専門医より推薦を受けた診療科目・診療領域

信州大学医学部附属病院は、複数の有名専門医(※)の間で「自分や家族がかかりたい」と推薦されています。
このページでは、専門医より推薦を受けた分野(科目、領域)の特色や症例数、所属している医師について取材・調査回答書より記載しています。 ※推薦、選定して頂いた有名専門医の一覧表

消化器・一般内科

分野

消化器・一般内科

特色

肝臓、膵臓、胆道、消化管の診療、教育、研究を行っている。教室内には血液、腎臓、糖尿病グループもあり、内科全般について幅広く診療できる体制を整えている。本大学で積極的に行われている肝臓移植医療を支え、高度先進医療を目指す一方、長野県の中核病院として心の通いあう透明性の高い医療を目指し、地域医療への貢献に努めている。

症例数

★肝疾患では①C型慢性肝炎の先端治療②B型慢性肝炎に対する免疫および抗ウイルス療法③劇症肝炎の治療④肝細胞癌の集学的治療⑤自己免疫性肝疾患の診断と治療⑥肝移植の適応や術前術後の管理に力を注いでいる。C型慢性肝炎のインターフェロン治療では新しい治療方法を積極的に導入し、より高い著効率や効率的な発癌抑制を目指している。B型慢性肝炎の核酸アナロブ薬治療では、基礎的な研究成果に基づいた治療を行っている。劇症肝炎では血液浄化療法を中心とした肝補助療法や肝移植などを視野に入れ、高い救命率を目指している。肝細胞癌では外科、放射線科との連携を密にし治療を行うとともに、内科ではラジオ波凝固療法を積極的に行っている。自己免疫性肝疾患では正確な診断が重要であり、遺伝的素因や免疫学的背景を加味した診断を行っている。肝移植については、原発性胆汁性肝硬変に加え、B型およびC型の肝硬変や肝細胞癌についても積極的に適用を検討している

★胃腸疾患:消化管(食道、胃、大腸)病変(特に悪性腫瘍)に対する内視鏡、超音波内視鏡、レントゲン診断を行い、積極的に内視鏡的治療を行っている。消化管病変についてはその生検病理診断を中央検査部と協力して行っており、手術検体についても臨床病理学的な解析を行っている。ヘリコバクター・ピロリ関連病変(胃・十二指腸潰瘍、リンパ腫など)に対する除菌療法を積極的に行っている。炎症性腸疾患は関連病院から難治例の紹介を受け、治療を行うことが多い。食道・胃静脈瘤に対しては内視鏡的硬化療法を行っている。また、院内の消化管出血例に対しては24時間の緊急内視鏡を行える体制で対応している

★膵胆道系疾患に対しては、逆行性膵胆管造影(ERCP)や超音波内視鏡(EUS)に加えて経乳頭的な各種病理学的検査を併用し的確な診断に努めている。治療面では、内視鏡的手技を中心とした総胆管結石除去や胆道ドレナージ、嚢胞ドレナージを行っており、これらの治療経験は極めて豊富である。年間ERCP件数430件

★急性膵炎に対しては重症例に対応できる診療体制を整え、ここ数年間はほぼ全例救命可能となっている。慢性膵炎については長期管理を行うとともに、膵石の体外衝撃波破砕療法を積極的に施行し80%以上の成功率である。自己免疫性膵炎については、多数例の患者さんの診療を通して、有効な診断・治療方法を確立し積極的に治療を行っている。特に最近有効な診断方法を確立し、良好な治療成績を収めている。膵癌については腫瘍マーカーや各種検査法にて早期診断に取り組んでいる。また、新しい抗癌剤治療についても検討を行っている。

医療設備

CT、MRI、超音波、電子内視鏡、超音波内視鏡、ラジオ波(肝癌)、体外衝撃波破砕療法(膵石)、血管造影。

「医者がすすめる専門病院 北信越版」(ライフ企画 2009年5月)

呼吸器外科

分野

呼吸器外科

特色

呼吸器外科部門では肺・縦隔・胸壁のあらゆる外科疾患を扱っているが、中心は肺癌、縦隔腫瘍、転移性肺腫瘍、気胸などである。特に内視鏡下手術・早期肺癌に対する縮小手術に力を入れており、適応があれば小さい創のみで行う完全鏡視下手術を行っている。すべての患者さん一人ひとりにつき、内科、放射線科と検討を重ね、外科治療だけに偏ることなく、最も良いと考えられる方針を決定し、治療にあたっている。

