専門医より推薦を受けた診療科目・診療領域

山形大学医学部附属病院は、複数の有名専門医(※)の間で「自分や家族がかかりたい」と推薦されています。
このページでは、専門医より推薦を受けた分野(科目、領域)の特色や症例数、所属している医師について取材・調査回答書より記載しています。 ※推薦、選定して頂いた有名専門医の一覧表

消化器内科

分野

消化器・一般内科

特色

文字通り消化器内科を専門領域としており、その教育、診療、研究に当たっている。伝統ある消化器内科学教室として全国的にも高く評価されており、「やさしい医者、考える医者」をモットーに患者の立場に立って診療することを心がけている。診療は大きく、消化管(上部・下部)、胆膵、肝臓の3つの部門に分かれているが、部門ごとに外科や放射線科あるいは腫瘍内科とのカンファレンスを行い、集学的治療を実践している。

症例数

外来患者数は09年度で1日平均115人、年間約28,000人である。新患・一般再診外来は週5日あり、専門外来は胃外来、腸外来、胆膵外来、肝臓外来を開いている。病棟は56床、09年度の入院患者延べ数は約19,000人

★消化管疾患では、早期がんに対する内視鏡治療を行っており、大きな粘膜内がんに対する切開剥離術(ESD)を積極的に施行している。またヘリコバクター・ピロリに対する除菌療法や進行食道がんに対する外来化学療法も積極的に取り入れている。炎症性腸疾患では、潰瘍性大腸炎は延べ300例、クローン病は60例に及ぶ。潰瘍性大腸炎に対する白血球除去療法は97年より、顆粒球除去療法は00年より行っている。クローン病に対しては、経腸栄養の草創期から栄養療法を実施しているが、現在ほぼ半数の患者に抗TNFα療法を導入し、経腸栄養からの離脱が得られるなど治療成績は良好である。08年にはダブルバルーン小腸内視鏡、09年にはカプセル内視鏡を導入することで、これまで観察困難であった小腸の観察や治療が可能となった。また09年には狭帯域フィルター内視鏡(NBI)を導入し、拡大内視鏡を組み合わせることでがんの微細病変など、精度の高い診断に効果を発揮している。09年の上部内視鏡検査は3,228件、下部内視鏡検査は1,702件

★胆膵領域疾患では、内視鏡を用いた診断および治療に力を入れている。切除不能胆管がんに対する胆管ステント留置術や、慢性膵炎・膵仮性嚢胞に対する膵管ステント留置術も多数施行している。09年のERCP施行検査数は258件で選択的胆管挿管率は94.5%、内視鏡的乳頭切開術は102件、超音波内視鏡は292件である。また、死亡率の高い重症急性膵炎に対しては、膵酵素阻害剤・抗生剤の動脈注入療法、持続血液濾過透析などを行うことで高い救命成績を得ている。進行膵がんに対するゲムシタビンを用いた化学療法にも力を入れている

★肝臓疾患に関しては全国有数の実績があり、C型肝炎に対するペグインターフェロンとリバビリン併用療法では高い治療成績を挙げている。B型肝炎に対する核酸アナログ剤の治療経験も豊富であり、病態に応じたきめ細かい治療を行っている。脂肪肝・非アルコール性脂肪肝炎については専門外来を開設している。肝硬変症の合併症である食道静脈瘤に対しては、内視鏡的治療を年間596件施行。肝細胞がんには、経皮的エタノール注入療法はもとより、ラジオ波焼灼療法や、経カテーテル的肝動脈塞栓術などの先端治療を日常的に施行している。09年保険適用となった肝細胞がんに対する分子標的治療薬も積極的に導入しており、附属病院内に副作用対策チームをつくり各科連携して治療にあたっている。ソナゾイド造影剤による造影エコーに加え、CT画像とエコー画像をリアルタイムに対比することで病変の局在、性状をより正確に診断できる、real-time virtual sonography(RVS)を09年に導入した。またエコーの新技術であるAcoustic Radiation Force Imaging(ARFI)を用いることで、肝生検を行わなくとも慢性肝疾患の肝硬度判定が可能となった。進行した肝硬変症に対しては、06年、肝再生を目指した自己骨髄細胞移植を当医学部倫理委員会の承認のもと、世界で2施設目として施行し、これまでに6例実施している。いずれも肝機能の改善が得られており、次世代の肝臓再生療法として期待されている。

医療設備

CT、MRI、電子ファイバースコープ(上部、小腸、下部;NBI対応)、カプセル内視鏡、EUS、超音波(RVS・ARFI対応)、PET-CT(2011年導入予定)。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ○
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東北版」(ライフ企画 2010年12月)

第1外科

分野

消化器・一般外科

特色

消化管外科、肝胆膵外科、乳腺・甲状腺外科の各領域において専門分野の医師が診療にあたる。専門的な知識や高度な技術を必要とする、各臓器の悪性腫瘍根治手術から炎症性疾患、生体肝移植のみならず、急性虫垂炎、鼠径ヘルニア、痔核などの一般的な疾患の手術も行っている。また、悪性腫瘍に対する集学的な治療を必要とする分野については、腫瘍内科、放射線科と連携し、適切な治療方針を打ち立て、患者さん一人ひとりに適正なオーダーメイドな治療を行うことを信条としている。

症例数

山形大学医学部外科学第1講座(消化器・乳腺甲状腺・一般外科学)における最近12年間の肝胆膵手術連続512例において「手術在院死亡なし」を更新中

★膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)の病態・診断・治療については、これまで力を入れてきたこともあって、最近手術数が急増している。IPMNで患者さんを絶対に失わないことを目標に努力している。IPMNの病態と手術治療における最近の研究成果は目覚ましく、国内外に発表をしている。膵管内乳頭粘液性腫瘍切除患者80例のうち、死亡退院0%、5年生存率82%、腺腫やボーダーライン、上皮内がんは全例生存するが、IPMN由来浸潤がんの予後は40%に落ちる。通常がんを合併すると0%である。手術適応のある症例は年齢や合併症を考慮するものの、原則的には手術を考慮するようにする。膵がんの治療についても局所の完全切除を目指した手術を行っている。つまり、膵頭神経叢の断端におけるがんの有無を20~30カ所の迅速病理組織診断に供して術中に診断しており、国内外からも高い評価を得ている

肝細胞がん=切除患者の5年生存率60.3%。肝がんに対する肝切除では、背景の肝硬変による肝機能障害が問題となる。当科ではインドシアニングリーンテストに加えて、アシアロシンチSPECT画像により術前に肝予備機能を把握し、適切かつ安全に肝切除を行っている

胆管細胞がん=切除患者5年生存率28.9%。肝門部胆管がんや胆嚢がんに対する術前門脈塞栓術を併用した拡大肝切除術を行っている

胆嚢がん=切除患者5年生存率64.2%。胆嚢結石症に対する腹腔鏡下胆嚢摘出術を行っている。木村主任教授は良性膵腫瘍に対し、初めて脾動静脈温存した膵体尾部切除術を発表しており、臓器温存手術を行っている

膵がん(通常型)=切除患者5年生存率は18.7%

膵頭十二指腸切除=リスクの高い手術であり、当科では術後のドレーンの性状、アミラーゼを測定し、必要な場合は持続洗浄などを行っている。十二指腸乳頭部には前がん病変が発生しやすい高齢者や、全身状態不良の患者さんに対して乳頭切除を行っている。術後は外来で、がん化学療法認定看護師とともに化学療法を行っている

