専門医より推薦を受けた診療科目・診療領域

獨協医科大学病院は、複数の有名専門医(※)の間で「自分や家族がかかりたい」と推薦されています。
このページでは、専門医より推薦を受けた分野(科目、領域)の特色や症例数、所属している医師について取材・調査回答書より記載しています。 ※推薦、選定して頂いた有名専門医の一覧表

消化器内科

分野

消化器・一般内科

特色

消化器一般(消化管・肝胆膵)を対象としており、消化管領域では胃癌、大腸癌の診断と内視鏡的治療、ヘリコバクター・ピロリ菌の診断と除菌をはじめ、食道静脈瘤の内視鏡的治療に、肝胆膵領域では、肝炎の診断と治療、肝癌の早期発見と内科的治療および胆管結石・胆管癌の内視鏡的治療に特に重点を置いた診療を行っている。

症例数

外来受診患者数は約23,000人、入院患者数は約1,000人である。入院患者のほぼ半数が肝炎、肝硬変、肝癌などの肝疾患であり、消化管出血、胃または大腸癌、炎症性腸疾患などの消化管疾患、胆石・胆嚢炎、膵炎などがこれに続く

★年間のおよその検査数は、上部消化管内視鏡は3,500件、下部消化管内視鏡は800件、ERCPは150件、腹部超音波は4,600件、腹部血管造影は300件、腹腔鏡・肝生検は100件である

★年間の内視鏡的治療数は、胃ポリペクトミー20例、大腸ポリペクトミー150例、早期癌に対する粘膜切除術は、胃が25例、大腸が15例である。胃、大腸ともに内視鏡的粘膜切除術については適応症例を十分に検討しているため、5年生存率はいずれもほぼ100%である。食道静脈瘤に対する治療は、硬化療法(EIS)および結紮術(EVL)を含め年間約150例に施行しており、静脈瘤の消失率は95%である。また、99年より内視鏡下のアルゴン・プラズマ凝固療法を導入し、消化管出血や早期癌の治療および食道静脈瘤の治療に積極的に応用して効果を得ている。また、内視鏡的治療が困難な胃静脈瘤に対しては、バルーン閉塞下逆行性経静脈的胃静脈瘤塞栓術(B-RTO)を施行している。現在までに約30例に施行し、緊急例を除く90%に胃静脈瘤の消失を認めている。総胆管結石に対する内視鏡的治療施行例は約50例であり、また、切除不能の胆管癌または膵癌に対しては、内視鏡的ステント挿入術を積極的に施行し、QOLの向上を目指している

★潰瘍性大腸炎、クローン病等の炎症性腸疾患および過敏性腸症候群等の大腸疾患は、毎週金曜日の午後に大腸外来として専門医が診察にあたっている。特に炎症性腸疾患に対しては体外循環治療による顆粒球除去療法を取り入れ、重症例のみならず外来通院症例のステロイド投与量の減量やステロイド離脱に効果を認めている

★C型慢性肝炎に対するインターフェロン療法は約700例に施行しており、施行例全例のウイルス消失率はおよそ35%であるが、現在はインターフェロンβの1日2回投与法を導入し、消失率の向上を目指している。肝細胞癌症例は、延べ入院数で年間約300例、過去10年間で経験した初回診断例は約500例である。原則として、経皮的または経動脈的アプローチによる内科的治療を選択しており、腫瘍径2cm以下の腫瘍に対しては、経皮的エタノール注入療法(PEIT)または経皮マイクロ波凝固療法(PMCT)を単独で施行し、腫瘍径の大きいもの、多発するものについては肝動脈塞栓術(TAE)・動脈内薬物注入療法(TAI)を施行している。PEITまたはPMCTは年間約80件、TAEまたはTAIは同様に250件にのぼり、症例に応じて各々の治療法を組み合わせ、集学的な治療を行っている。ラジオ波焼灼術(RAF)を導入し、肝細胞癌の5年生存率は臨床病期I期で45%、II期で20%、III期で4%である。また、慢性肝炎、肝硬変症例については、腹部超音波検査をはじめとする画像診断を定期的に行い、肝細胞癌の早期発見に努めている。このようにして発見された2cm以下の肝細胞癌症例では、5年生存率80%ときわめて良好な成績が得られている。

医療設備

MRI、CT、DSA。

「医者がすすめる専門病院 山梨・栃木・群馬」(ライフ企画 2009年6月)

第2外科

分野

消化器・一般外科

特色

消化器外科疾患、血管外科疾患、乳腺内分泌外科疾患、肝および腎移植適応疾患に対し、手術を主とする専門的な診療を行っている。特に手術の難易度が高い肝、胆、膵領域を中心にして食道、胃、大腸の疾患は、数多くの症例を経験し豊富な診療実績がある。また、成人、小児の生体肝移植および腎移植は、その症例数も増加し成績は良好である。内視鏡下手術も積極的に行い、胆道疾患はもとより胃、大腸、脾、副腎などを対象とし良好な成績を得ている。血管外科は、Yグラフト置換術、末梢血管バイパス術、内シャント手術、下肢静脈瘤手術の経験が豊富である。また、消化管内視鏡検査や消化管造影検査、早期胃大腸癌に対するEMR、内視鏡的胃瘻造設術、内視鏡的総胆管結石切石術、内視鏡的および経皮的胆道ドレナージ術等の手技に精通している。また、消化管穿孔や外傷性腹部臓器損傷、動脈閉塞、動脈瘤破裂に対する緊急手術にも対応している。臨床研究や基礎研究も盛んで、国内および海外での学会発表および論文発表を多く行っている。

症例数

年間総手術数は700例以上である

肝胆膵外科=肝切除症例は2000年4月以降に急速に増加し、現在までに700例以上の症例がある。特に2008年は年間109例と最も多くの症例数であった。その内訳は、肝細胞癌、転移肝癌、胆管癌、胆嚢癌などの悪性疾患から、肝内結石や巨大血管腫などの良性疾患にも適応を拡大している。肝切除にあたっては厳格な適応基準と術後管理により術後30日以内の死亡(術死)は0%である。特に肝細胞癌に対しては、肝機能に応じて系統的切除術を施行し、その再発率の抑制に努めている。また、肝細胞癌は再発率が高いため、再肝切除、TACE、化学療法を積極的に行い予後が延長するように努力している。教室の肝細胞癌の5年生存率は63.5%で、5年無再発生存率は21.2%である。巨大な右葉肝細胞癌や肝門部胆管癌、胆嚢癌に対しては、門脈塞栓術を先行し術後肝不全を防止している。また、極めて高侵襲な肝葉切除+膵頭十二指腸切除(HPD)は11例に施行し、術後成績は良好である。肝移植は、栃木県下で唯一の成人間の移植施設である。小児を含め現在までに23例を経験し、その術後成績は良好である。また、膵癌や下部胆管癌などに対する膵頭十二指腸切除は、年間30例以上経験し、術後の合併症を防ぐ様々な工夫を行い良好な術後成績を収めている。また術後の化学療法を併用した集学的治療を積極的に行っており、生存率を改善させている