症例数

年間総手術件数は約220例、そのうち肺癌は100例を超える。最近はCT検診によって発見される小型の肺癌が増加していることもあり、胸腔鏡を用いた低侵襲手術を行う機会が増えている。99年には全手術例中約40%で胸腔鏡下手術が施行された。また肺気腫に対する肺容量減少手術にも積極的に取り組んでいる

★1995-2004年、患者総数662名での解析による5年生存率を以下に示す。IA期:90.5%、IB期:60.5%、IIA期:75%、IIB期:48.9%、IIIA期:24.2%、IIIB期:26.7%、IV期:32.7%であった。手術に加え、必要であれば術前・術後の放射線・化学療法を行い、治癒率の向上を目指している。また、胸腔鏡下肺葉切除術が日常行われており、術後4~5日での退院が可能となっている。一方、肺癌を疑う小腫瘤についても積極的な外科治療を展開しており、可能であれば縮小手術も行っている

★気胸:気胸の症例については30歳代までの若年者については、原則1日入院で治療を行っている

★肺気腫:肺気腫に対する肺容量減少手術を本邦で初めて行い成功させている。現在は内科、放射線科、リハビリ科とともに肺気腫に対する治療の一環として主に胸腔鏡を用いて肺容量減少手術を施行している

★縦隔腫瘍:縦隔腫瘍では胸腺腫の手術件数が多い。胸腺腫については化学療法を加えた新しい方針に基づき治療を行っており、良い成績が得られている。

医療設備

CT、MRI、RI。

「医者がすすめる専門病院 北信越版」(ライフ企画 2009年5月)

心臓血管外科

分野

心臓血管外科

特色

2005年信大病院・先端心臓血管病センター(ACVC)が発足し、心臓血管外科では虚血性心疾患、弁膜症などの成人心疾患、先天性心疾患、胸部・腹部大動脈瘤、大動脈解離などの大動脈疾患、末梢血管疾患の外科治療、ステントグラフト、再生医療、遺伝子治療を行っている。ACVCでは循環器内科と協力し、心臓血管疾患だけでなく、全身の合併症(高齢、糖尿病、慢性腎不全・血液透析、脳梗塞など)やQOLに配慮した治療を行っている。また、高度救命救急センターと密接に連携して、常時緊急手術症例を受け入れ、長野県の循環器のコアセンターとして機能している。2009年5月からすぐれた設備と機能を備えた新外来棟での診療がはじまり、センターとしての機能がより一層充実した。

症例数

年間の手術数は約380例で、開心術は約150例で、内訳は虚血性心疾患約50例、心臓弁膜症約40例、先天性心疾患約5例、胸部大動脈疾患約40例、その他約20例で、緊急手術が約30%を占めている。最近は複数の部位にわたる手術例が増加している

★虚血性心疾患に対する冠状動脈バイパス術は、完全血行再建を目指し、全身の合併症に配慮した心拍動下でのバイパス術も行っている。弁膜症のうち、僧帽弁疾患については弁形成術を積極的に行っている

★手術死亡率は全体で2~3%、開心術の予定手術は1%前後である。心臓手術と比較して危険性の高い胸部大動脈疾患でも、近年成績が向上し、5%前後の死亡率となっている

★大動脈瘤に対してステントグラフトを積極的に行い、これまで胸部大動脈4例、腹部大動脈77例を行い、重篤な合併症はなく死亡例もない

★再生医療では、とくに難治性炎症性末梢動脈疾患に対して好成績を収めている。

医療設備

ICU、CT、MRI、3D心エコー、心臓カテーテル室、IABP、PCPS、補助人工心臓などが完備している

「医者がすすめる専門病院 北信越版」(ライフ企画 2009年5月)

腎臓内科

分野

腎臓内科

特色

すべての内科的腎疾患および腎障害関連諸疾患に対して、総合的な診療を行っている。その内容は、薬物療法、食事療法や日常生活管理の指導、透析を含む血液浄化療法、腎移植の術前術後管理など多岐にわたる。2000年から患者さんとその家族を対象にして、看護師、薬剤師、検査技師、管理栄養士とともに腎臓病教室を定期的に開催し、啓蒙に当たっている。

症例数

腎臓外来の患者数は週約150人。入院患者は常時10人以上。腎炎・ネフローゼ、腎不全、糖尿病や膠原病に伴う腎障害、電解質異常、高血圧の患者の診療を主として行っている。腎生検は年間約70例行われ、病理組織学的診断に基づいて的確な治療がなされている。血液透析、CAPD,血漿交換、免疫吸着、持続血液透析濾過、エンドトキシン吸着、白血球・顆粒球吸着など、我々が関与する院内の延べ年間血液浄化件数は3,000件に達している。慢性透析導入患者は年間約20例であるが、当院では維持透析を行っていないため、透析導入後安定したら、周辺の透析施設に紹介している。当院での透析導入例の内シャント造設は我々が行っている。CAPDも積極的に導入しており、現在14人の在宅CAPD患者の管理を行っている。また、当院は関東甲信越腎移植指定施設に認定されており、腎移植は1991年から現在までに36例(生体腎18例、献腎18例)行われた。生体は全例生存、16例生着、献腎は14例生存、10例生着。