胃がん=切除患者5年生存率76.1%。早期胃がんに対する機能温存手術(幽門保存胃切除術など)や腹腔鏡補助下胃切除術、進行胃がんに対する定型的手術を行っている

大腸がん=切除患者5年生存率71.4%。早期大腸がんに対する腹腔鏡補助下結腸切除術と、進行直腸がんに対する術前放射線照射を行っている

★食道がんに対しては3領域リンパ節郭清を伴う根治手術と放射線化学療法を行っている

乳がん=切除患者の乳房温存率は48.3%。5年生存率98%、乳がんに対して乳房温存手術や集学的治療(ホルモン化学療法など)を実施。甲状腺疾患に対する手術を行っている。

医療設備

MRI、CT、超音波、マンモグラフィ、シンチグラフィーなど。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 △

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東北版」(ライフ企画 2010年12月)

第1内科

分野

呼吸器内科

特色

当院は呼吸器疾患全般の診療を行っている。急性呼吸不全や感染症、肺がんの診療もさることながら、特に慢性閉塞性肺疾患(COPD)においては遺伝子などの研究レベルから、診断・治療・早期リハビリなどの臨床レベルまで総合的な医療を行っている。

症例数

年間入院患者は約320例前後で、慢性閉塞性肺疾患10%、感染症22%、肺がん33%、間質性肺炎7%、気管支喘息3%、気胸5%や急性呼吸不全などである。年間気管支鏡検査は約300例、そのうち経気管支肺生検は約100例、気管支肺胞洗浄を約30例施行している

★慢性閉塞性肺疾患に関しては、通常の治療に加え、呼吸不全が心臓に与える影響を考慮し、心臓CTなどの検査を循環器内科と連携して行っている

★感染症専門医が感染制御部を兼任しており、感染防御と治療の両面からのアプローチが可能である

★肺がんの診断では、正診率を高めるため気管支鏡に迅速細胞診を取り入れたり、効果予測のため遺伝子診断を行っている。診断が困難な症例は、放射線科や呼吸器外科との連携により、CT下肺生検や胸腔鏡下肺生検などを行うことが可能である。当院では、放射線化学療法や化学療法を開始する前に、トリートメントボードで症例検討を重ねている。最近では分子標的薬などの新規抗がん剤が登場しており、EGFR遺伝子変異を認める症例に投与を行っている

★難治性気胸など外科的治療が必要な場合は、呼吸器病センターとして呼吸器外科との連携がスムーズに行えることも特徴である。

医療設備

CT 3台、MRI 2台、核医学検査、気管支ファイバースコープ、精密肺機能検査など。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東北版」(ライフ企画 2010年12月)

第2外科(呼吸器外科)

分野

呼吸器外科

特色

呼吸器病センターとして、呼吸器内科との連携のもとに病棟が運営され、原発性肺がん、転移性肺腫瘍、縦隔腫瘍等を中心に治療を行っている。手術室はハイビジョン映像が導入され、CT等が放射線部と直結し詳細な解析が可能なハイテク施設となった。肺の表面付近の腫瘍は、胸腔鏡で部分切除が行われるものの、深い部位の腫瘍は胸腔鏡下切除が困難とされていた。画像をコンピューター処理し、部分切除と同等のアクセスで完全胸腔鏡下区域切除を行い、さらなる低侵襲術式と器具を開発している。この方法は超高齢者の肺がんや転移性肺腫瘍にも有用で、術後3日ほどで退院可能である。進行がんは腫瘍内科等との治療会議を毎週施行し、集学的治療を行っている。

症例数

09年の手術件数は180例で、原発性肺がん72例、転移性肺腫瘍15例、縦隔腫瘍20例など。非小細胞肺がんでI、II、IIIA期のうちN1(肺がんと同側のリンパ節に転移がある)は完全切除を第一選択とする。CT上、すりガラス状の影の小型肺がんが増加し、肺の切除範囲は小さくて済むようになってきた。比較的早期の肺がんは完全内視鏡で行い、痛みが軽く早期退院が可能である。IIIA期の縦隔リンパ節転移症例は、術前化学療法の後に手術を施行している。IIIB期以上は非手術療法が中心となるが、気管分岐部や心房などへの局所浸潤例は、積極的手術を基本に集学的な治療を行う。肺がん手術1,213例の病期別5年生存率は、旧分類IA期81%、IB期62%、IIA期41%、IIB期37%、IIIA期35%、IIIB期25%、IV期13%である。胸腔内出血や膿胸にも器具を自作工夫し、短時間に行っている。

医療設備

64列MDCT、オープンMRI、DSA、各種レーザー、リニアックなど。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ○
  • 主治医指名 ○
  • 執刀医指名 ○

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東北版」(ライフ企画 2010年12月)

第1内科(循環・呼吸・腎臓内科学)

分野

循環器科

特色

虚血性心疾患(急性心筋梗塞や狭心症)、心不全(心筋症、弁膜症、先天性心疾患)、不整脈(頻脈性不整脈、徐脈性不整脈)、肺高血圧症など、幅広い循環器疾患領域に対して高度先進医療の提供に取り組んでいる。第1内科は、循環器内科と呼吸器内科と腎臓内科の、他に類をみない混合診療科である。したがって、心疾患に合併することの多い心肺関連疾患(肺気腫など)や心腎関連疾患(腎不全など)に対して包括的な検査・治療方針の検討を行うことが可能である。また、急性心筋梗塞や急性心不全などの急患に対して、24時間対応している。レベルの高い心臓血管外科との連携によって、様々な患者さんのニーズを考慮しながら外科的あるいは内科的治療方針を決定している。

症例数

循環器病棟は循環器病センターとして、心臓血管外科と循環器内科スタッフが同じ病棟に混合しており、外科手術患者も入院から退院まで、一貫して同じ看護師チームが担当している。心臓超音波検査(年間約3,000件)は、特に経食道超音波検査は年間150件で、脳梗塞症例や弁膜症症例には積極的に行い、詳細な検討を加え治療指針を決定している。運動負荷試験(年間約200件)、心臓核医学検査(年間約400件)、心臓CT(年間約350件)は、狭心症の疑われる症例、高血圧、糖尿病、脂質代謝異常症など危険因子を合併している場合には、心臓カテーテル検査に代わる非侵襲的検査として外来検査を行っている

虚血性心疾患=冠動脈造影検査は年間700件、冠動脈カテーテル治療は年間約150件。急患を24時間受け入れており、急性心筋梗塞症例は年間約60件行っている。カテーテル検査後の治療方針については、検討会を行い、内服治療、カテーテル治療、バイパス治療の選択を慎重に行っている。カテーテル治療の際は、血管内超音波カテーテルや血管内視鏡を用いて、冠動脈病変の詳細な情報を把握しながら、より安全で、より効果的な治療戦略を検討して行っている。心臓以外の動脈硬化病変として、下肢の動脈狭窄や閉塞による症状(慢性動脈閉塞症)がある場合には、外科医師と検討・連携しながら、カテーテルによる血管形成術を積極的に行っている(年間約30件)

不整脈=徐脈、突然死予防、心不全治療として、ペースメーカー(年間約50件)、植え込み型除細動器(年間約30件)、両心室ペースメーカー(年間約10件)の植え込み手術を行っている。手術は循環器内科専門医が施行し、術後は専門外来にて定期受診していただく。頻脈性不整脈に対するカテーテルアブレーションは年間約60件施行(電気生理学的検査は年間約100件)されているが、最近、発作性心房細動に対するカテーテル治療件数が増加(年間20件)している傾向にある。内服薬の効果が乏しく、症状のない発作性心房細動に対しては積極的にカテーテル治療を行っている。不整脈原因部位の特定や、カテーテル位置が容易に把握できる3Dマッピングシステム(CARTO system)を併用することで、より安全で有効な治療成績をあげている。カテーテルアブレーション全体の初期成功率は94%である

