年5月)

リハビリテーション科

分野

リハビリテーション科

特色

和歌山県立医科大学リハビリテーション科は、近畿、中国、四国地方国公立医科大学(医学部医学科)で唯一のリハビリテーション医学講座である。当院は地域の中核病院として、和歌山の保健医療を推進している。我々リハビリテーション科も「地域の皆様の健康と福祉に貢献するため、最善の医療とリハビリテーションを提供する」をモットーに、患者第一主義で臨床に取り組んでいる。特定機能病院として、発症早期からの急性期リハビリテーションに特に力を入れているが、同時に、「全身を診る」リハビリテーションを推進するため、地域の病院との連携のもと、発症から家庭・社会復帰まで一貫した体系構築も目指している。また、日本リハビリテーション医学会の臨床研修指定病院であり、質の高いリハビリテーション医療を受けることが可能。さらに、障害者医療の専門家でもある、我々リハビリテーション科医師は障害者の「かかりつけ医」としての役割もあるため、様々な障害者特有の医学的問題に関する経験が豊富である。また09年8月にオープンした和歌山県立医科大学が運営するサテライト診療所本町とも連携し、予防に重点をおいた医療も推進している

★研究面では、リハビリテーション医学の臨床・基礎研究を積極的に行っている。これまでも、科学研究費などで研究を進めており、Spinal CordやArchives of Physical Medicine and Rehabilitationを中心とした国際雑誌にその研究成果を報告している。リハビリテーションの基本である、障害者の病態生理、運動療法の基礎、物理療法の作用機序と医学的意義、自律神経と障害の関連、脳血管障害・脊髄損傷・リウマチ等骨関節疾患のリハビリテーション、義肢装具の基礎研究、健常者の運動生理学とスポーツ障害、障害者スポーツ医学等、幅広く研究を行っている

★05年からは医学部修士課程の設置に伴い、理学・作業療法士、言語聴覚士等の教育にも取り組み始めている。このように、臓器別医療の基本をふまえながらも、患者個人を全人的に理解し、治療するための臨床、教育、研究を行っている。

症例数

09年度新患者数は約2,300人であり、1日のリハ実施患者数は約200人である。残念ながら、理学療法士13人、作業療法士6人、言語聴覚士3人と比較的少ない体制であるため、1人の患者に行える訓練は1日20~40分程度と短時間しか実施できていないのが現状である。そのため、自主訓練を取り入れた効率的な内容で行うように努めている。訓練機器については、物理療法機器(牽引装置、ホットパック、低周波刺激装置、マイクロウエーブなど)をはじめ筋力訓練装置や水中歩行用のプールなど、各種機器が整備されている。装具療法については、義肢装具士(3~4人)が週2日(月、木)訓練室に待機しており、義肢装具の作製、調整、修理などの対応が短時間で可能である。長下肢装具などのオーダーメイドの装具であっても、最長4日程度で完成可能である

★我々は臓器別医療の診療科ではないため、対象とする疾患に制限がないことが特徴である。厚生労働省の施設基準でも、運動器、脳血管等、呼吸器、循環器すべての分野の指定を得ており、様々な疾患により何らかの障害(一時的な障害も含む)が残存したすべての方に対応している。さらに、各種疾患により活動が制限されることにより起こる廃用予防に対しても力を入れている

★定床ベッドは5床と少ない(状況に合わせて10数床までは増床可能)が、リハビリテーション科専用のベッドも備えており、入院による全身管理と集中的なリハビリテーションが必要な方への入院治療も行っている

★大学病院であるため、診療・検査体制の充実も大きな特徴である。装具、脊髄障害、高次脳機能外来をはじめとした特殊外来、Bモードエコーおよび座圧測定検査による褥瘡検査、頸動脈エコー検査、筋電図・神経伝道速度検査、循環機能検査、筋力測定、心肺能力検査、自律神経検査、膀胱機能検査などの各種検査も行っている。田島が日本障害者スポーツ協会メディカルチェック委員会委員長を務めているので、障害者スポーツに関する診察も随時行っている。また、幸田が和歌山県の高次脳機能障害者支援普及事業の委員を務めており「見えない障害」といわれる高次脳機能障害に関する相談を受けている。

