国立病院機構 熊本医療センター

専門医より推薦を受けた診療科目・診療領域

国立病院機構 熊本医療センターは、複数の有名専門医(※)の間で「自分や家族がかかりたい」と推薦されています。
このページでは、専門医より推薦を受けた分野(科目、領域)の特色や症例数、所属している医師について取材・調査回答書より記載しています。 ※推薦、選定して頂いた有名専門医の一覧表

消化器外科

分野

消化器・一般外科

特色

消化器外科では、主に消化管、肝胆膵領域の癌を中心とした診療を行っている。癌診療では、的確な診断、適切な治療、治療後のケアが重要と考え実践している。2009年9月の新病院移転に伴い、最新の医療設備が導入され、更に高度の診断治療が可能となった。また、診療内容に加え、環境面からも満足していただける診療を提供することが可能となった。入院時のほとんどの疾患にクリニカルパス(診療予定表)を適用し、入院時に治療方針を提示している。毎朝7時45分から外科カンファレンスで前日の手術症例の検討と回診を行い、スタッフ全員が情報を共有しチーム医療を実践している。

症例数

2008年度の外科の新入院患者数は1,121人、平均在院日数は15日であった。2008年度の外科手術件数は764例であり、主な癌手術は食道癌手術9例、胃癌手術63例(胃全摘17、胃切除41、その他5)、大腸癌手術97例(結腸64、直腸33)、肝癌手術17例(肝切14、RFA3)、胆嚢癌手術4例、膵・胆管癌手術8例であり、胃・大腸癌手術では適応症例に積極的に鏡視下手術を導入し行っている。当院の特徴として「何時でも何でも断らない救急医療」を実施していることであり、2008年度は癌手術以外に、腹膜炎手術51例、腸閉塞手術46例、虫垂炎手術69例、胆石・総胆管結石手術119例(腹腔鏡下胆嚢摘出術86)施行している

★癌診療に関しては、手術、内視鏡治療、化学療法(抗癌剤治療)、放射線療法を組み合わせた集学的治療を積極的に行っている。食道癌治療では、リンパ節転移のない早期癌では内視鏡的切除を第一選択とし、リンパ節転移が予測される進行癌では術前化学療法を行い治療成績の向上を目指している。食道癌手術は、100症例以上の手術経験のある食道科認定医が担当している。胃癌診療においてもリンパ節転移陽性症例では、エビデンスのある術後補助化学療法を標準としている。高度進行胃癌に対しては術前化学療法を導入し治療成績向上を目指している。大腸癌診療では切除不能・再発症例に対し分子標的薬を併用した最新の外来化学療法を行っている。胃癌・大腸癌手術も外科指導医、消化器外科専門医が担当あるいは指導し安全で確実な手術を行っている

★消化器癌の化学療法も日本がん治療暫定教育医、認定医が担当、指導し行っている。また、新病院では外来化学療法センターも完備され化学療法クリニカルパスによるシステム化した安全な治療が可能となっている。

医療設備

MRI、CT(128列、64列)、リニアック、消化管内視鏡、超音波内視鏡、胆道鏡、気管支鏡など各種。

「医者がすすめる専門病院 熊本・鹿児島」(ライフ企画 2009年10月)

心臓血管センター・循環器内科

分野

心臓血管外科

特色

24時間365日断らない医療を、心臓血管センターとして内科、外科と連携しながら行っている。また、国立病院機構としては初めて24時間365日モービルCCUを運行し、救急医療を積極的に行っている。循環器専門医研修施設、日本心血管カテーテルインターベンション学会研修関連施設、集中治療専門医研修施設、救急医学会認定医指定施設、内科学会教育病院。

症例数

年間検査件数は、心臓カテーテル検査約900件、心エコー約4,800件

★虚血性心疾患の治療は、薬物療法を基本とし、カテーテル・インターベンションを施行している。年間の施行数は約300例

★急性心筋梗塞は、年間約120例収容し、積極的にカテーテル・インターベンションを施行している。また、他院からの紹介の場合、モービルCCUで患者を搬送している。スタッフの努力により、来院から再疎通までの時間は、1時間以内になっている

★急性心不全は、薬物療法が中心であるが、病態に応じてCRTD、手術を行っている。また、βブロッカーを積極的に導入している

★末梢血管疾患、特に閉塞性動脈硬化症に対して積極的にカテーテル・インターベンションを施行している。年間約50例施行している。治療成績は、完全閉塞例を含めて99%である。また、PTA+バイパス手術を施行し、より低侵襲な治療も施行している。さらに重症例では、血管新生療法も施行している