上部消化管・内分泌外科=食道疾患は、定型的な食道癌手術が年間10例前後で、術後成績は良好である。また、早期食道癌に対しては内視鏡下に切除(ESD)を行っている。アカラシアや食道裂孔ヘルニアに対しては腹腔鏡下手術を積極的に行っている。胃疾患は、胃癌の年間切除例は70例前後で、幽門部の早期癌に対しては腹腔鏡下胃切除(LADG)を導入している。内分泌外科疾患では、乳腺および甲状腺、副甲状腺、副腎の外科治療を行っている。特に乳腺では、PDEを用いたセンチネルリンパ節生検、乳房形成術を導入している。また、化学療法は最新のレジメンで効果的な成績をあげている

大腸肛門疾患=大腸癌は、切除例年間90例前後である。早期大腸癌では、内視鏡下粘膜切除術や腹腔鏡下手術を積極的に行っている。進行癌でも、可能な限り機能温存手術治療を選択している。大腸癌肝転移に対しては、多発性であっても積極的な肝切除術を施行し予後を改善させている。一方、化学療法はFOLFIRIやFOLFOXによる新しいレジメンの導入によって、以前よりも飛躍的に予後が期待できるようになっている。炎症性腸疾患、痔核、痔瘻などの良性疾患に対しても満足する成績をあげている

腹腔鏡下手術=胆石症、胆嚢ポリープなどの胆道疾患に対し年間50~60例の腹腔鏡下手術を施行し、治療成績は極めて良好である。また、胃や大腸の良悪性疾患、脾臓や副腎の疾患も適応としている

腎移植=当科は腎移植登録施設であり、脳死下もしくは心停止下の腎摘出と登録患者への屍体腎移植および生体腎移植を行っている。腎移植患者は全例で良好な腎機能を保っている

血管系疾患=腹部大動脈瘤、動脈閉塞性疾患を対象とし手術治療を行っている。内シャント手術症例は、すでに3,500例を超える経験があり、手技が熟達している。下肢静脈瘤は、外来通院での高位結紮術、ストリッピング術、硬化療法を組み合わせた治療を行っている

鼠径ヘルニア疾患=メッシュプラグ法を中心に局所麻酔下での安全な手術を行っている。術後に再発した症例は経験していない。

医療設備

MRI(レゾビスト、プリモビスト)、MDCT、DSA(CTAP、CTA)、FDG/PET、超音波、PDE、上部下部内視鏡、胆道鏡、気管支鏡、乳管鏡。

「医者がすすめる専門病院 山梨・栃木・群馬」(ライフ企画 2009年6月)

呼吸器・アレルギー内科

分野

呼吸器内科

特色

呼吸器、アレルギー、膠原病、感染症の各領域に及ぶ疾患を、最新の診断と治療技術に基づいて診療している。特に、胸部外科や放射線科などと協力して診断・治療の効率化と治癒率の向上に努め、救急患者の受け入れにも極力対応できる体制をとっている。

症例数

1日約140人の外来患者と、平均75~90人の入院患者を、教授以下30人のスタッフで診療している

★検査は、毎月約40例の気管支鏡検査、毎月約5例のCTガイド下肺生検、毎月約10例の内科的胸腔鏡を施行しており、胸部異常影や胸水貯留の診断率向上と治療の迅速化に貢献している

★内視鏡検査は呼吸器内視鏡センターで行っており、エコー装備したEBUS、気管支鏡を利用したステント留置、内視鏡下レーザー治療PDTなど最先端の特殊気管支鏡も積極的に行っている

★肺癌は年間約600例と多く、インフォームド・コンセントを基本として、最新のエビデンスにより化学療法や放射線療法を行い、良い成績をあげている

★呼吸不全に対しては、マスク式で負担の少ない人工呼吸器NPPVも取り入れている

★難治性喘息や慢性閉塞性肺疾患COPDの治療にも取り組んでおり、喘息ガイドラインの作成委員も務めている

★食物アレルギーの診断・治療や、ハチアレルギーに対しての急速減感作療法も行っており、アレルギーに対して幅広く対応している

★関節リウマチに対して生物学的製剤の導入実績も豊富であり、他の膠原病に対する応用も行っている

★重症膠原病に対しては、ステロイドパルス療法や免疫吸着療法などを施行する一方で、カリニ肺炎などの感染予防対策も行っている

★HIV感染症について、HARRT導入を行っている

★胸部外科や放射線科、肺病理との合同カンファレンス、他施設の呼吸器、アレルギー、膠原病、感染症専門医とのカンファレンスを定期的に開き、診断率の向上と治癒率のさらなる改善に努めている

★当科の実績が評価され、県内や近隣県はもちろん、遠方からの来院患者も多い。

医療設備

放射線部門:CT、MRI、PET。中央検査部門:呼吸機能検査、各種吸入試験。呼吸器内視鏡センター:気管支鏡(EBUSを含む)、胸腔鏡、レーザー治療機器など。

「医者がすすめる専門病院 山梨・栃木・群馬」(ライフ企画 2009年6月)

胸部外科(呼吸器外科)

分野

呼吸器外科

特色

①脳死肺移植実施施設であり、肺移植以外治療の見込みのない症例に対し肺移植手術を施行している。②肺癌、転移性肺腫瘍、縦隔腫瘍、膿胸などの呼吸器外科手術を幅広く行っている。特に肺癌においては、早期癌に対する胸腔鏡下手術や、進行癌に対する拡大手術を施行している。③外来化学療法センターを利用した導入化学療法や、補助化学療法が充実している。④EBUSを用いた正確な術前病期診断。⑤手術不能肺癌に対する定位放射線治療。⑥肺門早期肺癌に対する光線力学的治療(レーザー治療)。

症例数

過去3年間(2006~2008年)の平均呼吸器外科手術数は192例。内訳は、原発性肺癌84例、気胸囊胞性疾患24例、縦隔腫瘍23例などである。2009年1月には脳死肺移植手術を行った。

医療設備

PET、CT、MRI、電子内視鏡、EBUS、縦隔鏡、胸腔鏡、局麻胸腔鏡、内視鏡下レーザー治療装置、リニアック、定位放射線治療装置、ガンマナイフ、PCPS、人工心肺装置、HFJV、NO吸入装置、外来化学療法センター、緩和ケア、セカンドオピニオン外来。

「医者がすすめる専門病院 山梨・栃木・群馬」(ライフ企画 2009年6月)

循環器内科

分野

循環器科

特色

循環器疾患、特に心疾患、腎疾患、高血圧を中心とする疾患を対象に専門的な診療を行っている。心疾患では特に虚血性心疾患、難治性不整脈、心不全に対する診断と先進的な治療を行っている。腎疾患については原発性腎炎や二次性腎障害など、あらゆるタイプの疾患を扱い、腎生検による組織的診断から末期腎不全による透析治療まで、包括的な専門医療を行っている。また、数多くの高血圧患者に対する降圧治療を行うとともに、県内の医療施設から二次性高血圧や難治性高血圧の症例の紹介を受け、専門的な診断と治療に取り組んでいる。大学病院として診療の他にも、研修医、若手医師の教育にも力を注いでおり、臨床研究にも積極的に取り組んでいる。

