浜松医科大学医学部附属病院

専門医より推薦を受けた診療科目・診療領域

浜松医科大学医学部附属病院は、複数の有名専門医(※)の間で「自分や家族がかかりたい」と推薦されています。
このページでは、専門医より推薦を受けた分野(科目、領域)の特色や症例数、所属している医師について取材・調査回答書より記載しています。 ※推薦、選定して頂いた有名専門医の一覧表

呼吸器内科

分野

呼吸器内科

特色

すべての呼吸器疾患に総合的に対応可能な診療体制を整えている。びまん性肺疾患については千田准教授・中村助教、膠原病に関連した肺病変については須田助教・榎本助教、肺癌については千田准教授・乾助教、気管支喘息については藤澤助教・橋本講師、サルコイドーシスについては乾助教を中心に、患者さんの利益とエビデンス(科学的根拠)を重視した診療を行っている。静岡県内の主要な公的病院の呼吸器内科スタッフはグループ出身者で占められており、大学と関連病院との連絡は密で共同で様々な臨床研究を行っている。

症例数

症例は、びまん性肺疾患(間質性肺炎、薬剤性肺炎、膠原病に関連した間質性肺炎、サルコイドーシス、過敏性肺炎など)、腫瘍(肺癌、縦隔腫瘍)、呼吸器感染症(肺炎、気管支炎、肺真菌症、非定型抗酸菌感染など)、気管支喘息、COPD、慢性気道感染症、肺血栓塞栓症など、呼吸器疾患を広く網羅している

びまん性肺疾患=開院以来、症例数も多く、特に診断と治療法の確立に力を入れている。びまん性肺疾患は原因不明なものから「薬剤」や「過敏性肺炎」のような環境因子によるものまで多種多様で治療法も異なるため、高分解能CT、気管支内視鏡を用いた気管支肺胞洗浄検査、場合によっては胸腔鏡を用いた肺生検を行い的確な診断を行っている。特に肺生検の結果を重視し、組織所見に応じてステロイド剤に免疫抑制剤を併用し治療を行っている。東海地区の中心的役割を果たしており、診断未確定例や治療難渋例など県内外からの紹介患者も多い。また「膠原病に関連する肺病変」の治療経験も豊富であり、他科からのコンサルテーションも盛んである。特に皮膚筋炎に関連する急性進行性の間質性肺炎の治療では積極的に免疫抑制剤を使用し、良好な治療成績を収めている。サルコイドーシスについては、検診発見の無症状例から重症例まで扱っている。重症例は、多臓器に病変を生じている症例が多く、他科との綿密な連携のもと治療を行っている

肺癌=がん診療連携拠点病院であり、静岡県の肺癌治療の中心的役割を果たしている。進行肺癌や合併症により手術療法が選択できない症例や小細胞肺癌には、化学療法、放射線療法、またはこれらの併用療法を行っている。治療法の選択については、国内外のエビデンスに基づいた治療法であることは当然として、患者さんのインフォームド・コンセントとQOL(生活の質)を重視した治療を行っている。初回化学療法は、副作用対策のため入院のうえ施行するが、副作用のコントロール可能な症例は積極的に外来化学療法を行っている。当院には外来化学療法センターが設置されており、快適な環境で治療を受けることが可能である。また静岡県下の関連病院と共同でプロトコールを作成し、世界に発信する新しい治療法の開発にも力を入れている。最近ではイレッサを用いた進行肺癌治療や遺伝子多型に基づく肺癌治療法を報告している

呼吸器感染症=国内外のガイドラインに沿って、正確な診断と治療を行っている。治療に難渋する症例には積極的に気管支内視鏡を施行し、起因菌の同定とそれに基づく抗菌薬投与を行っている。また関連病院と共同で、肺炎治療に有用な血清マーカーの同定も試みている

気管支喘息=ガイドラインに基づき、吸入ステロイドを中心とした治療を行っている。難治例には呼気中一酸化窒素測定装置を用いて的確な病態把握を行い、各種薬剤を組み合わせて投与し、患者さんの生活の質の向上につながる治療を行っている。また吸入誘発試験を用いたアスピリン喘息の確定診断が可能である。

医療設備

MDCT、MRI、気管支内視鏡、核医学検査、呼気中一酸化窒素測定装置、呼吸機能検査、胸腔鏡、リニアックなど。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 ×
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東海版」(ライフ企画 2011年4月)