★ペースメーカー(ICD、CRTDを含む)は、年間約60例施行している。

医療設備

CCU 4床、ICU 6床、心臓カテーテル装置2台、MDCT 2台、MRI 2台、心臓超音波装置5台、トレッドミル、エルゴメーター、ホルター心電図、電気生理学的検査用刺激装置、IABP、PCPS、モービルCCUなど。

「医者がすすめる専門病院 熊本・鹿児島」(ライフ企画 2009年10月)

泌尿器科

分野

泌尿器科

特色

救急医療センターを併設し泌尿器科救急疾患すべてに対応している。さらに尿路性器悪性腫瘍の治療に重点を置き、患者さんの意向をふまえ、より良質でより安全な医療の提供を実践している。また、開放型病院の展開、医療連携にも取り組み、地域医療支援病院の承認を受けている。クリニカルパスの使用により医療の標準化も目指している。

症例数

2008年度の入院患者数は796例(腎細胞癌25例、腎盂・尿管癌59例、膀胱癌188例、前立腺癌124例、精巣癌8例、前立腺肥大症56例、尿路感染症86例、尿路結石45例、尿失禁5例など)で前年度より90例ほど増加し、平均在院日数も13日前後を推移している。手術件数は353例でその内訳は腎摘出術15例、腎・尿管全摘出10例、経尿道的膀胱腫瘍切除108例、膀胱全摘+尿路変更術19例、経尿道的前立腺切除術35例、前立腺全摘出術13例などである。2001年より開始した鏡視下手術も60例に達した。その他高齢者の排尿障害に対して尿道ステント留置術を積極的に行いカテーテルフリーを試みて満足のいく結果を得ている

★浸潤性膀胱癌に対しては放射線科の協力で、抗癌剤の動脈内注入療法で腫瘍を縮小させた後、内視鏡下の切除を行い膀胱温存を目指しているが、温存不能例には根治的膀胱全摘出術を行う。症例の多い表在性膀胱癌は、内視鏡下切除+膀胱内注入療法で高い治癒率を得ている

★前立腺癌には、まず、1泊2日で前立腺針生検を行い、手術をしない症例に対しては内分泌療法や放射線療法を、手術症例に対しては根治的前立腺全摘出術を行うなど、総合病院の特性を生かした多くの治療選択肢をそろえ対応している

★診断のつきにくい腎盂・尿管腫瘍に対しては、積極的に尿管鏡を行い(2008年度は28例)、正確な診断のもと治療を進めている

★過去3年間、当院救急センターを受診した泌尿器科患者は約600人で、尿路結石、腎盂腎炎をはじめとする炎症性疾患、前立腺肥大症や神経因性膀胱による排尿困難などに対応している。腎外傷や骨盤骨折を伴う尿道損傷、精索捻転などの急性陰嚢症、フルニエ壊疽などは、いつでも緊急手術が可能な体制をとっている。

医療設備

CT2台、MRI2台、血管造影、リニアック、腹腔鏡、TURis、電子スコープ(外来)。

「医者がすすめる専門病院 熊本・鹿児島」(ライフ企画 2009年10月)

整形外科

分野

整形外科

特色

各スタッフの専門分野である外傷外科、関節外科(膝関節、股関節、肩関節)、脊椎外科、リウマチ、を中心に診療を行っている。入院患者は、ほとんどが手術症例であり、その9割にはクリニカルパス(入院時の診療予定表)が適用され、インフォームド・コンセント(十分な説明と同意)の充実、医療の標準化・適正化が図られている。96年より開放型病院に、02年より地域医療支援病院に認可され、医療連携の充実に努め、地域完結型医療の構築に努力している。また、救急症例は24時間受け入れが可能であり、すべての整形外科疾患・外傷に対応している。精神科も含めたすべての診療科が揃っているため、種々の合併症を有した症例の治療が可能である。00年から急性期特定病院の承認をうけ、09年から災害拠点病院の指定をうけている。

症例数

08年の年間手術総数は1,008例で、多い手術は、大腿骨頚部骨折骨接合術約200例、脊椎手術185例、大腿骨人工骨頭置換術約100例、人工関節置換術97例(膝関節47例、股関節50例)である

★人工関節置換術の適応は、変形性関節症や関節リウマチ等により高度に破壊を生じた関節に適応しているが、足関節では関節固定術を第一選択としている。また、肘関節では、関節形成術を第一選択としている。非侵襲性のMRI検査の進歩により、脊椎手術の術前画像診断として一般に行われている侵襲性の脊髄造影検査は、当科では原則として行っていない。1泊2日入院手術を除き、原則的に手術前日入院となっており、必要な術前検査はすべて外来で行っている

