京都医療センター(京都府京都市伏見区)が名医に推薦されている分野
専門医より推薦を受けた診療科目・診療領域
京都医療センターは、複数の有名専門医(※)の間で「自分や家族がかかりたい」と推薦されています。
このページでは、専門医より推薦を受けた分野(科目、領域)の特色や症例数、所属している医師について取材・調査回答書より記載しています。
※推薦、選定して頂いた有名専門医の一覧表
消化器内科
分野 |
消化器・一般内科 |
|---|---|
特色 |
がん診療連携拠点病院として、がんの予防・早期診断・早期治療はもとより、ピロリ菌関連疾患や、胃食道逆流症、大腸ポリープ、炎症性腸疾患、肝・胆・膵疾患などに対して、各専門医を中心に他科との連携も密に保ちながら、患者さんが安心できる質の高い医療を提供している。大腸の内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)は先進医療の承認済み。ピロリ菌に関して93年から臨床研究に取り組み、培養件数は15,000件を超えた。 |
症例数 |
09年の年間延べ外来患者数27,682人、紹介率61.2%、延べ入院患者数1,506人、常時60~70人程度の入院患者を診ている。悪性腫瘍の内訳は肝細胞癌32%、胃癌25%、大腸癌15%、膵癌10%、胆道癌5%、食道癌13%である。その他大腸ポリープ、肝硬変、慢性・急性肝炎、胆石症、潰瘍性大腸炎、クローン病、膵炎等が主な入院疾患である ★09年の内視鏡検査件数は上部5,582件、下部2,521件、内視鏡的逆向性膵胆管造影(ERCP)439件、ダブルバルーン小腸内視鏡47件、超音波内視鏡146件である ★09年の内視鏡治療件数は早期癌に対するESD 176件(下咽1件、食道17件、胃83件、十二指腸2件、大腸73件)であり、大腸のポリープ切除術403件、粘膜切除術(EMR)447件である。拡張・ステント(EMS)留置術79件(消化管55件、胆道24件)、胃瘻造設術(PEG)109件、緊急内視鏡182件、静脈瘤に対する待期的治療65件、ERCP関連治療(乳頭切開術89件、胆石除去術87件、減黄術191件)、経皮経肝胆道造影(PTC)64件・ドレナージ術(PTCD)34件である ★09年の腹部超音波件数は4,885件、造影超音波検査件数は38件、肝生検65件、肝癌に対する経皮的ラジオ波焼灼術(PRFA)99件、経皮的エタノール注入療法(PEIT)16件である ★早期胃癌に対するESDは従来のEMRに比べ、高い完全切除率、切除標本の正確な病理組織学的検索が可能であり、03年より内視鏡治療適応には全例ESDにて切除し、09年末現在で通算506件に達した。ESD導入前のEMR、321例の一括切除率は6割前後であったが、02年7月にESD導入後は100%に近づいた。適応拡大病変でも技術的に切除不可能なケースはなくなった。大腸ESDも09年末で166件に達している。11年には手術室に内視鏡専用の治療センターが新たに完成予定 ★悪性消化管狭窄に対するExpandable Metallic Stent(EMS)の留置は在宅療養の推進に大きく貢献している。Originalの逆流防止機能付食道ステントは世界的にも有名である。十二指腸や大腸狭窄に対してはstent fiber装着法、pusher tube法などを駆使して、高度なstenting技術を誇っている ★PEGは医師会との協力で医療連携の構築を図っている ★潰瘍性病変からの出血には①soft凝固、②APC、③clippingなどの止血法を駆使し、静脈瘤に対しては結紮療法(EVL)・硬化療法(EIS)、EISL、ヒストアクリルブルーサンドイッチ法などを行っている ★ERCP関連治療件数は救急、待機症例とも年々著明に増加している。閉塞性黄疸に対する減黄術、悪性胆道狭窄に対するEMS留置、originalの逆流防止機能付きEMSの留置も行っている ★PTCDルートからの内瘻化による胆管へのEMSの留置も行っている。