呼吸器外科

分野

呼吸器外科

特色

現在、国内での死因別死亡率のトップは癌(悪性新生物)で中でも近年、肺癌は急増しており、部位別癌死亡率で男性1位、女性2位となっている

★われわれ呼吸器外科では、その肺癌の診断、治療を中心に転移性肺腫瘍や縦隔腫瘍などの腫瘍性病変、自然気胸等の良性疾患や胸部外傷等、幅広い疾患に対応している。特にわれわれが最も得意とする肺癌治療では手術のみに偏らず、化学療法(抗癌剤治療)や放射線療法も含めたエビデンスに基づいた標準治療を行っている(エビデンスとは、その治療法が良いとされる根拠のことで科学的根拠に基づいた治療をEvidence Based Medicine:EBMという)

★また、進行期の肺癌に対しては、手術、化学療法、放射線療法を組み合わせた集学的治療や心臓外科と連携した拡大手術も行っている。診療責任者の船井医師は、呼吸器外科専門医であると同時に癌治療認定医でもあり、バランスのとれた癌治療を行っている。肺癌の診断については、患者さんへの侵襲の少ない検査から順に行う。具体的には胸部X線、胸部CT等の画像診断から始まり、気管支鏡下の生検で確定診断をつけるようにしている。気管支鏡で診断が困難な早期の肺腺癌等には積極的に胸腔鏡下肺生検を行い、迅速な確定診断と早期の治療開始を目指す。検査は基本的に外来で行い(頭部MRI、胸腹部CT、骨シンチ、PET)、治療前に正確な病期診断をつけている。治療は胸腔鏡を用いた低侵襲な手術を行い、入院中はクリニカルパスを用いて均一な治療を行っている

★得意とする診断治療=悪性腫瘍(肺癌、転移性肺腫瘍、縦隔腫瘍、悪性胸膜中皮腫等)の診断と治療。悪性腫瘍に対する集学的治療(手術、化学療法、放射線療法の組み合わせ)。胸腔鏡下の低侵襲手術。

症例数

06年の手術数は185例。内訳は、原発性肺癌70例、転移性肺腫瘍21例、炎症性およびびまん性肺疾患30例、肺良性腫瘍5例、気胸20例、縦隔腫瘍10例、悪性中皮腫5例、膿胸、胸壁、横隔膜5例、小児(漏斗胸など)13例、その他(多汗症など)6例。最近の肺癌術後5年生存率は、IA期92%、IB期80%、IIA期67%、IIB期46%、IIIA期42%、IIIB期35%である。拡大手術以外は全例無輸血。ほぼ全例で胸腔鏡を用いた小開胸手術が行われた。癌性胸膜炎を伴う肺癌(IV期を除く)に対しての胸腔内温熱化学療法では、1年生存率が80%を超えた。前縦隔病変(胸腺腫や重症筋無力症)に対しては、独自の胸骨つり上げ法を用いて全例に胸骨正中切開をせずに良好な視野で行えた。

医療設備

64列MDCT、MRI、DSA、各種シンチグラフィー、放射線治療装置、小線源治療装置、各種レーザー、温熱療法、光線力学治療装置など。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ○
  • 主治医指名 ○
  • 執刀医指名 ○

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東海版」(ライフ企画 2011年4月)

循環器科

分野

循環器科

特色

虚血性心疾患(心筋梗塞、狭心症)、心不全、不整脈、心筋症など循環器全般に対する高度専門医療を行っている。24時間体制で診療にあたり、浜松市の2次救急輪番に参加している。急性心筋梗塞に対しては、待機当番を決めて緊急冠動脈造影、再灌流治療、合併症管理に備えている。近隣の関連病院、診療所との関係を密にし、不整脈に対するカテーテル焼灼術、植え込み型除細動器、心不全に対する心臓再同期治療、核磁気共鳴装置(MRI)、64列マルチディテクターCT(MDCT)よる心臓の画像診断に力を入れている。毎週火曜日に教授回診、木曜日に循環器カンファレンスと回診を行い、研修医、若手医師の教育にも力を注いでいる。

