専門医より推薦を受けた診療科目・診療領域

関西労災病院は、複数の有名専門医(※)の間で「自分や家族がかかりたい」と推薦されています。
このページでは、専門医より推薦を受けた分野(科目、領域)の特色や症例数、所属している医師について取材・調査回答書より記載しています。 ※推薦、選定して頂いた有名専門医の一覧表

消化器内科

分野

消化器・一般内科

特色

肝臓疾患および内視鏡治療を中心に、阪神地区の中核病院として急性期医療を主とした消化器内科疾患全般の診療を行っている。日本消化器病学会、日本肝臓学会、日本消化器内視鏡学会の認定施設である。10年4月大阪大学消化器内科から林院長が就任後は特にウイルス性肝炎、肝癌の治療など肝臓疾患に積極的に取り組んでおり、兵庫県肝疾患連携拠点病院である。内視鏡による消化管疾患治療例も多く、地域がん診療連携拠点病院に指定されており、消化器癌についても消化器外科と連携しながら、多数例の診療を行っている。アルコール依存によるアルコール性肝臓・膵臓疾患については、禁酒の継続のために専門的管理が必須であるが、当院ではそれに対応できないため、対応可能な医療機関を受診していただくようにしている。

症例数

年間の新入院患者数は約1,400例。年間の検査・治療件数は腹部超音波検査4,000件、上部消化管内視鏡検査5,000件、大腸内視鏡検査2,000件、ダブルバルーン小腸内視鏡検査50件、内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)150件

★肝臓疾患領域では、肝生検(腫瘍生検含む)110件、経皮的肝癌治療(ラジオ波焼灼療法:RFA、経皮的エタノール注入療法:PEIT)70件、経カテーテル的肝癌治療(動脈塞栓術:TAEなど)180件。C型慢性肝炎に対するインターフェロン療法の新規導入は60例。ペグインターフェロン・リバビリンに新規抗ウイルス剤を併用する治験を行うこともある。慢性肝疾患からの発癌の早期発見、早期治療を重視した検査・治療体制を取っており、肝腫瘍を認めた例では造影超音波、ダイナミックCT、ダイナミックMRI、超音波ガイド下腫瘍狙撃生検などで悪性度を評価し治療を行っている。RFAは展開針、cool-tip針とも使用可能であり、腫瘍の部位、形状によりいずれを使用するか決定、TAEとの組み合わせなどにより、安全かつ確実な腫瘍壊死と治療成績の向上を目指している

★消化管疾患領域では、大腸ポリープなどに対する内視鏡的粘膜切除術(EMR)290件、早期胃癌の内視鏡的粘膜下層切開剥離術(ESD)60件、食道静脈瘤に対する内視鏡的硬化・結紮療法30件、消化管出血への内視鏡的止血術100件など。内視鏡的切除を行う症例は年々増加しているが、内科・外科の連携を密にし、安全かつ最適な治療法を選択し提供している

★膵胆道疾患では、閉塞性黄疸や総胆管結石に対し経皮経肝胆道ドレナージ(PTBD)20件、内視鏡的逆行性胆道ドレナージ(ERBD)および内視鏡的乳頭切開術(EST)80件など。

医療設備

MRI、MDCT、PET、カプセル内視鏡、造影超音波、RI、放射線治療など。

「医者がすすめる専門病院 兵庫・京都・滋賀」(ライフ企画 2011年5月)

外科(消化器外科)

分野

消化器・一般外科

特色

各疾患において診断から治療(内視鏡治療・手術・化学療法・緩和治療)まで一貫して行っている。ガイドラインの治療方針を基本としているが、患者さんの状態に応じた治療法の選択に心がけている。高齢者・術前合併症を有する症例・緊急手術が多く、十分な術前評価と栄養サポートチームとの協力のもと、術前・術後の栄養管理にも力を入れている。外科は乳腺外科と消化器外科に分かれているが、一般診療は一緒に行っている。