症例数

虚血性心疾患(心筋梗塞、狭心症)が疑われて行った年間の心臓カテーテル症例数は2007年度1年間で約509例、冠動脈狭窄の治療のために行われたカテーテルインターベンションは138例(27.1%)、そのうち、急性心筋梗塞に対して60件(11.8%)のインターベンションを施行した。心臓グループの医師は最先端の冠動脈インターベンション器具に習熟しており、インターベンションの内訳はバルーン(POBA)のみ16件、ステント122件、ロータブレーター24件、アテレクトミー(DCA)6件であり、冠動脈バイパス術を24例(4.7%)に対して選択した。通常数日間入院してインターベンションを行い、3~6カ月後に再度造影検査を施行して再狭窄の有無を確認している。6カ月後の再狭窄率と病変部冠血行再建率(TLR)はロータブレーターでそれぞれ54.5%と40.9%、ステントでそれぞれ26.6%と16.5%、POBAでは31.7%と14.6%、DCAでは0%と0%であった。全体を総合した再狭窄率は33.9%であり、TLRは21.6%であった。最近では透析患者の冠動脈疾患例にも積極的な冠血行再建術を選択して良好な成績を得ている

★非観血的検査についても積極的に行っており、循環器疾患診断のための心エコー図検査数は約2,500例に施行。その他にも各種の心電図検査、心臓核医学検査などの検査を外来を中心として多数施行

★不整脈の治療は薬物治療の他、洞不全症候群や房室ブロック例には電気生理学的検査に基づいて適切なペースメーカーを選択し、不整脈治療のために行われたペースメーカー植え込み症例数は約40例、また、難治性不整脈に対するカテーテルアブレーションは約30例に行い、ほぼ全例に成功している。また、重篤な難治性不整脈例に対しては年間数例程度に植え込み型除細動器(ICD)を使用している。

★腎生検はネフローゼ症候群、IgA腎症、糸球体腎炎、自己免疫性疾患など約50例が年間に行われ、ほぼ全例で診断を確定している。組織学的な診断の後に、疾患に応じてステロイド、免疫抑制剤による治療を行い、難治性のネフローゼ症候群に対しては、必要に応じて免疫吸着療法や血漿交換療法などの体外循環治療を行い、70%の症例で治療効果を得ている

★末期腎不全患者に対する血液浄化療法に関しては、25台の血液透析コンソールを有し、年間約60例の透析導入があり、15例の維持血液透析患者と20例の持続外来腹膜透析(CAPD)患者の管理を行っている。また、高脂血症、免疫疾患に対する吸着療法や血漿交換、あるいは心不全に対する持続血液濾過透析などを施行している

★慢性腎不全患者(糖尿病性腎症、慢性糸球体腎炎、多発性のう胞腎、ループス腎炎など)を外来で管理している他、これらの患者に対しては食事指導などの教育入院も適宜行っている。また、薬物や脱水などによる急性腎不全患者も多数取り扱っている

★年間約800例の高血圧患者の外来診療を行い、CT、MRI、血管造影、核医学、内分泌などの専門的検査により、内分泌性高血圧や腎血管性高血圧などの二次性高血圧が年間数例ずつ診断されており、腎血管性高血圧に対しては経皮経管的血管形成術による血行再建を行うとともに、内分泌性高血圧などに対しては外科手術による根治的治療を依頼している。

医療設備

デジタルシネアンギオ装置、血管内超音波装置(IVUS)、血管内ドプラ血流測定装置、ロータブレーター、大動脈バルーンパンピング、心臓電気生理カルトシステム、血液透析、免疫吸着。

「医者がすすめる専門病院 山梨・栃木・群馬」(ライフ企画 2009年6月)

胸部外科(心臓血管外科)

分野

心臓血管外科

特色

心臓血管外科、呼吸器外科の2分野からなる胸部外科学教室の一翼を担う。院内各科や関連病院との連携が良く、大学病院ではあるが緊急例にも迅速に対応している。手術待ち日数や入院期間の短縮に努めている。冠動脈バイパス術は豊富な症例数を有する。種々の合併症を有した例や極度の心機能低下例など、手術困難な例にも積極的に対応している。

症例数

2005年から2008年の総手術数は年間250~300例、心臓・胸部大血管手術は年間150~200例である。心臓・胸部大血管手術の手術死亡率は2008年では2例 (1.5%)でいずれも緊急手術症例である。当科の基本方針は体に優しい低侵襲手術や質の高い手術を目指している。冠動脈外科領域では人工心肺を用いないオフポンプ冠動脈バイパス術はもちろん、内視鏡を用いたグラフト採取など低侵襲手術を行っている。虚血性心筋症で心不全を繰り返すような症例では心室形成術+僧帽弁形成術を積極的に行い、患者のQOL改善に努めている。心臓弁膜症では人工弁置換術より、可能な限り弁形成術を行い自己弁温存、心機能の温存を図る。また心房細動を合併した症例には積極的にそれを直すメイズ手術を行っている。胸部・腹部大動脈瘤に対しては、適応症例には低侵襲な経皮的ステントグラフト移植術を積極的に行っている。これにより高齢者、ハイリスクな人にも手術が可能になるだけでなく、場合によれば術後数日での退院も可能である。

医療設備

ICU、心臓カテーテル検査室、CT、MRI、DSA、IABP、PCPS、血漿分離装置など。

「医者がすすめる専門病院 山梨・栃木・群馬」(ライフ企画 2009年6月)

泌尿器科

分野

泌尿器科

特色

早期癌(腎腫瘍、腎盂尿管腫瘍、前立腺癌、副腎腫瘍、後腹膜腫瘍)に対しての腹腔鏡下小切開泌尿器腫瘍手術が半数以上を占める。また、術後の排尿や勃起機能等のQOLを重視した前立腺癌手術、QOLを重視した尿路変更術を伴う膀胱癌手術、前立腺肥大症に対する各種の治療選択。尿路結石の非観血的手術。尿路性器癌進行例に対する自己末梢血幹細胞移植(PBSCT)を補助とした大量化学寮法。小児泌尿器科(停留精巣、尿道下裂、膀胱尿管逆流)。男性不妊・勃起不全に対する外科的治療。女性の尿失禁に対する薬物療法および外科的治療。神経因性膀胱に対する治療。腎不全に対する治療など幅広く扱っている。

症例数

2008年度統計では年間の外来新患者数1,500人以上、延べ外来患者数25,000人以上。年間新規入院患者数800人以上、手術件数550件以上。この他に尿路結石に対する体外衝撃波結石破砕(ESWL)件数200件以上である

