神奈川県立循環器呼吸器病センター

専門医より推薦を受けた診療科目・診療領域

神奈川県立循環器呼吸器病センターは、複数の有名専門医(※)の間で「自分や家族がかかりたい」と推薦されています。
このページでは、専門医より推薦を受けた分野(科目、領域)の特色や症例数、所属している医師について取材・調査回答書より記載しています。 ※推薦、選定して頂いた有名専門医の一覧表

呼吸器外科

分野

呼吸器外科

特色

当科は、原発性肺癌など肺悪性腫瘍、自然気胸、縦隔腫瘍だけでなく、結核・非結核性抗酸菌症やアスペルギルス症および膿胸などの感染性疾患等、呼吸器外科領域の疾患を広く扱っている。特に、大半の手術に積極的に胸腔鏡手術を導入していることが特徴である。胸腔鏡下手術は、傷が小さい、術後の疼痛と呼吸機能障害が少ない、早く回復する、合併症が少ないなど、メリットが多い。確実かつ低侵襲な治療により、早期の離床と社会復帰を目指している。

症例数

11年度の手術件数は313例で、内訳は肺悪性腫瘍131例(原発性肺がん113例、転移性肺腫瘍16例、その他2例)、気胸・肺嚢胞性疾患48例、びまん性肺疾患59例、縦隔腫瘍20例、結核・肺非定型抗酸菌症等炎症性肺疾患16例、膿胸15例などであった。そのうち完全胸腔鏡下手術は270例、胸腔鏡補助下手術は5例で、全手術症例の87。9%で胸腔鏡下手術を完遂した

★原発性肺癌113例の内訳は、男/女は71人/42人、年齢は70歳未満48人、70〜80歳51人、80歳以上14人であった。組織型では腺癌85例、扁平上皮癌15例、大細胞癌6例、多形癌4例、カルチノイド2例、小細胞癌1例であった。術後病理病期は、IA期65例、IB期19例、IIA期8例、IIB期3例、IIIA期12例、IIIB期1例、IV期5例であった。術式は、標準的手術とされる肺葉切除術が74例で肺全摘2例、早期肺癌、低肺機能、多発肺癌などの理由から縮小手術として選択した区域切除術20例、部分切除術17例であった。完全胸腔鏡下手術は101例、胸腔鏡補助下手術は2例、開胸は10例であった。術後の転帰は全例が軽快退院した

当院の00年から06年までの肺癌手術例585例の予後成績を紹介する。胸腔鏡下手術が本格的に開始されたのは07年であるため、対象はほぼ全例が開胸手術例である。病理病期別5年生存率は、IA(n=221) 80.9%、IB (n=134) 66.6%、IIA+B(n=68) 40.6%、 IIIA(n=104) 47.6%、IIIB(n=44) 32.1%、IV(n=11) 14.3%であった。07年以降の症例の大半には胸腔鏡下手術を施行しており、今後の解析を待つことになる。参考として田尻の前任施設での胸腔鏡下肺葉・区域切除症例513例の予後成績(98年1月~06年12月、513例)を紹介すると、5年生存率(他病死含む)はIA:89.6%、IB:82.8%、IIA+B:53.0%、IIIA:51.3%、IIIB:0%、IV:0%であった。肺癌登録合同委員会の04年肺癌切除例全国集計(IA:86.8%、IB:73.9%、IIA:61.6%、IIB:49.8%、IIIA:40.9%、IIIB:27.8%、IV:27.9%)と比較していずれも遜色ないと思われる

★当科の特徴として、自然気胸および巨大肺嚢胞など嚢胞性肺疾患症例は、高度に進行した肺気腫合併例や、炎症性変化が著しい症例が多いこと、膿胸、結核・非結核性抗酸菌症やアスペルギルス症など感染性疾患が多いことが挙げられる。いずれも、癒着が著しく胸腔鏡下手術には向かないと言われることが多いが、当科では積極的に胸腔鏡下手術を導入している。11年度は、全体で完全胸腔鏡下手術は270例、胸腔鏡補助下手術は5例完遂し、全手術症例の87.9%で胸腔鏡下手術を施行した