症例数

09年の年間外科手術症例数は1,002例で、うち消化器外科手術は683例であった

食道癌=06年の食道癌切除症例は内視鏡的粘膜切除例が6例、外科手術症例が9例の15例であった。術前合併症のある症例には二期分割手術を行っており、安全な手術に努めている。放射線化学療法も積極的で23例に行った

胃癌=T3を疑う症例には腹腔鏡検査を行っており、化学療法も積極的に行っている。09年より腹腔鏡補助下胃切除術も導入した。09年の胃癌切除は111例(LAGD: 7例)、バイパス術が6例、GISTに対する胃切除術が8例、腹腔鏡検査が16例であった。Stage別の5年生存率はStageIA:98.8%、IB:95.1%、II:81.2%、IIIA:53.0%、IIIB:38.3%、 IV:18.5%であった

大腸癌=ガイドラインに則った標準治療を原則とし、内視鏡治療・腹腔鏡下手術・開腹手術・抗癌剤治療などから最も適切な治療法を選択、提供している。09年の手術症例数は結腸癌100例、直腸癌38例、その他の腸手術89例であった。大腸癌の5年生存率はStageI:93%、II:85%、IIIa:78%、IIIb:55%、IV:19%である

胆膵癌=年間約30例施行し、そのうち膵頭十二指腸切除は年間10~15例程度である。膵癌・胆道癌は、切除に加えて化学療法も積極的に施行している。切除術式としては、進行癌に対する血管合併切除などを積極的に施行する一方、膵管内乳頭粘液腫瘍(IPMN)や粘液性嚢胞腫瘍(MCN)に対する低侵襲手術も施行している

肝細胞癌=進行度・肝機能等を参考にして適応を慎重に検討し、内科・放射線科と協力し、個々の患者様に最適な治療を選択するようにしている。切除術式は、系統的肝切除を基本とする一方、10年より保険適用となった腹腔鏡下肝切除術も施行している。09年の肝細胞癌に対する肝切除は30例であった。また、大腸癌肝転移症例も積極的に手術を行っている

胆石症=有症状症例を中心として年間約110例の手術を行っている。胆嚢結石のみならず総胆管結石症例に対しても腹腔鏡下手術を第一選択とし、低侵襲手術を心がけている

脾臓=血小板減少性紫斑病(ITP)等に対し腹腔鏡下摘脾術を試行している

化学療法=化学療法にも積極的で、個々の患者さんの希望、ライフスタイルやQOL(生活の質)の観点から、外来で施行可能な副作用の少ないプロトコールを中心に病期やステージに応じた複数のプロトコールを多施設共同研究として実施している。現在、外来化学療法室はベッド数13床で運営していて、09年度の実施件数は6,705件でそのうち外科分は3,724件(消化器外科1,353件)であった。

医療設備

マルチスライスCT3台(8列、16列、320列)、MRI3台(1.5T、1.5T、3.0T)、PET-CT、血管造影装置(2台)、DSA、超音波、電子内視鏡、内視鏡下手術装置、CUSA、手術用顕微鏡、ガンマナイフ、他。

「医者がすすめる専門病院 兵庫・京都・滋賀」(ライフ企画 2011年5月)

循環器科

分野

循環器科

特色

循環器全般における高度先進医療を目指し、特に虚血性心疾患に対するカテーテル治療(PCI)を中心とした医療体制をとっている。

症例数

年間約500症例に対しPOBA、ステント、DCA、ロータブレーターを駆使したPCIを施行している。特にロータブレーターに関しては、県下で数少ない認定施設である。不整脈治療に関しては、年間約200症例のペースメーカー治療をはじめ、頻脈性不整脈に対する高周波アブレーション治療を行っている。このほか、肥大型心筋症に対する心室中隔アブレーション治療やステント再狭窄に対してのレーザー療法など、最先端治療にも積極的に取り組んでいる。また大動脈ステント治療や下肢閉塞性動脈硬化症に対するカテーテル治療にも積極的に取り組んでいる。心疾患の的確な治療のためには正確かつ迅速な検査体制が必要である。当院では、心臓エコー検査は4,000例、心筋シンチ検査は1,500例、カテーテル検査・治療は2,000例の年間実績を有している。10年度より320列冠動脈CTが稼動している。また冠動脈内視鏡や心臓超音波法を用いた新しい狭心症の診断法について世界に情報を発信している。