心不全=急性期の重症心不全にはPCPS(経皮的人工心肺補助装置)、IABP(大動脈内バルーンパンピング)、血液透析などの循環補助装置を用いて急性期治療を行っている。弁膜症、先天性心疾患については、心臓カテーテル検査や心臓超音波などの結果から、循環器診療ガイドラインに沿って、心臓外科医と検討のうえ、外科手術の適応を決めている。心機能が低下し心不全症状がある症例に対しては、原因疾患に対する薬物治療あるいは外科治療を優先させるが、その効果が不十分な場合には、両心室ペースメーカーの植え込み術を検討する。

医療設備

心臓超音波装置4台、ホルター心電計10台、64列マルチスライスCT 2台、MRI 3台、心臓核医学検査、トレッドミル、心臓カテーテル装置2台など。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ○
  • 主治医指名 ○
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東北版」(ライフ企画 2010年12月)

第2外科(心臓血管外科)

分野

心臓血管外科

特色

小児から高齢者に至る心臓血管疾患を扱っている。診療体制は実質的な「循環器病センター」となっており、循環器内科(第1内科)と同一病棟、看護体制も共通となっている。これにより内科―外科診療科間の日常的に密接な連携が図られ、治療法決定のための定期的カンファレンスも活発である。診断確定(内科)→治療法の決定(内科、外科)→外科的加療(外科)→術後検査および最適な薬物療法決定(内科)などベストな治療がスムーズになされている。また、第2外科として心臓血管外科の他に、密接に関連する呼吸器外科、小児外科を診療体制の3本柱として有しており、毎朝カンファレンスで症例検討を行い、幅広い専門的な見地から最良の治療法を選択している。

症例数

09年の年間手術件数は第2外科全体で619件であり、そのうち、心臓血管外科手術は223例(うち、心臓および胸部大血管手術142例)であった。内訳は小児先天性心疾患34例、弁膜症疾患52例、冠動脈疾患31例、胸部大動脈瘤15例、その他心臓手術10例で、腹部大動脈以下の末梢血管手術59例であった。僧房弁閉鎖不全に対しては40%の症例に弁形成を施行、大動脈弁に対しては生体弁か機械弁を患者さんの年齢やニーズを考慮して選択している。冠動脈パイパス術では全例が心拍動下であり、87%がオフポンプバイパスであった。また、手術の対象となる症例も新生児8例、80歳以上の高齢者が16例と広範囲の年齢層にわたり、24時間以内の緊急手術11例、血液透析症例6例などと重症化している。術後30日以内の手術死亡は先天性2例、後天性心臓2例・血管2例で、全体の院内死亡率は2.6%であった。

医療設備

MRI、CT、MDCT、DSA、シネアンギオ装置、人工心肺、PCPS、IABP、CHDF。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ○
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 △

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東北版」(ライフ企画 2010年12月)

腎臓・膠原病内科

分野

腎臓内科

特色

専門は腎臓病と膠原病の診断・治療全般。関連分野として膠原病、高血圧も担当する。腎疾患の早期診断・治療から、保存期腎不全、透析導入、腎移植までの腎疾患全般に幅広く対応する。

症例数

腎疾患の外来患者数は月約300人、入院患者数は年間約200人、腎生検数は年間約60件である

★腎疾患の診断は、主に血液・尿検査、画像検査、腎生検(3~4日間入院)で行う

★IgA腎症に対しては、積極的に扁桃摘出術+ステロイドパルス療法を施行し、70~80%の症例で腎症状の改善を認めている

★慢性腎不全に対しては、短期間の教育入院や保存期腎不全外来(通院50人)において、栄養士による低蛋白食指導を含めた集学的療法を行い、腎不全進行の抑制に効果をあげている

★透析導入は年間15~20人。CAPDは当院外来で治療を継続し(5~10人)、維持血液透析は関連病院で行う。当院での血液浄化療法(持続血液透析濾過、血液吸着、血漿交換含む)は年間約1,200件、主に急性腎不全、維持透析患者の手術例を対象としている

★当施設では泌尿器科と連携して、内シャント作成、動脈表在化、人工血管留置、CAPDカテーテル留置、腎移植を行っている。また他領域との連携で腎疾患患者の各種合併症(虚血性心疾患、末梢動脈、関節、眼疾患など)の治療も行う

★診断や治療の導入は当院で、維持治療は当科からの派遣医がいる県内基幹病院外来としている。

医療設備

入院病床16床。透析ベッド5床、ICU、CT、MRI、血管撮影、腎シンチグラフィ等。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ○
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東北版」(ライフ企画 2010年12月)

泌尿器科

分野

泌尿器科

特色

診断から治療まで、トータルケアを心がけている。患者さん一人ひとりに最適な治療を、多面的に考慮する。クリニカルエビデンス(医学的根拠)のみに基づいた紋切り型の治療にはとらわれない。モットーは「丁寧な診断治療。質を保証する数は必要だが、数は質を保証しない」。診療困難がん症例については科横断的なキャンサートリートメントボードでの検討を行い、総合的な治療指針を策定する。

症例数

手術=直近3年間の1年あたり平均手術数は350件。泌尿器科腫瘍、女性泌尿器科、腎移植を中心に行っている。09年実数(カッコ内は10年1~8月):腎悪性腫瘍手術81例(43例)、膀胱腫瘍内視鏡手術65例(51例)、根治的膀胱摘除術10例(12例)、根治的前立腺摘除術21例(18例)となっている。特色は、①腹腔鏡下手術・ミニマム創手術:03年1月から本格的に腹腔鏡下手術を開始。これまで、200例以上の腹腔鏡下手術(副腎摘除術、腎摘除術、腎部分切除術、腎盂形成術)、ミニマム創手術(根治的前立腺摘除術09年10例)を行っている。②腎温存手術:小径(<4cm)の腎細胞がんには腎機能温存のために腎部分切除術を施行している(07年20例、08年13例、09年32例)。③体外循環下根治的腎摘除術:下大静脈内腫瘍塞栓を有する腎細胞がん症例では、胸部血管外科とのチームにより体外循環を併用し根治手術を行っている。④神経温存(再建)根治的前立腺摘除術:早期の前立腺がんには男性機能温存のために、原則として神経温存手術を施行している。症例により、形成外科とのチームで腓骨神経移植(陰茎海綿体神経再建14例)を行っている。⑤新膀胱造設:根治的膀胱摘除術の際の尿路変更術は回腸利用の新膀胱造設術を行っている。⑥女性泌尿器手術:腹圧性尿失禁に対するTOT手術、骨盤臓器脱に対しては、TVM手術を行っている。⑦腎移植:09年4月より、腎移植のための体制を再整備、09年10月に死体腎摘除のためにチーム派遣、同、献腎移植を施行。10年2月、5月、8月に生体腎移植を施行している