症例数

病床はICU/CCU 8床と一般病棟47床。09年の年間入院患者数453人。内訳は虚血性心疾患40%、心不全30%、不整脈25%、その他5%。心臓カテーテル検査は年間360件で、冠動脈インターベンションが90件、カテーテル焼灼術が60件、ペースメーカー植え込みが24件で、植え込み型除細動器が10件、心臓再同期療法が2件であった。

医療設備

心血管造影装置、心臓超音波装置、核磁気共鳴装置、64列/16列MDCT、心臓核医学検査装置、ホルター心電図、トレッドミル運動負荷装置、補助循環装置、IABPなど。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ○
  • 主治医指名 ○
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東海版」(ライフ企画 2011年4月)

第1外科(心臓血管外科)

分野

心臓血管外科

特色

心臓血管外科には5人の心臓血管外科専門医(1人は日本胸部外科学会指導医)が在籍しており、あらゆる心臓・血管疾患の治療に取り組んでいる

★大動脈疾患では、胸部(上行・弓部・下行大動脈)・胸腹部大動脈から腹部大動脈に至るまで多数例に良好な成果をあげている。さらに低侵襲治療としてステントグラフト治療(血管内治療)にも取り組んでおり、従来の外科手術とステントグラフトのいずれにも偏らない、患者さんに最適な治療法を選択している。また、従来手術とステントグラフト治療との組み合わせ(ハイブリッド治療)にも積極的に取り組んでいる

★虚血性心疾患では、心筋梗塞の結果発生した心不全に対し、冠動脈バイパス術に加えて左室縮小形成術、僧帽弁形成術を付加し、心機能を回復させ遠隔生存率を向上させることに取り組んでいる

★弁膜症では、最近増加している大動脈弁狭窄症に対する弁置換術はもちろんのこと、僧帽弁閉鎖不全(逆流)症に対しては良好な生活の質(QOL)を保証できる弁形成術で成果をあげている。また、未だ普遍化はしていない領域ではあるが、大動脈弁閉鎖不全(逆流)症に対してもQOLを向上する観点から弁形成術に取り組んでおり、特に大動脈疾患に対する手術と同時に施行している。

症例数

09年の手術総数は158例であり、心臓胸部大動脈141例、腹部大動脈14例であった

★心臓胸部大動脈疾患の内訳は、心疾患125例、胸部大動脈疾患33例と、大動脈疾患の占める割合が高く、大動脈疾患に対しては人工血管置換術を第一選択としている。胸部大動脈のうち弓部大動脈疾患では、脳合併症の予防として選択的脳灌流法を補助手段として用い、良好な成績を収めている。また、最も侵襲の高い胸腹部大動脈疾患では、その最大の合併症である脊髄障害回避のために術前画像診断による脊髄栄養血管の同定、術中の補助手段、脊髄機能モニター(MEP)の併用、および周術期の脊髄保護法を用いた集学的な治療を行っている

★急性大動脈解離も積極的に受け入れ、ここ12年の手術死亡は認めていない

★心疾患のうち冠動脈バイパス術は78例(弁置換などとの同時手術を含む)で、慢性透析など重篤な合併症を有する症例の比率が高く、頭頸部動脈病変、上行大動脈石灰化、担癌患者など重篤な合併病変を有する場合には積極的に心拍動下バイパス術を選択しており、最近7年間、脳合併症を認めていない

★弁膜症に関しては、人工弁置換が必要な患者には年齢に応じた人工弁の選択をし、僧帽弁閉鎖不全症に対しては可能な限り弁形成術を行っている。また、若年者の大動脈弁輪拡張症に対しては可能であれば自己弁温存術式も採用している。09年の手術死亡は2例であった。

医療設備

ICU、シネアンギオ室、MDCT、MRI、心臓核医学検査、心エコー、人工心肺、IABP、PCPS、セルセーバー、CHDFなど。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ○
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 △

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東海版」(ライフ企画 2011年4月)

腎臓内科

分野

腎臓内科

特色

あらゆる腎疾患の診断と治療が可能な設備を整え、特に慢性腎炎の診断と治療、慢性腎不全の進行防止、急性腎不全、電解質異常、透析患者の合併症の治療などに豊富な経験を持っている。

症例数

当科腎臓外来への通院患者は約400人であり、年間約150人の入院がある。糖尿病、膠原病といった全身疾患に伴う腎疾患患者の増加に伴い、慢性腎不全患者の診療総数は10年前と比べ60%の増となっている