腎癌=年間40件前後であり、腹腔鏡下小切開泌尿器腫瘍手術が半数以上を占める。進行例に対してはインターフェロン、IL-2、分子標的剤の投与を行っている

膀胱癌=手術件数は年間百数十件を数える。膀胱癌については極力保存的治療法を選択し、内視鏡的手術と抗癌剤の動注療法を中心とした治療を行っている。しかし、悪性度の高い膀胱癌や、遺伝子検索で癌抑制遺伝子に変異のある膀胱癌に対しては、QOLを保った根治術、腸管膀胱などの術式を選択し、早期に根治術を施行している

腎盂・尿管癌=年間手術症例数は10~15件であり、腹腔鏡下小切開泌尿器腫瘍手術が半数以上を占める。腎盂・尿管全摘術を原則としているが、悪性度の低いものでは内視鏡的に腫瘍切除術を行っている

前立腺癌=早期の前立腺癌に対しては、QOLを保つべく神経温存の根治術を施行しており、輸血することはほとんどなく術後の尿失禁も一過性である。年間40件前後であり、腹腔鏡下小切開泌尿器腫瘍手術が半数以上を占める

★副腎腫瘍は。年間10件前後であり、腹腔鏡下小切開泌尿器腫瘍手術が3/4以上を占める

★後腹膜腫瘍は。年間5件前後である

進行癌に対する治療=進行癌に対するPBSCTを用いた大量化学寮法は年間十数例あり、移行上皮癌では部分寛解を保った長期生存例を、精巣腫瘍では全例に完全寛解を得ている。悪性度の高い癌については将来の再発・転移に備え、個々の症例について末梢血幹細胞を採取・保存している。前立腺癌の進行例では女性ホルモンの大量療法、副腎性男性ホルモンのブロック療法にて長期間の寛解を得ている

癌早期発見=前立腺癌の早期発見を目的とし、栃木県を中心に人間ドックや老人検診で血中PSAの測定を推し進めるとともに、前立腺癌スクリーニングとしての簡便なPSA測定法の開発にも参画している。このため前立腺全摘術は増加している。また膀胱癌の非侵襲的検査としての尿中腫瘍マーカーの臨床的検討も行っている

尿路結石=結石についてはPNL(経皮的腎砕石術)、TUL(経尿道的砕石術)、レーザー砕石術、ESWLを施行しており開放手術は極めて少ない

前立腺肥大症=早期であれば薬剤投与にてフォローするが、閉塞症状が強いものについては手術を行う。温熱療法、レーザー照射、内視鏡的切除術が主たる治療法であるが、大きな肥大症に対しては開腹術も行っている

小児泌尿器科=尿道下裂の手術は年間数例であるが、亀頭部までの尿道形成を行っている。停留精巣の手術は本院では小児外科があるため少なく、年間10~20例。停留精巣固定後は毎年フォローし、二次性徴の出現の異常の有無、精巣機能の異常の有無をチェックしている。膀胱尿管逆流の手術は年間7~8例。術後の根治率は100%。

医療設備

経直腸的超音波診断装置、CT、MRI、RI、DSA、ESWL、超音波および水中衝撃波砕石器、ホルミニュウムレーザー、前立腺温熱療法機器、泌尿器神経学的検査機器、軟性鏡を含む各種尿路内視鏡。

「医者がすすめる専門病院 山梨・栃木・群馬」(ライフ企画 2009年6月)

整形外科

分野

整形外科

特色

経験豊富な医療チームスタッフが手術を担当し、特に脊柱側弯症や腫瘍など難しい大きな手術の経験が豊富で、県外からの紹介患者も数多い。

症例数

脊椎脊髄疾患の手術件数は年間約250例である。脊柱側弯症などの脊柱変形に対する大規模な難しい手術の割合が高いのが特徴で、これらの多くは県外からの紹介患者である。脊柱変形に対する手術治療は、幼児から高齢者に及ぶあらゆる年齢層に行っている。特に乳幼児側弯症では身長の増加に合わせて脊椎矯正インプラントを伸ばしながら脊柱変形を継続的に矯正していく方法や、高齢者の脊柱変形(いわゆる腰曲がり)に対する脊椎骨切り術を併用した矯正固定術など、最先端の手術を数多く手がけている。また、脊柱管狭窄症、椎間板ヘルニア、すべり症などの変性疾患に対する手術は頚椎、腰椎ともに幅広く行い、昨今の潮流である低侵襲手術の実績も多数である。そのほか慢性関節リウマチによる上頚椎疾患、透析性脊椎症、脊椎腫瘍、脊椎カリエスなどの脊椎感染症など脊椎脊髄病領域のすべての疾患の手術に対応している。また、頭蓋頚椎移行部から仙椎におよぶ全ての脊椎高位に対する手術が可能である

★関節疾患の手術件数は年間300例である。変形性関節症や慢性関節リウマチに対する人工関節や肩・膝関節に対する内視鏡手術も多く手がけている

★手の外科の手術件数は年間170例である。三次救急医療機関として、切断指の再接着を多くこなしている。また、小児整形外科としては手足の先天異常に対する再建手術の症例数も多い。また、救命救急部の活動性が高く、二次、三次救急患者の受け入れが多い病院の特質上、多発外傷を含む四肢の骨折・脱臼の手術件数が多いのも特徴である。

医療設備

CT、MRIなど。

「医者がすすめる専門病院 山梨・栃木・群馬」(ライフ企画 2009年6月)

リハビリテーション科

分野

リハビリテーション科

特色

ノーマライゼーションの理念の実現に向けて、リハビリテーション医療一般について総合的に対応している。療育を必要とする小児疾患、脳血管障害や脊髄障害を中心とした神経疾患、骨・関節障害を中心とした整形外科疾患、循環器疾患、呼吸器疾患、老化や生活習慣病などに伴う各種障害に対して、評価と治療ならびにそれら原因疾患に関する継続的対応や生活援助について、全人的に診療している。

症例数

脳卒中、脳腫瘍、頭部外傷、パーキンソン病、脳性麻痺などの脳障害。外傷性脊髄損傷、二分脊椎などの脊髄障害。慢性関節リウマチ、変形性関節症、手の外科術後、切断などの骨・関節障害。末梢神経障害、進行性筋ジストロフィー症などの神経・筋障害。肺気腫、肺外科術前術後、誤嚥性肺炎などの呼吸機能障害。失語症、言語発達障害、口蓋裂などの言語障害。糖尿病、肥満症、老化による体力低下。以上の各種疾患を原因とする運動障害、知的障害、言語障害、摂食障害、排泄障害などから発生する能力障害(動作障害としての歩行障害など)や社会的不利を治療対象としている

★入院では、病棟で各種コミュニケーション機器、移乗用リフト、電動車椅子、障害者用トイレや訓練用浴槽などを整備。在宅・社会復帰援助などを目的として、院内各診療専門科と連携をとり、特定機能病院内にある総合リハビリテーション承認施設として診療している。

医療設備

小児訓練室、日常生活動作訓練室(在宅生活の擬似動作を訓練するために台所などを整備)、言語聴覚訓練室。

「医者がすすめる専門病院 山梨・栃木・群馬」(ライフ企画 2009年6月)

