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[ヘルスケアニュース] 2024/07/05[金]

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不妊治療では「妊娠が可能な残り時間」を知ることが重要

 「抗ミュラー管ホルモン(AMH)」を聞いたことはありますか? なんだか難しそうな響きですが、実は、妊娠を望むカップルが知っておきたい大切なホルモンの名前です。

 製薬会社のフェリング・ファーマが2024年6月25日に発表した「保険適用前後における不妊患者の受診行動に関する調査」の結果1)によると、不妊治療の経験がある患者さんやそのパートナーであっても、「AMHを知らなかった」と回答した割合は約4割に上っており、認知度の向上が課題となっています。


絹谷正之先生(フェリング・ファーマ提供)

 AMHとは発育過程の卵胞から分泌されるホルモンの一種です。不妊は男性側に理由がある場合と女性側に理由がある場合の割合は半々といわれています2)が、フェリング・ファーマが同日に開いたセミナーで講演した、不妊治療を専門とする絹谷正之先生(絹谷産婦人科)は、「男性の精子に比べて女性の卵子は検査をするのが難しい」と指摘します。そこで大切なのが、AMH。「血液中のAMH濃度を測定するAMH検査を受けることで、卵巣に残っている卵子の数を推定することが可能だ」(絹谷先生)

 絹谷先生は、「卵子は胎児のうちに作られる。生まれてから作られることはなく、加齢とともに卵子の数は減っていく」として、AMH検査の意義について「妊娠できる期間があとどのくらい残っているかがわかるため、患者の状況に応じた治療につなげることができる」と説明しました。

 絹谷先生はまた、「妊娠率と加齢は密接に関係しており、女性は35歳を過ぎると急激に妊娠率が低下する」と指摘。「妊娠を希望するカップルが早めに女性の妊娠可能な残り時間を知ることは重要だ」と強調しました。

不妊治療は保険診療で受けることも可能


石渡勇先生(フェリング・ファーマ提供)

 セミナーでは日本産婦人科医会の会長を務める石渡勇先生(石渡産婦人科病院)も登壇し、晩婚化が進んでいることからも「子どもを望みながら自然妊娠を何年も待つのは好ましくない。AMHなど生殖に関する検査を受けて、原因があれば早期に治療に臨んでほしい」と話しました。その上で、近年、不妊治療の保険適用範囲が拡大していることに触れ、「従来に比べて経済的な負担が少なくなっていることを周知する必要がある」としました。

 石渡先生は現在の性教育についても問題視し、「年齢とともに妊娠しにくくなることを義務教育で教えていくべきだ。高校生には不妊の原因なども教育することが求められる」との考えを示しました。


野曽原誉枝さん(フェリング・ファーマ提供)

 性教育については不妊に関する当事者団体の野曽原誉枝さん(NPO法人Fine)も、「不妊治療を学校教育で学んだ経験がない」と過半数が回答した不妊治療の経験がある当事者へのアンケート調査3)の結果を紹介しました。野曽原さん自身も「38歳から不妊治療を始めたが、治療をすれば授かるだろうと思っていた」といいます。野曽原さんは、不妊治療をしたからといって確実に妊娠するとは限らないことを含め、「不妊は治療ができるということだけでなく、不妊治療を掘り下げて知ることが大切だ」と指摘。「これから妊娠を望むかもしれない人たちにも情報を提供していかなければいけない」と強調しました。

 不妊の心配をしたことがある夫婦の割合は39.2%、不妊の検査や治療を受けたことがある夫婦の割合は22.7%にも上るとした調査結果4)もあり、子どもを望むカップルについて不妊治療はとても身近な存在ですが、保険診療で治療ができることを知らなかった方も多いのではないでしょうか。

 妊娠について悩みを抱えている方はぜひ一度、医療機関へ相談してみてくださいね。

1)フェリング・ファーマ:保険適用前後における不妊患者の受診行動に関する調査.(2024年6月26日閲覧)
[https://ferringjapan.corporate.ferring.tech/wp-content/uploads/sites/32/2019/06/20240625_pressrelease.pdf]
2)日本産科婦人科学会:不妊症.(2024年6月26日閲覧)
[https://www.jsog.or.jp/citizen/5718/]
3)野村総合研究所:令和2年度 子ども・子育て支援推進調査研究事業 不妊治療の実態に関する調査研究 最終報告書.(2024年6月26日閲覧)
[https://www.mhlw.go.jp/content/000766912.pdf]
4)国立社会保障・人口問題研究所:2021年社会保障・人口問題基本調査(結婚と出産に関する全国調査) 現代日本の結婚と出産-第16回出生動向基本調査 (独身者調査ならびに夫婦調査)報告書-.(2024年6月26日閲覧)
[https://www.ipss.go.jp/ps-doukou/j/doukou16/JNFS16_ReportALL.pdf]

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