★腎炎、ネフローゼに対しては可能な限り腎生検を行い、方針を決定したあとにステロイド剤、免疫抑制剤、抗血小板剤の投与、抗凝固療法などを行っている。特に、尿蛋白量が多く予後不良が予想される症例の治療に積極的に取り組んでいる

★慢性腎不全に対しては、保存期の進行防止をテーマにかかげ、看護師、栄養士と共に低蛋白食などの食事療法に取り組んでいる。末期腎不全に陥った症例には、従来からの血液透析、血液濾過透析、持続緩徐式血液ろ過(CHDF)などによって患者の社会復帰に役立っている。維持透析は関連病院で行っているが、維持透析患者の合併症の治療や眼科、耳鼻咽喉科、外科など他科での手術のために再入院してくる症例への対応をしている

★糖尿病、SLEや強皮症などの膠原病、アミロイドーシスなどでも、腎症を発症した場合には、各科と連絡をとりながら当科で治療を行っている。電解質(Na、K、Ca)代謝異常、高血圧の病態の解明と治療にも力を注いでいる。

医療設備

血液透析10床。ICUなどでの血液浄化用に移動式血液浄化装置4台。血漿交換装置2台。
  • セカンドオピニオン受入 △
  • 初診予約 ○
  • 主治医指名 ×
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東海版」(ライフ企画 2011年4月)

泌尿器科

分野

泌尿器科

特色

尿路性器癌(腎癌、膀胱癌、前立腺癌など)、下部尿路障害(前立腺肥大症、過活動膀胱など)、尿路結石、腎移植、内分泌疾患(副腎、副甲状腺疾患)、男性不妊などの疾患に対し、治療実績に基づいた先進医療を提供すると共に、病態とQOL(生活の質)を見据えた低侵襲性治療、難治性疾患に対する集学的治療などを行っている。また、尿路性器癌に対する新規の治験薬による治療も積極的に行っている。

症例数

09年の外来患者数1日平均66.1人、入院患者数1日平均27.8人。09年の手術件数は517件で、主な手術は、副腎摘除術18件、腎摘除術27件、腎尿管全摘除術9件、膀胱全摘除術14件、前立腺全摘除術17件、経尿道的膀胱腫瘍切除術72件、尿道的前立腺切除術27件、尿失禁に対するTVT手術3件、骨盤臓器脱に対するTVM手術6件、副甲状腺摘除術2件、腎移植術1件、経尿道的尿管砕石術30件など

★去勢抵抗性前立腺癌に対する化学療法、筋層非浸潤性膀胱癌に対する二期的切除術、進行腎癌に対する分子標的薬を用いた集学的療法を積極的に行っている

★尿路結石、腎出血に対し尿管鏡で良好な治療成績をあげている

★副腎、腎に対し腹腔鏡下手術を行い、早期退院を可能にしている。

医療設備

MRI、MDCT、RI、カラードプラ超音波診断装置、電子スコープ内視鏡、尿管鏡、尿力学検査装置、放射線治療装置など。早期前立腺癌に対する密封小線源治療装置も実施中。
  • セカンドオピニオン受入 △
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 △

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東海版」(ライフ企画 2011年4月)

整形外科

分野

整形外科

特色

数多い運動器の障害を手・末梢神経疾患、脊椎疾患、股関節疾患、代謝性骨疾患、膝関節疾患・スポーツ障害、小児の疾患、腫瘍性疾患、肩関節疾患、関節リウマチに分け、それぞれの患者さんのニーズに十分対応できるように専門外来制の診療を行っている。

症例数

脊椎外来=難治性脊椎疾患の手術加療について、日本で行われている脊椎手術のほぼすべてをカバー。特に脊髄腫瘍、脊柱変形、靱帯骨化症を主に行っている。また、術中の重篤な合併症である神経損傷の回避のために、手術中に32chの誘発筋電位や体性感覚誘発電位などの最新の脊髄機能モニタリングを使用している

股関節外来=人工股関節手術はセメントレスの人工股関節を中心に、手術創の小さい低侵襲手術で行っている。また、変形性股関節症に対する寛骨臼回転骨切り術、キアリ外反骨切り術、大腿骨頭壊死に対する大腿骨頭回転骨切り術などの関節温存手術も積極的に行っている。関節唇損傷の治療など関節鏡を用いた鏡視下手術にも取り組んでいる