薬物治療=①腎細胞がんの分子標的薬治療:国内外の新薬(分子標的薬が中心)の開発治験に携わり、これまで新薬のみで、延べ70例の治療経験がある。この治療には、各科医師、看護師、薬剤師等からなる治療チーム(チームYURCC)により、きめ細やかな治療、ケアを行っている。また、サイトカインによる治療法も積極的に利用している。②膀胱がんに対する全身化学療法:MVAC最近5年間で29例(変法を含む)ゲムシタビン+CBDACA(カルボプラチン)27例(外来化学療法)を施行している。③胚細胞腫(精巣腫瘍)に対して、集学的治療(化学療法と手術療法)を行っている。化学療法後、後腹膜リンパ節郭清術は最近5年間で15例。④外来化学療法:QOL(生活の質)を維持した外来化学療法を積極的に施行。泌尿器科外来受診患者で、外来化学療法室を利用した09年度延べ患者数は612人。⑤前立腺がんの内分泌+放射線療法:最新型(東北初)のイメージガイドIMRT(強度変調放射線治療)装置が導入され、放射線治療科と共同して、内分泌+放射線治療を行っている

女性外来=排尿障害を中心に、女性専門外来「さわやか外来」を第2・4木曜日午後に行っている。

医療設備

3DCT、MRI、RI、イメージガイドIMRTなど。
  • セカンドオピニオン受入 △
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 △

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東北版」(ライフ企画 2010年12月)

リハビリテーション科

分野

リハビリテーション科

特色

当院は急性期治療を担う県内唯一の大学病院であり、リハビリテーションも、高度集中治療室でのベッドサイドリハをはじめとする急性期リハが中心となっている。一方、神経難病、脳腫瘍、小児疾患など難治例に対しては、ベッドサイドリハから難病疾患の退院にむけての環境整備までの包括的なリハビリを行っている。

症例数

最近5年間の患者数は毎年約1,200人である。対象は、整形外科入院患者が約4割で他科入院の患者が約6割である。リハビリ科独立の入院ベッドはないが、医師は整形外科を兼務しており、整形外科入院患者の細かな決定や調整ができている。そのほかの当院リハビリ科の特徴を以下に挙げる

★関節リウマチ:活動性の高い患者の教育入院、外来通院患者に対する機能訓練やリウマチ体操と関節保護の指導を行っている。生物学的製剤投与患者に対するリハビリテーションの効果についての研究を行っている

★痙性コントロール:脳性マヒやジストニアなどの痙性による運動障害のある患者に対して、ボツリヌス療法を用いた痙性コントロールを行っている。また、脳神経外科で行っている痙性麻痺に対するバクロフェン髄注療法の運動学的、電気生理学的評価も行っている

★電気生理検査:末梢神経障害、脊髄疾患に対する神経伝導検査、筋電図検査を行い、鑑別診断と病勢の定量的評価に役立てている

★高次脳機能障害:3年前(06年)に講座として設置された高次脳機能障害科からの処方に基づき、失語、失認などの高次脳機能障害患者の評価と機能訓練を行っている。

医療設備

多用途筋機能評価訓練装置(Biodex)、筋電計、重心動揺計、各種物理療法機器など。
  • セカンドオピニオン受入 ×
  • 初診予約 ×
  • 主治医指名 ×
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東北版」(ライフ企画 2010年12月)

産科婦人科

分野

産婦人科

特色

医学部全体で山形県のがんセンターとして機能している。病院再整備の結果、09年夏から産婦人科病棟も新しく機能的になっている。エビデンス(科学的根拠)や各種ガイドラインに基づいた治療を心がけており、診断から治療まで一環して行っている。治療と病状の説明は、平易かつ多角的に行っている。セカンドオピニオンは随時受け入れている

★がんの治療でも妊孕性や卵巣機能温存を重視し、患者さんとよく話し合って決めている。県内基幹病院とも連携し、がん化学療法や緩和医療を行っている。治療が困難な患者さんは、院内の多科合同の定期診療会議で多角的に検討している。院内では緩和ケアチームや栄養サポートチームも活動している

★県内の基幹病院と高度周産期医療の連携を行っている。遺伝相談や羊水染色体検査も専門医が担当している。一般妊婦さんも受け入れているが、合併症や胎児異常の妊婦さんも多い。病棟内に、母子センターとしてアットホームな分娩室(LDR)や新生児集中治療室(NICU)がある

★良性腫瘍は、患者さんの希望に沿い、できるだけ子宮鏡下・腹腔鏡下手術を適用している。子宮脱などの性器脱症例には、当科の泌尿器科専門医と連携・協力し対応している

★不妊治療には伝統があり、困難な不妊患者さんにも対応している

★各種専門外来(腫瘍、不妊、周産期、ヘルスケア)がある。ヘルスケア外来では、閉経後女性のヘルスケアを担当している。

症例数

09年の成績は、総手術件数257例、婦人科手術198例、うち腹腔鏡下手術59例であったが、例年通り合併症や進行悪性腫瘍の手術が多い。緊急手術も例年1~2割を占める

周産期=09年の分娩数165例。自然分娩数120例、帝王切開分娩数45例、帝切率27.3%であった。妊娠合併症や胎児異常の妊婦が8割を占める。新生児や小児外科チームの協力体制は緊密である

良性腫瘍=子宮内膜症や子宮筋腫などの良性疾患は、本人とよく話し合い、薬物療法から始め、手術療法はご本人が決断した後に初めて、内視鏡手術の適応から検討している。腹腔鏡下手術の59例は、良性腫瘍手術の6割を占める。年齢によれば「がん化」も考慮すべき卵巣チョコレート嚢胞には、患者さんの注意を促しながら慎重に対応している

悪性腫瘍=09年の手術は、子宮頸がん数17例、子宮体がん数41例、卵巣がん数23例、その他の悪性腫瘍4例であった。頸がんと体がんはI期が、また卵巣がんはIII期以上の進行がんが過半数を占める。全体の成績は、国立がんセンターなどのがん専門病院と同等である。妊孕性温存手術も患者さんと話し合い、納得いただいた上で治療に入っている。頸がんにおいては手術と放射線治療の成績が同等であることを了解いただきながら、希望を重視した上で適切な治療を提供している。体がんや卵巣がんに対する根治手術では、傍大動脈のリンパ節郭清まで行っている。体がん術後や卵巣がんの再発後など確立されていない化学療法については、了解が得られれば積極的に全国規模の臨床試験に参加させていただいている

不妊=09年の成績は、新鮮胚において、採卵周期数125、妊娠数22、妊娠率27%、多胎率18%、流産率27%。凍結胚では、胚移植周期数28、妊娠数7、妊娠率25%、多胎率14%、流産率29%であった。大学病院へ紹介いただく患者さんは治療困難な方が多いが、最善の対応をさせていただいている。

医療設備

コルポスコープ、子宮鏡、体外受精ユニット、各種超音波機器、PWV、CT、MRI、放射線施設などを備えている。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ○
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 △

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東北版」(ライフ企画 2010年12月)

小児科

分野

小児医療

特色

各疾患領域を専門とする医師がそろっており、それぞれ高度医療を行っている。特に、新生児の外科疾患や先天性心疾患および腫瘍性疾患など、外科系各科や放射線科などの専門各科との連携が必要な疾患に関して、集学的な診療が可能である。また、各分野の難治例や重症例に関して、県内の各関連病院との連携をとりながら、より専門性の高い医療を提供している。救急外来は、基礎疾患がある患者や2次救急病院からの紹介患者に関して、24時間小児科医師が対応する体制が整っている。また、遺伝性ニューロパチー、先天性中枢性低換気症候群、脳形成障害、先天性内分泌・代謝異常などの遺伝子診断を精力的に行っている。

症例数

小児科病棟34床(うち、乳児室6床)、他にGCU 3床、NICU 6床。09年入院患者数は延べ340人。外来受診は主に専門外来となるが、1日平均40~45人

内分泌・代謝=早坂教授、沼倉医師が担当。先天代謝異常症全般、小児内分泌疾患全般(低身長、糖尿病、肥満を含む)の診察を行っており、年間新患数約180人。山形県新生児マススクリーニングの精査機関、および山形県糖尿病サマーキャンプの事務局となっている

