専門医より推薦を受けた診療科目・診療領域

山梨大学医学部附属病院は、複数の有名専門医(※)の間で「自分や家族がかかりたい」と推薦されています。
このページでは、専門医より推薦を受けた分野(科目、領域)の特色や症例数、所属している医師について取材・調査回答書より記載しています。 ※推薦、選定して頂いた有名専門医の一覧表

第1外科(消化器外科)

分野

消化器・一般外科

特色

上部消化管、下部消化管、肝胆膵の3グループ(G)に分かれ、消化器癌全般を対象として専門医が治療にあたっている。上部消化管Gは食道癌治療が多く、頸部食道癌は耳鼻科とタイアップして実施している。また再発進行食道癌に対する癌ワクチン療法は国内トップクラスである。下部消化管Gは大腸癌、炎症性腸疾患の外科治療を主とし、特に局所進行直腸癌に対する術前化学・放射線療法の集学的治療を行い、括約筋温存と生存率の改善に力を入れている。また専任看護師による人工肛門外来を開設している。肝胆膵Gは高度技術医制度による修練施設(A)の認定を受け、肝癌、胆管癌、膵臓癌の外科治療を主に行っている。肝癌は消化器内科と共同であらゆる治療オプション(手術、焼灼、動注、放射線)を導入している。肝癌切除では、術死・在院死は10年以上ない。膵臓癌に対しては、術中照射と術後放射線化学療法を組み合わせた集学的治療を行い、予後の悪い膵臓癌で明らかな奏効率の改善を得ており、特筆すべきことである。この治療の症例数は国内でも有数である。

症例数

2008年の治療数

★上部では食道51例、胃70例。治療成績は食道癌5年生存率は全体で58%(I期78%、II期59%、III期20%、IV期19%)、10年生存率は全体で55%。胃癌は5年生存率はI期99%、II期88%、III期68%、IV期19%。10年生存率はI期95%、II期75%、III期60%、IV期15%

★下部での治療数は、結腸44例、直腸26例である。5年生存率は結腸癌の0期100%、I期100%、II期97%、IIIa期90%、IIIb期62%、IV期16%である。直腸では、各々100%、100%、85%、72%、50%、17%である

★肝疾患の治療数は132例、うち肝臓癌は128例である。肝癌の5年生存率はI期91%、II期91%、III期60%、IV期25%である

★胆膵疾患の治療数は81例、うち腫瘍性疾患は39例である。膵臓癌の切除症例全体の1,3,5年生存率は66%、39%、34%で、I~III期では87%、80%、53%である。IVa期の1,3年生存率は75%、32%、IVb期の1年生存率は41%である

医療設備

MRI、マルチスライスヘリカルCT、リニアック、アフターローディングなど。

「医者がすすめる専門病院 山梨・栃木・群馬」(ライフ企画 2009年6月)

第2内科(呼吸器)

分野

呼吸器内科

特色

肺癌、肺気腫などの慢性閉塞性肺疾患、気管支喘息、間質性肺炎をはじめとした呼吸器疾患全般にわたる診療を行っている。肺癌の診断や治療に関して県内の主要病院との共同研究を行っている。

症例数

第2内科の病床数は37床で、うち約10床を呼吸器疾患患者が占めている。年間入院症例は約150例で外来患者数は約4,000人である

★気管支鏡検査は年間約150件で経気管支生検、気管支肺胞洗浄検査を行っている

★病理医とのカンファレンスを毎週開き、生検例の診断を迅速に行っている

★呼吸器外科と放射線科との合同カンファレンスにより、肺癌診断の精度の向上、最善の治療方針の決定に努め集学的治療を行っている

★また、2000年より国内最先端の放射線治療装置が導入され、良好な治療成績が報告されている

★IV期非小細胞肺癌の化学療法に関してはドセタキセル、ゲムシタビンなどの新規抗癌剤とプラチナ製剤との併用療法を行っている

★気管支喘息の治療は厚生労働省の喘息予防・管理ガイドラインに沿って行っており、早期からの吸入ステロイド薬を使用し十分なコントロールに努めている

★肺気腫をはじめとした慢性呼吸不全症例に対し在宅酸素療法を導入し、呼吸困難の緩和に努めている。

医療設備

CT、MRI、核医学検査、気管支鏡、リニアック、各種肺機能検査など。

「医者がすすめる専門病院 山梨・栃木・群馬」(ライフ企画 2009年6月)

第2外科(呼吸器外科)