医療設備

CCU、心臓カテーテル(冠動脈造影検査、電気理学カテーテル検査等)、経皮的冠動脈形成術、ペースメーカー術、高周波焼灼術、超音波心臓検査、心臓核医学的検査など。

「医者がすすめる専門病院 兵庫・京都・滋賀」(ライフ企画 2011年5月)

泌尿器科

分野

泌尿器科

特色

泌尿器科全般にわたる豊富な症例数があり、腹腔鏡下手術を含む内視鏡的治療を主とした最小侵襲的で先端的な医療を提供している。治療方針の選択に際しては、治療をしないという選択肢も含めできる限りの情報を患者および家族に提供し、一緒になって考えていく姿勢をモットーにしている。

症例数

09年の外来新患者数は1,696人、入院患者数は986人。総手術件数959件(前立腺生検術233件、ESWL139件を含む)で、開腹手術41例(腎癌2例、腎盂尿管癌1例、膀胱癌4例、前立腺癌17例など)、腹腔鏡下手術66例(副腎腫瘍3例、腎癌23例、腎盂尿管癌7例、前立腺癌29例、腎盂形成術3例など)を含む内視鏡手術326例(経尿道的膀胱腫瘍切除術151例、経尿道的前立腺切除術24例、尿管鏡下検査・治療11例など)である

★前立腺癌に対しては腹腔鏡下前立腺全摘除術および腹腔鏡下小切開前立腺全摘除術の施設認定を受けているが、重粒子線や通常のリニアック治療を含め様々な選択肢を呈示している

★浸潤性膀胱癌で膀胱全摘を余儀なくされる場合は新膀胱造設術を積極的に行うが、膀胱温存を目指した集学的治療にも取り組んでいる

★腎癌、腎盂尿管癌はほとんどを腹腔鏡下手術で施行しており、開腹術への移行例は現在まで1例のみ

★副腎疾患に対しても経験が豊富で、遠方よりの紹介が多い

★尿路結石にはESWLの新機種を導入し、良好な治療成績をあげている

★セカンドオピニオンへの紹介および受け入れは共に積極的に対応している。

医療設備

PET-CT、MRI、MDCT、RI、リニアック、ESWL、KTPレーザー、ホルミウムレーザー、電子スコープ膀胱鏡、フラットパネルX線装置ほか。

「医者がすすめる専門病院 兵庫・京都・滋賀」(ライフ企画 2011年5月)

形成外科

分野

形成外科

特色

地域の基幹病院として各診療科と連携を持ちながら、形成外科診療の全般にわたり診療を行っている。負担の少ない治療、短い入院期間を心がけている。症例によっては大阪大学形成外科、兵庫医科大学形成外科および関連病院の協力により専門医師の招聘を行っている。

症例数

年間の手術件数は約800例、うち外来手術は約400例

★顔面骨骨折は約20例。鼻骨骨折はほぼ局所麻酔による外来手術

★母斑・血管腫・良性腫瘍は約300例。可能な限り局所麻酔による外来手術で対処。レーザー治療の適応症例は施行可能施設に紹介(炭酸ガスレーザーの適応症例は当院で施行)