循環器=鈴木医師らが担当。先天性心疾患をはじめとして川崎病、特発性心筋症、不整脈、特発性肺動脈性肺高血圧症などを対象としている。カテーテル検査は年間約40人。産科から紹介される胎児の心奇形や不整脈の診察、また、循環器内科や循環器外科と協力して成人先天性心疾患の診療も行っている

神経・筋=加藤医師、中村医師が担当。加藤医師の専門領域はてんかん、脳形成障害であり国内外から依頼を受け、診断・遺伝子解析を行っている。年間の新患は132人(08年)。てんかん、脳炎・脳症、筋疾患、脳性麻痺、精神運動発達遅滞など多岐にわたる疾患の診断・治療を行う。けいれん重積や脳炎脳症などの急性期疾患の入院受け入れは随時対応している。診断の困難な症例に関して、生化学・画像・電気生理検査などを施行し、治療方針を検討している。また疾患の治療のみならず、障害を持つ児の成長を促すための指導や、社会的資源の活用を通した在宅医療の支援も行っている

血液・腫瘍=三井医師らが担当。悪性・良性腫瘍性疾患、血液疾患、免疫疾患などの患者に対し、小児外科、整形外科、耳鼻咽喉科、脳神経外科などの外科系や放射線科との連携をとりながら診断・治療を行っている。新入院数は年間10~15人であり、造血幹細胞移植は非血縁、血縁者間骨髄移植、自己末梢血幹細胞移植、臍帯血移植などを年間6~7人行っている。外来では、化学療法の継続、および治療終了者のフォローアップを各専門医師との連携をとりながら行っている

腎臓=松永医師が担当。一次性・二次性・家族性の腎炎・ネフローゼ症候群や腎不全、先天性尿路奇形、夜尿症などの診断・治療を行っている。外来症例数は年間約600人、入院症例数は年間20~30人、腎生検は年間10人実施している。腎炎・ネフローゼ症候群に対して各種免疫抑制療法を行い、腎不全に対して急性期血液浄化や腹膜透析などを行い、腎移植の術前・術後管理も行っている

新生児=佐々木医師を中心に、低出生体重児、染色体異常、奇形症候群、新生児外科疾患の術前・術後管理など多岐にわたり診断・治療を行っている。新生児新入院数は09年に約90人。うち、低出生体重児は22人、消化管閉塞など外科疾患は10人。09年11月からは新生児特定集中治療室(NICU)6床を開設し、24時間体制で診療している

児童精神=非常勤医が担当。不登校、多動症、自閉症などの診断を行っている。また、患者本人およびその家族と十分な時間を設けてカウンセリングを行っている。

医療設備

CT、MRI、超音波検査、脳波、SPECT、呼吸機能検査、DEXA、血管造影(心臓カテーテルなど)、無菌室、感染対策陰圧室。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 ○
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東北版」(ライフ企画 2010年12月)

小児外科

分野

小児外科

特色

小児科はじめ外科系診療科と連携して専門的医療を提供している。病気を治すのはもちろんのこと、より侵襲の低い手術、機能を重視した手術を心がけている。手術を受けた子の生涯にわたる心のケアのため、美容的な観点から創(きず)を最小限にするような手術が重要であると考えており、内視鏡下手術も積極的に取り入れている。治療方針はご家族と話し合い、一人ひとりにマッチした最善の治療とQOL(生活の質)向上を目指している。

症例数

ここ数年の年間手術件数は約200件、そのうち新生児手術は約20件で、内視鏡手術は年間約50件である。09年度(08年度)の症例の内訳は、先天性食道閉鎖症4(1)、直腸肛門奇形3(2)、先天性十二指腸閉鎖症5(1)、先天性小腸閉鎖症1(1)、先天性横隔膜ヘルニア2(1)、腹壁異常症1(2)、腸回転異常症手術1(1)などであった。乳児期以降の手術症例は頭頸部疾患、肺嚢胞性疾患、胆道拡張症・閉鎖症2(2)、肥厚性幽門狭窄症、虫垂炎、腸重積症、水腎症1(7)、膀胱尿管逆流症7(7)、停留精巣10(9)、鼠径ヘルニア(脱腸)、臍ヘルニア(出ベソ)から小児腫瘍4(5)まで多岐にわたっている。内視鏡手術は漏斗胸に対するナス法2(0)、鼠径ヘルニア38(13)、停留精巣1(2)、ヒルシュスプルング病1(2)、胃食道逆流症や食道裂孔ヘルニアに対する噴門形成術7(2)等である。近年の傾向として腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術を希望する家族の増加がある。小児がんに対しては小児科、放射線科、腫瘍内科などと連携し、術前術後の末梢血幹細胞輸血・骨髄移植を含めた化学療法、放射線療法、手術を組み合わせた集学的治療を行い、良好な成績をあげている。小児の便秘等の日常的疾患の外来診療も行っている。

医療設備

NICU、ICU、クリーンルーム、各種画像検査、内圧測定装置、24時間PHモニター、内視鏡、膀胱鏡、胸・腹腔鏡、NO吸入装置、HFOなど。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 △

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東北版」(ライフ企画 2010年12月)

耳鼻咽喉科

分野

耳鼻咽喉科・頭頸部外科

特色

耳鼻咽喉科・頭頸部外科領域全般の診療を行っているが、特に聴覚、頭頸部腫瘍の診断・治療、研究に重点を置いている。特に頭頸部がんについては、全国の大学医学部で初めての「がんセンター」が設立され、講座、診療科の壁を取り払い、がん診療に関わる各々の部門が有機的に連携して、患者を中心とした世界レベルのがん診療体制が築かれている。また、末梢性顔面神経麻痺の病態解明や予後診断および治療、突発性難聴の病態解明や治療に関しては、他をリードする成果をあげている。誘発反応を用いた他覚的聴力検査をはじめ、めまい(眼球運動)のコンピューター解析を用いた診断、各種自己免疫疾患の病態解析および治療、頭頸部嚢胞性疾患に対する薬液注入療法など、多岐にわたり力を入れている。日本耳鼻咽喉科学会認定専門医研修施設。

症例数

年間入院患者延べ数約9,500人。外来患者延べ数約17,000人。総手術件数655件、麻酔件数335件

★頭頸部腫瘍のうち、上顎がんは超選択的動注化学療法を併用した集学的治療を施行しており、疾患特異的5年生存率(上顎がんで死亡しなかった人の割合)は83.0%、眼球保存率100%、口蓋保存率76.4%である。上咽頭がんでは、主に放射線と化学療法を併用した治療を施行しており、5年生存率は87.5%である。中咽頭がんでは集学的治療を施行しており、5年生存率は72.0%である。下咽頭がんでは全症例における疾患特異的5年生存率は49.7%であり、手術を中心とした集学的治療を施行した症例では、5年生存率は72.6%にのぼっている。喉頭がんでは5年生存率は92.2%であり、早期喉頭がんの喉頭機能保存率は1期97.1%(82例)、2期72.3%(47例)である。舌がんでは5年生存率72.8%であり、早期舌がんの後発リンパ節転移症例に対する手術救済率は85.7%にのぼる。その他、各種の頭頸部領域の手術を積極的に行っている