分野

呼吸器外科

特色

肺癌を中心に、縦隔腫瘍、重症筋無力症、気胸(難治性のもの)等の外科治療を行っている。呼吸器内科、放射線科、病理科との合同検討会を毎週2回行って、手術適応及び術後の治療方針を決定しており、肺癌の集学的治療が可能である。胸腔鏡手術に積極的に取り組んでおり、最近では過半数が胸腔鏡手術である。また、呼吸機能を温存するための区域切除術も積極的に取り入れている。

症例数

呼吸器外科としての全身麻酔による手術は年間約100件。このうち原発性肺癌が約50例(50%)を占める。ガイドラインに則り、病理病期IB以上の症例においては、術後補助化学療法を施行している。最近は胸腔鏡手術の割合が非常に増加している。特に、肺癌に関しては、臨床病期IA期の症例に積極的に胸腔鏡手術を施行している。また、肺癌における区域切除術も適応を考慮し、積極的に行うことで、術後の肺機能温存に努めている

★重症筋無力症は約100例の治療経験があり、短期ステロイド療法による周術期管理を併用し、超音波メスを用いた拡大胸腺摘出術は術後経過も良好で、寛解・改善例が80%以上である

★ほぼ全例の術後追跡調査がなされており、肺癌術後の5年生存率は病理病期IA期で90%、IB期が約60%、IIA期、IIB期、IIIA期がそれぞれ約50%と良好であるが、さらなる向上を目指して取り組んでいる

★山梨肺癌研究会事務局を置き、年1回の研究会の開催と、内容をまとめた会誌を発行、ホームページも開設するなど、啓蒙や情報公開にも努めている。

医療設備

HRCT、MRI、電子内視鏡、血管造影、各種シンチグラム、胸腔鏡、超音波メス、レーザー、リニアック、定位照射、補助循環装置、ほか。集中治療室(ICU)を有し、大学附属病院として十分な設備が整っている。

「医者がすすめる専門病院 山梨・栃木・群馬」(ライフ企画 2009年6月)

第2内科(循環器)

分野

循環器科

特色

専門的な検査・治療設備を有し、冠動脈疾患、不整脈、心臓弁膜症、心筋症、心不全、高血圧などの急性および慢性循環器疾患全般についての先進的治療を行っている。なかでも、特に虚血性心疾患に力を入れており、24時間体制で急性冠症候群を受け入れており緊急検査・治療を行うことができる。また、研究においてもレベルの高い国際学会に毎年、数多くの演題を発表しており、世界的にも著明な英文雑誌にも数多く論文を掲載している。

症例数

循環器外来受診患者数は年間約14,000人、入院患者数は年間約800人。心臓カテーテル検査は年間約650例、冠動脈インターベンション(経皮的冠動脈バルーン拡張術、ステント留置術、ローターブレーター)は約300例(そのうち急性冠症候群に対する緊急手術は約90例)、末梢動脈(鎖骨下動脈・腸骨動脈・腎動脈)の経皮的血管形成術は約10例、冠動脈内超音波検査は約350例、心臓電気生理学検査は約60例、高周波カテーテルアブレーションは約20例、ペースメーカー移植術は約50例、埋め込み型除細動器移植術は12例、両心室ペーシング移植術(CRT-D含む)は7例であり、いずれも良好な成績を得ている。

医療設備

ICU 6床、CCU 1床、心血管撮影室1室、IABP 2台、PCPS 3台、RI撮影室、CT、MRI、心電図、心エコー、経食道心エコー、末梢血管(上腕動脈・頚動脈・下肢静脈)エコー、ABI、ホルター心電図、加算平均心電図、トレッドミル負荷心電図など。

「医者がすすめる専門病院 山梨・栃木・群馬」(ライフ企画 2009年6月)

第2外科(心臓血管外科)

分野

心臓血管外科

特色

先天性心疾患、後天性心疾患、胸部・腹部大動脈疾患、末梢血管疾患等、全ての心臓血管外科領域を扱う山梨県内唯一の医療機関である。先天性の複雑心疾患、急性大動脈解離や胸部大動脈瘤、慢性透析患者さんの開心術等、重症例の手術が多い。末梢血管領域では下腿・足部へのバイパス手術を要する重症下肢虚血を多数扱っており、血管内治療(カテーテル治療)も行っている。また、地域の高次医療機関として緊急手術にも積極的に対応している。対象人口から手術件数は必ずしも多くはないが、これら全ての領域において手術成績は極めて良好である。

症例数

年間の人工心肺(体外循環)を使用した手術は約120件で、その内訳は、先天性心疾患約40件、後天性心疾患約60件、胸部大血管疾患約20件である。その他に、人工心肺装置を用いない心臓手術10数件、腹部大動脈疾患約30件、末梢動脈疾患約30件、静脈疾患約20件の手術を行っている。また血管内治療も約10例に行っている。小児では、新生児や乳児の割合が多く、最近3年間では21.3%と37.8%に達し、1歳以下の患者さんが過半数を占める。また、地域の特性から高齢者も多く、近年は合併疾患(特に糖尿病、腎不全)のある患者さんの増加が顕著である