医療設備

筋電図、CT、MRI、SPECT、等速度運動装置、重心動揺計、負荷心電図装置、膀胱内圧測定装置、心拍出量測定装置、皮膚血流計、エコー装置、交感神経活動測定装置。

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産科婦人科

分野

産婦人科

特色

当科の診療担当者の多くは産婦人科の専門医であるとともに、さらに婦人科腫瘍、周産期、内分泌など様々な分野の学会認定の専門医資格を持っており、これらのスペシャリストを中心に診療が行われているので、産婦人科領域のあらゆる疾患に対して一流の医療が提供できる

★産科は当院に併設されている和歌山県唯一の総合周産期母子医療センターの産科部門を担当している。総合周産期母子医療センターでは周産期部の小児科医師、また全科の医師と連携を密に取り、あらゆるハイリスク妊婦の管理ができるように対応している。また、遠隔地からの母体搬送にはドクターヘリを利用しているのも当センターの特徴である

★婦人科では良性疾患の患者様にはできるだけ侵襲の少ない内視鏡下手術を行う。癌の患者様には、安全で確実な婦人科癌の手術を基本とし、根治性を考慮しつつ、生活の質(QOL)も重視した治療を心がけている。そのため1つの治療法に固執せず、手術療法、放射線療法、化学療法の長所を取り入れた集学的治療に積極的に取り組んでいる。当科は、婦人科の癌に対する化学療法(抗癌剤)の専門病院に与えられる日本婦人科悪性腫瘍化学療法研究機構の認定施設であり、抗癌剤の治療には習熟した医師が多い。さらに和歌山県立医科大学病院は和歌山県唯一の県がん診療連携拠点病院に認定されており、他科でも多くの癌専門医が診療しているため、これらの医師の協力を受けられるのも大きな強みである。癌の治療においては、一刻も早く治療を受けたいという患者様のご希望に応えるべく、診断が確定すれば2週間以内に入院していただけるように努力している。さらに胞状奇胎、絨毛癌などの妊娠や分娩後に戸の待って発生する腫瘍に対しても専門医が最新の治療を行っている。婦人科癌、絨毛性疾患、産科疾患に対して、紹介の患者様やセカンドオピニオンの依頼を広く受け入れるとともに、専門医が十分なインフォームド・コンセントを行う体制を整えている。

症例数

年間の外来患者数約20,000人、入院患者数約700人、分娩件数約600件、手術件数約550件。悪性腫瘍の初回治療例は子宮頸癌40例、子宮体癌15例、卵巣癌20例。悪性腫瘍の5年生存率=子宮頸癌I期89.3%、II期77.8%、III期52.3%、IV期17.7%。子宮体癌I期88.5%、II期100%、III期63.6%、IV期50%。卵巣癌I期79.3%、II期65.6%、III期52.1%、IV期20.0%

婦人科癌治療=当科は婦人科癌患者の抗癌剤療法では全国的に知られており、通常では手術困難な進行期癌患者も手術療法と抗癌剤治療、放射線治療を併用することにより、根治的な治療を可能にしている。高度な知識を必要とする抗癌剤療法に通じた専門家がおり、抗癌剤の効果を最大限に引き出す投与方法を行っている。当科では進行期癌患者の緩和医療にも積極的に取り組んでいる

良性卵巣腫瘍=腹腔鏡下手術を基本としており、入院期間の短縮と術後早期の社会復帰を助けている

周産期医学=和歌山県の総合周産期母子医療センターが併設されており、あらゆる種類の合併症妊婦を多数受け入れている。母体搬送、合併症などでの紹介例は分娩数の約3分の1、ハイリスク症例が多いため帝王切開率も約35%である

子宮内膜症・子宮腺筋症・子宮筋腫=各症例に応じた薬物療法と手術療法を選択している

更年期外来=希望者にはホルモン補充療法や漢方療法を積極的に勧めており、骨粗鬆症の治療・予防、高脂血症の治療についても取り組んでいる

漢方外来=子宮内膜症・子宮腺筋症に伴う月経痛や、閉経期以降のホルモン療法では治らない各種不定愁訴、頑固な外陰部掻痒感なども積極的に漢方療法で治療している。

医療設備

CT、PET、MRI、リニアック、RALS、など県内唯一の大学病院、最大の総合病院であり県内最高の医療設備を整えている。

「医者がすすめる専門病院 大阪・奈良」(ライフ企画 2011年5月)