経乳頭的或いはPTCDルートからの胆管鏡検査や管腔内超音波検査法(IDUS)も増加している ★ウイルス性慢性肝炎に対してはインターフェロン・核酸アナログ治療を積極的に行っている。HCCにはPRFA、PEIT、肝動脈塞栓化学療法(TACE)、分子標的薬などを選択して治療に当たっている。PRFAは外科手術に匹敵する高い局所制御能から現在では内科的治療の中心となっている。TAE併用PRFAや人工胸水法も導入し適応拡大を図っている。治療効果判定に造影超音波検査を導入している。05年11月に京滋の病院で初めてRVS対応超音波検査機器を導入した。RVSはリアルタイムにCT画像と超音波画像を同じ画面に表示し、超音波検査のみでは分かりにくい病変を明瞭に識別する最新IT技術で、これにより少ない治療回数で的確に肝細胞癌の治療が可能となり、治療成績が向上している。 |
医療設備 |
ハイビジョン内視鏡、超音波内視鏡、NBI・拡大内視鏡、ダブルバルーン小腸内視鏡、胆管・膵管内視鏡、小児用内視鏡、各種治療内視鏡、MRI、CT、カラードプラ超音波装置、RVS対応超音波検査機器。 |
「医者がすすめる専門病院 兵庫・京都・滋賀」(ライフ企画 2011年5月)
泌尿器科
分野 |
泌尿器科 |
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特色 |
外来通院、病棟入院を通じて一貫して同じ医師が担当することにより、主治医と患者さんとのしっかりした人間関係を作り、信頼される医療を目指している。治療法の選択は主治医・医長・部長を中心に全員で決定。病名病状に関しては基本的に告知することを原則としている。癌の治療は、集学的治療(手術、抗癌剤、分子標的薬、放射線照射、免疫療法、ホルモン治療等を併用すること)を原則とするが、患者さんの状態や希望を考慮に入れ、一人ひとりの患者さんにとって一番良い治療を患者さんや家族と相談し選択している。拡大手術(周囲臓器合併切除、広範リンパ節郭清等)や縮小手術(部分切除、症状を緩和するための手術等)等の手術方法の選択に関しても同様である。患者さんのQOL(生活の質)をできるだけ下げずに、癌に対しては可能な限り根治的な治療法を目指している。低侵襲の手術法(痛みが少なく入院期間も短い)を目指し、腹腔鏡手術、後腹膜鏡手術を含めた体腔鏡手術に積極的に取り組み、患者さんへの負担の軽減を図っている。「女性・男性外来」を開設し、男性不妊症や男性更年期症・頻尿、尿失禁、膀胱瘤・子宮脱・性器脱などにも取り組み、QOLの向上に努めている。07年6月からは「夜間頻尿外来」を新設。夜間頻尿の回数と生活の質とは密接に関係があり、「いかに元気に老後を過ごせるか」において重要なテ-マのひとつである。外来・病棟の看護師は泌尿器科疾患に対して特別に訓練され、うち2人は排尿機能検査士の資格を取得している。エコーを使って残尿を調べ、導尿の指導、尿失禁の管理、ストーマ管理、癌性疼痛の管理などを行うことができ、看護のみにとどまらずきめ細かい医療を実践している。入院中の投薬内容については専任薬剤師が丁寧に説明している。 |
症例数 |
09年統計:入院患者数669人、1日当たり入院患者数23.8人、平均在院日数12.9日、手術件数418件、前立腺針生検178件(陽性90人)、1日当たり外来患者数69.7人、地域医療連携室経由紹介患者数349人 ★尿路性器悪性腫瘍=腎癌の治療:体腔鏡下腎摘(14例)、体腔鏡下腎部分切除、拡大腎摘除術、免疫療法(インターフェロン、インターロイキン2)、分子標的薬(ソラフェニブ、スニチニブ、エベロリムス)、選択的動脈塞栓術、転移巣摘出術などを行っている。膀胱癌の治療:表在型に対しては経尿道的腫瘍摘出術(86例)、抗癌剤・BCG膀胱内注入療法。浸潤型に対しては膀胱全摘(6例)、尿路変更(自己排尿型人工膀胱、回腸導管等)、抗癌剤全身療法、動脈注入、放射線照射。腎盂尿管癌の治療:後腹膜鏡下腎尿管全摘(4例)。