★先天性心疾患は、小児科と協力して治療にあたっている。一酸化窒素による肺高血圧治療、窒素を用いた低酸素換気療法などの新しい周術期管理を取り入れており、カテーテル治療と組み合わせたハイブリッド治療にも積極的に取り組んでいる。また、低体重の新生児の手術にも積極的に取り組んでおり、これまでの最低体重は、開心術では1.4kg、非開心術(動脈管開存症)では418gである

★後天性心疾患のうち冠動脈バイパス術では、左内胸動脈(動脈グラフト)を最も重要な左前下行枝に使用し、右冠状動脈や左回旋枝には静脈グラフトを用いている。すなわち、世界で安定した成績が確立された術式を標準術式とする方針である。一方で、人工心肺の使用がリスクを高めると考えられる患者さんに対しては、いわゆるオフポンプバイパスも採用している。弁形成術や弁置換術では、メイズ手術等の不整脈手術を付加している。70歳以上の患者さんに対しては生体弁を使用し、術後のQOL(日常生活の質)の向上に努めている。尚、術中は麻酔科医により経食道エコーによるモニターを行っており、コンピューター化された人工心肺システム等の高機能装置を整備して、安全で円滑な手術の実施に努めている

★胸部大動脈手術では、スタンフォードA型の急性大動脈解離に対しては原則緊急手術を行い、患者さんの状態に合わせて、上行大動脈置換術、弓部(大動脈)置換術を選択している。後者では、順行性脳分離送血法で脳保護を行い、エレファントトランク法も用いている。B型や血栓閉塞型の大動脈解離では保存的な降圧療法を初期治療としている。胸部大動脈瘤(真性瘤)に対しては、同様の補助手段を用いて弓部置換術等を行っている

★腹部大動脈手術では、開腹または後腹膜経路を使い分けている。致死率の高い合併症である腸管虚血の予防のために、独自に開発した蛍光造影法による術中腸管血流検査を用いており、輸血を回避するための自己血回収装置も使用している。また、最近注目されている動脈瘤に対するステントグラフト留置術に関しては、放射線科と共同で実施医認定、施設認定を取得している

★末梢血管外科では、重症下肢虚血に対してもバイパス手術を行い、切断の回避に努めている。特に、糖尿病合併患者や高齢者に対する下腿・足部へのバイパスでは、エスマルヒ駆血帯を用いた血管非剥離法を行って、好成績を収めている。また手術適応外の患者さんに対しては、当大学倫理委員会の承認を得て、自己骨髄血を用いた血管新生による再生治療にも取り組んでいる

★小児の心臓手術では、新生児の完全大血管転位症は最近13年間、総肺静脈還流異常症(単心室合併例を除く)は最近10年間にわたって、手術死亡がない。また、治療が極めて難しい左心低形成症候群においても最終手術(フォンタン型手術)への到達例が増えている。心臓移植が困難な小児の重症拡張型心筋症に対しては、これまでに5例にバチスタ手術を行い、全国から注目されている

★成人開心術では、緊急手術を含む最近5年間の入院死亡は2.1%と、良好である。この間、僧帽弁形成術は60.9%の症例に実施し、最近1年間では71.4%と、その割合は増加している。また、弁形成術や弁置換術における不整脈手術付加も増加している

★最近5年間の緊急手術を含む胸部大血管手術81例の入院死亡は、大動脈解離1例、胸部大動脈真性瘤1例のみである(2.5%)。また、腹部大動脈瘤の入院死亡は破裂2例、傍腎動脈大動脈瘤の1例のみである。最近5年間の腹部大動脈瘤手術(破裂を除く)の同種血輸血回避率は約80%、末梢血管バイパスの早期閉塞はない。重症虚血肢に対する脛骨(足部)バイパスの5年2次累積開存率約80%、救肢率は約90%である。

医療設備

CT、MRI、血管造影、心臓血管用エコー(経食道エコー、血管内エコーを含む)、各種シンチ、高機能手術室、コンピューター制御人工心肺装置、補助循環装置、自己血回収装置等。

「医者がすすめる専門病院 山梨・栃木・群馬」(ライフ企画 2009年6月)

泌尿器科

分野

泌尿器科

特色

前立腺肥大症、前立腺癌、膀胱癌その他の尿路・性器悪性腫瘍、腎移植・人工透析などの腎不全医療、尿路結石症、女性骨盤底障害、尿失禁、神経因性膀胱、小児泌尿器科疾患、男性不妊症など、幅広い分野の診療を行っている。

