教えて、小森先生! 今日から役立つ 難病患者さんが災害に備えるための1問1答
[僕と私の難病情報] 2023/01/17[火]
本日1月17日は、「防災とボランティアの日」。みなさんは、災害への備えを行っていますか? どのような対策が必要なのか、十分な対策が行えているのか、心配に思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、難病患者さんが災害に備えるための第一歩として知っておいていただきたいことを小森哲夫先生(国立病院機構箱根病院 名誉院長 現:国際医療福祉大学小田原保健医療学部 学部長)にお聞きしました。ぜひ、平時からの災害対策にお役立てください。
今回は、難病患者さんが災害に備えるための第一歩として知っておいていただきたいことを小森哲夫先生(国立病院機構箱根病院 名誉院長 現:国際医療福祉大学小田原保健医療学部 学部長)にお聞きしました。ぜひ、平時からの災害対策にお役立てください。
※患者さん個々の状況に応じて必要な災害対策は異なるため、詳しい対策の方法については主治医の先生などの医療従事者や介護専門職、自治体の保健師さんとご相談ください。
- Q.難病患者さんが準備する必要のある物品は何ですか。
- A.難病患者さんが明日生活するために最小限必要なものを準備してください。下のリストを参考に、何を準備する必要があるのか考えておきましょう。
- Q.難病患者さん特有の安否確認の準備としては何をすべきですか。
- A.医療機関やケアマネジャー、保健師など、複数の医療従事者・介護専門職に難病患者さんご自身の情報を発信できる準備をしておくことが大切です。いざというとき、連絡先をすぐ確認できるように書き出しておくとよいでしょう。
- Q.難病患者さん向けの避難場所はありますか。
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A.指定避難所、福祉避難所、医療機関があげられます。そのほか、親戚や知り合いの家に避難するのも1つの方法です。人工呼吸器をつけている方や全介助の方は医療機関への避難が望ましいです。どのような災害のときにどこに避難をするのか、医療機関への避難は可能なのか、日ごろから医療従事者などと相談しておきましょう。
台風など予想のできる災害の際は、3日前に避難準備を開始しましょう。実際には災害が発生しなかった、ということも起こりえますが、被害がなければ、それでいいのです。
- Q.避難場所まで行けない難病患者さんはどのような対応をすればいいですか。
- A.自宅に留まる場合、特に医療機器などで電気を使用する患者さんでは、電源の確保が重要です。停電が起きても生命の維持に必要な電気を使うことができるよう、事前に確認をしておきましょう。
- Q.ハザードマップの活用方法を教えてください。
- A.住んでいるところのハザードマップを1度はしっかりと確認しましょう。災害が起きたときに住んでいるところはどうなるのか、想像することが大切です。
- Q.避難行動要支援者名簿とは何ですか。
-
A.自力で避難を行うことが難しく、支援が必要な人を前もって登録しておく名簿です。
災害対策基本法に基づき、市町村は名簿を作成する必要があります。 - Q.避難行動要支援者名簿に登録するメリットはありますか。
- A.個人情報を伝えることに不安を覚える方もいると思いますが、いざというときに助けてもらえることを考えると、とても大きなメリットがあります。
- Q.避難行動要支援者名簿の登録はどうすればいいですか。
- A.一定の要件を満たす方は自動的に名簿に登録されます。難病患者さんご自身の情報が名簿に載っているかどうか、お住まいの市町村に確認をしてみましょう。要件を満たしていない場合でも、登録をできる可能性がありますので、相談をしてみるとよいと思います。
- Q.災害時の対応について相談したいとき、まずはどこに連絡をすればいいですか。
- A.難病対策は、保健所が主管しています。相談先に悩んだら、お住まいの自治体の保健師さんを頼りにしてみてください。指定難病の患者さんは、特定医療費の支給認定申請をする際に1度は保健師さんと面談されていると思います。
- 避難所に持っていくものに悩んだら「明日生活するために最小限必要なもの」を考える
- 予想できる災害のときは、迷わずにとにかく早く避難する
- 相談先に悩んだら、保健師さんに連絡する
災害に備えるための事前確認リスト(印刷用pdf : 2.2MB)
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