★耳科手術では、鼓膜形成術、および慢性中耳炎や真珠腫性中耳炎などに対する鼓室形成術、耳硬化症やアブミ骨固着症などに対するアブミ骨手術、高度感音難聴症例に対する人工内耳手術などを積極的に行っている。鼓室形成術III型の成功例は73%、IV型の成功例は65%、アブミ骨手術の成功例は97%を占めている

★鼻副鼻腔手術では、内視鏡下鼻内手術を基本として、レーザーを用いた鼻粘膜焼灼術、難治性鼻出血に対する手術治療など、多種多様な病態に対応した手術を施行しており、良好な結果を得ている

★突発性難聴では、ステロイドや循環改善剤などの投薬治療を施行しており、有効率は70%を占めている。中等度以上の難聴の場合には、早期の入院治療を勧めており、その方が効果が高い

★顔面神経麻痺では、従来よりステロイドの投与を行ってきたが、近年では抗ウイルス剤の併用投与が行われ、特発性顔面神経麻痺(ベル麻痺)の治療成績は、不全麻痺ではほぼ100%、完全麻痺でも90%以上の高い治癒率を示す

★頸部嚢胞性疾患では、我々は従来からガマ腫に対してOK-432の局注療法をしており、これにより消失ないし縮小を示した例の割合(有効率)は94%であった。近年ではこれを応用して、頭頸部のあらゆる部位の嚢胞性疾患に対して用いており、高い有効率を得ている。

医療設備

MRI、CT、核医学、超音波、リニアック、聴性脳幹反応(ABR)、耳音響放射(OAE)、聴性定常反応(ASSR)、電気眼振計(ENG)、エレクトロニューロノグラフィー(ENoG)、各種内視鏡、サージトロン、マイクロデブリッダー、アルゴンプラズマレーザー、電気味覚計、嗅覚機能検査、鼻腔通気度検査などを備えている。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 △

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東北版」(ライフ企画 2010年12月)

歯科口腔外科・顎顔面外科

分野

歯科口腔外科

特色

山形県内唯一の特定機能病院歯科口腔外科として、口腔外科疾患全般に広く対応している。口唇裂口蓋裂治療は、県内の基幹病院、矯正歯科専門医や言語聴覚士と連携し、口唇形成術や口蓋形成術から言語治療および咬合治療まで一貫した治療を行う。口腔がんは大学病院全体のがん症例検討会において治療方針を検討し、耳鼻咽喉科、形成外科、放射線科、腫瘍内科等の関連科と連携をとり治療を行っている。顎変形症は県内矯正歯科専門医と連携をとり、定期的に勉強会を開催しながら治療を進めている。様々な基礎疾患を有する患者に対する歯科治療は、内科や麻酔科等と連携をとり十分な医療安全対策を行ったうえで歯科治療を行う体制が整っている。咬合再建のための歯牙移植や、インプラント治療およびインプラント埋入前の骨移植術による顎堤再建も積極的に施行している。また、現在、難治性開口障害への対応として独自の開口訓練器を開発し、臨床応用を開始している。

症例数

★08年度初診患者件数;良性腫瘍59件、悪性腫瘍25件、外傷47件、炎症42件、嚢胞39件、先天奇形15件、顎変形症28件、顎関節疾患160件、神経性疾患10件、口腔粘膜疾患47件、唾液腺疾患6件、埋伏歯・智歯249件、う蝕歯周病514件、有床義歯68件、その他105件

★08年度入院患者別件数;良性腫瘍16件、悪性腫瘍30件、外傷2件、炎症6件、嚢胞19件、先天奇形8件、顎変形症18件、口腔粘膜疾患1件、唾液腺疾患1件、埋伏歯18件、その他21件

★08年度の全身麻酔手術件数;良性腫瘍13件、悪性腫瘍12件、外傷1件、嚢胞14件、先天奇形5件、顎変形症15件、唾液腺疾患2件、埋伏歯5件、その他21件。

医療設備

医学部附属病院として最先端の医療設備が備わっている。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ○
  • 主治医指名 ○
  • 執刀医指名 ○

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東北版」(ライフ企画 2010年12月)

糖尿病・内分泌代謝内科

分野

糖尿病内分泌内科

特色

糖尿病・内分泌代謝内科を専門とし、この分野の疾患全般の診療を行っている。山形県唯一の大学附属病院であり、地域の住民、医療機関からの信頼が厚く、それに応えるべく、地域での活動(住民および医療者対象)に力を入れ、臨床・教育・研究の3分野においてトップレベルを目指している。

症例数

入院定床15床。外来は、糖尿病・代謝と内分泌外来に大別

糖尿病・代謝内科=現在定期的に外来通院中の糖尿病患者数は約1,100人、うち1型糖尿病は1割弱。外来では約50%がインスリン治療中で、外来インスリン導入、栄養指導、糖尿病療養指導、フットケアを積極的に行っている。入院では、種々のクリニカルパス(入院時の治療計画表)を用意し、週末を利用した3泊4日パスも行っている。糖尿病予備軍、脂質異常症(高脂血症)、高尿酸血症、メタボリックシンドローム等の代謝疾患の診療もしている

内分泌内科=代表的疾患としては甲状腺疾患(バセドウ病、橋本病、甲状腺腫瘍等)、脳下垂体疾患(先端巨大症、乳汁分泌症等)、副腎疾患(クッシング症候群、アルドステロン症等)があり、現在外来通院中の患者数は約600人。外科治療が必要な場合は、外科(脳神経外科、あるいは泌尿器科)と密に連携を取っている。

医療設備

当病院は特定機能病院として、種々の最先端医療設備を備えている。詳細はホームページ参照。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 ×
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東北版」(ライフ企画 2010年12月)

第3内科(血液内科)

分野

血液内科

特色

一般内科の基本の上に各症例ごとに血液疾患の病態を把握・治療を行う。診療体制は複数主治医制をとる。対象はすべての血液疾患として、山形県内の要請に対応する。病院内でHLA検査、フローサイトメトリー、遺伝子検査、キメリズム解析を行い、迅速な対応を可能としている。骨髄移植・臍帯血移植認定施設。血液病室約20床。

症例数

血液内科の入院患者は常時25人前後で、可能な限り、短期入院、外来治療、紹介元での治療を実施している。08年度年間新規入院患者数は70人、内訳は悪性リンパ腫38%、急性白血病12%、多発性骨髄腫11%、骨髄異形成症候群6%の他、再生不良性貧血、赤芽球癆、特発性血小板減少性紫斑病、血球貪食症候群などである。年間延べ入院患者数は130人。移植については08年度は同種造血幹細胞移植8人、臍帯血移植3人、自家末梢血幹細胞移植7人である。同年の急性骨髄性白血病の無病生存率は66%、悪性リンパ腫の無病生存率は81%である。急性白血病の治療は日本成人白血病研究グループ(JALSG)に参加し、そのプロトコールに基づいた治療を行っている。悪性リンパ腫の治療は、病理医と定期的な標本カンファレンスを行い、情報共有、正確な診断のもとに治療方針を決定している。悪性リンパ腫の自家移植についてはTohoku Hematology Forum(THF)の臨床試験に参加している。慢性骨髄性白血病、多発性骨髄腫についても臨床試験に参加、患者さんには積極的な登録をお願いしている。患者さんの治療方法の選択にあたっては、可能な限り、その根拠を得る努力をするが、根拠がない場合も多く、患者さんと共に悩みながら治療法を選択する場合も少なくない。

医療設備

無菌病室2床、造血幹細胞移植に必要なすべてのハードウェアを完備している。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東北版」(ライフ企画 2010年12月)