眼科

分野

眼科

特色

和歌山県唯一の大学附属病院であり、特定機能病院として、県全体および大阪南部を診療圏とし、病院の屋上にヘリポートを備えて遠隔地などからの救急患者に対応している。大学病院であるが10年前から白内障の日帰り手術を中央手術室で行い、万全の体制をとり、患者さんの便宜を図っている。眼の悪性腫瘍の治療、増殖糖尿病網膜症や黄斑円孔の硝子体手術、緑内障の難治例に対するマイトマイシンCを用いた線維柱帯切除術など、治り難い病気の治療も精力的に治療している。眼科病棟は10階にあり、万葉集にも詠まれた和歌の浦の美しい景色が眼下にひろがり、視力が回復した患者さんに喜ばれている。

症例数

09年の延べ患者数24,679人、新患総数2,708人。眼科専門成人病棟35床の他に小児病棟の手術床、全科共通床も利用しての09年の入院患者総数病床利用率は102%であった。高齢者あるいは糖尿病、心疾患などの合併症のある患者が多いかとから、全身的に問題のある眼科入院患者に帯する他科病棟医の共観性が確立している

★手術:09年の手術総数は2,511件であった。手術室3室で同時に並行して行っている

白内障手術=95年1月から日帰り手術を導入している。基本的な術式は超音波白内障乳化吸引術に小切開、自己閉鎖手術を行い、眼内レンズとしてアクリル素材のホールダブルレンズを使用している。現在では半数以上が日帰り手術である。そのため、週1回、午後に日帰り白内障手術外来を設け、眼内レンズ度数の決定、患者および家族への十分な説明、インファームド・コンセントを行っている。また、硝子体手術や緑内障手術と併用した白内障手術も多数行っている

網膜硝子体手術=前述のように白内障手術との同時手術も多く行っている。対象としては、網膜剥離や糖尿病網膜症に伴う硝子体出血が多く、黄斑円孔、黄斑前膜等の疾患も増加傾向にある。08年から網膜硝子体手術でも日帰り手術を導入している

緑内障=正確な診断が必要であり、様々な検査を行い適切な治療が必要である。最近は、種々の緑内障治療薬が使用できるようになりきめ細かなオーダーメイドの治療を行っている。種々の緑内障治療薬の出現で手術症例数は減少傾向にあるが、前述のように白内障との同時手術も行っている

斜視=週1回午後に斜視の特殊外来を設け、視能訓練士による訓練も行っている。外斜視や内斜視の直筋手術や上斜筋麻痺などの斜筋手術も多く行っている

黄斑変性症=黄斑変性症に対し、07年から光線力学療法であるPDT(Photodynamic Therapy)や血管内皮増殖因子(VEGF)阻害薬の硝子体注射を行っている

その他=角膜移植も可能で、眼疾患全般に対応している。

医療設備

レーザー凝固装置、ヤグレーザー、自動視野計、大型弱視鏡、ペンタカム、超音波生体顕微鏡、前房フレアーセル装置、光干渉断層計、ICG蛍光眼底カメラ。

「医者がすすめる専門病院 大阪・奈良」(ライフ企画 2011年5月)

皮膚科

分野

皮膚科

特色

アレルギー性炎症疾患(アトピー性皮膚炎、蕁麻疹など)、膠原病、膿疱性乾癬、腫瘍、ケミカルピーリング、レーザー治療などを本教室の臨床研究テーマとしている。本院は、泉南および和歌山県全域の中枢病院として、熱傷などの救急患者をはじめ皮膚科すべての領域をカバーしている。1日の外来患者数は約85人で、月曜日から金曜日までの毎日3診制で診療を行っている。また常時15名前後の入院患者を治療しているが大半は皮膚癌患者である。外来では光線テスト、貼付テスト、免疫病理学的検索は常に実施しており、病態の原因検索に努めるようにしている。形成外科手術が必要な患者については、住友病院から応援医師の協力のもとに行っている。なお、刺青の治療は行っていない。

症例数

アトピー性皮膚炎=日本皮膚科学会治療ガイドラインにそった診療に心がけている。例年2月にアレルギー週間の一環として、県内2カ所でアトピー性皮膚炎などの市民向け啓発事業を行っている

膠原病・血管炎=リウマチ膠原病外来(金曜日)を設立し、池田が担当している

腫瘍=センチネルリンパ節生検、ケミカルピーリングを応用した非観血的治療方法を確立している。山本(水曜日午前)、貴志、岡本が担当している。例年11月に皮膚癌無料相談を市民向けに行い、皮膚癌死亡ゼロの県を目指している