症例数

★年間入院手術件数は約600件であり、その他に約100件の内シャント閉塞に対する経皮的血管形成術(PTA)を行っている

★武田教授は1992年に日本で最初の腹腔鏡下副腎摘除術に成功しており、その他にも腎腫瘍に対する腹腔鏡下腎摘除術、腹腔鏡下腎部分切除術などの経験も豊富であり、泌尿器科腹腔鏡下手術におけるわが国のパイオニアの一人である。また、腹腔鏡下手術だけではなく、内視鏡補助下小切開手術も積極的に行っており、腹腔鏡下泌尿器科手術、腹腔鏡下小切開泌尿器科手術についての施設認定を取得している

★女性骨盤底障害(膀胱瘤、直腸脱など)に対する新しいメッシュを用いた骨盤底形成術(TVM手術)や腹圧性尿失禁に対する新しいメッシュを用いた中部尿道吊り上げ術(TOT手術)は、それぞれ年間60件程度、30件程度行っている

★間質性膀胱炎や重症の過活動膀胱に対して、ボツリヌス毒素の膀胱内注入療法を行っている

★前立腺癌に対する根治的前立腺全摘除術は年間60件程度、腎癌に対する腹腔鏡下根治的腎摘除術・腎部分切除術はそれぞれ年間40件・20件程度施行している

★膀胱癌に対しては、年間約150件の経尿動的膀胱腫瘍切除術と手術直後からの抗癌剤膀胱内注入療法、根治的膀胱全摘除術とそれに伴う新膀胱形成術を行っている

★進行性腎細胞癌に対するインターフェロン、インターロイキン2などによるサイトカイン療法や、新しい分子標的治療薬による治療を行っている

★進行性精巣腫瘍に対しては、末梢血幹細胞移植併用高用量化学療法や後腹膜リンパ節郭清術などの集学的療法を行い、良好な成績をあげている

★尿路結石では、珊瑚状結石などの困難症例の紹介が多いため、経皮的腎結石砕石術、経尿道的尿管結石摘出術などを積極的に行っている

★先天性水腎症、膀胱尿管逆流症、尿道下裂などの小児先天性尿路性器疾患に対しても多くの症例を治療している

★腎移植件数は生体腎・献腎を合わせて過去80例以上である。

医療設備

CT、MRI、DSA、血管造影装置、シンチグラフィ、リニアック。

「医者がすすめる専門病院 山梨・栃木・群馬」(ライフ企画 2009年6月)

第2外科(小児外科)

分野

小児外科

特色

新生児から小児の全ての領域の小児外科疾患に対応できる体制で診療を行っている。心臓血管外科、呼吸器外科もある当科の特色から、小児の肺・呼吸器疾患や循環器疾患を合併した症例も診療している。また、当院小児科が本邦小児がんのパイオニアであることから、小児がん症例に対する外科治療、長期の栄養管理や抗がん剤治療のための中心静脈カテーテル留置などを積極的に行っている。外来診療では、ヘルニアや肛門周囲膿瘍の患児が多く、便秘(排便障害)の患児には、病態に即した適切な治療が行えるように努めている。臍ヘルニア(でべそ)に対しては圧迫法を取り入れ、早くてきれいな臍治療を目指している。また、看護科の石川真里子准教授(ETナース)と協力して小児ストーマ外来を毎週火曜日午前に開設している。ヘルニアの手術は原則的に1泊2日で行っているが、今後は日帰り手術も導入する方向で検討している。小児救急に対しても可能な限り迅速に対応している。内視鏡下手術は、長野市民病院外科の林賢先生のサポートを得て、より安全にQOLを向上させるために積極的に行っている。尚、近日中にNICUが開設される予定であり、新生児外科症例に対応できる環境が整いつつある。

症例数

小児外科症例は160~180例。胆道閉鎖症術後に肝移植を要する症例は自治医科大学の移植外科との連携で良好な治療成績を得ている。小児の進行性の腹部悪性腫瘍では、当院小児科との連携で極めて良好な治療成績が得られている。

医療設備

小児消化管内視鏡など、大学附属病院として十分な設備が整っている。

「医者がすすめる専門病院 山梨・栃木・群馬」(ライフ企画 2009年6月)

眼科

分野

眼科

特色

山梨県の基幹病院として眼科疾患すべてを対象に診療を行っている。専門的で高度な医療に対応できるように最新の検査・治療機器を完備し、各専門外来にスタッフを配置している。特に網膜疾患、硝子体手術、糖尿病網膜症、緑内障、角膜疾患、斜視・弱視の治療に力を入れている。外傷等の救急疾患にも時間外を含めて対応している。