産科婦人科

分野

産婦人科

特色

新患外来は月~金の午前で原則として紹介状が必要となる。また、再来は一般外来と専門外来に分けられ予約が必要となる。一般産科外来(火・木の午前)、一般婦人科外来(月・水・金の午前)のほかに専門外来として腫瘍外来、不妊外来、ハイリスク妊婦外来、思春期・中高年外来、周産期感染症外来、子宮内膜症外来、超音波外来、遺伝相談外来が設置されており、産科婦人科におけるすべての疾患に効率よく対応するとともに、専門外来ではそれぞれの専門家が診断、治療にあたっている。また1997年1月より開設された総合周産期母子医療センターでは、栃木県ならびに北関東地域における周産期医療の基幹センターとして母体搬送、産科救急を常時引き受けている。

症例数

外来患者数1日平均120人

★入院患者数1カ月平均250人

★婦人科病棟50床、産科病棟40床(うち総合周産期母子医療センター9床)

★年間手術件数は約750件(婦人科400件、産科350件)。婦人科悪性腫瘍に対する手術では広汎子宮全摘術約30件、子宮頚癌約30件、子宮体癌約40件、卵巣癌約50件、子宮肉腫約5件の手術を実施している。膣式手術(約30件)や、腹腔鏡下摘除術(約120件)、経頸管的子宮鏡下切除術(約20件)など、内視鏡下手術も適応に応じて積極的に実施している。また上皮内癌の炭酸ガスレーザー、高周波ループ電極による円錐切除術は、原則として外来で実施している

★年間分娩数は約900件。総合周産期母子医療センターとしての役割上、リスクの低い妊婦は積極的に一次医療機関に紹介し、ハイリスク妊娠を受け入れている。出産妊婦の約70%は紹介患者である。2, 500g未満の低出生体重児の頻度は30~35%、1, 000g未満の超低出生体重児の出産も年間50名に達しており、NICUとの緊密な連携のもと、後遺症なき生存を目指している。早産率は約25%、多胎分娩率は約8%、帝王切開率は約30%である。また既往帝王切開後の経膣分娩希望者には、インフォームド・コンセントを得て経膣分娩を試み、年間約50名(希望者の約70%)が経膣分娩に成功している。分娩時には内側法による子宮内圧測定、胎児心拍モニタリングを実施しており、適応例には人工羊水注入法を行っている。また当院での治療が奏功し一次・二次施設での出産が可能と判断された妊婦は、積極的に紹介元施設やその近傍の施設に戻って頂く(逆搬送)ようお願いしている

不妊症に対して体外受精(顕微授精を含む)およびその他の一般的不妊治療を行っている。人工授精は年間40~60人、体外受精(顕微授精を含む)は年間50~60人に行っている。体外受精(顕微授精を含む)による妊娠率は30%前後、人工授精による妊娠率も20%前後となっている。専門外来のうち当科に特徴的な外来を紹介する。 (1) 思春期・中高年外来(水午前、金午前午後)=若年女性の生殖内分泌障害に対する診断と治療、中高年婦人の更年期障害に対してホルモン補充療法を中心とした管理を行う。精神神経症状に対してはカウンセリングを重視する。骨量減少症、骨粗鬆症、脂質代謝異常の治療のみならず、予防にも力を注いでいる。 (2) 周産期感染症外来(火午後)=ウイルス感染症(B型肝炎、C型肝炎、HIV、成人T細胞白血病)を中心に感染症合併妊婦の妊娠、分娩管理および出生児の経過観察を行っている。また了解を得て感染症妊婦の家族についても検査し、感染経路の解明と家族の健康管理を実施している。 (3) 遺伝相談外来(金午後)=遺伝性疾患に関して家族を含めてカウンセリングを行う。妊娠中の羊水検査や薬剤の催奇形性、死産・新生児死亡の次回妊娠、などに関する相談に対応している。

医療設備

超音波カラードプラ、CT、MRI、PET-CT、炭酸ガスレーザー、高周波ループ電極切除装置。

「医者がすすめる専門病院 山梨・栃木・群馬」(ライフ企画 2009年6月)

とちぎ子ども医療センター(小児科)

分野

小児医療

特色

2008年に、開学以来2つあった小児科講座が統合され、県の助成を受けて大学病院に併設された獨協医科大学とちぎ子ども医療センター(有阪治センター長)において、小児科および小児外科が中心となり小児の専門医療を行っている。多様な小児疾患に対応し、最先端の医療を提供できるように、各診療分野に専門医を配置している。とくに、小児内分泌疾患および小児がんの領域では専門医を増員するとともに、移植医療に必須な無菌室などを設置した。大学病院併設型の子ども医療センターとしてのメリットを最大限生かし、大学病院機能と連携した高度医療の提供が可能である。新生児医療を行う総合周産期母子医療センターとも連携している。専任の臨床心理士を配置し、子どもの健全な成長発育に視点を置いた全人的な医療を目指している。

症例数

小児科病床数は77床(無菌室2床、準無菌12床)。総合周産期母子医療センターはNICU9床、新生児30床。2007 年の外来総患者数は45,950人、入院患者数は 1,517人、NICU入院数は252人。県内では唯一小児の造血幹細胞移植実施施設として、自家末梢血幹細胞移植、血縁・非血縁者間骨髄移植を年間約10例実施している。小児外科は新生児外科疾患の他に、小児がんの治療を小児科と連携して行っている。病診連携の一環として連携小児科診療研究会を年2回開催し、紹介医へ治療経過の報告を行っている

★内分泌代謝疾患:子どもの様々な成長障害や先天異常の分子生物学的手法を用いた診断および治療を行っている。今や社会的問題となっている肥満やメタボリック症候群の治療にも積極的に取り組んでいる。疾患としては、低身長、思春期早発症・遅発症、慢性甲状腺炎やバセドウ病などの甲状腺疾患、外性器異常(小陰茎など)、糖尿病(1型および2型)、肥満、高脂血症など。また、新生児マススクリーニングで発見された先天性甲状腺機能低下症(クレチン症)、先天性副腎過形成およびその他の先天性代謝異常症の専門治療を行う。脳神経外科と連携して、脳腫瘍術後の治療管理も行う

★血液腫瘍疾患:小児がんに対して、化学療法や造血幹細胞移植などの先進的治療を行っている。治療後の成長障害や性腺機能低下症などの晩期障害への対応にも力を入れている。血液疾患としては白血病、血小板減少症、再生不良性貧血、出血凝固機能異常などに対応。固形腫瘍としては神経芽腫、ウイルムス腫瘍、肝芽腫、卵巣腫瘍、横紋筋肉腫、骨肉腫、ユーイング肉腫などである。長期入院患児に対しては臨床心理士による心のケアが行われている