前立腺癌の治療:根治的前立腺精嚢全摘(40例)、ホルモン療法、放射線照射(根治照射16例、その他9例)、抗癌剤全身投与(ホルモン療法抵抗癌に対して) ★前立腺肥大症=薬物療法を第一選択とし、経尿道的手術(TUR-P)66例、経尿道的レーザー治療(HoLEP)など ★副腎腫瘍(腹腔鏡下手術14例)・後腹膜腫瘍(腹腔鏡下手術1例、開腹2例)=当院内分泌代謝科と連携し、ホルモン産性腫瘍の診断・治療を施行している。年々症例数は増加傾向(10年は約30例) ★女性外来=頻尿、尿失禁、膀胱瘤・性器脱に対して行動療法、干渉低周波治療、薬物療法を第一選択にして、手術適応例に対してはプロリンメッシュを用いた新しい治療法(TVT、TOT、TVM12例)を積極的に取り組んでいる ★男性外来=男性思春期問題、男性不妊症、男性更年期症が対象 ★夜間頻尿外来=男女を問わず夜間トイレが近くて困っている人が対象。原因は加齢・水分過剰摂取・高血圧・心不全・糖尿病・睡眠障害・前立腺肥大症・膀胱蓄尿障害などである。 |
医療設備 |
MRI、3次元CT、放射線治療装置(強度変調放射線治療:IMRT、ガンマナイフ:07年更新)、RIパワードプラ超音波診断装置、レーザー治療器、リソクラスト破石器、干渉低周波頻尿・尿失禁治療器(ウロマスター)、尿路ウロダイナミクス検査。 |
「医者がすすめる専門病院 兵庫・京都・滋賀」(ライフ企画 2011年5月)
整形外科
分野 |
整形外科 |
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特色 |
患者様の話によく耳を傾け、一人ひとりに対してどの治療法が最善かを考え、十分に説明するよう心がけている。病診・病病連携を組み、保存療法を診療所に、慢性期リハビリを地域の病院にお願いしている。手術対象の場合はスタッフ全員で検討を重ね、良い結果を得るよう努めている。手術は特に軟骨移植、関節鏡手術、脊椎、人工関節に重点を置いている。 |
症例数 |
1日平均の外来患者71.1人、入院患者53.8人。外来は予約制を取り入れている。年間手術件数742(膝関節216、脊椎199、股関節94、肩関節55、09年データ) ★脊椎手術は、頸・胸・腰椎すべてにわたり対応し、腰椎椎間板ヘルニアには内視鏡手術を行い、数日で退院としている ★関節外科では、股関節、膝関節の変形性関節症に対して人工関節置換術を行うとともに、特に最先端治療として、軟骨損傷に対する軟骨移植に力を入れ、また、スポーツ障害等に対して膝、肩、肘、足関節の手術に関節鏡を用いて早期復帰を目指す ★当院は救命救急センターを設置しており、高度多発外傷等にも対応する。 |
医療設備 |
MRI、CT、クリーンルーム手術室等、一般的な設備が整っている。 |
「医者がすすめる専門病院 兵庫・京都・滋賀」(ライフ企画 2011年5月)
産婦人科
分野 |
産婦人科 |
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特色 |
①当院は日本医療機能評価機構認定病院であり、また07年1月には京都府より地域がん診療連携拠点病院に指定された。②07年4月から藤井信吾前京都大学医学部婦人科学産科学教室教授が病院長に着任し、これまで以上に婦人科悪性腫瘍の治療に力を入れている。③06年4月腫瘍内科が開設され、また放射線治療専門医が常勤しており、集学的な悪性腫瘍の治療が可能である。④卵巣嚢腫、子宮内膜症、子宮筋腫などの良性腫瘍については内視鏡手術を積極的に実施している。⑤国の政策医療である成育医療の近畿地区基幹医療施設であり、周産期、新生児医療にも力を入れている。⑥LDR(居住型分娩室)を2室備え、快適な分娩を目指している。⑦カンファレンスを重視し客観的な立場で治療方針を決定するようにすること、また患者さん一人ひとりの病状にあわせた治療を行うことにより、満足の得られる医療を行うことを診療のモットーとしている。 |
症例数 |