症例数

2008年の入院手術件数961件(網膜硝子体手術358件、緑内障121件、白内障単独364件、斜視眼筋手術49件、角膜等手術38件、眼瞼涙道など31件)

★網膜疾患は老人性黄斑変性症、網膜静脈閉塞症、中心性漿液性網脈絡膜症、黄斑円孔などを中心とし、OCT(光干渉断層計:網膜の断層画像診断装置)等の最新検査機器を用い正確な診断のもと、薬物、レーザー、手術などの治療法を選択している

★増殖性糖尿病網膜症、網膜はく離、黄斑円孔、黄斑上膜等に対しては積極的に硝子体手術を行い、好成績をあげている。

★緑内障は慢性疾患診療支援システムを用いて、関連病院との間で視力、眼圧、視野データ、7治療薬剤などの経時データを共有するシステムを稼働させており、生涯にわたる緑内障患者さんの切れ目のないケアを可能にしている。

医療設備

超音波白内障手術装置、硝子体手術装置、各種レーザー装置、エキシマレーザー、OCT等、あらゆる眼科疾患に対応できる最先端の機器、手術装置。

「医者がすすめる専門病院 山梨・栃木・群馬」(ライフ企画 2009年6月)

頭頸部・耳鼻咽喉科

分野

耳鼻咽喉科・頭頸部外科

特色

頭頸部腫瘍の診断と治療、中耳の聴力改善手術、内視鏡を用いた鼻副鼻腔手術、アレルギー性鼻炎の診断と治療などを中心に、耳鼻咽喉科全般の診療を行っている。特に頭頸部腫瘍の治療では、機能温存によるQOLと生命予後に配慮した治療法の実施に努めている。

症例数

2008年度の全手術件数約450件。そのうち頭頸部腫瘍の手術件数は約100件。そのうち、遊離皮弁等を用いた再建手術を必要とした手術件数は約20件。中耳聴力改善手術約60件、内視鏡下鼻内副鼻腔手術約90件、炭酸ガスレーザー手術を含めた喉頭微細手術約50件等となっている

★頭頸部腫瘍の治療では、機能温存を目的とした化学療法併用放射線療法や遊離皮弁を用いた手術療法を行い、機能的あるいは整容的にもQOLを重視している

★内視鏡下鼻内手術では、慢性副鼻腔炎や鼻副鼻腔良性腫瘍をはじめ、難治性のアレルギー性鼻炎では鼻腔形態整復術や後鼻神経切断術などを積極的に行っている。同時に、アレルギー性鼻炎に対する急速減感作療法も取り入れている

★花粉症に関しては、県内各医療機関と共同し花粉飛散の疫学的調査や花粉情報提供を実施すると共に、初期療法や根治療法としての免疫療法を積極的に行っている

★副鼻腔・嗅覚外来においては、副鼻腔炎術後の経過観察および嗅覚障害患者の検査と治療を行っている

★中耳疾患に関しては、真珠腫性中耳炎などの聴力改善手術を施行。めまい・難聴・耳鳴外来において、めまいの各種検査や治療、耳鳴のTRT療法などを行っている

★幼児難聴外来・補聴器外来においては、山梨県の新生児聴覚検査における唯一の精密聴力検査機関として、難聴の確定診断とその後の補聴器装用並びに早期支援機関への紹介と連携を行っている。

医療設備

MRI、CT、ENG、COR、ABR、OAE、自動ABR、ASSR、ドプラエコー、炭酸ガスレーザーなど。

「医者がすすめる専門病院 山梨・栃木・群馬」(ライフ企画 2009年6月)

皮膚科

分野

皮膚科

特色

当科は皮膚疾患全般のみならず形成外科的疾患まで、広範な領域にわたる診療体制を取っている。皮膚科外来は、月から金まで午前中は一般外来を、午後には特殊外来を行っている。形成外科は、月の午前に外来、火、金は手術日となっている。特殊外来には、アトピー性皮膚炎、膠原病、腫瘍、色素、水疱症、角化症、レーザー、巻き爪外来がある。

症例数

山梨県下における皮膚悪性腫瘍も含めた皮膚腫瘍患者は、そのほとんどが当科に紹介され、治療を受けている。中でも悪性度の極めて高いとされるメラノーマの当科での治療成績(5年生存率)はI期100%、II期54.5%、III期41.7%、IV期25.0%である