★腎泌尿器疾患:ネフローゼ症候群や腎炎を始めとするさまざまな腎疾患の診断と治療を行っている。骨発育を考慮した薬物療法には定評がある。先天性腎尿路系疾患は外科と連携した治療を、慢性腎不全では児のQOLを考えた長期管理を行っている。学校検尿発見例への対応を行っている。夜尿症の治療効果は世界的に注目されている

★アレルギー・呼吸器疾患:最近増加している気管支喘息を始めとして、食物アレルギーやアトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患に対する専門的治療および生活指導を行っている。科学的エビデンスに基づいた最新の薬物療法を導入している。慢性肺疾患などの呼吸管理には経験と実績があり、在宅酸素療法支援も積極的に行っている

★膠原病・免疫疾患:川崎病、若年性特発性関節炎、全身性エリテマトーデス、多発性筋炎、全身性硬化症などの膠原病に対して、最新の免疫抑制療法を行っている。原発性免疫不全症に対する長期管理を行っている

★循環器疾患:先天性心疾患の治療管理を、近隣の医療機関とも連携して行っている。川崎病の心臓合併症に対する長期管理を行っている。学校心臓検診後の判定と事後指導を実施。新しい分野として、超音波による胎児期からの動脈硬化症の診断を行っている

★神経疾患:てんかん、神経難病、筋疾患、代謝性疾患の専門的治療を行っている。専門医による遺伝カウンセリングも実施。広汎性発達障害には臨床心理士とともに対応している。急性脳症に対する脳低体温療法では治療成果をあげており、県内外からの要請が増加している

★新生児疾患:総合周産期母子医療センターでは、出生時体重400gの超低出生体重児から、呼吸障害、先天異常をもつ重症新生児を受け入れている。重症仮死児に対しては低体温療法を実施。新生児外科疾患である食道閉鎖、小腸閉鎖、臍帯ヘルニア、鎖肛、胆道閉鎖症などを受け入れている

★救急医療・その他:大学の救命救急センターと連携することにより、急性脳症、多臓器不全、重症呼吸不全などに対する小児3次救急医療体制が整えられている。社会問題となっている被虐待児やネグレクトに対しては院内連携ネットワークを構築し、児童相談所と連携して積極的に対応している。

医療設備

無菌室、院内分校、PETセンター、ドクターズヘリなど。院内学校は長期入院患児のQOLを向上させ、退院後の学校生活に問題が生じないように、養護学校分校が病棟内に設置され、6〜7人の小中学校の教員が常駐している。

「医者がすすめる専門病院 山梨・栃木・群馬」(ライフ企画 2009年6月)

とちぎ子ども医療センター(小児外科)

分野

小児外科

特色

栃木県の小児外科の基幹病院として機能している。全県の小児医療施設と密に連絡を取り、小児の外科的疾患の搬送を受けている。NICU9床、新生児26床合計35床が総合周産期母子医療センターとして、乳児、幼児、年長児には栃木県こども医療センターを2004年9月開設し70床で稼働し、24時間体制で診療している。先天性消化管奇形、腹壁異常、先天性胆道閉鎖症、外鼠径ヘルニア、急性虫垂炎、小児悪性腫瘍(神経芽腫、肝芽腫、腎芽腫、悪性奇形腫等)、小児泌尿器疾患など専門に治療している。

症例数

2008年の総入院数は320例であり、そのうち新生児は25例(先天性食道閉鎖症4例、ボックダレックヘルニア2例、臍帯ヘルニア1例、鎖肛10例、先天性腸閉鎖症1例、十二指腸閉鎖症1例、腸回転異常症2例、ヒルシュスプルング病2例、肥厚性幽門狭窄症1例、良性奇形腫1例)であった

★2008年の総手術数は264例。外鼠径ヘルニア(脱腸)は103例手術した(入院は2泊3日、手術時間は男児15分、女児10分)

★近年胎児診断を積極的に行っている。外科的疾患が診断された場合は、産科、新生児科、放射線科(MRI検査)、小児外科の4科が総合周産期母子医療センターに母子搬送された母親を管理し、計画分娩を行っている。ボックダレックヘルニアで良好な成績をあげている。そのほか小児の腹腔鏡下手術も導入し、入院短縮、QOL向上を図っている。緊急は24時間体制で対応している。

医療設備

総合周産期母子医療センター、栃木県こども医療センター、NICU、ICU,核医学、CT, MRI, リニアック。

「医者がすすめる専門病院 山梨・栃木・群馬」(ライフ企画 2009年6月)

眼科

分野

眼科

特色

眼科疾患全般に対して、高度医療をもって対応可能なスタッフで診療を行っている。特に最新の器機および手術手技を用いた、観血的治療(角膜移植・白内障・増殖糖尿病網膜症・黄斑円孔や前膜・網膜剥離・その他)を施行している。また、専門外来(屈折矯正・ぶどう膜・未熟児・黄斑・角膜・斜視弱視・水晶体)では、難治症例に対応している。

症例数

1日の平均外来患者数は約250人。年間の眼科手術件数は約2,300件である。内訳は、角膜移植40件、白内障1,000件、網膜剥離・増殖糖尿病網膜症・黄斑(円孔・前膜)に関連した硝子体手術550件、緑内障手術100件などである。その他、光凝固・眼瞼下垂などの外来手術も多数行われている。さらに、加齢黄斑変性症に対するPDTレーザー治療や抗VEGF抗体の眼内投与、難治性網膜ぶどう膜炎に対するTNF阻害療法、内皮型拒絶反応のない深層表層角膜移植やDSAEKなどのパーツ角膜移植が行われ、良好な成績が得られている。白内障手術は多焦点眼内レンズにも対応し、患者さんの視機能の向上に努力している。術後成績は網膜剥離復位率約97%、黄斑円孔閉鎖率約95%、角膜移植成功率約80%と良好な成績を得ている。

医療設備

CT、MRI、マルチカラーおよびヤグレーザー、走査型レーザー検眼鏡、UBM、硝子体切除装置、超音波乳化吸引装置、眼内光凝固装置、多局所ERG等。

「医者がすすめる専門病院 山梨・栃木・群馬」(ライフ企画 2009年6月)

耳鼻咽喉科

分野

耳鼻咽喉科・頭頸部外科

特色

われわれの守備範囲は文字通り広く、頭頸部腫瘍や甲状腺疾患のみならず、上部消化管、呼吸器疾患に対応した診療体制を整えている。多様化する一人ひとりの患者さんのニーズに応えるべく、専門的かつ包括的な診療を実践している。大学病院としての機能を十分に発揮することが、地域医療に役立つものと考えている。