美容皮膚科=ケミカルピーリングとざ瘡に関しては日本皮膚科学会のガイドラインに準拠している。ボトックスビスタの施術を倫理委員会の許可を得て開始した。最新機種を含めた数種類のレーザーを用いてシミやシワの治療をケミカルピーリングと統合的に行っている(木曜日午後)。山本、上中、米井、豊沢、木村が担当している。なお、ケミカルピーリング治療のための診察は水曜日か金曜日の2日

レーザー外来=扁平母斑などの色素沈着性疾患、血管腫などの血管系良性腫瘍にレーザー治療。貴志が担当している(月曜日午後)

遺伝子診断=若年性サルコイドーシスなどの遺伝学的な解析や、中條—西村症候群の疾患概念の確立と病態解明へのアプローチを金澤が担当している

乾癬=乾癬外来を設けて、西出博士研究員と石黒が担当し、生物製剤や免疫抑制剤の適性使用方法の検討を行っている(火曜日午後)

脱毛症外来=金曜日の午後、吉益臨床講師が担当している。SADB、ステロイドパルス療法など

光線外来=水曜日午後。V トラックを用いて、白斑などの疾患に対応。三木田臨床博士研究員が担当

中條-西村症候群=厚生労働科学研究費補助金、難治性疾患研究事業「中條-西村症候群の疾患概念の確立と病態解明へのアプローチ」研究班が採択された。研究代表者:和歌山県立医科大学皮膚科古川福実、事務局長:金澤伸雄。他に長崎大学基礎遺伝、内科の先生

みらい医療センター(サテライト診療所:和歌山市本町)=皮膚科一般、美容皮膚科、リウマチ膠原病等の外来診療に対応。担当は金原・南の両学長特命講師。詳細はhttp://www.wakayama-med.ac.jp/med/hifu/derma/derma.html

医療設備

レーザー(ルビー、gentle YAGなど)5台、炭酸ガスレーザー1台、ロボスキンアナライザー1台、紫外線照射装置4台(V トラックnUVB、UVA1、UVA、UVB)、赤外線照射器、薬浴ユニット、イオントフォレーシス、クライオサージ、スーパーライザーなど。

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糖尿病・内分泌代謝内科(内科学第1)

分野

糖尿病内分泌内科

特色

糖尿病診療では全国で屈指の実績を有し、きめ細かな診療と充実した研究体制により、インスリンワカヤマなど多くの遺伝子異常による糖尿病が当科で発見された。糖尿病ではインスリン分泌低下とインスリン感受性低下、さらには併存する合併症が複雑に関連して様々な病像が形成される

★当科では個々の患者の特性を評価し、それに応じた適切なテーラーメイドの治療を提供し、良好な血糖コントロール状態の維持、合併症の発症防止、悪性腫瘍など他疾患の併発を見逃さないことを目標に診療している。特に、糖尿病神経障害は独自の総合的評価の検査システムは用いて正確に診断している。糖尿病教室は平日の午後から毎日実施しており、医師、歯科医師、看護師、管理栄養士、薬剤師、理学療法士、臨床検査技師が講義を担当している

★入院診療ではクリニカルパスを用い、眼科、皮膚科など他科医師やコメディカルスタッフと十分に連携したチーム医療を実践している。クリニカルパスには合併症精査、インスリン自己注射、血糖自己測定および栄養指導を中心とした1週間コース、ある程度の血糖コントロールの改善を目的とする2週間コースが運用されている

★外来診療では診察待ちの時間に糖尿病教育ビデオ(DVD)を流すほか、外来療養指導を実施している。また、糖尿病患者友の会「あおい糖友会」の事務局をおき、糖尿病予防・治療のための社会的啓発活動にも力を入れている。内分泌代謝領域では甲状腺疾患を中心に、下垂体・副腎疾患などを経験豊富な専門医が診療している。

