リウマチ熱
りうまちねつ
- 小児科
- 診療に適した科
リウマチ熱とは?
どんな病気か
咽頭炎などの原因菌である溶血性連鎖球菌(溶連菌)の感染で発症します。発熱や関節痛を来し、手足の異常運動や心臓の障害を合併することもあります。
散発的な流行はありますが、最近はまれになりました。学童期の子どもに多く発症します。
原因は何か
溶連菌と人体の組織が似たような抗原部分をもつため、自分自身の免疫が誤って自分の体の組織を攻撃し、発症します。
症状の現れ方
病初期はのどの痛み、そして2~3週間後に発熱と関節痛で発病します。
①多関節炎
約70%にみられ、高熱を伴い、肩、肘、膝、足首など比較的大きな関節に炎症がみられます。痛み、熱感を伴い、移動性であることが特徴で、関節リウマチのようにあとになって関節が変形することはありません。
②心炎
最も問題となる合併症で、約半数の患者さんに発症します。とくに心臓のなかにある弁が障害を受けると、患者さんのその後の生活に大きな影響を与えることになります。自覚症状として動悸、胸苦しさを訴えることがあります。
③舞踏病
脳の障害によるもので、手足が勝手に動く不随意運動が出現します。字が下手になったり、行儀が悪くなるなどの症状を示すこともあり、チックや多動症として見過ごされることもあります。
その他の症状として、輪状紅斑と呼ばれる皮膚の発疹や皮膚の下のしこり(皮下結節)が認められることもあります。
検査と診断
溶連菌感染の証明はのどの細菌培養、迅速診断キット、血清抗体検査(ASO、ASK)などで確定されます。急性期には血液検査で炎症反応が陽性です。心臓の病変は心雑音の有無や、心臓の超音波検査で診断します。
治療の方法
溶連菌の感染に対して、抗生剤を投与する必要があります。ペニシリン系の抗生剤を10~14日間続けて内服します。心炎にはステロイド薬を使用します。関節炎には非ステロイド性消炎鎮痛薬が有効です。舞踏病には抗けいれん薬を使用します。
通常、関節炎は3~4週間で軽快します。心炎は早期に適切な治療を開始すれば、ある程度軽快しますが、なかにはリウマチ性弁膜症を残すこともあります。
再発予防には
一度リウマチ熱にかかると溶連菌感染で再発しやすいので、予防のために抗生剤をのみ続けなければなりません。予防する期間は、最低でも約5年間は必要です。弁膜症になったら一生のみ続けなければならないこともあります。
病気に気づいたらどうする
小児科で溶連菌感染の正しい診断とその後の管理をしてもらう必要があります。心臓の病変は一生を左右するので、早めの対応が重要です。
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リウマチ熱に関連する可能性がある薬
医療用医薬品の添付文書の記載をもとに、リウマチ熱に関連する可能性がある薬を紹介しています。
処方は医師によって決定されます。服薬は決して自己判断では行わず、必ず、医師、薬剤師に相談してください。
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ソル・コーテフ注射用100mg[注射剤]
副腎ホルモン剤
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メドロール錠2mg
副腎ホルモン剤
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コートリル錠10mg
副腎ホルモン剤
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水溶性プレドニン10mg
副腎ホルモン剤
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プレドニゾロン錠1mg(旭化成)
副腎ホルモン剤
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アスピリン「ケンエー」
解熱鎮痛消炎剤
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オルガドロン注射液1.9mg
副腎ホルモン剤
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デカドロン注射液1.65mg
副腎ホルモン剤
・掲載している情報は薬剤師が監修して作成したものですが、内容を完全に保証するものではありません。
33歳、2経産、バセドウ→亜全摘とRIを経て現在は甲状腺機能低下、アレルギー(薬剤多数)です。 既往に習…