腎臓・膠原病内科

分野

リウマチ・膠原病内科

特色

専門はリウマチ・膠原病の診断・治療全般。リウマチ・膠原病における早期診断、全身状態評価から、基本的薬物治療、生物学的製剤、血漿交換、血液吸着、白血球吸着まで幅広く対応する。同じ講座内に循環器、呼吸器グループをもつため、特にリウマチ・膠原病の合併症診療、全身管理が充実している。

症例数

リウマチ・膠原病の外来患者数は月約200人(うち関節リウマチは120人)、入院患者数は年間約150人

★リウマチ・膠原病の診断は主に症状と血液尿検査で行うが、必要時には腎生検、血管造影・気管支鏡検査なども追加する

★関節リウマチの治療は、メトトレキサートを中心とし、使用できない例や効果不十分な例に対しては、生物学的製剤、免疫抑制薬、白血球除去療法などを施行している。生物学的製剤は約50人(関節リウマチ患者の約40%)に使用している

★全身性エリテマトーデスについては、予後を規定するループス腎炎の診断のため腎生検を行い、ステロイド・免疫抑制薬・エンドキサンパルス療法、血液浄化療法を積極的に行い効果をあげている

★強皮症、皮膚筋炎、シェーグレン症候群、血管炎、ベーチェット病、抗リン脂質抗体症候群などの症例も多く、その診断・治療にも対応している

★当施設では、関節の評価や手術、リハビリテーションのために、整形外科・リハビリテーション部と積極的に連携している

★診断や治療の導入は当院で行い、維持治療は当科からの派遣医がいる山形県内基幹病院外来としている。

医療設備

入院病床16床。ICU、CT、MRI、血管撮影装置など。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ○
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東北版」(ライフ企画 2010年12月)

脳神経外科

分野

脳神経外科

特色

嘉山主任教授の手術方法の開拓により、安全確実な手術において脳神経外科の各専門分野で治療法のオピニオンリーダー的存在となり、どの専門分野においても、これまでの治療成績やエビデンス(科学的根拠)を超え、より良い治療成績を得られるよう新たなエビデンスの発信を目指してる。また、自科にこだわった治療方針でなく、院内・院外の他科との詳細な検討のうえ、multimodality(手術のみでなく様々な治療機器を用いること)により、常に長期治療成績を念頭に置いた機能温存治療を第一義としている。特に、覚醒下手術においては、当科にawake surgery研究会事務局があり世界に先駆けたガイドラインを作成するなど、草分け的な存在である。さらに診療のみならず、大学としての教育、研究にも最大限の力を注ぎ、地域全体の診療レベルの向上を目指した生涯教育体制を敷いている。

症例数

年間の手術数は約220例

★脳腫瘍外科(年間約100例)では、術中MRI、ナビゲーション、術中光線力学的診断、覚醒下手術を含めた詳細な神経機能マッピング、持続的神経機能モニタリングによる機能温存手術を積極的に行い、最大限の摘出と最小限の後遺症を目指した手術を行っている。また、内視鏡も初期から導入し、間脳下垂体腫瘍の手術も多数行っている。さらに日本からのエビデンス発信を目指し、化学療法や放射線療法を含めた集学的治療を他大学と共同で行う中心的な存在となっている。また、院内のキャンサートリートメントボードにより、治療前に他科と一堂に会し検討を行い、自科にとらわれない治療方針の検討を常に行っている

脳血管外科(年間30例)=術中の蛍光診断、脳血流評価、神経機能モニタリング、術中MRIを駆使し、合併症を出さないことを第一義とした安全確実な手術手技を行っている。また、血管内手術も行っており、血管内治療においても安全確実をモットーにしており、そのための詳細な術前診断を3テスラMRIを用いて行っている。また、モヤモヤ病に対する手術工夫も行い、良好な手術成績を得ている

てんかん外科(年間10例)=術前の神経磁気診断(MEG)と長時間ビデオ脳波および硬膜下電極による長時間ビデオ皮質・皮質下脳波を詳細に検討し、術前にあらかじめ摘出範囲を決定し、計画的な手術をすることにより良好な手術成績を得ている。また、腫瘍によるてんかんに対しても、同様の詳細な検討を行っている

定位・機能神経外科(年間約20例)=パーキンソン病、ジストニア、痙性麻痺、難治性疼痛などに脳深部刺激療法、脊髄刺激療法、バクロフェン髄注療法などを、神経内科やリハビリテーション科と共同して行っている。顔面けいれん、三叉神経痛、舌神経痛に対する神経減圧術も、安全確実をモットーにした手術方法を学会発表している

小児神経外科(年間約15例)=二分脊椎、キアリ奇形、水頭症、頭蓋骨早期癒合症などに対しても専門的な治療を行っており、特に内視鏡手術に関しては軟性内視鏡を用いた草分け的存在である

★その他、頭部外傷や脊椎脊髄疾患に対しても専門的加療を行っている。

医療設備

CT、3d-CTA&V、MRI、perfusion MRI、DSA、SPECT、エコーが24時間体制で可能、MEG、PET、functional MRI、EEG、video EEG、NIRSなど最新診断機器完備。術中MRI、術中DSA、術中蛍光診断、最新顕微鏡、ナビゲーションシステム、術中MRIによるアップデートナビゲーション、神経モニタリング機器、術中EEG、覚醒下手術用モニター、定位脳手術装置、手術シミュレーション装置、神経内視鏡、術中エコーなど最新手術支援装置完備。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 △

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東北版」(ライフ企画 2010年12月)

放射線診断科

分野

放射線科

特色

一般の単純写真からCT、MRI、核医学、心臓カテーテル検査を除いて頭から足までの血管撮影など、すべての診断部門を担当し、当日中の迅速、かつ正確な画像診断、報告書の作成を日常業務としている。新たな知見を求めてレビューするとともに、放射線診療技師と協力しながら、新たな診断法、検査法の開発に力を入れている。日本核医学会専門医教育施設に認定されており、形態、機能画像評価法の開発を行っている。また画像診断技術を用いた低侵襲の治療であるインターベンショナル・ラジオロジーの修練施設となっており、頭頸部、腹部を中心に積極的に取り組んでいる。

症例数

★画像診断部門の09年度の検査件数はCT 15,000件、MRI 7,500件、核医学2,000件、血管造影およびインターベンショナル・ラジオロジー(IVR)500件であった

★中枢神経の画像診断では、3テスラのMRI装置を用いて血管の輪郭画像や血管を詳細に描出する最新の画像を開発し、椎骨―脳底動脈解離の診断、血管の神経への圧迫が原因である顔面神経麻痺、三叉神経痛の診断に成果をあげている

★頭頸部領域では、血管内の血流と血管壁、動脈硬化を詳細に分離して描出するMRIの撮像法を開発して、動脈硬化や動脈解離のより正確な診断が可能になった。手術室に新たに1.5テスラのMRI装置が設置され、術中MRIを行っている。主に脳腫瘍の手術において、腫瘍の正確な診断、切除評価に役立っている。胸腹部分野への応用を検討中である

★当院では、悪性腫瘍の治療法がキャンサートリートメントボードにより決定され、臨床各科からIVRが依頼される。アンギオ装置にCTが組み込まれたIVR-CT装置が導入され、血管造影時に簡便にCTが施行できるため、腫瘍の正確な診断と腫瘍血管の正確な把握が可能である

★消化器内科および消化器外科から依頼される肝腫瘍に対する抗がん剤動注、動脈化学塞栓術、リザーバー留置術などが年間110件に達する。消化器内科が施行する局所療法(ラジオ波焼灼、アルコール注入など)との併用により肝細胞がんの治療成績の向上が図られている