症例数

年間の手術件数は約1,000例。鼻副鼻腔手術は内視鏡手術を中心に約580例。鼻腔を正常な形態に戻すという考えのもとに鼻中隔矯正術も積極的に行っている。またナビゲーションシステムの支援により、術中リアルタイムに鼻副鼻腔の形態を正確に把握し、難治症例に対し、より安全な内視鏡下鼻副鼻腔手術を行っている。 慢性中耳炎、真珠腫性中耳炎、耳小骨奇形などに対する豊富な治療経験を有する。耳科手術は約100例(2008年度は107例)。慢性中耳炎に対しては、可能なものは鼓膜形成術を、その他には鼓室形成術を施行している。真珠腫性中耳炎では、病変が広範囲にわたり再発の可能性が高い症例には段階手術も行っている。当院睡眠医療センター、県内他施設と連携し、小児を含めた睡眠呼吸障害の診断、治療方針、手術適応の決定を行い、アデノイド増殖症や口蓋扁桃肥大に対するアデノイド切除術や口蓋扁桃摘出術は約100例。軽症から中等症の睡眠時無呼吸症候群症例に軟口蓋形成術等を施行している。甲状腺や唾液腺も含めた幅広い頭頸部悪性腫瘍の治療を行っている。進行癌には消化器外科、胸部外科、形成外科と協力し、拡大手術のみならず、再建手術を含めた機能温存手術に積極的に取り組んでいる(約130例)

★気管気管支・食道の異物は救急あるいは他施設からの紹介がほとんどで、魚骨の他、小児のピーナッツやコイン、老人の義歯やPTP等約20例に内視鏡による摘出術を行っている

★特殊外来:鼻副鼻腔外来では手術適応判定から術後の管理までを一元的に行い、上気道疾患の代表である副鼻腔炎と下気道疾患の代表である気管支炎・気管支喘息の関わりの究明を目的とした基礎研究や、嗅覚障害と嗅上皮の評価などについての形態学的・免疫学的検討を行っている。アレルギー外来では県内7施設で花粉の定点観測を行い、花粉の飛散状況、飛散数予測に基づいたスギ花粉症を含む鼻アレルギーの薬物療法、減感作療法、鼻甲介粘膜レーザー手術による総合的な治療を行っている。めまい外来ではENGやMRI検査の結果をもとにめまいの診断と治療を行っている。また内視鏡外来や嚥下障害外来では上部消化管内視鏡検査や嚥下機能検査を積極的に行い、咽喉頭や食道の質的ならびに機能的評価を総合的に行っている

主な対象疾患=耳:慢性化膿性中耳炎、真珠腫性中耳炎、難治性中耳炎、コレステリン肉芽腫、乳突炎、耳性頭蓋内合併症、小児難聴、外リンパ瘻、耳小骨離断、内耳性めまい、メニエール病、言語発達遅滞、急性感音難聴、顔面神経麻痺、他。鼻:慢性副鼻腔炎、好酸球性副鼻腔炎、鼻アレルギー、副鼻腔腫瘍(良性、悪性)、鼻中隔弯曲症、顔面骨骨折、眼窩吹き抜け骨折、鼻性眼窩内合併症、鼻性頭蓋内合併症、術後性上顎嚢胞、他。口腔:口内炎、がま腫、口腔内腫瘍(良性、悪性)、他。咽頭:扁桃炎、睡眠時無呼吸症候群、咽頭炎、咽後膿瘍、咽頭潰瘍、扁桃腫瘍(悪性リンパ腫)、扁桃肥大、上咽頭腫瘍、中咽頭腫瘍、下咽頭腫瘍、他。喉頭:喉頭炎、急性喉頭蓋炎、声帯ポリープ、喉頭軟弱症、喉頭外傷、反回神経麻痺、喉頭腫瘍(良性、悪性)、他。頸部:甲状腺疾患、気管・気管支疾患、食道疾患、頸部膿瘍、先天性嚢胞、悪性腫瘍の頸部リンパ節転移、顎下腺疾患、耳下腺疾患、気管異物、食道異物、他

★診療体制:外来の各診療日とも5~6人の担当医師のうち2~3人の日本耳鼻咽喉科学会専門医が診療にあたっている。また、日本気管食道科学会、日本アレルギー学会の各専門医も診療にあたっている。常に急患の受け入れに対応できる体制をとっており、入院中は10人の医師が2チームに分かれて診療し、クリニカルパスを併用することで安全性の向上と効率化を図っている

専門外来:鼻副鼻腔外来=金午後(春名、月舘、小泉)、アレルギー/レーザー外来=月午後(今野)、内視鏡外来=火午後(平林、蒲、山川)、小児補聴器外来=火午後(深美)、小児難聴外来=水午後(中村)、めまい外来=木午後(岡田、添田、池田)、嚥下障害外来=木午後(藤沢、後藤)、睡眠呼吸障害外来=月、木午後(中島、大久保)、声の外来(音声外来)=金午後(生野)。耳鼻咽喉科ホームページはhttp://www.dokkyo.umin.jp

医療設備

ナビゲーションシステム、マイクロデブリッター、炭酸ガスレーザー装置、電子内視鏡、慈大式内視鏡下副鼻腔手術器械、CT、MRI、ABR、ASSR、ENG、他。

「医者がすすめる専門病院 山梨・栃木・群馬」(ライフ企画 2009年6月)

皮膚科

分野

皮膚科

特色

アトピー性皮膚炎、接触皮膚炎など湿疹・皮膚炎群、水痘、帯状疱疹、単純性疱疹、足白癬、蜂窩織炎、丹毒など感染症、尋常性乾癬、円形脱毛症、ざ瘡、水疱症、熱傷などcommon disease(一般的な病気)の他、全身性強皮症(患者約60名の専門外来)、全身性エリテマトーデス、皮膚筋炎などの膠原病、悪性黒色腫、有棘細胞癌、基底細胞癌、ボーエン病、光線角化症など皮膚悪性腫瘍も患者が多い。エーラス・ダンロス症候群など先天性結合組織疾患もよく紹介される。炭酸ガスレーザー、ルビーレーザー外来もある。

症例数

外来患者は1日120~130人で6人の医師が診察にあたっている、入院患者は25名前後で、外来手術は月に70~80件、中央手術は月に20~30件、入院患者は悪性腫瘍が最も多く、水疱性類天疱瘡など水疱症、蜂窩織炎、丹毒、帯状疱疹など感染症、薬疹、膠原病、熱傷がこれに次ぎ、平均在院日数は15~16日である。

「医者がすすめる専門病院 山梨・栃木・群馬」(ライフ企画 2009年6月)

内分泌代謝内科

分野

糖尿病内分泌内科

特色

日本糖尿病学会認定教育施設であり、認定医を中心とした看護師、薬剤師、栄養士、理学療法士による外来・入院での患者指導、糖尿病教育を積極的に行っている。リハビリテーション科においては運動療法からのプログラムの充実も目標としている。糖尿病患者の会「きすげの会」の活動を後方支援しており、3カ月に一度のフリートーキングと勉強会を開催している。糖尿病初期の教育入院から、重症合併症のコントロールまで糖尿病全病期の治療を行っている。甲状腺疾患を中心に下垂体、副腎疾患、内分泌性高血圧の診断と治療全般を行っている。特に、甲状腺・副甲状腺結節は全例に対して、エコーおよびカラードプラ検査を施行し、吸引細胞診による腫瘍性疾患の早期診断法を確立している。肥満、高脂血症等の生活習慣病に関しても、積極的な治療を行っている。