09年の手術件数は456例、うち悪性腫瘍は64例、内視鏡(腹腔鏡、子宮鏡)手術は163例。分娩件数は639件で、うち帝王切開術は153件 ★悪性腫瘍=09年治療数は子宮頚癌29例、子宮体癌24例、卵巣癌24例である。子宮頚部上皮内新生物については円錐切除術など妊孕性温存手術を行っている。進行癌については、外科や泌尿器科などの協力を得て病院をあげた体制で手術を行い治療成績の向上に努めている。出血の少ない正確な手術を心掛け、また必要に応じて自己血輸血も併用し手術時の同種血輸血を回避している。また、放射線治療が適切と判断された場合には、当院に常勤している放射線腫瘍学会専門医と連携して治療に当たっている。化学療法も多数の症例で行っており、通常5~6日の入院期間で実施しているが、外来での日帰り化学療法も可能である。難治症例については、腫瘍内科医や緩和医療チームと連携し化学療法などの治療および緩和医療にあたっている ★良性腫瘍=卵巣嚢腫、子宮内膜症、子宮筋腫、子宮外妊娠などについては腹腔鏡手術を積極的に行っており、09年の実施数は123例であった。また、子宮粘膜下筋腫、子宮内膜ポリープに対しては、TCR(子宮鏡下経子宮頚管的摘除術)も導入している。種々の疾患、手術について詳細な説明書を準備し丁寧な説明を心がけ、十分理解してもらったうえでインフォームド・コンセントを得ている。また、クリニカルパスを導入し、入院期間の短縮を図っている。性器脱、尿失禁の症例については泌尿器科と共同で、疾患の根治とともに排尿機能の温存にも配慮した手術・治療を行っている ★周産期=成育医療の近畿地区基幹医療施設であり、毎週小児科、助産師との合同カンファレンスを持ちハイリスク妊娠・分娩の管理にあたっている。ハイリスク患者の分娩については全症例に小児科医師が立ち会い、分娩直後より新生児の治療に当たる体制ができている。正常妊娠・分娩については自然分娩を原則とし、陣痛促進剤の使用などの医学的介入は極力行わない方針である。当科には26人の助産師が勤務しており、妊娠初期から産褥期まできめの細かいケアを行っている。プライバシーの保たれた空間でリラックスして分娩に臨んでいただけるよう、陣痛期-分娩期-回復期を同一の部屋で過ごすことのできるLDR(居住型分娩室)を2室備えている。 |
医療設備 |
腹腔鏡手術装置、子宮鏡、レゼクトスコープ、KTP/YAG レーザ、カラードプラ超音波、MRI、CT、放射線治療装置など。 |
「医者がすすめる専門病院 兵庫・京都・滋賀」(ライフ企画 2011年5月)
眼科
分野 |
眼科 |
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特色 |
①眼科全般の診断と治療、②難治性眼疾患の集約的治療、③眼科手術(白内障・緑内障・網膜硝子体手術・外眼手術等)を主体として、地域連携基幹病院として診療を行っている。 |
症例数 |
09年外来患者数は延べ17,000人、初診患者における紹介率は57.0%、逆紹介率は53.0%。09年度の手術総数は約1,276件。その内訳は、白内障1,165件、網膜硝子体手術(網膜剥離を含む)74件、緑内障4件、斜視1件、その他32件 ★白内障手術は97%が超音波乳化吸引術による小切開手術で、全身疾患合併や高齢患者には片眼4日程度の入院手術で対応している。日帰り手術も条件付きで可能 ★網膜剥離に対しては、症例に応じて強膜内陥術と経毛様体扁平部硝子体手術を選択する。最終復位率は95%以上。入院期間は10日間前後 ★糖尿病網膜症は本院がWHO糖尿病センターを併設している関係で、受診患者は多い。治療としては、汎網膜光凝固術に加えて、硝子体出血・牽引性網膜剥離などに対し経毛様体扁平部硝子体手術(白内障手術も含む)を施行している。黄斑浮腫・黄斑円孔にも同手術を施行する ★緑内障に対しては薬物療法が主体であるが、必要例には各種レーザー治療のほか、線維柱帯切開術や線維柱帯切除術等の手術を施行する ★ぶどう膜炎や重症眼感染症等の手術適応のない疾患に対しては、入院のうえ集約的内科治療(ステロイド療法・抗生剤点滴等)を行っている。本院にはNICUが併設されており、未熟児網膜症に対するレーザー治療にも対応可能である。 |