★耳鼻咽喉科および口腔外科からの依頼による頭頸部がんの抗がん剤動注が年間50件ある。特に、上顎がんに対する局所動注と放射線の併用療法はきわめて有効で、進行上顎がんにおける局所制御率が90%を超え、他病死を含めた5年生存率が80%に近い。ここでもIVR-CT装置による腫瘍血管の正確な評価が治療レベル向上に役立っている

★その他の手術できない腫瘍や、手術前治療を目的とした動脈塞栓術、抗がん剤動注を年間約10件施行している

★数は多くないが、外傷や消化管、婦人科出血など緊急の血管塞栓術(止血)などのインターベンショナル・ラジオロジーには、昼夜を問わず迅速に対応している

★透析シャントの閉塞に対する血管拡張術、出血予防のための術前の腫瘍塞栓術や産科術前のバルーン閉塞術などの依頼が、年間約20件ある

★核医学検査は2台のSPECT-CTを用いて施行している。脳血流シンチ、心筋シンチ、骨シンチ、肝アシアロシンチが多数を占め、三大成人病の診断、経過観察に役立っている。肝アシアロシンチでは、15年以上前に当院独自の解析法を開発し、正確な局所の肝機能、肝予備能評価を可能とした。県内の病院に普及しており、消化器内科や消化器外科では肝炎、肝硬変、肝腫瘍の診断、治療の分野で非常に役立っている。新たにサイクロトロンを有するPET-CTを導入予定である。

医療設備

64列MDCT 2台、MRI(3テスラ1台、1.5テスラ2台)、IVR-CT(64列MDCT)1台、シネアンギオ1台、アンギオ1台、SPECT-CT 2台

★10年度中に2台目のIVR-CT(64列MDCT)、およびサイクロトロンを有するPET-CT 2台が稼働予定である。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ○
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東北版」(ライフ企画 2010年12月)

放射線治療科

分野

放射線科

特色

日本放射線腫瘍学会認定施設で、3人の放射線治療専門医、2人の放射線治療専攻医、放射線科後期研修医数人が在籍している。医学物理士・放射線治療専門技師により、厳格な質的基準が維持されている。がん患者さんの治療方針は、原則として複数科の専門医・コメディカルスタッフが参加するキャンサートリートメントボード(CTB)にて決定されており、ガイドラインでは対応できないようながんに対しても、各専門科の知識と技術を集約し最適な治療方針を決定している。10年より放射線治療棟の新築移転に伴い、2台の世界最先端の画像誘導機能付きのリニアックが稼働を開始。頭頸部・体幹部の強度変調放射線治療(IMRT)、定位放射線治療、画像誘導放射線治療(IGRT)、呼吸同期照射など、世界最先端の放射線治療が可能となった。

症例数

09年の初診患者数は384人。原発臓器別の内訳は、脳脊髄27人、頭頸部40人、肺縦隔(肺)31(24)人、乳腺58人、肝胆膵11人、消化管11人、婦人科34人、泌尿器科(前立腺)64(39)人、血液22人、皮膚骨軟部9人、その他9人、良性3人、小児11人。治療内容の内訳は、外照射355人、腔内照射(婦人科がん)8人、全身照射11人、甲状腺がんヨード治療9人、ストロンチウム治療10人である。93年11月から00年4月までの当院の乳房温存術後放射線治療の治療成績は、5年生存率98.2%・無再発生存率97.4%である。

医療設備

リニアック2台、治療計画専用マルチスライスCT、3次元治療計画装置7台、高線量率イリジウムアフターローディング装置、RI病室、一般病室など。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ○
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東北版」(ライフ企画 2010年12月)

腫瘍内科

分野

癌化学療法

特色

様々な領域のがん治療を担当する診療科として07年6月に新設された。がん化学療法を専門的に行いながら、がん治療のトータルコーディネーターの役割を担っている。必要であれば外科治療や放射線治療を組み合わせた集学的治療や、緩和治療など最適と思われる治療を進めていく。また、院内検討会(キャンサートリートメントボード:CTB)を主催しており、他診療科のがん治療にも専門的なアドバイスをしている。山形大学腫瘍内科が診療対象としている疾患は非常に幅広く、消化器がん(食道がん、胃がん、結腸直腸がん、膵胆道がん)の化学療法並びに放射線との併用療法、肺がんの化学療法並びに放射線との併用療法、乳がんの化学療法、原発不明がんの診断治療、悪性軟部腫瘍の化学療法、その他の悪性腫瘍のセカンドオピニオンなどである。診療相談をしながら地元で治療継続も可能である。詳しくは腫瘍内科ホームページを参照。http://www.id.yamagata-u.ac.jp/Med_Oncology/index.html

症例数

07年6月から09年12月までの入院患者数は胃がん94人、食道がん61人、結腸直腸がん18人、膵胆道がん10人、胸部悪性腫瘍(肺がん・縦隔腫瘍など)38人、乳がん5人、悪性リンパ腫17人、原発不明がん36人、悪性軟部腫瘍17人、その他(副腎がん、皮膚がん・悪性黒色腫など)14人である。治療困難例や、まれながん症例も積極的に受け入れている。また、新たな治療法確立のためにJCOG(日本臨床腫瘍研究グループ)、JACCRO(日本がん臨床試験推進機構)、T-CORE(東北臨床腫瘍研究会)などにも参加している。

医療設備

CT、MRIなど、大学病院として最先端の医療設備が整っている。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ○
  • 主治医指名 ○
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東北版」(ライフ企画 2010年12月)

麻酔科

分野

ペインクリニック

特色

WHO方式がん疼痛治療法に則って、非がん性疼痛に対しても中等度以上の身体的痛みに対しては、医療用麻薬の内服治療を行っている。特にモルヒネについて、その特性と使用方法などを患者が理解し納得できるよう丁寧に説明し、患者自身で痛みをコントロールする「痛みの自己管理」ができるよう徹底的な支援を行っている(山形大学方式モルヒネ内服治療)。外来で行っている神経ブロックは星状神経節ブロックのみである。

症例数

年間新患者数は100~200人。ほとんどが中核病院・開業医からの紹介である

★86年にWHO方式がん疼痛治療法が発表されて以来、がん性疼痛のコントロールにモルヒネを使用するのは当然のこととなった。この考え方を非がん性疼痛にも応用し、88年より中等度以上の身体的疼痛に対して医療用麻薬の内服治療を行ってきた。09年12月までの22年間に行った非がん性疼痛に対するモルヒネ内服治療は500例である。腰部脊柱管狭窄症や外傷性疼痛など整形外科的疾患が274例、帯状疱疹・帯状疱疹後神経痛が134例、血流障害が19例、そのほか慢性膵炎、糖尿病性神経障害などが73例である。いずれの疾患でも疼痛の変化に応じてモルヒネ内服量を調節し、良好な疼痛コントロールを得ており、約8割の患者が疼痛の軽快によってモルヒネ内服治療を終了できている

★従来の神経ブロック中心のペインクリニックは、入院や頻回の通院が必要であったのに対し、簡便で患者自身による「痛みの自己管理」が可能なモルヒネ内服治療は、患者のQOL(生活の質)の向上に大きく寄与している

★がん性疼痛の患者に対しても、医療用麻薬についての情報提供や、効果的な内服方法の指導など、患者のニーズに合わせた支援を行っている。

医療設備

MRI、CT、X線透視撮影装置など。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東北版」(ライフ企画 2010年12月)

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