[職場のうつ] 2009/08/04[火]

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 前回レポート“偏見と本音”編では、患者と同僚の双方から見て、「うつ病患者と接する」とはどういうことかを探った。「うつ病患者と一緒に仕事しにくい」率が、病気の経験者であっても低くないことがわかった一方で、接し方のガイドラインが職場に浸透すれば、環境改善できそうな余地も見えた。
 続いて今回のレポートでは、“職場への打ち明け”編として、うつ病をどこまでオープンにできるものなのか?オープンにして良いものなのか?を探る。


女性の方が、“友人”に相談する

 男性よりも女性の方が、“友人”に相談をする傾向が強い。年代別でみると、若い人ほど打ち明け率は高く、30代では73%に上る。
 関与度別でみると、「現在通院中」の人の87%が打ち明けていた。「現在」に比べて「過去通院」群の打ち明け率が低いのは、うつ病理解度が今より低かった時代の患者回答が含まれるためだろう。逆に、「近親者治療」群の打ち明け率が高いのは、自分が「打ち明られた」経験がある人が含まれるためだろう(告白された人は告白しやすい)。
 「近親者治療」「全く経験ない」の両方をあわせた「自身に症状経験がない」群全体の平均は59%で、「過去治療」「未治療」群全体の平均61%と、ほぼ同じであった。

Q.「うつ病」になったとき、【親しい友人】には、打ち明けましたか。
(「うつ病」経験がない場合は、「もし、うつ病になったら」と想定して、うち明けるか否かを、答えてください)

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実態は、会社が把握している人数の1.3倍

 “上司や人事”に対しては、“友人”より相談率は落ちる。それでも30代では56%が、50代でも47%が「打ち明け」派だ。男性の方が女性よりも率が高く、これは“友人”への打ち明け傾向とは逆。
 関与度別では、「現在通院中」群は79%。逆に言うと、5人に1人は職場に言わないまま通院治療しているわけで、「職場のうつ病患者は、会社が把握している数よりも、実際には1.3倍いる」ことがわかる。今回の調査対象者は上場企業勤務者に限定しているが、中小企業では顕在潜在ギャップもっと大きいかもしれない。なお「未治療」群の比率が低いのは、罹患証拠がなくて職場には申告しにくい人が含まれるためだろう。
 「上司や人事への打ち明け」は、「相談」という意味あいだけでなく、休みを取ったり職場環境を変えるという「治療プロセスで必要な1手段」という側面があることを鑑みると、打ち明け率の向上が望まれる。

Q.「うつ病」になったとき、【職場の上司や、人事担当者】には、うち明けましたか。
(「うつ病」経験がない場合は、「もし、うつ病になったら」と想定して、うち明けるか否かを、答えてください)

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男性の方が、職場への打ち明け傾向は、強い

 “上司や人事”ではなく、“同僚”に対してうつ病であることを“公言”するか否かを聞いたところ、男性で38%、女性で29%が、公言すると答えた。いずれも、“上司や人事”打ち明けの64%に相当する。男性の方が高率なのは、“上司や人事”への打ち明けと同傾向だ。
 年代別では、やはり若い方が打ち明け率は高いが、30代でも36%にとどまる。関与度別では、「現在通院中」の人で44%であった。

Q.「うつ病」になったとき、【職場内の同僚に、公言】しましたか。
(「うつ病」経験がない場合は、「もし、うつ病になったら」と想定して、公言するか否かを、答えてください)

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