症例数

年間入院患者数約500人で80%が糖尿病である。外来は1日平均115人。現在通院中の糖尿病患者数は約1,700人(1型糖尿病・遺伝子異常を含む)であり、全糖尿病患者の平均HbA1C値は6.9±1.2%。平均年齢は57歳、経口剤治療44%、インスリン治療39%、食事療法・その他17%である。合併症の発症予防と進展抑制を最重要治療目標として、患者の社会性、生活様式を優先し治療の選択を実施している。入院困難な場合は、外来通院でのインスリン注射の導入と指導も行っている。糖尿病性神経障害の早期発見にも留意しており、四肢血圧脈波同時測定による血流障害の把握、全日血圧心拍測定による自律神経障害の精査、専任の看護師による予防的フットケアを実践し、足病変に対しては他の診療科と連携し治療法を検討している。眼科、透析部との連携のもとに、網膜症・腎障害の予防と進展防止を目標とした厳格な血糖コントロールを実践している。1型糖尿病症例にはインスリン強化療法と自己血糖測定の指導・管理を導入し、良好なコントロールを得ている。血糖コントロールの困難な症例に対してはインスリン持続注入器の使用も行っている。妊娠糖尿病・糖尿病合併妊娠は産婦人科と協力してコントロールを行っている

★インスリノーマの診断に超選択的経静脈サンプリング法を開発し、局所診断をより限局的に確実に行うことができる

★内分泌疾患としてはバセドウ病、橋本病(甲状腺機能低下症)が70%。甲状腺機能異常は外来での内服治療を中心に外科的治療、放射線ヨード治療も行っている。外科的治療は、頸部外科専門医と連携し、術後のコントロールも長期にわたって行っている。挙児希望の症例には産科の協力により良い成績を得ている。年間約500例の甲状腺エコー検査を行い、腫瘍性疾患にはエコーガイド下吸引細胞診にて、迅速な確定診断を行っている。手術適応のない症例には経皮的エタノール注入療法を施行している

★副甲状腺機能亢進症に対しても、経皮的エタノール注入療法によるコントロールを試みている

★その他、下垂体性小人症、ACTH田功独欠損症、先端巨大症、褐色細胞腫、クッシング症候群、多発性内分泌腺腫症(MEN)、原発性アルドステロン症など、稀な疾患も多数経験している

★高脂血症は外来での2回の指導(栄養課)と薬物療法の併用で治療効果をあげている。特に糖尿病患者の約70%は虚血性心疾患予防の目的で、より厳格な治療基準を設定し多剤併用療法を試みている

★肥満症に対しては、体成分分析器による体脂肪分布の把握を行い、食事、運動、薬物療法を指導している。より高度なダイエットが必要な場合は入院管理下で、超低カロリーダイエットによる治療を行っている

★神経性食思不振症(拒食症)も多数の症例を経験し、精神神経科・心理カウンセラーとの協力により良好な治療効果を得ている。

医療設備

体成分分析器(InBody)、血圧脈波検査装置(ABI-Form)、携帯型自動血圧心拍計、MRI、CT、各種シンチグラフィ、カラードプラ超音波装置、サーモグラフィ、その他、先端医療機器。

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神経内科

分野

神経内科

特色

脳血栓、脳塞栓、脳出血などの脳血管障害ならびに脊髄血管障害、パーキンソン病、脊髄小脳変性症、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症などの変性疾患、髄膜炎、脳炎などの感染症、多発性硬化症、急性散在性脳脊髄炎などの脱髄性疾患、重症筋無力症、多発筋炎、各種の筋ジストロフィーなどの筋疾患、末梢神経疾患、ギラン・バレー症候群、フィッシャー症候群などの神経自己免疫性疾患、種々の内科疾患に伴う神経障害、薬物や重金属の中毒など、脳・脊髄・筋・末梢神経に関する全疾患を対象に、専門的治療を行っている。特に、認知症の診断と薬効評価、一次性頭痛、脳血管障害の急性期治療、神経免疫性疾患に関しては、高度な診断・治療技術を有する。また、睡眠時無呼吸症候群などの睡眠障害についても、その診断から治療に至るまで集約的な診療を行っている。 

症例数

一日平均外来患者数は140名で、このうち初診患者数は15-30名である。毎日5-6名の外来担当医が診療に従事している。県内、北関東一円からのみならず日本全国から精査加療を目的としての来院も多い。また、外来、夜間の救急を問わず、脳血管障害の急性期患者を随時受け入れ、急性期の高度専門的治療を行い、患者の生命および機能予後の改善に積極的に取り組んでいる。また、筋萎縮性側索硬化症や重度の睡眠時無呼吸症候群に対する在宅人工呼吸器療法など、在宅医療の積極的支援を行っている

★入院患者は一日平均60名、年間入院患者総数は約1,300名である。約半数を脳血管障害が占めるが、発症から3時間以内の超急性期の症例に対する血栓溶解療法をはじめとして、急性期抗血小板療法、急性期からのリハビリテーションを積極的に導入し、可能な限りの機能予後の改善を目指している。また、詳細な合併症の検索・管理に基づいた再発予防を行い、高い再発予防率を誇る

★頭痛、特に片頭痛の先進的医療を行っている

★パーキンソン病の治療は神経内科医の力量が問われる分野の一つであるが、各患者の病状を正確に把握するとともに、患者の社会的背景を考慮したきめ細やかな診療が行われている。また、パーキンソン病患者の認知機能など高次脳機能の研究を行い、患者の日常生活・機能の向上の一助としている。さらに、脳外科との連携のもと、振戦の強い患者や長期罹患による不随意運動が出現した例に対し定位脳手術が始まっている。ギラン・バレー症候群、フィッシャー症候群、脳幹脳炎などの神経自己免疫性疾患については、その病態を解明するとともに病因論に基づいた積極的な血漿交換・免疫吸着療法を実施、また、可能な限りの早期治療を目指し、脳血管障害と同様に24時間体制で患者の受け入れ、血漿交換の体制を整えている

★血管性認知症、アルツハイマー病などの認知症疾患に関しては、単に認知症の有無を評価するに留まらず、事象関連電位などの誘発脳波と各種神経心理学的検査を用いることにより認知症の状態を客観的に評価している。同時に、認知症に対する種々の薬物の効果を定量的に評価することにより、個々の患者に最も有効な薬剤を投与し、認知症の治療を目指している

★入院患者の診療には17名の病棟医に加え常時5-9名の研修医が従事するが、日本神経学会認定医を長とする4つの診療班に分れ、グループ診療が行われている。さらに、それらを病棟医長が、最終的に教授が統括・指導することにより、正確な治療と優れた治療成績を得ている。

医療設備

CT、MRI、SPECT、PET、脳血管撮影、超音波ドプラ (脳・頚部血管用)、脳波、末梢神経伝導速度、筋電図、各種誘発電位、終夜睡眠ポリグラフィ、磁気刺激装置、光トポグラフィ、その他。

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