症例数

最近の外来受診者数は年間延19,000~21,000人程度、延入院患者数は病床数40に対して年間14,000人前後である。外来通院患者の多くを占める糖尿病患者の長期・継続的診療を円滑に行うために、糖尿病整理カルテを作成、使用している。同カルテの延べ作成数はおよそ4,000冊、約1,000人の糖尿病患者が外来通院し、約半数はインスリン治療である。インスリン分泌能はグルカゴン負荷試験、尿中Cペプチド測定で、インスリン抵抗性はHOMA-1R法で評価している。糖尿病合併症の早期診断、評価のために、神経機能検査(伝導速度検査、自律神経機能検査を含む)、頸動脈超音波検査を実施している。外科手術などで他の診療科に入院中の糖尿病患者の血糖管理を依頼されることも多く、常時15-20人の他病棟の糖尿病患者を診療している。また、社会的啓発活動としては日本糖尿病協会和歌山県支部、当院の患者友の会「あおい糖友会」および小児糖尿病つぼみの会の事務局を担当しており、講演会、座談会、歩こう会、サマーキャンプなど様々な活動を行っている

★当科では糖尿病経過中に消化器疾患、感染症、悪性腫瘍や脳・心血管障害など他疾患を併発した場合にも、可能なかぎり自科で診療を行っている。これらの糖尿病以外の疾患の診療のため当科医師が実施した検査・処置の年間実施数は、腹部エコー(505~690例)、甲状腺エコー(249~289例)、頸動脈エコー(245~434例)、神経機能検査(88~100例)、上部消化管内視鏡(309~435例)、下部消化管内視鏡(100~177例)、肝/腎生検(10~15例)である

★甲状腺疾患の診断に必須である甲状腺超音波検査および吸引生検細胞診を実施している

外来診療=原則として予約制である。当科では、下記のような専門外来を設けている。栄養指導は毎日実施されている。①糖尿病専門外来=いずれの診察室においても糖尿病の専門的診療が行われている。また、糖尿病性神経障害の特別診も木曜日に設けている。②甲状腺専門外来=甲状腺超音波検査が行われる月曜日。③消化器専門外来=金曜日。④肥満専門外来=水曜日。

医療設備

当院は特定機能病院であり、多くの最先端医療設備を具備している。当院の組織、設備の詳細は、附属病院のホームページ http://www.wakayama-med.ac.jp の掲載されている。

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神経内科

分野

神経内科

特色

広く神経内科領域全般の疾患の診断・治療を行っている。特にパーキンソン病の診断・治療は教授の専門分野であり、薬物療法のみならず非薬物療法、診断精度向上のための新たな検査法の導入など、先進的な取り組みも行っている。内科、外科、救急部、脳神経外科、整形外科、放射線科、リハビリテーション科など他診療科や検査部との密な連携を維持しつつ、大学病院として高度な先進的医療を行っている。

症例数

年間の神経内科全入院患者数は約280~300人。平均在院日数は約20日。脳血管障害、脳炎・髄膜炎等の感染性疾患、多発性硬化症や急性散在性脱髄脳炎などの脱髄性疾患、重症筋無力症などの神経筋接合部疾患、パーキンソン病、様々な原因のパーキンソン症候群、脊髄小脳変性症、筋萎縮性側索硬化症などの神経変性疾患、ギラン・バレー症候群や慢性炎症性脱髄性多発神経炎などの末梢神経疾患、筋炎やジストロフィー症などの筋疾患、てんかんや頭痛等の機能性疾患など、広範囲にわたる神経内科疾患の診断・治療を外来あるいは入院にて行っている。教授回診、毎朝カンファレンス、症例検討会を行い、客観的に診断確定し治療方針を決定するよう努め、病状の変化に早急かつ適切に対応している。急性疾患の対処に際しては、放射線科および臨床検査部と連携することによって、MRIおよびCTなど画像診断および緊急検査を早期に実施し、正確な診断を期している。また、脳神経外科、整形外科、内科、救急部と密な連携をとり、適切な治療がスムーズに施行できる体制を構築している

★急性期脳血管障害は早期診断・早期治療が原則である。MRI拡散強調画像によって脳虚血の評価を行い適切な診断のもと、抗血小板療法または抗凝固療法を速やかに開始する。リハビリテーション科と連携し、早期リハビリを並行的に開始する。また、血栓溶解療法の適応がある場合、脳神経外科、救急部、放射線科と協力し治療にあたる。頸動脈エコーによって動脈硬化や狭窄病変を精査して、手術適応の有無の検討を行っている