★胸腔鏡下手術は低侵襲であるため、術後合併症の低減や術後回復の早期化も期待される。11年度の手術症例313例中、術後合併症発症は軽いものも入れて31例で、肺癌根治術のみでは、術後合併症発症は113例中18例で、術後の空気漏れ11例、一過性反回神経麻痺2例等であった。肺癌以外の疾患では、術後の空気漏れ5例、上肢しびれ、肺炎、心不全、各2例等であった。いずれも早期に軽快した。11年度の全体の平均在院日数は12.0日で、肺癌根治術のみでは10.4日であった

★11年より、新しい試みとして、直径3㎜のスコープとポートを使用した細径胸腔鏡下手術(needle scopic surgery)を若年者自然気胸に導入している。術創は1cm程度のもの1ヵ所と3㎜程度が2カ所で、外見的に優れているだけでなく、術後疼痛が少ないのが特徴である。現在、症例を選択しながら縦隔腫瘍、良性肺腫瘍、肺癌等にも徐々に適応を拡大している。

医療設備

HRCT、MDCT、MRI、各種シンチ検査、定位照射放射線治療装置、気管支鏡、Nd-YAGレーザー、気道ステント、ハイビジョン胸腔鏡システム、ビデオ縦隔鏡、ラジオ波焼灼システムなど。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ○
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 △

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 神奈川」(ライフ企画)

循環器科

分野

循環器科

特色

循環器と呼吸器に特化した専門病院で、24時間体制で循環器科の専門医師が初診、急患対応をしている。当科は信頼と安心を基本理念に、あらゆる循環器疾患に対応している。特に、入院患者の半数を占める急性心筋梗塞や狭心症といった虚血性心疾患の治療に重点をおき、急性期のカテーテル治療に加え、予防、心臓リハビリも行っている。専門病院であるため検査枠が多く、心臓カテーテル検査をはじめ、心エコー、心臓マルチスライスCT、核医学検査等の大部分の検査が1~2週間以内に可能である。また救急や初診の方は、一部当日検査枠もある。特に重篤な疾患の受け入れをいつでも可能にするため、ICUの空床を常に確保するよう心がけている。当院の心臓血管外科と緊密な連携をとり、緊急時のバックアップと治療の選択肢を広め、患者さんとともに最善の治療法をとるようにしている。08年度には地域支援病院に認定され、公立病院として地域医療も担っている。

症例数

11年度の主な検査数は、心臓カテーテル検査1,210件、心エコー5,860件、トレッドミル運動負荷テスト684件、ホルター心電図992件、心臓核医学検査378件、心臓マルチスライスCT378件となっている

★虚血性心疾患の治療は、カテーテルインターベンションが中心で、年間265件施行。うち、バルーン治療10%、ステント治療が85%、ロータブレーター5%である。ステント治療のうち、約7割が薬剤溶出性ステントを使用している。その結果、再狭窄率も全体で10%以下である。近年、虚血性心疾患の治療法は薬剤溶出性ステント、薬剤溶出でない従来のステント、心臓バイパス手術、薬物治療など多くの選択肢があり、各々に長所短所がある。それぞれの治療法を十分理解してもらい、患者さんが納得できる治療法を選択している。心臓カテーテル検査、カテーテルインターベンションは、主として手首の血管から行い、患者さんの負担を減らしている。急性心筋梗塞は年間52人で、多くが直ちにカテーテルによる再開通療法を施行する。その後はクリニカルパスにのっとり、心臓リハビリを行い社会復帰への橋渡しをしている。退院後も通院リハビリを継続して行い、再発予防に努めている

★不整脈の治療は、薬物治療を基本とするが、頻脈性不整脈は高周波カテーテルアブレーションの件数が徐々に増加してきて、年間87件、心房細動に対してのアクレーションを行っている。徐脈性不整脈に対してのペースメーカー植え込みは104件、心室頻拍や心室細動といった重症不整脈には植え込み型除細動器(ICD)も行っている

★心不全は、薬物療法が中心となるが、ベータ遮断薬を積極的に導入し、長期予後改善に努めている。重症心不全患者に対して、適応があれば両心室ペースメーカーも留置している

★下肢閉塞性動脈硬化症は近年増加している疾患である。外来で当日、脈波検査で診断が可能で、その後造影CTで精密検査をする。薬物治療の他、PTAといわれるカテーテル治療も積極的に取り入れ、28件施行した