★皮膚軟部組織悪性腫瘍は約30例。皮膚科との共同の下、当科ではリンパ節郭清が必要な場合や、皮弁などによる再建が必要な症例を主に行っている

★耳鼻咽喉科、口腔外科、脳神経外科との共同による頭頸部再建は約15例。主として遊離組織移植により行っているが、過去5年間に血栓形成による皮弁壊死はない

★乳房再建は身体への負担の少なさを重視し、主としてシリコンインプラントによる再建を行っているが、希望に応じ皮弁による再建も行う

★ケロイド・瘢痕は約50例。ケロイドは薬物療法だけでなく症例によっては手術も行い、放射線治療を併用し再発を低率に抑えている

★褥瘡・難治性皮膚潰瘍は50~60例。保存的治療を基本に、手術の適応と考えられる場合には各種皮弁による再建を行う

★下肢静脈瘤が約150例。ストリッピング、高位結紮、硬化療法を組み合わせ、最適の方法を選択

★純然たる美容外科手術は行っていないが、腋臭症、眼瞼下垂などは増加傾向。乳房再建において、症例に応じ対側乳房の挙上や豊胸も行う

★小児においても、小範囲、短時間の手術は、局所麻酔下に外来手術でも行っている。

医療設備

レーザーは炭酸ガスレーザーのみ。形成外科内視鏡システム、超音波、脂肪吸引器。

「医者がすすめる専門病院 兵庫・京都・滋賀」(ライフ企画 2011年5月)

産婦人科

分野

産婦人科

特色

産科と婦人科をバランスよく機能させた地域の中核病院であり、南阪神地区のがん診療拠点病院である。また、日本産科婦人科学会専門医制度卒後研修施設ならびに日本婦人科腫瘍学会専門医制度指定修練施設である。我々の目標は、患者様からも他の医療従事者からも信頼される医療の実践であり、エビデンス(科学的根拠)に基づいた患者主体の医療を推進している。

症例数

★産科は09年、512件の分娩(うち99件が帝王切開)を取り扱った。分娩に際しては、陣痛期・分娩・産褥期まで対応でき、ご家族の方にも同室いただけるゆったりした個室(LDR : Labor Delivery Room)を主に使用し、お産を行っている。産後、母児ともに経過が順調な場合は、母児同室制を取り入れている。妊婦の方の分娩に対する思いを聞き、個人個人のバースプランを立て、可能な限りご希望に沿うよう努力している。小児科と連携し、妊娠35週以上で推定児体重が1500g以上の分娩を取り扱っている。ペアクラス(両親学級)を設け、父性と母性の確立をサポートしている。09年11月から、当科の約20%に当たるローリスクに妊婦を対象とした、より自然に近い形でのお産を提供できる院内助産システムを開始した。以上のように、お母さんも赤ちゃんもご家族の皆様も、安心していいお産をしていただける体制を組んでいる

婦人科は09年、313件の手術(うち悪性腫瘍143件)を行った。02年1月~08年12月に新規に治療を開始した悪性腫瘍375例の5年生存率は、子宮頚癌=IA期100%、IB期87.8%、II期88.8%、III期49.4%、IV期0%。子宮体癌=I期96.2%、II期83.3%、III期71.1%、IV期0%。卵巣癌=I期92.4%、II期70.6%、III期53.2%、IV期55.1%。悪性腫瘍の治療は手術・放射線・化学療法を適切にコンビネーションさせた集学的治療を展開している。常に、病理医・放射線診断医・放射線治療医・看護師・薬剤師等とカンファレンスを行い、患者個々に最適な治療法が提供できるように努力している。内視鏡(腹腔鏡、子宮鏡)下手術にも対応している。リスク・ベネフィット(治療の利点・欠点)を十分ご説明し、インフォームド・コンセントを得た上での治療を行っている

★エビデンスに基づく医療(EBM)の実践を行っていることは言うまでもないが、エビデンスを利用するエビデンスユーザーであるばかりでなく、未来の患者様の治療に役立つエビデンスを創造していくエビデンスメーカーとなるように、積極的に臨床試験を行っている

★学会活動、論文執筆も奨励しており、09年は英文論文1篇、邦文著書1編、邦文論文1編を報告し、国際学会で1件、国内学会で11件の発表を行った。このようにして医療の質の向上を図っている

★我々のテーマは、「愛」と「誠」である。「愛」とは相手を思いやる心であり、「誠」とは正しいことを貫く意思であると考える。「チーム医療の充実」「地域連携の強化」「臨床研究の推進」を実践することで、すべての人の幸せのために全力を尽くす

★入院病床数42床、外来患者数1日平均約60人(月・火・木80人、水・金30人)。手術日は水・金曜の全日。

医療設備

MRI、CT、PET、ヤグレーザー、ガンマナイフ、リニアックなど。

「医者がすすめる専門病院 兵庫・京都・滋賀」(ライフ企画 2011年5月)