★パーキンソン病・他の神経変性疾患については、正しい診断のもとに適切な治療を展開することが予後を改善することから、慎重な鑑別診断に努めている。特に、パーキンソン病早期診断は当科の主要な研究テーマの一つで、黒質エコー検査や心筋シンチグラフィ、嗅覚機能などを行い診断精度を高めている。薬物療法の最適化を図り、非薬物療法にも積極的に取り組むことで難治症状を改善し、生活の質(QOL)の向上に取り組んでいる。また、神経変性疾患の診断に関しては、必要に応じて遺伝子診断を実施している。筋萎縮性側索硬化症などの神経難病に対して難病ネットワークの基幹病院として、患者・家族の支援を行っている

★重症筋無力症などの免疫性疾患については、必要に応じて外科と連携し胸腺摘出を行い、ステロイド療法、免疫抑制剤投与、血漿交換療法などを行って病状の寛解を目指している。多発性硬化症に関しては、急性増悪期には高用量ステロイド療法を行い、再発抑止にはインターフェロン療法導入に努めている

★末梢神経疾患・筋疾患に対しては、正確な診断を期するために神経生理学的検査ならびに必要に応じ各種抗体検査や神経筋生検の検討を行っている。免疫グロブリン大量療法やステロイド療法を含めた機能回復を目指した治療に努めている

★眼瞼けいれんや痙性斜頸などのジストニア疾患については、ボツリヌス毒素局所注射療法を行っている

★いずれの疾患においても、詳細な病歴の聴取、神経学的所見の把握を行い、各種検査を実施して診断確定し、最適な治療方針を決定するプロセスを重視した客観的医療の実施に努めている。また、リハビリテーション科と連携することにより、QOLの維持、日常生活動作の維持・改善による社会復帰を目指している。神経難病など慢性疾患に対しては、地域の保健所・福祉施設との連携を行い、患者および介護者の援助を行っている。

医療設備

CT、MRI、MRA、脳血流SPECT、RI脳槽シンチ、MIBG心筋シンチ、脳血管撮影、頸動脈エコー、黒質エコー、末梢神経エコー、心エコー、脳波、末梢神経伝導速度検査、筋電図、各種誘発電位検査、磁気刺激誘発電、神経生検、筋生検。

「医者がすすめる専門病院 大阪・奈良」(ライフ企画 2011年5月)

神経精神科

分野

精神科

特色

精神科のプライマリケアから高度の専門的医療サービスの提供まで、日本精神神経学会認定指導病院として広範囲な領域を担当している。統合失調症、気分障害をはじめとする精神障害全般、特に近年増加傾向にあるうつ病、パニック障害を含む神経症性障害、心身症、脳器質性精神障害、老年期の認知症などの診療が主である。さらに、職場の精神保健にも積極的に関与し、個別的に患者さんの立場に立った医療を心がけている。磁気刺激を用いたうつ病の治療も行う。

症例数

09年度の外来総患者数は24,000人、新患数800人、1日平均外来患者数100人。1日平均入院患者数44.5人である

★外来診療は、うつ病を中心とする気分障害、パニック障害を含む神経症性障害、心身症、統合失調症が主で、その他認知症を含む老年期精神障害、器質性・症状性精神障害、てんかん、小児精神疾患の診察を行っている。心理検査のほかに、MRI、CTや脳波などの臨床検査を積極的に実施し、他科との連携を密接にしている。また、専門外来として、小児外来、発作(てんかん)外来を設けている。認知症および老年期精神障害に関しての専門外来は設けていないが、専門医による診察および相談が可能である。一般病床12床および精神保健福祉法に基づく指定精神病床40床を有している

★一般病床は軽症うつ病、神経症性障害が主である

★指定精神病床への入院は、患者の自由意思を尊重した任意入院を原則としている。入院患者の内訳は、統合失調症、躁うつ病、重症うつ病が主たるものである。アルツハイマー病、パーキンソン病などの神経疾患に伴う精神症状の精密検査・治療目的での入院も増加している。また、当科は県下の精神科合併症治療(結核を除く)の中心的機関であるため、身体合併症治療目的での他院からの紹介入院も増加している。

医療設備

CT、MRI、脳血流シンチグラム、脳波、睡眠ポリグラフ分析装置、事象関連電位、アクチグラム、高頻度磁気刺激装置、各種心理検査、箱庭。

「医者がすすめる専門病院 大阪・奈良」(ライフ企画 2011年5月)