骨粗鬆症外来=原発性骨粗鬆症、二次性骨粗鬆症、副甲状腺機能亢進症、骨軟化症などの代謝性骨疾患に対する正確な診断を重視し、診療を行っている。特に原発性骨粗鬆症の患者には、転倒予防等の日常生活指導も行っている

膝・スポーツ外来=得意とする膝関節疾患は、前十字靭帯損傷に対する前十字靭帯再建術、膝関節外傷に対する関節鏡視下手術、離断性骨軟骨炎(膝関節、足関節)に対する骨軟骨接合術・骨軟骨移植術・マイクロフラクチャー、膝関節骨壊死に対する骨軟骨移植術(モザイクプラスティ)、変形性膝関節症に対する関節鏡視下手術・高位脛骨骨切り術・人工関節(片側、全)置換術(コンピューターナビゲーション使用)、足関節靭帯損傷・軟骨損傷に対する足関節鏡手術である

小児整形外科外来=得意とする疾患は、先天性股関節脱臼、ペルテス病、大腿骨頭すべり症、O脚、X脚、先天性内反足等、先天的または小児の発育に伴って生じる骨関節の変形等に関する疾患である。近年増えている先天性股関節脱臼の紹介患者に対しては、当外来で超音波エコーによる補助診断のもとに適切な治療を行っている

手の外科・末梢神経外来=得意な分野は腕神経叢損傷、絞扼神経障害。腕神経叢損傷に対しては術前・術中に正確な診断を行い、肋間神経移行術に肘屈曲力の再建を行い良好な成績を得ている。また、絞扼神経障害に対しては、外来にて担当医師が電気生理学的検査を直接施行することで、より詳しく障害を診断し、治療方針を決定している

腫瘍外来=当院での治療の特色としては、液体窒素を用いた補助療法を、低悪性度骨腫瘍(低悪性軟骨肉腫や、骨巨細胞腫など)に行っており、良好な成績を得ている。また、悪性骨・軟部腫瘍に対しては患肢温存を目的として、顕微鏡を用いた複合組織移植、イリザロフ創外固定器や腫瘍用人工関節などを併用した手術も積極的に行っている

肩外来=五十肩の痛みや動きの悪さなどには、運動指導、薬剤による除痛の他に、関節注射、神経ブロック、関節内への造影剤注入、パンピングと呼ばれる関節包の拡大、関節鏡手術などを、反復性の脱臼に対しては、術後の肩の動きの温存、術創の小ささなどの利点を生かせる、関節鏡視下手術を積極的に行っており、良好な成績を得ている

リウマチ外来=外来では、近年使用可能となった生物学的製剤(製剤名:レミケード、エンブレル、ヒュミラ、アクテムラ)による薬物治療を軸としている。手術では、人工関節置換術や良肢位での関節固定術を行っている。1例として人工股関節・膝関節・肘関節置換術は安定した成績が得られている。

医療設備

術中脊髄モニタリング用経頭蓋電気刺激装置、人工関節画像ナビゲーションシステムなど。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 △

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東海版」(ライフ企画 2011年4月)

リハビリテーション科

分野

リハビリテーション科

特色

当院はベッド数603床を有する大学附属病院であり、特定機能病院の指定を受けている。06年4月より、美津島が部長となり、一診療科として独立した。急性期のリハビリが中心であり、対象疾患も整形外科疾患(熱傷などの形成外科疾患を含む)、脳血管障害はもちろんのこと、内科的疾患、外科の術後、小児疾患など多岐にわたっている。さらに近隣のリハビリ病院との連携にも力を入れており、地域を通じてのリハビリの質の維持・向上に努めている。また静岡大学工学部と協力して、靴の中敷き、座クッション、マットなどの研究も進めている。

症例数

今のところリハビリ科専属のベッドはないが、全診療科からの入院リハビリの依頼を受け付けており、毎日120~140人程度の患者のリハビリを行っている。切断や脳血管障害後の装具などについても装具義足の専門外来を行っており、必要があれば、足部の変形に対し、適宜神経ブロックなども行っている。嚥下造影(VF)などを適宜施行(週5~6件)して、この結果をもとに院内のNST(栄養サポートチーム)とも協力して、患者の嚥下能力の向上に貢献している。呼吸リハビリについても、従来の理学療法士による呼吸理学療法に加え、胸郭外式陰圧式人工呼吸器(RTX)などを用い、ICUでの呼吸管理にも協力している。また筋力評価測定器(バイオデックス)による下肢の筋力評価、呼気ガス分析器による周術期の運動耐用能の評価なども適宜行っている。失語症、失行、失認を中心とした高次脳機能障害についても、その評価と訓練を行っている。