★従来、整形外科手術後は、慣習的に長期のベッド上生活や、歩行制限が行われてきたが、当科では97年からEBM(Evidence Based Medicine:科学的根拠に基づく医療)を積極的に取り入れ、その見直しに取り組んでいる。その結果、ほとんどの手術の術後リハビリ期間が短縮し、入院期間が短縮してきている。平均的な入院期間は、人工膝関節置換術18日、人工股関節置換術18日、頚椎椎弓形成術14日、腰椎椎弓切除術14日等となっている。また、関節鏡視下手術は、手術当日入院・翌日退院の1泊2日が標準的入院期間となっている。もちろん、手術前日入院も希望があれば選択できるが、約8割の患者さんは1泊2日コースを選択されている

★当院では、セカンド・オピニオン(主治医以外の専門医による第2の意見)の求めに積極的に応じることを病院内各所に掲示し、患者さんができるだけ多くの情報を得て、患者さん自身に治療法の選択ができるよう努力している。他医へのセカンド・オピニオンの依頼があれば、必要な資料と当院の治療方針とその根拠を記載したものを提供しており、当院へのセカンド・オピニオンの求めにも十分な説明を行うように病院全体で取り組んでいる

★治療内容・期間の説明には、クリニカルパスが用いられている。クリニカルパスは、整形外科だけで手術術式別に48種類作成されており、ほとんどすべての手術をカバーしている。術後、近くの病院へ転院される患者さんに対しては、医療連携用クリニカルパス(連携パス)が用いられている。連携パスは、当院と転院先・患者さんとが情報を共有し、患者さんが安心して転院治療を受けられるよう、当院と多数の連携施設が共同で我が国において初めて開発されたものである。整形外科では、転院治療の多い大腿骨頸部骨折をはじめ、7種類の連携パスが開発され使用されている。術後転院予定の患者さんには、術前に、転院の時期と転院後の診療計画が、連携パスを用いて説明される。また、転院先退院時は、当院へ退院時の患者さんの状態が連絡されるようになっており、連携施設間の情報のフィードバックがなされるシステムとなっている。連携パスの活用により、当院入院から転院先退院まで一貫した治療計画が医療者と患者間で共有され、さらに治療結果も病院間で共有されるようになってきた。連携パスの使用は既に1,700例以上に及んでいる。

医療設備

MRI、ヘリカルCT、RI、電気生理学的検査機器、リニアック、CUSA(超音波吸引装置)、手術用顕微鏡、脊椎手術用内視鏡、関節鏡、無菌手術室などを備えている。

「医者がすすめる専門病院 熊本・鹿児島」(ライフ企画 2009年10月)

産婦人科

分野

産婦人科

特色

当科は61年より、厚生労働省の推進する政策医療の一つとしての婦人科悪性腫瘍の診断、治療を重点目標に行っており、科学的根拠に基づいた標準的治療を実践している。個々の症例に対しては、患者及び家族の意志を尊重した治療を選択し、手術症例では正確な進行期分類を行い症例ごとに必要で十分な術式を採用し、一方進行症例に対しては手術療法、放射線治療、化学療法、さらには化学療法同時併用放射線治療などの集学的治療も施行している。

症例数

当科における婦人科悪性腫瘍の代表的な子宮頸癌、子宮体癌、卵巣癌症例の新患治療患者数は、年間150~170例あり、74年から現在(09年9月)までで総数は4,124例となった

★近年、手術後(治療後)のQOL向上が重視されており、当科においては、術後リンパ浮腫や広汎子宮全摘後の膀胱麻痺などに対して様々な工夫を行い取り組んでいる。また産婦人科一般診療、救急医療に対しても常時対応している

★子宮癌では、最近の傾向として頸部浸潤癌の比率が減少し、上皮内癌(0期癌)と体癌の増加が見られる。子宮頸癌に対しては、初期癌(0期、Ia1期)の場合、原則として円錐切除術にて子宮温存を行っている。Ib期とII期までの浸潤癌では広汎性子宮全摘出術を(術前NACを含む)、III、IV期では放射線治療および抗癌剤化学療法を行っている。また化学療法同時併用放射線治療も積極的に施行している