眼科

分野

眼科

特色

眼科全般の診断、治療を最新の機器を用いて行っている。角膜、結膜疾患については近畿地方ばかりでなく中部地方、中国、四国地方からも治療に来られている。なかでもドライアイに関しては、世界ドライアイワークショップ参加施設で世界の涙点プラグ、外科的涙点閉鎖まで最先端の治療を行っている。網膜硝子体手術は阪神地区からの紹介が多く、最新の技術、機器で積極的に行っている。

症例数

★年間総手術900例、白内障700例(99%が小切開超音波白内障手術)、網膜剥離および網膜硝子体100例、角膜移植36例を行っている

★翼状片は年間30例以上あり、再発率は0.9%と非常に良好である

★白内障は全身疾患を持つ患者さんが多く、片眼では2泊の入院としている

★ドライアイではほぼ全例で症状が軽減している

★角膜感染症でも細菌、真菌、アカントアメーバに至るまで幅広い疾患に対応し、ほぼ100%が治癒している

★角膜移植の透明治癒率は93%と高率である

★アレルギー性結膜炎に対しても免疫抑制薬点眼を駆使し、難治性のものにもほぼ全例で効果を挙げている

★糖尿病網膜症は、レーザーによる網膜光凝固でできるだけ進行を抑制するが、増殖糖尿病網膜症に対する網膜硝子体手術も毎年50例近く実施している

★黄斑円孔に対しては、硝子体手術で100%近い復位率が得られている。

医療設備

角膜形状解析装置、角膜内皮測定装置、ドライアイ診断装置、光干渉網膜断層計(OCT)、ハンフリー視野計、ヤグレーザー、超音波断層診断装置、マルチカラーレーザー、白内障手術装置、網膜硝子体手術装置など。

「医者がすすめる専門病院 兵庫・京都・滋賀」(ライフ企画 2011年5月)

耳鼻咽喉科

分野

耳鼻咽喉科・頭頸部外科

特色

①副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎、中耳炎に対する手術治療②音声外科③頭頚部癌(喉頭癌、咽頭癌、口腔癌)に対する高度先進医療④耳下腺腫瘍などの頭頚部腫瘍に対する手術、⑤突発性難聴、顔面神経麻痺には外来での通院点滴治療。

症例数

最近の年間の新患者数は約3,000人、紹介率は60%、新入院患者数604人、手術件数は約400件。年間の手術の内訳は鼻茸、鼻ポリープを含む慢性副鼻腔炎や鼻腔乳頭腫などの鼻腔良性腫瘍に対する鼻内内視鏡手術63例、習慣性扁桃炎や睡眠時無呼吸に対する扁桃摘出術60例、慢性中耳炎、真珠腫性中耳炎に対する鼓膜・鼓室形成術36例、声帯ポリープや早期声帯癌などに対する顕微鏡下喉頭微細手術60例、耳下腺腫瘍、甲状腺腫瘍などの頭頚部良性腫瘍摘出術が40例などであった

★頭頸部癌に対する根治を目的とした全摘術が35例。内訳は、咽頭癌6例、舌癌など口腔癌9例、唾液腺癌2例、甲状腺乳頭癌15例などであった

★咽喉頭癌さらに舌癌を代表とする口腔癌などの進行癌に対しては、再建外科を含めた拡大手術を行う一方、声帯癌などの早期癌に対しては機能温存をめざした放射線治療を行っており、5年生存率は95%を超えている。最近は、進行癌に対しても抗癌剤を併用した化学放射線治療を積極的に行い、手術を行わず治癒率の向上を得てきた。現在までに1,050人の頭頸部癌患者さんの治療を行っている。当科は耳鼻咽喉科研修指定病院であるが、09年にはさらに頭頚部外科学会の頭頚部癌治療研修指定病院にも認定された