医療設備

エコー、呼気ガス分析器、バイオデックス、RTX、レーザー組織血流計など。

「医者がすすめる専門病院 東海版」(ライフ企画 2011年4月)

形成外科

分野

形成外科

特色

07年2月に新設された科である。開設当初より重症熱傷、皮膚軟部組織悪性腫瘍および頭頸部悪性腫瘍切除後の再建手術を多く扱っている。また、母斑、血管腫、唇裂、多合指症などの小児の先天性形態異常、顔面神経麻痺、乳癌切除後の乳房再建、手の外傷の治療も関連各科と連携して積極的に行っている。美容関係ではレーザーによるシミやそばかすの治療、腋臭症、入れ墨消しなどの手術を行っている。当科の方針として、その時代に最も安全で確実と評価されている治療法を第一選択としているが、患者さんへの利益が大きい場合は最新の治療法を積極的にお勧めしている。いずれにしても、常に患者さんへはあらゆる情報を公開している。また、外来患者さんへの時間的負担を減らすため、小手術は可能な限り初診時に行い、術後処置が必要な場合は診療所へ逆紹介するようにしている。

症例数

09年の初診患者数約700人、外来手術患者数242件、入院手術患者は208件である。悪性腫瘍およびそれに関連する再建は93例。遊離皮弁を用いた質の高い再建を行うほか、センチネルリンパ節の摘出やPETによる診断など、悪性腫瘍に対して包括的管理を行っている。新鮮熱傷は9例、顔面・四肢の外傷は53例で、救命はもとより機能的・整容的に高い治療水準を保っている。急性期からリハビリテーション、瘢痕拘縮の修復まで一貫した治療を行っている。先天異常は口唇裂、多合指症など19例。母斑・血管腫・良性腫瘍は194例で、組織拡張器やレーザー、硬化療法など各種治療法を駆使して治療にあたっている。褥瘡・難治性潰瘍は36例で、保存的治療から再建術まで、患者の原因疾患と状態に応じた治療を行っている。瘢痕、瘢痕拘縮、ケロイド手術は26例で、さらに特発性ケロイドには術直後から電子線照射を併用し、良好な結果を得ている。美容関係の手術は20件である。

医療設備

ジェントルレーザーなど.
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 △

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東海版」(ライフ企画 2011年4月)

産婦人科

分野

産婦人科

特色

周産期センターは産科部門とNICU(新生児集中治療室)部門より構成。すべての妊娠週数の産科・産科救急・新生児科救急に対応。腫瘍部門は婦人科のすべての良性・悪性腫瘍に対応している。特に子宮頸癌の光線力学療法は、妊孕性を維持した癌の治療法として力を注いでいる。不妊部門では一般不妊治療から高度生殖補助医療まで幅広く実施している。

症例数

09年度の手術総数は380例、帝王切開120例、悪性腫瘍37例、良性開腹手術80例、腹腔鏡手術110例

★周産期センターではUTI腟坐剤による切迫早産治療、抗凝固療法をはじめとした対策による血栓傾向を有するハイリスク妊婦妊娠分娩管理を行っている。また、羊水塞栓症の血清診断の日本のセンターになっており、羊水塞栓症診断の正確な情報を全国に提供している

★婦人科の腫瘍では、良性卵巣腫瘍、子宮内膜症、子宮筋腫核出術には腹腔鏡下手術を積極的に行っており、子宮頸癌の初期癌や前癌には光線力学療法(PDT)を取り入れている

★不妊部門では、体外受精、顕微授精、凍結胚移植、当科で開発したエンゼルストークによる男性不妊の治療を行っている。高度肥満に伴う無月経および排卵障害に対しては、超低カロリー食事療法を入院管理にて行っている。

医療設備

MRI、CT、ヤグレーザー、マンモグラフィ、リニアック、RALSなど。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 △

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東海版」(ライフ企画 2011年4月)