★子宮体癌に対しては、原則手術療法を行いリンパ節郭清の範囲は、骨盤リンパ節から傍大動脈リンパ節まで症例ごとに術中所見も参考にして決定している

★さらに手術後(治療後)のQOL向上にも努め術後リンパ浮腫軽減や広汎子宮全摘後の膀胱麻痺などに対して様々な工夫を行っており、広汎性子宮全摘術症例の骨盤神経温存症例では、非施行例に対して術後の残尿測定期間が半分以下に減少し、膀胱麻痺が軽減している。

医療設備

子宮腔内照射(RALS)、MRI、CT、ヤグレーザー、リガシュア、レビテーター、ハーモニックスカルペル、腹腔鏡手術など先進医療に必要な機器を完備している。

「医者がすすめる専門病院 熊本・鹿児島」(ライフ企画 2009年10月)

感覚器センター(眼科)

分野

眼科

特色

厚生労働省の政策を実行する政策医療実施の病院である。国立病院機構ネットワークのなかの感覚器部門の一員として眼科にも特に力を入れており、2001年に手術設備を一新し、糖尿病網膜症、網膜はく離などの網膜硝子体疾患の治療を行うようになった。また、2008年より視能訓練士が常勤しており斜視・弱視治療にも取り組んでいる。

症例数

手術件数は年間500件、そのうち白内障手術400件、硝子体手術50件、その他眼瞼・眼窩腫瘍などの外眼手術50件。硝子体手術は主に糖尿病網膜症に対しての手術を行っている

★当院の糖尿病内科では重症の糖尿病症例が多いため、院外からばかりでなく、院内からの糖尿病網膜症症例の紹介も多い。また透析センターが緊急の透析も受け付けているため、糖尿病に合併した腎不全があっても、いつでも安心して眼科に入院できる体制を整えている

★近年医療の標準化と安全性の向上のためにクリニカルパス(入院時の診療予定表)の導入が進んでいる。当院では病院全体としてその導入を進めている。眼科も白内障手術・外眼手術のみならず、硝子体手術でも導入し、入院期間の短縮・効率化・安全性の向上に成功している。眼科入院では99%の症例でクリニカルパスを使用している。

医療設備

白内障・硝子体手術装置一式、手術用眼内レーザー、マルチカラーレーザー、YAGレーザー、眼科画像ファイリングシステムなど。

「医者がすすめる専門病院 熊本・鹿児島」(ライフ企画 2009年10月)

血液内科

分野

血液内科

特色

血液疾患および膠原病診療を専門的に行うが、特に血液疾患に関しては治療経験・症例数および専門スタッフ数など県下最大級である。また、熊本県で唯一成人における同種造血幹細胞移植を行う日本骨髄バンクと日本臍帯血バンクの認定施設。熊本県における造血幹細胞移植センターとして機能しており日本血液学会認定指導施設、エイズ拠点病院担当科。

症例数

(括弧内は2008年新入院数):急性骨髄性白血病(61)、急性リンパ性白血病(9)、骨髄異形成症候群(49)、悪性リンパ腫(108)、多発性骨髄腫(57)、再生不良性貧血(14)、溶血性貧血などの難治性貧血、成人T細胞白血病(22)、慢性骨髄性白血病、慢性骨髄増殖性疾患などあらゆる血液疾患に対する治療を行う。JCOG(日本臨床腫瘍研究グループ)、JSCT(Japan Study Group for Cell Therapy and Transplamtation)、CHOT-SG(Clinical Hematolgy Oncolgy Treatment Study Group)など国内の血液疾患を専門に診療するグループに属し、国内の各施設とも活発に交流を図り最先端かつ最良と考えられる治療を行う。当センターでは適応に応じて自己末梢血幹細胞移植、同種骨髄移植、同種末梢血幹細胞移植、臍帯血移植が可能。全国でも有数の移植施設として知られ、日高道弘主任医長を中心に、医師、看護師、歯科医師、薬剤師、栄養管理士によるチーム医療を行っている。熊本大学医学部血液内科などの熊本県下の主要な血液専門病院と毎月1回造血幹細胞移植連絡会を開催し、県下の移植症例のスムーズな医療連携を図っており、強力な連携体制をとっている。2008年の移植症例数は自己末梢血幹細胞移植6例、同種移植が32例で、現在までの移植総数は自己末梢血幹細胞移植198例、同種骨髄移植130例(うち骨髄バンク移植78例)、同種末梢血幹細胞移植208例、臍帯血移植43例。2006年度の日本造血細胞移植学会の統計で、過去3年の年間平均同種移植数は全国第6位(九州では第2位)にランクされた。2008年2月、当センターが地域がん診療連携拠点病院に指定されたことにより、当科は外来化学療法、緩和ケアにも一層力をそそぐことになった。外来化学療法は清川哲志部長(外来がん化学療法センター長)を中心に各科の化学療法レジメンの整備、外来化学療法センターの運営を行っている。また、熊本県で初めて日本臨床腫瘍学会認定がん薬物療法専門医を取得した榮達智医師が緩和ケアチームリーダーとして緩和ケア診療に当たっている