呼吸器・乳腺外科

分野

乳腺・内分泌外科

特色

メス、抗癌剤、ホルモン剤、放射線治療を適切に組み合わせることで最良の治療効果を提供することを目指している。例えば早期乳癌であっても悪性度が高い症例には積極的に術前化学療法を行う一方で、限局型早期乳癌に対してはラジオ波熱凝固療法も実施している。

症例数

年間の原発乳癌症例数は170-200例

★マンモトーム生検は、通常のステレオガイド下マンモトームとマンモトームEXの2台を保有。超音波診断装置アプリオXGに搭載されているマイクロピュアモードで石灰化の同定が可能な症例に対しては、超音波ガイド下にマンモトームEXで検体採取を行い検査の負担軽減を図っている

★乳房温存比率は7割程度で、乳頭温存も1割程度に実施。乳頭温存手術に関しては30年以上の歴史を有する

★腋窩温存に関しては、センチネルリンパ節生検を2000年から開始し現在までに1,000例以上の経験を有する。臨床的に転移陰性と思われる症例に対してセンチネルリンパ節生検を行い転移陰性であれば腋窩郭清を省略するといった一般的なセンチネルリンパ節生検に加え、術前術後に腋窩リンパ節のMRI評価を追加することで微小転移例に対しても腋窩温存を実施している。また、腋窩リンパ節転移陽性例に術前化学療法を行い転移陰性へと変化した症例にもMRI所見に基づいたリンパ節サンプリングを付加することで腋窩温存を実施している。さらに高齢者かつエストロゲン受容体陽性で臨床的にリンパ節転移陰性例に対しては、センチネルリンパ節生検をも省略する試みも開始している

★術前化学療法に関しては、例えI期症例であっても術後に化学療法が必要な症例に対しては積極的に術前化学療法を実施している。ハーセプチン投与を術後に予定する症例に対してはハーセプチンを含んだ術前化学療法も実施し臨床的完全奏効を9割、病理学的完全奏効を過半数の症例に得ている

★ラジオ波熱凝固療法に関しては、十分なインフォームド・コンセントと詳細な画像評価に基づき実施し観察期間の中央値4年で乳房内再発は100例中1例(1%)と良好な成績を得ている

★多病死も含めた5年生存率は、I期95%、IIA期89%、IIB期85%、IIIA期76%、IIIB期52%。

医療設備

マンモグラフィ、超音波(アプリオXG、GEボルソン)、マンモトーム、センチネルナビゲーター、赤外観察カメラシステム、CT、MRI、放射線治療装置。

「医者がすすめる専門病院 大阪・奈良」(ライフ企画 2011年5月)

放射線科

分野

放射線科

特色

全身の悪性病変の放射線治療、画像診断に携わり、心臓、脳領域を除く血管内治療を提供している。放射線医学会専門医9人、日本IVR学会(血管内治療)指導医5人、日本放射線腫瘍学会認定医3人で各部門を担当している。患者に最先端の医療情報を提供し、安全で有意義な治療法を患者さんに選択してもらえるよう努力している。患者さんと同一視線で人間対人間の等関係で悪性腫瘍をはじめとする難病に取り組んでいる。医療の中心を患者さんととらえ、技師、看護師さんとチームを組んで高度なX線機器を駆使し、患者さんを取り囲むような形で診断と治療を行っている。

症例数

血管内治療部門=肝細胞癌(年間350例)に血管内治療を行っている。肝細胞癌の診断は血管造影下CTで全肝の精密検査を行う。毎週金曜日に内科、外科とのカンファレンスで肝細胞癌の治療方針を決定している。単発で肝機能良好であれば手術を行い、手術適応外とされた症例に肝動脈塞栓術と1週以内にラジオ波焼灼術、温熱エタノール注入を行っている。また、門脈一次、本幹腫瘍栓、肝静脈、下大静脈腫瘍栓を伴う場合には3次元放射線治療と肝機能が許せばリザーバーの抗癌剤併用治療を行っている。治療成績は、単発3cm以内であれば5年生存率52%、門脈腫瘍栓併存の進行肝癌の場合は1年生存率48%。胃静脈瘤には、バルーン閉塞下硬化剤注入療法を流出静脈である左副腎静脈より行っている。側腹路の多い場合には2~3回に分けて行うがその70%は1回で終了し、いったん硬化剤が流入すれば100%完治しうる。エコノミー症候群の深部静脈血栓症には、超音波、ダイナミックCTで病変の局在を確認後、下大静脈にIVCフィルターを留置し血栓溶解療法を行う。通常、下肢浮腫を伴って来院するが、治療後はほぼ全例に下肢浮腫の改善をみる。下肢動脈、腎動脈、透析シャントトラブルの症例にはバルーンカテーテルを用いた拡張術、ステント留置術を行っている。年間30例に行い、ほぼ全例に内腔の拡張と血流の改善を得ている。腹部大動脈瘤に対するスラントグラフト留置術を年間約30例に行い、良好な治療成績を得ている。転移性肝癌の症例にはリザーバーの留置を年間50例以上行っている。抗癌剤の持続的投与、管理により不治の病とされる病変にも、腫瘍の発育を阻止することで1年以上の生存を得ている。その他、喀血、肺動静脈瘻、交通事故による腹腔内出血、尿路出血、性器出血、鼻出血に対して動脈塞栓術を行っている