★アトピー性皮膚炎は、日本皮膚科学会の診断基準に基づき、QOLを考慮した科学的治療、生活指導を行っている

★膠原病の治療は、ステロイドの投与法にかかっているといっても過言ではないので、入院精査のうえ投与量を決定し、外来では維持量で投与している

★乾癬は増悪、軽快を長年にわたってくり返す疾患であるが、QOLを著しく損なう症例に対しては、シクロスポリンによる治療を行って良好な結果を得ている

★色素外来では白斑などの頻度が高い疾患から眼皮膚白皮症などの稀な疾患まで、QOLの向上を目指した治療を行っている

★巻き爪外来では、弾性ワイヤーを用いた巻き爪の治療を行っている

★重症熱傷患者、重症薬疹患者、壊死性筋膜炎などの重症皮膚感染症については、救急部の全面的な協力により、ICUを使用して集学的な治療を行っている

★顔面のホクロや瘢痕等に対する美容外科的手術は、当科に所属する形成外科医が治療を行っている。

医療設備

ダイレーザー、Qスイッチアレキサンドライトレーザー、デルマレイなど。

「医者がすすめる専門病院 山梨・栃木・群馬」(ライフ企画 2009年6月)

第3内科

分野

糖尿病内分泌内科

特色

糖尿病・内分泌代謝(内分泌、甲状腺、糖尿病、骨代謝、高脂血症、肥満症を含む)を中心に、膠原病、腎臓、高血圧の各分野において専門家を有し、山梨県の中核病院として、高い専門性を保ちつつ診療を行っている。

症例数

甲状腺疾患=甲状腺自己免疫疾患の病態や新たな甲状腺自己抗体検査法の研究を通して、バセドウ病・橋本病などの診療に特に力を入れている。またバセドウ病における眼球突出症の適切な治療、甲状腺腫瘍におけるエコーガイド下穿刺による確実な診断、アルコール注入法(PEIT)による内科的治療を中心に診療を行っている。当院の放射線科や外科と協力して適切な診断と治療法を選択している

糖尿病=インスリンポンプ療法(CSII)に力を入れて診療している。糖尿病に対する治療への動機づけが徹底するよう、プログラム化された教育入院システムを組んでいる。病棟・外来主治医、担当看護婦、薬剤師、栄養士によるミーティングを入院時と2週間後に行い、治療目標の設定や指導計画が妥当であったかを評価検討している。糖尿病教室は病診連携に向け、一般に開放している。一般内科医、研修医向けの独自の治療マニュアルを整備している。また、今まで指導が困難であった糖尿病や糖尿病性腎症の食事指導に対し、だれでも実践可能な食品早見表を開発し、効果をあげている。治療法の点では、プロスタグランジンアナログや漢方薬、またカプサイシンやデキストロメトルファン等を用いた新たな糖尿病性神経障害の治療法の開発に取り組んでいる

内分泌疾患=機能性下垂体腫瘍、機能性副腎腫瘍、副甲状腺機能亢進症など、明らかな臨床症状を呈した患者のみならず、高血圧や肥満、糖尿病、消火器疾患等のなかに埋もれていた症例の診断と治療に力を入れている。特に山梨県下で行われている各種健康診断で異常を指摘された症例を広く受け入れ、精査加療を行っている。これらの疾患で外科治療の適応症例に対して、当院の脳外科や泌尿器科と協力して対応している。間脳下垂体疾患:クッシング病、プロラクチン産生腫瘍、末端肥大症、下垂体機能低下症、下垂体腫瘍などの症例を診療している。下垂体腫瘍の治療に際し、内科的治療の適応があれば行い、外科的治療後の内科的ホルモン補充療法、術後フォローも行う。ガマナイフの必要があれば、適切な施設に紹介している。副腎疾患:クツシング症候群、原発性アルドステロン症、褐色細胞腫、副腎機能不全などの症例を診療している。その他、副甲状腺機能亢進症、低下症、悪性腫瘍による高カルシウム血症、多発性内分泌腺腫症(MEN)、各種電解質異常、性腺機能低下症等を診療している。甲状腺ホルモン不応症、ミトコンドリア遺伝子異常、家族性カルシウム尿性高カルシウム血症、インスリン受容体異常症等については、遺伝子解析を行い診断の助けにしている

肥満、高脂血症=生活習慣病の原因の根幹をなす食生活の問題点を患者とともに考えるために、生活問診表を用いている。細かいカロリー計算の指導をできるだけ避け、可能な限り外来において患者自身が食事摂取量を抑え、体重のコントロールができるように行動療法、運動療法を主体として指導している。入院の必要な患者には、超低カロリー療法も適宜行っている。