★慢性中耳炎に対する鼓膜・鼓室形成術が302耳。真珠腫性中耳炎に対する鼓室形成術が267耳になった

★慢性副鼻腔炎には、鼻内内視鏡手術を93年から導入し、以来800例の症例を重ね、鼻閉・嗅覚障害の改善において良好な治療成績と、副損傷なしの実績を得ている

★嗄声などの音声障害には、発声訓練などの保存的治療と音声外科手術を症例ごとに選択している

★めまい、味覚・嗅覚障害などの感覚器の機能障害、突発性難聴や末梢性顔面神経麻痺に対しては、外来での点滴治療を行っている。

医療設備

MRI、CT、PET、エコー、NBI電子内視鏡、手術支援ナビABR、OAE、平行機能検査機器、味覚・嗅覚検査機器、リニアック、ガンマナイフ、ヤグレーザー。

「医者がすすめる専門病院 兵庫・京都・滋賀」(ライフ企画 2011年5月)

口腔外科

分野

歯科口腔外科

特色

労災病院として労働災害に取り組むとともに、阪神間の基幹病院として骨折、嚢胞、歯性感染症、口腔腫瘍など、いわゆる口腔外科疾患を中心に診療を行っている。原則として労災患者以外の一般歯科治療は行っていない。他科入院患者に対しては、応急処置以外に歯科衛生士と病棟看護師が協力し、積極的な口腔ケアに取り組んでいるのも特色のひとつである。

症例数

年間の初診患者数は約3,000人、再診患者数は9,500人。入院手術症例は年間約320症例、外来手術数は埋伏智歯抜歯、嚢胞摘出など年間約1,400例である

★ワーファリンなど抗血栓薬を服用している患者では、内服中断による血栓症のリスクを防ぐため、原則内服継続下に抜歯を行っている。ただし、抜歯後出血に対応するため、入院での抜歯としている

★悪性腫瘍患者は年間約15例。治療法は外科的切除を第一選択としているが、進展症例では放射線治療、化学療法を併用し、治療成績向上を目指している。広範囲の切除が必要な症例では、形成外科の協力の下に微小血管吻合を用いた遊離皮弁による即時再建を行っている

★最近増加している顎関節症の患者は年間約200人。MRIにて関節円板の転位を確認し、薬剤療法とスプリント療法を併用して良好な成績を得ている

★歯科衛生士と病棟看護師の協力により積極的に口腔ケアに取り組むことで、気管内挿管患者の誤嚥性肺炎の予防や化学療法中の患者の口内炎の軽減、周術期の患者の合併症の予防に積極的に活動している。

医療設備

MRI、CT、3次元CT、リニアック、PET-CT。

「医者がすすめる専門病院 兵庫・京都・滋賀」(ライフ企画 2011年5月)

皮膚科

分野

皮膚科

特色

「皮膚は内臓の鏡」をモットーに、内科疾患関連の皮膚症状、ライフスタイルの改善、自己管理指導を重視した診療を行っている。診療にあたっては、国際的標準治療、科学的根拠(エビデンス)に基づく適切な皮膚科治療を旨としている。

症例数

1日平均外来患者数は約60人

★アトピー性皮膚炎には、スキンケアや生活習慣改善など自己管理指導を徹底させるようにしている。可及的にステロイド外用薬を減らす努力をしている

★じんま疹に関してはアレルゲンや増悪因子を推定する努力を行っている

★乾癬には、レチノイド、シクロスポリンなどの薬物療法以外に食事など生活習慣指導を重視している

★皮膚腫瘍は、当院形成外科との連携の下、手術療法などを実施している

★褥瘡・難治性潰瘍では、ラップ療法、弾性ストッキング、弾力包帯療法など、在宅療法の家族教育に力を入れている

★循環器疾患関連もしくは糖尿病性の足病変に関しては、壊疽に陥らせないための自己管理指導を徹底している。

医療設備

スーパーライザー、皮膚エコー、ダーモスコピーなど。

「医者がすすめる専門病院 兵庫・京都・滋賀」(ライフ企画 2011年5月)