医療設備 |
角膜内皮測定装置、前眼部撮影検査、蛍光眼底カメラ、超音波画像診断装置、ハンフリー自動視野計、マルチカラーレーザー光凝固装置2台(1台は眼内)、ヤグレーザー治療装置、白内障手術装置インフィニティ、白内障硝子体手術装置CV24000、ツァイス手術顕微鏡OPMI2000、OPMI Lumera T各1台、眼内視鏡装置など。 |
「医者がすすめる専門病院 兵庫・京都・滋賀」(ライフ企画 2011年5月)
皮膚科
分野 |
皮膚科 |
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特色 |
皮膚疾患全般にわたって、病態の把握と原因究明を行い、必要に応じて関連診療科と連携して治療を行っている。特に、糖尿病足病変については、糖尿病センターやフットセンターと連携して診療を行っている。乾癬に対するTNFαの阻害薬使用承認施設である。 |
症例数 |
1日外来患者数は80~100人、年間手術件数は約200件。皮膚炎や皮膚腫瘍に対して積極的に皮膚生検を行い、診断を確定することに努めている。アトピー性皮膚炎は通常は外来通院で、重症の場合は短期入院も行って治療している。乾癬はステロイド剤やビタミンDの外用剤に加え、中等症~重症の場合は免疫抑制剤やTNFαの阻害薬による治療を行っている。帯状疱疹や蜂窩織炎は、中等症~重症の場合は入院のうえ、抗ウイルス剤や抗生剤の点滴治療を行っている。接触皮膚炎は、かぶれの原因を調べるために適宜パッチテストを行っている。疣贅(イボ)は液体窒素療法を、爪白癬は抗真菌剤の内服療法を行っている。粉瘤、色素性母斑などの良性腫瘍、日光角化症、ボーエン病などの前癌病変、基底細胞癌、有棘細胞癌などの悪性腫瘍の検査と手術による治療を行っている。陥入爪、巻爪には疼痛軽減と矯正のための手術を行っている。糖尿病性皮膚潰瘍に対しては、糖尿病科、整形外科、血管外科などと連携し、靴や装具が必要な場合はフットウエア外来とも連携するなど、集学的治療を行っている。糖尿病性足病変は、全般に再発率が高く軽微な病変が潰瘍に進展するため、足病変についての啓蒙活動も行っている。 |
医療設備 |
MRI、CTなど。 |
「医者がすすめる専門病院 兵庫・京都・滋賀」(ライフ企画 2011年5月)
糖尿病センター・内分泌代謝科
分野 |
糖尿病内分泌内科 |
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特色 |
京都医療センターの前身は国立京都病院で、38診療科を標榜する高度総合医療施設である。99年に国の定めた19の政策医療分野のひとつである内分泌代謝性疾患分野における準ナショナルセンター(高度専門医療施設)に指定された。03年には、78年(昭和53年)開設の臨床研究部が臨床研究センターに昇格し、内分泌代謝関連の研究部門が強化されている。京都医療センターは、他に、成育医療の基幹医療施設、癌・循環器・腎・感覚器疾患の専門医療施設、エイズ診療・国際協力施設にも指定されている。京都府の3次救急医療施設、京都府南部地区の地域がん診療連携拠点病院でもある。救命救急センター、健診センターを併設する。 |
症例数 |
★糖尿病センターおよび糖尿病合併症センター=歴史は長く、68年(昭和43年)に糖尿病センターが赤澤好温博士によって設立され、糖尿病患者のための教育入院システムをはじめ先進的な糖尿病診療が高い専門性を備えた医師、看護師、栄養士、薬剤師、検査技師などによるチーム医療として展開されてきた。88年には「糖尿病の教育と治療」のためのWHO(世界保健機構)糖尿病協力センターに指定された。00年糖尿病足病変および糖尿病性腎症の専門外来開設。01年肥満外来開設。糖尿病療養指導士制度がスタートし、多数の糖尿病専門スタッフが認定資格を得る。04年から年4回のペースで一般市民を対象とした公開講座「DM京都」がスタート。