★心臓検診も08年から行っている。心電図、心臓超音波に加え、MRIで放射線被曝なく、造影剤も使用しないで冠動脈を評価することが可能である。

医療設備

ICU 6床、心臓カテーテル装置2台、心臓超音波装置4台、経食道心エコー、頸動脈末梢血管エコー、トレッドミル、ホルター心電図、24時間自動血圧、脈波(ABI)、ヘリカルCT、心臓MRI、核医学検査装置、IABP、PCPS、血管内超音波装置など。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 神奈川」(ライフ企画)

心臓血管外科

分野

心臓血管外科

特色

成人心臓血管疾患に対する外科治療全般を広く行っている。中でも心臓弁膜症単独症例が多く、全体の48%を占めている。特に僧帽弁形成術手術が多く、高い弁形成完遂率を誇る。また複合心臓手術(弁+バイパス、弁+大動脈瘤など)が23%、再手術症例が20%と難易度の高い心臓手術を数多く手がけ、かつ良好な手術成績を残している。

症例数

10年4月1日より新チーム赴任による心臓血管外科の大幅な強化がなされた。この体制強化により、成人心臓血管外科領域全般にわたる外科治療が可能となった

★104月から12年12月までに221例の心臓胸部大血管手術(開心術)を行った(年間80例前後、末梢血管等を含めると年間180前後の症例)。開心術症例の内訳は弁膜症単独(複数弁手術を含む)107例(48%)、単独冠動脈バイパス術39例(18%)、胸部大動脈瘤単独16例(7%)、複合心臓手術51例(23%)、その他(成人先天性、心臓腫瘍など)8例(4%)となっている

★弁膜症の中でも僧帽弁(弁輪)形成術症例は63例、うち62例(98.4%)は形成を完遂した。また弁膜症症例では患者希望、適応を考慮のうえ小切開低侵襲手術(MICS)も行っている。複合心臓手術の内訳は弁膜症+冠動脈バイパス術31例(63%)、弁膜症+胸部大動脈瘤17例(33%)、弁膜症+胸部大動脈瘤+冠動脈バイパス術4例(4%)であった

★当院は神奈川県内でも心臓外科の歴史が最も長い病院の一つでもあり以前心臓手術を施行した後に長い年月を経て再び心臓手術を必要とする再手術症例が多く(44例、20%)、わが国でも最も再手術症例率の高い施設と言える。このように当院では難易度の高い開心術症例を数多く手がけているが、手術死亡は1例(0.45%)であった

★また腹部大動脈瘤、末梢動脈疾患、静脈瘤手術に対しステント治療も含めた心臓血管疾患全般に対する外科治療を行っている。

医療設備

人工心肺、セルセーバー、PCPS、IABP、CHDF、シネアンギオ室、MRI、CT、MDCT、心臓核医学検査、心臓エコー、血管内エコー等。

「医者がすすめる専門病院 神奈川」(ライフ企画)

放射線科

分野

放射線科

特色

CT、MRI、核医学の画像診断、および心臓カテーテル検査以外の血管系IVR(インターベンショナル・ラジオロジー:透視下治療)、CT下生検や肺腫瘍に対するラジオ波焼灼術を担当している。当センターは呼吸器および循環器の専門病院であり、呼吸器、循環器の症例が豊富である。放射線治療装置は12年にCT同室タイプのリニアックに更新した。肺癌を中心に放射線治療を行い、定位放射線治療にも取り組んでいる。近隣の病院から紹介されたその他の癌についても受け入れている。CTによるアスベスト検診、CTによる肺癌検診、心臓超音波、心電図、非造影の心臓MRIを組み合わせた心臓ドックなど各種の専門検診も行っている。非造影の心臓MRIによる冠状動脈評価は、被ばくもなく、冠状動脈の評価が可能で、検診に適している。これらの専門検診については地域連携室で、直接患者様本人より電話で受け付けている。

症例数

画像診断部門は11年度にCT約10,000件、MRI約2,300件(心臓MRI400件含む)、核医学約1,250件を実施した。CT下生検は約80件実施し、正診率は93%であった。また肺癌が小さい場合、手術時に病変を発見しやすくするためのCT下術前マーキングは年間約20件行っている。放射線治療は、11度は装置更新のため休止していたが、12年8月より新しい装置で再開している(10年度の放射線治療患者数は143件)。

医療設備

CT(64列)、MRI(1.5T)、核医学(SPECT)、血管撮影装置2台、放射線治療装置(リニアック)1台などを備えている。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ○
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 神奈川」(ライフ企画)

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