放射線治療部門=早期の悪性腫瘍であれば、下記の疾患で放射線治療で根治が得られる。前立腺癌、乳癌、頭頸部癌、一部の脳腫瘍。前立腺癌には高線量率組織内照射を提供している。外部照射との併用で年間約50例に行っている。5例の経過で癌死はみられない。副作用、合併症は外科手術、低線量率組織内照射と比べても少なく、良好な治療成績を得ている。乳癌は、局所切除後に3次元的照射を2方向より年間100例前後行っている。5年後の局所再発率は5%以下である。早期癌であれば根治が得られるだけでなく、美容的形状が維持される。頭頸部癌は手術の及びにくいところであるが、3次元照射を行うことで局所制御、機能温存がなされている。上・中・下咽頭癌、喉頭癌が良い適応である。また、口底癌、舌癌に組織内照射を行っている。子宮癌、直腸癌再発症例に腔内照射、組織内照射を行い、腫瘍の制御に役立っている。

医療設備

MRI3台、CT4台、SPECT2台、血管撮影装置3台、リニアック2台(4、6、10MV)、高線量率イリジウム装置、X線TV3台。

「医者がすすめる専門病院 大阪・奈良」(ライフ企画 2011年5月)

麻酔科・ペインクリニック

分野

ペインクリニック

特色

和歌山県の中枢医療機関として、各種疼痛性疾患および神経麻痺、多汗症などの非疼痛性疾患に対して神経ブロックおよび薬物療法を中心とした管理を行っている。癌性疼痛に対しては、院内の緩和ケア部と連携している。また、05年より産科・婦人科、周産期部と連携して、無痛分娩を積極的に推進している。

症例数

現在、外来患者数は1日平均約20人で、2人の外来担当医が診療し、同時に産科での無痛(麻酔)分娩にも対応している。年間の新患者数は約250人で、うち約40%は開業医など他施設からの紹介患者である。外来患者の内訳は、腰下肢痛、帯状疱疹後神経痛、頸・肩・上肢痛、癌性疼痛の順に多いが、最近では多汗症や顔面神経麻痺などの非疼痛性疾患の患者も多い

★硬膜外ブロック、星状神経節ブロックやトリガーポイント注射のほか、光線療法やイオントフォレーシス等、非侵襲的治療法も併用している。難治性疼痛に対しては、神経ブロックに偏らず、ドラッグチャレンジテストによる痛み発生の機序と有効薬剤の検索を行い、患者やその家族との面談を通じて、日常生活の質(QOL)向上を目標に疼痛管理を行っている。痛みの診断、管理は、整形外科、精神科など院内他部門との連携を密に行っている。神経破壊薬を用いた神経ブロックは、全例2日以上の入院の上、中央手術室にて透視下に行っている。多汗症に対する胸腔鏡下交感神経焼灼術は、呼吸器外科と合同で行っている

★05年7月より、当院産科での分娩予定妊婦で無痛(麻酔)分娩を希望される方を対象に、十分なインフォームド・コンセントの後、脊髄クモ膜下硬膜外併用鎮痛法による無痛(麻酔)分娩を行っている

★外来は基本的には予約制(病院予約センターtel073-441-0489)。

医療設備

外来の治療用処置台は7台、病棟の麻酔科専有入院ベッドは5床。外来には、低出力レーザー、サーモグラフィなど。その他、大学病院としての検査設備が揃っている。

「医者がすすめる専門病院 大阪・奈良」(ライフ企画 2011年5月)

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