05年には1型糖尿病外来、高脂血症外来を、07年に妊娠糖尿病外来を開設し、今では、1型、2型、境界型糖尿病の他、妊婦の糖尿病、肥満とメタボリックシンドローム、高脂血症、糖尿病足病変、糖尿病腎症、糖尿病網膜症を専門的に治療している。現在の通院患者数は推定2,500~3,000人、糖尿病教育入院を含めた年間入院患者数は500人を超える。糖尿病の血管合併症を総合的に診察する合併症センターでは、循環器科、脳神経外科、血管外科、眼科などが協力して診療にあたっている ★フットセンター=07年に難治性足病変(閉塞性動脈硬化症、糖尿病足壊疽、シャルコー関節、陥入爪など)を扱うフットセンター外来が開設された。糖尿病センター(足総合)、皮膚科、整形外科、循環器内科(血管内科)、血管外科、放射線科が共同して担当している。米国足専門医による足病変患者の指導、整形外科靴マイスターと義肢装具士による靴・装具の調整・指導も行われている ★内分泌代謝科=69年以来、内分泌・甲状腺センターとして、内分泌疾患を中心に高度で専門的な医療を提供している。バセドウ病などの甲状腺機能亢進症や、亜急性甲状腺炎、無痛性甲状腺炎などの甲状腺の破壊による甲状腺中毒症、橋本病(慢性甲状腺炎)などによる甲状腺機能低下症の治療、甲状腺腫瘍の診断と治療。下垂体疾患では、成長ホルモン(先端巨大症)、副腎皮質刺激ホルモン(クッシング病)、プロラクチンなどのホルモン産生腫瘍、非機能性下垂体腺腫、下垂体機能低下症や尿崩症の診断と治療。副腎疾患では、原発性アルドステロン症、クッシング症候群、褐色細胞腫、副腎偶発腫やアジソン病などの副腎機能低下症や先天性副腎過形成の診断と治療を手がけている。その他、副甲状腺疾患や骨粗鬆症、内分泌性高血圧症や肥満症、高脂血症、電解質、糖代謝異常なども扱っている。また、臨床研究センターでは、遺伝子診断や遺伝子カウンセリングも行っている。その他、教育・啓発活動も積極的に行っており、地域医療機関との病診連携や専門医教育にも力を入れている。現在の通院患者数は推定3,000人、年間入院患者数は約200人である。 |
医療設備 |
高度総合医療施設として、あらゆる最先端医療設備を備えている。詳細は、京都医療センターのホームページhttp://www.hosp.go.jp/~kyotolanを参照。 |
「医者がすすめる専門病院 兵庫・京都・滋賀」(ライフ企画 2011年5月)
脳神経外科
分野 |
脳神経外科 |
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特色 |
当センターの特徴として、急性期救急病院として地域医療に貢献していると同時に、困難な脳神経系疾患に対して集約的な治療が可能であることが挙げられ、脳卒中、脳腫瘍、頭部外傷、脊髄疾患など脳神経外科領域全般にわたって、質の高い医療を提供している ★救急医療=発症してからどれだけ早く治療が開始できるかが勝負である脳卒中に対応するため、脳神経専門医が24時間院内に待機し、CT、MRI、血管撮影など診断に必要な諸検査が昼夜問わず24時間施行可能な体制で、超急性期の血栓溶解薬(rt-PA)の点滴治療をはじめとする専門的な治療が迅速に施行できるよう備えている。また、重症脳卒中患者をより集中的に治療・看護するために、11年1月には脳卒中集中治療室(Stroke Care Unit: SCU)の開設が予定されている。その他、重症頭部外傷などの緊急処置を要する脳神経外科領域疾患に対しても、院内待機医システムによって迅速に対応することが可能となっている ★脳神経センター=03年に、脳神経外科医、神経内科医、脳卒中専門医、脳血管内治療専門医、神経内視鏡技術認定医などから構成される脳神経センターが開設され、内科的治療や顕微鏡を用いた開頭手術をはじめとして、カテーテルによる血管内手術、さらには神経内視鏡手術といった多様な治療法を選択することで、様々な脳神経疾患の分野に対して包括的に対応できるようになった。