★臨床研究:多くの班研究・研究会に参加し、全国的に展開される血液疾患の治療研究の推進に大きな役割を果たしている。院内では循環器科と協力して血管再生医療に取り組み、先端医療を行っている。また、臨床治験も最重要課題として取り上げ、多くの課題に取り組んでいる

★地域連携・クリニカルパス:当センターは、本邦でも最も早い時期から地域連携・クリニカルパスに取り組んできたが、当科でも長倉祥一医長を中心に、造血幹細胞移植、各種化学療法のクリニカルパスの作成を行い、日常診療に使用している。現在は、電子カルテによるクリニカルパスを使用しており、さらに地域連携クリニカルパスを実施の段階に入っている。クリニカルパスを使用することにより、患者様へ治療や検査の日程などを具体的に説明可能となり、より安心した治療の提供が出来るようになった。また、医療者側にとってもすべての職種の医療従事者が同じクリニカルパスを共有することでチーム医療が容易となった

★国際医療協力:当科は、以前よりJICA(独立行政法人国際協力機構)の委託による開発途上国の医療従事者を対象とした集団研修コース“血液由来感染症”の受け入れ、実施を担当してきた。このコースの受け入れは2009年で22年目を迎えている。20年間にわたり河野文夫副院長がコースリーダーを務めてきたが、2008年より武本重毅医長に受け継がれた。参加国は、アフリカ・アジア・南米などほぼ全世界、約100カ国から約250人の研修生を受け入れ、日本国内で1カ月の研修を行っている。また、1995年からは、JICAの主催による第3国研修としてエジプト・スエズ運河大学で、また2007年からはエジプト・ファイユーム大学で集団研修コース“感染症・免疫学コース”を立ち上げ、毎年、血液・膠原病内科から講師を派遣している。

医療設備

2009年9月に新病院に移転した。15床の無菌個室からなる移植ユニットが設置されており、さらに重症個室2床の無菌病室も備えている。これにより移植など血液の診療環境は大きくグレードアップした。

「医者がすすめる専門病院 熊本・鹿児島」(ライフ企画 2009年10月)

脳神経外科

分野

脳神経外科

特色

患者さんの立場を尊重しQOL向上を最重視すること、安易に手術適応を拡大しないことを信条としている。ファースト・オピニオン医として情報を十分に提供するとともに、セカンド・オピニオンの求めにも応じる。救急については24時間体制で対応し、地域医療支援病院、急性期特定入院加算施設として役割を果たす。

症例数

08年度の年間入院患者数は445人、手術件数は167件で主な疾患では、脳動脈瘤手術39件、慢性硬膜下血腫除去術54件、水頭症手術14件、定位的脳内血腫除去術7件、脳腫瘍3件、内頸動脈内膜剥離術8件など。手術に際し、全剃毛はせずに部分剃毛のみ

クモ膜下出血(脳動脈瘤破裂)=発症当日または翌日に直達手術を行う。前交通動脈瘤の手術は原則として大脳縦裂経路でアプローチし、また、最近は、重症意識障害患者についても外減圧術を併用して積極的に手術を行い、良好な成績を得ている。動脈瘤内コイル塞栓術は熊本大学と共同で実施。手術施設基準の適合施設

未破裂脳動脈瘤破裂=脳ドックその他で偶然発見された場合、疾病情報を正確に提供し、年齢、瘤の発生部位・形状など複数要因を慎重に検討し治療適応を決定する。不安を引き起さないよう精神面での支援も心掛ける

水頭症手術=髄液短絡術は、患者の術後の心理面に対する影響を考慮し、原則として脳室穿刺をせずに腰椎穿刺による方法を採用

内頸動脈内膜剥離術=全例内シャント下で手術を行い、血行遮断時の脳虚血の予防に努める

脳腫瘍=ガンマナイフ治療が適当と思われる場合には、有施設への紹介を厭わない。

医療設備

MRI、へリカルCT、DSA(脳血管撮影装置)、脳シンチグラフィ(SPECT)、定位脳手術装置、超音波脳血流測定装置、各種誘発電位装置、放射線治療装置。

「医者がすすめる専門病院 熊本・鹿児島」(ライフ企画 2009年10月)

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