眼科

分野

眼科

特色

①地域医療に密着し、ほとんどすべての眼疾患に対応できる。②小児の眼疾患、複雑な斜視の診断・治療。③先進的な網膜硝子体手術を行い良好な成績を収めている。④斜視、緑内障、ロービジョンの特殊外来が充実している。

症例数

外来は1日100~150人。手術件数は年々増加傾向にあり、09年の初診患者数は1,224人、延べ再診患者数は17,240人である。手術件数は年間約900件で、白内障466件、網膜硝子体120件、斜視164件、緑内障51件、眼瞼疾患25件、角膜移植9件などである。特に小児眼科と斜視に関しては、全国から患者が紹介され、視能訓練士や国内外の医師が研修に来ている。白内障手術は、ほとんどが超音波乳化吸引術で、網膜硝子体手術は、ほとんどが25G装置による低侵襲手術である。加齢黄斑変性に対する光線力学療法を年間約30件行っている。高度先進医療である羊膜移植を難治性角膜疾患や翼状片に行っている。光量子医学研究センターの蓑島伸生教授と協力して、難治性眼疾患の遺伝子診断を行い、認定遺伝カウンセラー(堀田教授)による遺伝相談も行っている。

医療設備

光干渉断層系(OCT4)、広角眼底撮影装置(RetCam)、角膜形状解析装置、ハイデルベルグ網膜血管造影装置(HRA2)、超音波生体顕微鏡、各種レーザー光凝固装置、白内障、硝子体手術装置、手術用顕微鏡他。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ○
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 ×

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東海版」(ライフ企画 2011年4月)

耳鼻咽喉科

分野

耳鼻咽喉科・頭頸部外科

特色

耳鼻咽喉科疾患の全領域を対象にしているが、最も得意としているのは頭頸部腫瘍。治療に際してはQOLを第一に考えた治療を進めている。耳鼻咽喉科学会認定専門医研修施設。

症例数

06年では外来患者総数15,230人、入院患者総数8,550人、全手術件数は366件であった。同教室が最も得意とする分野は、頭頸部腫瘍で、手術件数は98件(悪性56件、良性42件)であった。形成外科や脳神経外科あるいは消化器外科とも連携し、頭蓋底再建や遊離皮弁を使用する拡大手術も行っている。また、放射線科と共同で、機能温存を目指す放射線化学治療(Chemoradio therapy)に関しても、QOL(生活の質)と根治性を考え多彩な治療法を選択し、峯田教授・細川助教が中心となり施行している。耳疾患に関しては、鼓室形成術は06年の手術件数67件であった。現在は、短期入院での手術を心がけ、水田准教授が中心になり手術・指導にあたっている。また、人工内耳は浜田助教が中心となっており、症例数は14件であった。近年のトピックである睡眠時無呼吸・イビキに関しても、渡邉講師・竹下助教が中心となり、PSG(ポリソムノグラフィー)検査や手術治療を行っている。その他の分野においても積極的にQOLを考慮した治療を推し進めている。

医療設備

MRI、CT、超音波、リニアック、聴力検査、ABR、ENG、重心動揺検査、電子内視鏡、ナビゲーション、PSGなど。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ○
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 ○

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東海版」(ライフ企画 2011年4月)

免疫リウマチ内科

分野

リウマチ・膠原病内科

特色

日本内科学会、日本リウマチ学会認定施設。免疫リウマチ内科は循環器内科、血液内科とともに第3内科診療科群を構成し、各科と密接に連携をとって診療に当たっている。また、07年度に病診連携の強化、各地域の診療レベルの均一化、日本人によるエビデンスの収集を目指し、「静岡リウマチネットワーク」を設立、代表幹事を小川講師が務め、科内に事務局を置いている。

症例数

リウマチ膠原病疾患の患者数は約800人。月間外来新患者数は約10人前後。年間入院患者は約100人。外来新患者は浜松市を中心とする静岡県西部地域が多いが、静岡県全域および愛知県東部地区からの紹介患者も少なくない。疾患としては関節リウマチ、全身性エリテマトーデスをはじめとして膠原病全般にわたっている。治療は症状や患者の体質をみて、副作用が出ないように最も適切な治療を行うよう努めている。現状ではシェーグレン症候群や全身性エリテマトーデスは、患者の約8割が薬剤の投与で症状の安定した状態をコントロールできている。関節リウマチでは、生物学的製剤や白血球除去療法などの先進的医療を積極的に試みている。