週2回の合同カンファレンスでは、これら専門医に加えて、看護師や栄養士、音楽療法士なども参加し、脳神経センターに入院中のすべての患者さんについて検討を行い、個々の症例に最も適した診断や治療方針を定めている ★他科との協力=当センターでは、他科においてもそれぞれ秀でた分野を持った質の高い医療を行っているが、お互いに連携して治療の自由度を高めたり、情報を交換することで診断の精度を高めたりすることに努めている。交通外傷や転落事故などの重症多発外傷では、救命救急医が中心となって、必要に応じて脳神経外科医、外科医、整形外科医、形成外科医、眼科医、耳鼻科医などが緊急に迅速に対応できるシステムとなっている。頭蓋底部の腫瘍に対して、頭頚部外科、脳神経外科、形成外科などが協力して行っている根治術の症例数は、全国でも有数のものである。頭頚部脳血管病変を来しやすい糖尿病患者に対しては、糖尿病科と協力して、糖尿病脳血管合併症外来を設け、スクリーニングに努めている。また、診断技術を高めるため、放射線科や病理部門と定期的にカンファレンスを行っている。さらには、全国の国立病院機構医療センターと連携して臨床研究を行い、より効果的な治療法や適切な診断法を模索している。 |
症例数 |
入院延べ患者数は、年間平均13,000〜14,000人、外来患者数9,000〜10,000人、手術件数は年間平均350~400例、血管内手術50~100例である ★脳血管障害=①閉塞性脳血管障害: 超急性期脳梗塞に対する血栓溶解薬 (rt-PA) の点滴治療、急性期のバルーンやステントを使った血管内治療、早期のリハビリテーションを含めた最善の治療により、良好な治療成績が得られている。超急性期にrt-PAの経静脈投与で効果のなかった症例に対しては、血管内手術で閉塞血管の再開通を試みる治療も行っている。また、内科的治療で改善が認められないような頭頚部脳動脈の高度狭窄病変や閉塞病変に対しては、頚動脈血栓内膜剥離術、ステント留置術、バイパス手術などによる予防的治療を積極的に行っている。脳卒中の外科的治療に関しては、全国でも最も症例数の多い施設の一つである。②くも膜下出血: 脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血では、まず第一に急性期における動脈瘤再破裂の予防処置が必要である。これに対して当院では、症例ごとに適切な治療法を検討し、開頭クリッピング術または脳血管内手術によるコイル塞栓術を使い分けている。くも膜下出血後の脳血管攣縮に対しては、症状の変化を見逃さぬようICUで集中管理を行い、脳髄液ドレナージや点滴等による薬剤治療を行っている。難治性の脳血管攣縮には、血管内治療により攣縮部位への薬剤の動脈内投与やバルーンを使用した脳血管拡張術を行っている。③未破裂脳動脈瘤:くも膜下出血の主な原因である未破裂動脈瘤に対しては、瘤の大きさ、発生部位、形状等による統計学的な破裂率と、年齢や全身状態を考慮に入れ、開頭クリッピング術や脳血管内手術によるコイル塞栓術による手術治療を選択するか、あるいは画像診断による定期的な経過観察を選ぶかを、患者さんご本人やご家族に十分なインフォームド・コンセントを行った上で決定している。年間破裂率は高いが治療が難しい大きな動脈瘤に対しても、開頭術に血管内治療や頭蓋外血管とのバイパス術などを併用することで、積極的に根治手術を行っている。④脳内出血: 血腫の大きさや部位、症状の程度により治療方針を決定している。緊急の開頭血腫除去術は救命のために行うのが原則であり、生命の危険はないが血腫の摘出により症状の改善が期待される症例に対しては、待機的に、より低侵襲な穿頭術によって、必要であれば内視鏡を用いて血腫除去を行っている。早期リハビリや再発予防にも力を入れている。⑤その他の脳血管障害: 脳動静脈奇形、脳血管腫、硬膜動静脈瘻などその他の脳血管障害に対しても、開頭摘出術と血管内手術を組み合わせ、積極的な治療を行っている ★脳腫瘍=脳原発、転移性脳腫瘍を合わせて年間80例程度の入院があり、約60例に手術を行っている。