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[クリニックインタビュー] 2011/02/04[金]

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大学病院が医療の最先端とは限りません。患者のこと、地域のことを第一に考えながら、独自の工夫で医療の最前線に取り組んでいる開業医もたくさんいます。そんなお医者さん達の、診療現場、開業秘話、人生観、休日の過ごし方、夢などを、教えてもらいました。

第101回
多摩メディカルクリニック
渡邉修俊院長

父の奨めで兄弟で医師を目指す

 医師を目指したきっかけは父の奨めです。父はサラリーマンでしたが、男子一生の仕事として医師に憧れを抱いていたのかもしれませんね。兄も医学部を目指していたこともあって、自然と医師を志すようになりました。
 専門は消化器科です。内視鏡がやりたくて。今から30年以上前になりますが、私が医学部に入る頃に電子内視鏡、今主流になっている画面に映しながら手術するタイプのものが登場し始めましてね。医療関係のニュースを見聞きするたびに、自分は器用な方だから向いているんじゃないかと漠然と思うようになって。合格する前から入ったら内視鏡をやるぞと決めていましたね。
 大学は鳥取大学ですが、卒業後は故郷の秋田に帰りまして、秋田大学附属病院の第一内科に入局しました。5年ほど勤務し、さらに内視鏡術の研鑽を重ねようと、千葉にある新東京病院消化器内科に移りました。優秀な先生方が多いレベルの高い病院で、私自身さまざまな症例を経験することで、スキルを磨くことにつながったと思います。その後、非常勤で勤務していた保谷厚生病院からお声をかけていただき、内科部長として着任しました。
 開業したのは2000年です。当時はここから少し離れたところにクリニックを構えていました。5年ほど前に小さいながらもメディカルビルができるということで、この場所に移転して名称も変更し現在にいたっています。
 患者さんがリラックスして安心してすごしていただけるよう内装にもかなり気を配りました。熱帯魚が趣味ということもあって待合室にアクアリウムも設置しています。本当は自宅でも飼いたいんですが、熱帯魚の飼育って難しいんですよ。夏場なんかずっとエアコンを入れておかないと水温が上がって死んでしまいますし。自宅だと空けることも多いし目が届かないので職場に作ったんですが、おかげさまで患者さんも好評です。設計段階では結構苦労したので、そのかいがありました。

病気にならないために病院へ

 当クリニックは一般外来、内視鏡外来、人間ドックの3本柱でやっていますが、特に力を入れているのが人間ドックです。
 人間ドックに力を入れているのは、病気になる前、予防医学が大事だという考えからで、開業したきっかけもそこにあります。病院には病気になってから行くものと思っていらっしゃいませんか?でもできるだけ病院には来たくないですよね?であればこそ定期的な健康診断や人間ドックが大切になってくるんです。病気にならないように、病院に行かなくて済むように、病院に行くわけです。
 できれば一年に一回、人間ドックを受けるといいと思います。胃カメラもやるに越したことはありませんが、どうしても抵抗があるという人には、「ペプシノゲン」という胃がん検診の方法をお薦めします。うちでもやっていますが、血液中に含まれるペプシノゲンという成分値を調べるもので、これとピロリ菌の検査で胃の病気はほとんど拾い上げることが可能です。どちらかが陽性であれば、その段階で胃カメラ検査を行えばいい。できるだけ早いうちに病気の芽を見つけて治療すれば、その分治療もラクになりますし、薬にも頼らなくて済みます。長期間病院通いをして同じ薬を飲み続けるというのは、医師にとっても患者さんにとっても幸せなことではないと思うんですね。

楽な生活ばかりを目指さず、たまには足を使って

 健康のためにはまず禁煙です。タバコは百害あって一利なしなんですよ。次に食生活も含めた規則正しい生活習慣。寝不足もよくありませんね。
 生活習慣病対策にも力を入れているので、食事指導も行います。最近は中食といわれる惣菜ものや、外食ですませる人が多くなっていますよね。忙くて自炊する時間がない方も多いと思います。最近は惣菜ものも品数が増えていますから、その中でもバランスのよい食事を心がけていきましょう。味付けは甘からず辛からず、薄味の和食が好ましいですね。
 医師の私が言うのも何ですが、一番いいのは病院に来ないことでしょう?自己管理ができていれば医者いらず、薬いらずで済むんじゃないかと思うんですよ。だから医療行為そのものよりも、その前段階である予防を大事にしたいんですね。
 薬の処方もできるだけシンプルを心がけています。薬ばかり飲んでも食事や生活習慣から見直さないと真の意味での治療にはなりませんからね。薬に頼らない自己管理が目標です。
 かくいう自分が健康でないと説得力がないので、私自身、食事も気を配りますし、よく歩くようにしてます。ここにクリニックを開いてから国立に住むようになりましたが、毎日大学通りを歩いて通勤しています。四季を通じてきれいなところなので、歩いているだけでも楽しいですよ。
 人間、ついついラクな方に流されるもの。特に現代社会はできるだけラクな生活を目指しがちですよね。移動ひとつとっても、歩くより車に乗る、階段よりエレベーターを使う……。でも足を使うことって大事なんですよ。
 だから私はできるだけ足を使うようにしています。駅まで歩き、階段を上り下りする。小さなことですが、日々の積み重ねが大事ですから。仕事も人の嫌がることを率先してやるように心がける。カラダにいいことと問われたら、そうですね、ラクではなく面倒なことをするということになりますね。

取材・文/土肥可名子(Kanako Dohi)
フリーライター・編集者。大手出版社勤務を経て独立。実用書、ビジネス書の編集や雑誌、Webサイトの記事執筆を手掛ける

多摩メディカルクリニック

医院ホームページ:http://www.tamamedical.com/

写真左:ホテルライクな雰囲気を醸し出す落ち着いた色合いで統一された院内。
写真中央:先生ご自慢のアクアリウム。
写真右:人間ドック専用の検査室。
JR中央線国分寺駅北口より直進 徒歩3分
詳しい道案内は、医院ホームページから。

診療科目

内科 消化器科・胃腸科、アレルギー科、内視鏡科、人間ドック、各種健康診断など

渡邉修俊(わたなべ・のぶとし)院長略歴
1990年 鳥取大学医学部卒業
1990年 秋田大学医学部附属病院第一内科入局
1995年 新東京病院消化器内科入局
1999年 保谷厚生病院内科部長
2000年 渡邉内科クリニック開院
2006年 多摩メディカルクリニックに名称変更・現在地に移転


■所属学会
日本内科学会、日本消化器病学会、日本消化器内視鏡学会


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