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[患者さんの相談事例] 2011/12/22[木]

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 現代の医療現場では、自分なりの判断や意思決定が求められます。患者側にだって、治療パートナー(医療者)と上手に対話して、疑問解消・意思伝達できるコミュニケーションスキルがあった方が良いですね。
 ここで紹介する「相談事例」は、患者側視点に基づくもので、実際にはもっと他の背景があったかもしれませんが、「私ならどうするか」を考えてみませんか?

患者さんから実際にあった電話相談

立ち上がるのも困難な足裏の痛みに整形外科のドクターは“的外れ”に思える治療ばかり。どうしたらよいでしょう?(65歳・女性)

 9ヵ月ほど前、足の裏に痛みが起こり、立ちあがるのも困難になりました。以前、義母が使っていた歩行器が自宅にあったので、しばらくそれを使っていました。しかし、1週間経っても、2週間経ってもよくならないので、近くの整形外科クリニックを受診しました。
 整形外科ではドクターの診察後、X線写真を撮ったのですが、痛んでいる原因はわからないと言われました。そして、「足底板をつけると痛みがやわらぐ場合があるので、作ってみましょう」と言われ、足底板を試してみることになったのです。
 1週間後に出来あがった足底板は、一見すると地下足袋のようなものでした。早速、それを履いて過ごしてみたのですが、足の裏の痛みが軽減するどころか、小指側の骨を圧迫するのか別の痛みが生じました。それをドクターに報告すると、「足底板をつけて別の痛みが出たのなら、自分で判断して外せばいいんですよ」と突き放したように言われました。そして「そんなに痛みが取れないなら、注射しかないですね」と言われ、ナースに足を押さえこまれてかかとにとても痛い注射を打たれたのです。ところが、かかとの皮膚は分厚くて硬いからか、注射液は半分も入らなかったようです。
 そんな辛い思いをしたにもかかわらず、足の裏の痛みはよくなっていません。いまも日常生活に大きな支障をきたして困っています。どうしたらいいのでしょうか。

より良いコミュニケーションを目指そう!患者さんこうしてみては・・・?
 足の裏に痛みがあれば、歩くことにも支障が出るでしょうから、お困りだと思います。
 痛みが生じている場合、やはり原因がはっきりしないと、治療方法があるのかどうかも含めて明確に方針を示すことはできないと思います。しかし、とりあえず足底板をつけたり、注射を打ったりした結果、効果があがらないとなれば、ご納得もいかないでしょう。
 このような場合は、一度別の整形外科を受診してみることもひとつの方法ではないかと思います。あるいは、痛みの専門家であるペインクリニックを受診して相談することも可能です。熱心に診てもらえ、親身に相談に乗ってもらえるドクターと出会うには、遠回りのようですが、直接アプローチするしかないのが現状なので、足の裏が痛むなか大変ですが、ご家族などの協力を求めて努力してみてください。
より良いコミュニケーションを目指そう!医療機関さんこうしてみては・・・?
 原因はわからないけれど、とりあえず足底板をつくってみる。それが合わずに痛みが生じたら、「外せばいい」では、やはりちょっと無責任ではないかと思います。かかとへの注射も、何を目的に、どんな薬を打ったのか、説明がなかったようです。それでは、患者さんは辛い思いをするばかりです。
 症状があっても原因がわからない場合は、ドクターも困ってしまうことがあるでしょう。しかし、そういうときに親身に向き合ってもらえたか、一生懸命原因解明のための努力をしてもらえたかどうかで患者の信頼感は違ってきます。こういうときこそ、ドクターの姿勢が患者にもっとも伝わるのだと思います。
※写真はイメージです

この実例紹介とアドバイスのご提供は・・・


NPO法人
ささえあい医療人権センターCOML

理事長 山口育子

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