脳腫瘍があるからといって、必ずしも摘出術が必要な訳ではなく、腫瘍の大きさ/発生部位/性状や、症状の有無や程度、患者さんの年齢や全身状態によって、定期的な外来での経過観察で十分な場合や、手術等の治療が必要である場合がある。手術が必要な場合、可能であれば、定位脳手術機器や神経内視鏡手術を用いて、できるだけ侵襲度の低い治療を行うよう努めている。また、大きさや発生部位から治療が困難な症例に対しても、電気生理学的モニターやナビゲーションシステムを使用した上で、頭開術により安全性の高い治療を行っている。必要な症例に対しては、化学療法、放射線治療を組み合わせて、予後の改善に努めている。07年より、定位放射線治療を導入し治療の選択肢がさらに広がった。①下垂体腺腫:当センターは、内分泌代謝疾患のナショナルセンターであり、ホルモン異常を来しやすい脳腫瘍である下垂体腺腫の症例が多く、内分泌内科医と共同して、手術と薬物治療を的確に組み合わせた治療を行っている。手術は、経鼻的に内視鏡を使用した手術 (鼻の穴から内視鏡を挿入する手術) であり、顕微鏡を用いた手術に比べ侵襲が低い上に腫瘍摘出率も高い。②頭蓋底腫瘍: 脳腫瘍の場合、たとえ良性腫瘍であっても、麻痺や意識障害などの重篤な症状を来したり、生命にかかわったりすることがあり、発生部位によっては、摘出が非常に困難な場合がある。難しい部位のひとつである頭蓋底の良性腫瘍に関して、当科では症状の改善を第一に考える方針で、積極的に手術を行い、良好な結果を得ている。また、頭蓋底や頭頚部の悪性腫瘍に対しては、頭頚部外科が中心となって、当科や形成外科がチームを組んで、摘出による根治術を行っている。③聴神経腫瘍: 聴神経腫瘍に対しても、大きさや年齢を考慮して、積極的に手術を行っている。術中に電気生理学的モニター等を用いて、顔面神経の温存はもとより、可能であれば聴力の温存に努めている ★頭部外傷=03年より救急部が開設され、頭部外傷のみならず全身多発外傷をともなう頭部外傷に対し、集中治療を行っている。通常の治療では回復困難な高度頭蓋内圧亢進を伴う重症頭部外傷に対しては、脳低温療法を行い、生存率の改善が得られている ★脊椎脊髄疾患=脊髄腫瘍、動静脈奇形、変形性脊椎症、椎間板ヘルニア、後縦靭帯骨化症などを含む脊椎、脊髄疾患全般に対し手術を行っている ★機能的脳神経外科=三叉神経痛、顔面けいれんその他の疾患に対し、神経内科と共同で薬物治療を行い、難治性の場合には手術治療を行っている ★脳神経血管内手術=血管内よりカテーテルを挿入して行う治療で、ほとんどの症例において局所麻酔で行っている。脳梗塞の治療・予防、動脈瘤・動静脈奇形や硬膜動静脈瘻の治療、脳腫瘍の術前処置などを含め、年間50~100例の手術件数があり、京都府内で最も症例数の多い施設の一つである ★神経内視鏡手術=内視鏡手術の特徴は、小さな傷から大きな視野を得ることができることである。一般の顕微鏡では見えない方向や部位の視野を得ることができることを利用し、経鼻的な下垂体腺腫摘出術や穿頭による脳内血腫除去術をはじめとして、閉塞性水頭症の治療や脳腫瘍の生検にも使用している。また、大きな頭蓋底腫瘍に対し、顕微鏡の手術と組み合わせることで、腫瘍摘出率増加や摘出時間の短縮に寄与している。 |
医療設備 |
MRI、CT、RI-SPECT、脳血管撮影装置、3Dアンギオグラフィー、回転DSA、術中ポータブルDSA、術中超音波、血管超音波、経頭蓋超音波装置、血管内超音波装置、低脳温治療マルチモニターシステム、神経内視鏡など。11年には128列のマルチスライスCTの導入を予定している。 |
「医者がすすめる専門病院 兵庫・京都・滋賀」(ライフ企画 2011年5月)
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薬剤師難しい病気にも真摯に対応
回答者:30代 男性 勤務先:調剤薬局
2015年12月13日投稿
京都大学医学部附属病院ですので、重篤な症例が主な患者と思われます。 悪性腫瘍患者に対して抗がん剤治療が一般的に考えられますが、抗がん剤治療の有効性のエビデ...続きをみる