骨代謝=高齢化社会における骨粗鬆症の重要性を考え、X線骨塩量測定装置や骨代謝マーカーの測定を行い、適切な治療法の選択と治療効果判定を行っている。

医療設備

CT、MRI、シンチグラフィー、DEXA(X線骨塩量測定装置)、エコー、超音波双方向血流計。

「医者がすすめる専門病院 山梨・栃木・群馬」(ライフ企画 2009年6月)

神経内科

分野

神経内科

特色

脳炎、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、アルツハイマー病、ピック病、クロイツフェルト・ヤコブ病、脊髄小脳変性症、Shy-Drager症候群、重症筋無力症、末梢神経障害、てんかん、頭痛などの神経内科疾患全般にわたって専門的な診療を行っている。とくに、神経感染症の髄膜炎、脳炎の治療には専門的に対応している。クロイツフェルト・ヤコブ病は、本県で家族内発症が見出された点から大いに興味を抱いている。筋萎縮性側索硬化症については孤発例において、大脳運動領域のSPECT、MRI、PETなどによって血流減少、グルコース代謝の低下、鉄沈着についてその原因を探っている。ギラン・バレー症候群、慢性炎症性脱髄性神経炎の患者についても、免疫吸着療法、ガンマグロブリンの点滴療法などの免疫学的治療を行っている。マイクロニューログラフィーを用いた新しい検査法を神経疾患の病態解明に応用している。脊椎・脊髄疾患についてはCT、MRI、ミエログラフィーなど積極的に行い、また脊髄血管造影も適宜行っている。終夜睡眠脳波も利用し、解析を行っている。

症例数

山梨県の人口は89万人といわれ、全県から特定機能病院である当院を訪れる。各種神経疾患はまれではあるが、年間の外来延べ患者数は7,000人を超えており、神経系特定疾患はその約3分の2を占めている。

医療設備

CT、MRI、MRA、誘発電位、筋電図、SPECT、睡眠自動解析装置。

「医者がすすめる専門病院 山梨・栃木・群馬」(ライフ企画 2009年6月)

脳神経外科

分野

脳神経外科

特色

1984年に開設され、以来、山梨県の脳神経外科医療の中核を担ってきた施設であり、大学病院でありながら救急入院患者も多い。脳血管障害、なかでも脳動脈瘤と脳動静脈奇形(AVM)の治療には定評があり、血管内治療と外科治療のいずれにおいても安全性と確実性の高い治療を行っている。また、脳腫瘍の摘出術においても良い成績をあげている。脊髄脊椎疾患の外科治療にも力を入れており、変形性脊椎症や椎間板ヘルニアを中心に手術件数は伸び続けている。

症例数

年間入院患者数約400件、同手術件数260件

★脳血管障害の手術は年間約100件程度行っている、うち動脈瘤に対しては年齢や動脈瘤の部位、形状などを勘案して、クリッピング術か血管内手術かを選択している。脳血管奇形は血管内治療と手術あるいは定位放射線治療を組み合わせて治療している。硬膜動静脈ろうについては、血管撮影検査の結果を詳細に検討し、無症状であっても脳障害を生じる危険性のある形状のものに対しては、血管内手術などにて積極的に治療を行っている。虚血性脳血管障害に対しては、超急性期の脳梗塞にはt-PA治療を行っている他、頸部頸動脈狭窄症例も最近急増しており、頸動脈内膜剥離術(CEA)の他、最近保険適用となった血管内治療(ステント留置術:CAS)も手がけている

★脳腫瘍の年間手術件数は約60例である。下垂体腫瘍には負担の少ない経鼻的到達法を原則としており、内視鏡やナビゲーターを併用し、安全かつ確実な手術を心がけている。脳室内腫瘍には神経内視鏡を用いた手術も行っている。悪性腫瘍のグリオーマは手術による可及的切除が原則であるが、MRIによる術前脳機能マッピング、トラクトグラフィ、さらにSPECTやPETによる詳細な画像診断と術前計画に基づいて、術中の誘発電位(脳波)などのモニタリングやナビゲーターを駆使して、重要な脳機能を温存しつつ最大限の腫瘍切除を行っている。術後、化学療法、放射線治療を組み合わせて行うが、外来での抗がん剤内服も行っている。悪性リンパ腫には高用量メトトレキサート治療、リツキシマブ、放射線治療を組み合わせた独特の治療により、従来より生存期間が延長しつつある