医療設備

CT、MRI、RI検査、骨密度測定装置、各種内視鏡、超音波、ICU、CCU、透析、血漿交換装置、白血球除去療法装置、リハビリテーション室など。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ○
  • 主治医指名 ×
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東海版」(ライフ企画 2011年4月)

神経内科(第1内科診療群)

分野

神経内科

特色

神経疾患全般にわたり幅広く診断・治療を行っている。神経変性症を中心に、代謝性神経・筋疾患、免疫性神経疾患が多い。また、遺伝子診断にも積極的に取り組んでいる。

症例数

外来患者数は1日平均25人、入院患者数は平均10人、年間平均入院患者数120人、平均在院日数25日

★09年入院の内訳は、脳梗塞24人、神経変性症35人(パーキンソン病14人、アルツハイマー病5人、筋萎縮性側索硬化症3人、球脊髄性筋萎縮症3人、脊髄小脳変性症7人など)、免疫性神経疾患30人(重症筋無力症10人、多発性硬化症5人、ギラン・バレー症候群5人、末梢神経障害5人、多発筋炎5人など)、内科疾患に伴う神経症状、代謝性神経・筋疾患20人(ウェルニッケ脳症2人、ウィルソン病1人、電解質異常5人、糖尿病1人、甲状腺機能障害3人、薬物中毒4人、無セルロプラスミン血症1人など)、炎症性神経疾患13人(髄膜炎・脳炎7人、サルコイドーシス4人、クロイツフェルド・ヤコブ病1人など)、筋疾患5人(進行性筋ジストロフィー2人、筋強直性ジストロフィー2人など)、機能性神経疾患10人(てんかん3人、眩暈発作3人など)であり、神経疾患全般にわたっている

★内科疾患の合併症が多いため、全身的な管理・治療を必要とすることが多い

★血液浄化療法、ステロイド・パルス療法、免疫抑制剤、免疫グロブリン大量療法などの免疫治療をはじめ、ボツリヌス療法、代謝性疾患での補酵素大量療法などを行っている。

医療設備

CT、MRI、MRA、SPECT(脳血流シンチグラフィー)、脳血管撮影、頸動脈エコー、脳波、筋電図、末梢神経伝導速度、各種誘発電位測定、MIBGシンチグラフィーなど。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 ×
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東海版」(ライフ企画 2011年4月)

救急部

分野

救急医療

特色

91年に救急部発足。02年に救急医学講座発足。浜松市2次輪番群病院の一翼を担う(04年4月から6日に1回担当)と同時に、大学病院としての高度救命医療の責を果たすべく努力している。消防本部との間にホットラインが設置され、常時医師が待機し救急要請に応需している。全科の協力体制を基盤にすべての救急傷病に対応できる。CPA(心肺機能停止)、多発外傷、急性中毒、環境障害、広範囲熱傷、診断のつかない症例は救急部が入院治療を担当する。その他の急性疾患については、各診療科の専門医がイニシアチブをとり、救急部は初期治療に協力する。研修医(卒後1・2年目)は1カ月の救急医療研修および日当直を通じて、救急車搬送例および直接来院した患者の初期診療に対応する。日常診療に加えて、 院内救急、臓器移植、医学教育におけるシミュレーション医学の実践、静岡県におけるBLS、ICLS、JATEC、災害医療救護訓練、等の指導・協力(約40回/年)、MC協議会、救急救命士追加講習、救急隊員の病院実習、東海地震を想定した自主防災隊との医療連携訓練、急性被ばく医療に関する模擬訓練などを積極的に推進している。

症例数

09年度の診療統計を以下に示す。受診総数7,437人、救急車台数2,163台、平日時間内受診数841人、平日準夜および日直帯受診数4,543人、深夜帯受診数(午後10時~翌朝7時)2,053人、特殊処置(緊急内視鏡、血管造影、中毒処置)数232人、緊急手術数38人、入院数1,522人、3次症例数(2次病院からの転送など)366人、心肺停止症例67人、交通事故342人。
  • セカンドオピニオン受入 /
  • 初診予約 /
  • 主治医指名 /
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東海版」(ライフ企画 2011年4月)

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