脳神経外科

分野

脳神経外科

特色

兵庫県がん拠点病院として脳腫瘍の症例、救急指定病院として脳血管障害や頭部外傷等、バランスよく豊富な脳疾患を速やかに治療している。阪神地区基幹病院として近隣ばかりではなく遠方からも高難度脳外科治療を期待される病院である。総合的低侵襲脳外科治療(肉体的、精神的、経済的、社会的)をモットーとし、早期社会復帰と健やかな人生を目標としている。

症例数

年間手術は約400例、新入院患者数は600人前後、外来患者数8,000人前後(紹介率60%)、平均在院日数13日

脳腫瘍(90例/年)=良性腫瘍の治療目標は症状の回復と後遺症を出さないこと。疾病が生涯の社会活動に妨げにならないことを目的とする。悪性腫瘍には、初期治療が予後を左右するため、手術+放射線(リニアック、ガンマナイフ)+化学療法を基本とする。転移性脳腫瘍には基本的にガンマナイフを行う。腫瘍の同定には、MRI+PETが欠かせない。手術には、内視鏡、ナビゲーターや院内LANを介した3次元的解析が効果を発揮する

血管障害(100例/年)=動脈瘤は内頸動脈系が手術、椎骨脳底動脈系は塞栓術を基本としている。未破裂脳動瘤(30~50例/年)の永続的神経障害発現率は0.6%、死亡率は0%。閉塞性疾患のうち、内頸動脈狭窄症にはガイドラインに則り、手術あるいはステント留置を行う。ウイリス動脈輪閉塞症に対する血管吻合術。救急疾患ではクモ膜下出血の積極的治療例(30~50例/年)の死亡率は約1%、寝たきり率は約10%。脳内出血は内科的治療を第一選択とし、場合により内視鏡、顕微鏡手術を行う。脳梗塞急性期はtPAあるいはPTA

外傷=特殊救急部と合同して低体温療法などを行う。良い手術は脳外科だけではなく、麻酔医等の他科医師とパラメディカルの総合力に良好なリスク管理が加わって行えるものと考える。

医療設備

MRI 3台(3T)、MDCT 3台(320例)、DSA 4台、PET-CT、SPECT、ガンマナイフ、リニアック、ナビゲーター、マイクロキューサー2台、手術用レーザー、神経内視鏡など。

「医者がすすめる専門病院 兵庫・京都・滋賀」(ライフ企画 2011年5月)

乳腺外科

分野

乳腺・内分泌外科

特色

診療ガイドラインに則った標準的な治療を基本として、個々の患者さんに最適な治療法を一緒に考えている。乳癌治療のチームとしては、2人の乳癌専門医と放射線治療専門医とともに癌化学療法認定看護師、乳癌看護認定看護師、リエゾン精神専門看護師や癌化学療法専門薬剤師たちが活躍している。加えて、緩和医療(緩和ケア病床:18床)にもチームとして取り組んでいる。

症例数

乳癌の年間手術件数は約220例で、乳房温存術(適応は概ね3cmまで)の割合は約65%である。大きな腫瘤で患者さんの希望が強い場合には、術前の抗癌剤治療にて腫瘤を小さくしてから乳房温存術を行っている

★わきの下にリンパ節転移のない方には、センチネルリンパ節生検を勧めている

★乳房切除術の患者さんには、形成外科での二期再建を紹介している。エキスパンダーを挿入して乳房の皮膚を膨らませた後に、人工乳房(シリコン)と入れ替える方法である

★手術に必要な検査はすべて外来で行い、手術の前日に入院して、術後は乳房温存術で3~4日、乳房切除術では7日程度である

★乳房温存術後や乳房切除術でもリンパ節転移が多かった患者さんには、放射線治療(外来で、5~6週間)を行う

★術後の薬物療法に際しては、ガイドラインに則っていくつかの選択肢を提示しながら、チームで一緒に考えている

★再発乳癌の場合は、QOL(生活の質)の改善に重きを置いた治療計画を立てており、有望な新薬の臨床試験があれば参加をお願いしている。

医療設備

MMG、US、CT、MRI、PET-CT、リニアック、マンモトーム他。

「医者がすすめる専門病院 兵庫・京都・滋賀」(ライフ企画 2011年5月)

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