★脊髄脊椎疾患は血管障害(脊髄AVM、脊髄硬膜動静脈瘻)や腫瘍性病変の他、椎間板ヘルニア、変形性頚椎症、後縦靭帯骨化症、脊柱管狭窄症などの外科的治療を行っている。脊髄・脊椎疾患の年間手術数は約70件である。頚椎椎間板ヘルニアについては、従来の自家骨を用いた方法に代わり、チタンケージを用いた固定法を採用しており、早期の離床・退院が可能となっている。頚椎症などに対する椎弓形成術は、筋の剥離を最小限に抑えた方法によって、従来問題となっていた術後疼痛はほとんど発生していない。三叉神経痛・顔面けいれんに対する神経血管減圧術では術中に内視鏡を使用し、原因血管の見落としを回避し、高い治癒率をあげている。その他、水頭症に対する内視鏡手術や小児神経奇形などの治療も行っている。2008年の手術死亡例はない。

医療設備

MDCT、MRI、DSA、SPECT、NIRS、定位的リニアック照射装置、ナビゲーター、手術用超音波吸引装置、神経内視鏡、術中DSA装置、経頭蓋超音波ドプラ、神経刺激装置、電気生理学的モニタリング装置など。

「医者がすすめる専門病院 山梨・栃木・群馬」(ライフ企画 2009年6月)

第1外科(乳腺・内分泌外科)

分野

乳腺・内分泌外科

特色

当科は消化器外科と乳腺・内分泌外科を担っている。専門医、認定医が各1名在勤している。初診患者の外来は毎日開設している。当院では乳癌患者に対して各科共同し、総合力を駆使した診療を行っているのが特徴である。乳腺専門の病理診断医と病理検査技師のもとに術前・術後の正確な病理診断の下に、当科は乳癌の手術と薬物療法を行っている。熟練した超音波検査技師のもとに腫瘍の広がりを正確に診断している。また緩和ケア・チームによる精神面のカウンセリング、痛み外来、浮腫予防外来を実施している。放射線専門医による放射線の補助、緩和照射を積極的に行っている。従って外科だけにとどまらず、他職種と密接に連携して、診療レベルを総合的にあげているのが特徴である。

症例数

年間の手術症例数は乳腺90例、甲状腺40例である。当科では部分切除時の断端診断を正確に実施しているため、乳房部分切除の実施割合は50%と他施設より低い。このため現在まで局所再発のみの再発症例は経験していない。術前に多方面から腋窩リンパ節転移の予測診断を行った上で、センチネルリンパ節生検をほぼ全例に行っている。治療成績では、2007年度のザンクトガレンでの基準に合致させて予後評価を行うと、術後10年の生存率は、低リスクが100%、中リスクが82%、高リスクが26%であり、低・中リスクは予後良好で、高リスクは予後が不良であった。現在高リスクに関しては外科・薬物・放射線による集学的治療を行っている。

医療設備

デジタルマンモグラフィ、超音波、マンモトーム、MRI、CT、センチネルリンパ節用シンチグラフィ。

「医者がすすめる専門病院 山梨・栃木・群馬」(ライフ企画 2009年6月)

放射線科

分野

放射線科

特色

①MRI、多列検出器型ヘリカルCT、血管造影、シンチグラフィー(SPECT)など、最先端の画像診断装置を駆使した総合画像診断②腫瘍塞栓術、血管拡張術、ステント挿入、椎体形成術などの侵襲の少ない治療(IVR)③直線加速器(リニアック)による高エネルギー放射線照射、定位放射線照射、後充填システムによる腔内照射、非密封および密封RI(放射性同位元素)などの先端放射線治療装置をコンピューターで制御した放射線照射ならびに化学療法による腫瘍治療を3本柱とした診療科である。

症例数

放射線科の特殊性から多くは他科、他院からの紹介患者で、650人の入院患者、毎日1,000人以上の外来患者の大半が放射線診療を受けている。一般放射線科病床12床。脳・肺・食道・肝・胆・膵・頭頸部・乳腺・婦人生殖器・前立腺・リンパ腺・四肢など全身の腫瘍に対し、放射線照射、化学療法、IVRなどを駆使して患者さんに優しく、負担が少なく、しかも最も効果の高い個別化治療法を選択している。また甲状腺癌や甲状腺機能亢進症に対しては、放射性ヨウ素による内照射療法を施行している。画像診断においてはMRI、CT、DSAなどをネットワークで結び、CRTによる精度が高く、効率の良い診断を行っている。

医療設備

MRI3台(1.5T超伝導2台、0.2T開放型永久磁石1台)、CT3台(多列検出器型ヘリカルCT2台、ヘリカルCT1台)、IVR-CT1台、心血管撮影装置(DSA)1台、X線テレビ装置3台、SPECT3台、高精度高エネルギーX線照射装置(Xナイフ可)1台、後充填腔内照射装置1台、RI治療室2部屋。

「医者がすすめる専門病院 山梨・栃木・群馬」(ライフ企画 2009年6月)

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