医療設備

大学病院の診療科であり、必要な医療設備はすべて使用可能。

「医者がすすめる専門病院 北信越版」(ライフ企画 2009年5月)

整形外科

分野

整形外科

特色

病院全体として、患者さんのQOLを重視した治療、医療事故防止、インフォームド・コンセントを含め患者さんに対する情報の提供が徹底されている。その上で整形外科では、現状に満足することなく、さらに良い治療を求め、新しい診断法、治療法の導入に努めている。また経験による判断ではなくEvidence Based Medicineに基づいた客観的な判断が求められている。教室のスタッフは関節・下肢の外科、脊椎、腫瘍、上肢の4つの大きな疾患班のいずれかに属し、外来治療と手術療法を主体とした入院治療を行っている。前記疾患班の外来のほかに、骨粗鬆症、小児整形外科、側彎症、肩、関節リウマチの専門外来がある。関節リウマチについては障害部位により、関節、脊椎、上肢の疾患班で分担して治療を行っている。当科の特色ある治療方法として、骨・軟骨の再生医療、側弯症やリウマチ頚椎に対するナビゲーションを用いた脊椎手術、肘〜手指の関節リウマチの変形に対する人工関節や腱・関節形成術、手の先天異常の手術、肩・肘・手関節、指、脊椎、膝、足関節における関節鏡・内視鏡を用いた低侵襲手術、ナビゲーションを用いた膝の靱帯再建術、野球肘の障害予防と野球復帰に向けた手術治療、ミニオープン法による肩腱版修復術、内視鏡を用いた手根管症候群手術、腫瘍の遺伝子診断、顕微鏡を用いたマイクロサージャリーによる重度外傷・骨軟部腫瘍切除後の四肢再建術、足部や足指変形の矯正術などが行われている。特に骨・軟骨の再生医療は、骨の欠損、離断性骨軟骨炎や外傷による軟骨欠損を対象として、信州大学医学部附属病院内に設置された細胞培養治療センター(cell processing center: CPC)において自己の骨髄間葉系細胞を培養し、患部に移植する世界最先端の治療を行っている。また信州大学医学部附属病院の高度救命救急センターと協力して、骨盤骨折、四肢切断や指切断の再接着手術、多発外傷手術、重度軟部組織損傷や血管損傷を伴った開放骨折、腕神経叢麻痺などを治療している。

症例数

ベッド数は52床、2008年1年間の定期手術件数は685件、救急手術件数は58件である。臼蓋形成不全による前関節症に対しては、できるだけ関節温存を図るため骨盤骨切り術を選択し、末期股関節症には股関節置換術(年間60~70例、再手術を除く10年での成功率は約95%)を行っている。膝関節症には高位脛骨骨切り術(年間10例)および末期関節症では関節置換術(年間20例、10年での成功率は約92%)を行っている。その他関節班では、大腿骨頭壊死に対する骨切り術、膝半月板・靱帯損傷の関節鏡視下手術(前十字靱帯再建術は年間約10例)などを行っている。頸髄症に対しては主として手術侵襲の少ない椎弓形成術を行っている(年間40例)。腰部脊柱管狭窄症に対しては年間約30の手術を行っている。いずれの手術においても安定した、かつ良好な成績が得られている。また脊椎・脊髄腫瘍に対する手術は年間約20例あり、短期成績では良好な麻痺の改善が得られている。脊椎すべり症、高度圧迫骨折の再建、腫瘍切除後などにおける脊椎再建の際は脊椎インスツルメンテーションが必要となるが、螺子などの内固定材料の正確な刺入にナビゲーションシステムが威力を発揮している。四肢の骨・軟部腫瘍の化学療法・手術的治療を腫瘍班が担当し、悪性腫瘍患者数は年問約30例である。上肢班は、野球肘の手術が10例、絞扼性神経障害が30例、関節リウマチに対する肘・手指の再建術が20例、マイクロサージャリーを用いた複合組織移植5例、腱の再建術が20例、神経損傷に対する神経修復術および機能再建術などを担当している。肩腱板断裂の手術が年問約60例と多く、侵襲の少ないミニオープン法による腱板修復が試みられている。また肩、肘関節のほか、手関節疾患に対する関節鏡手術(年間約10例)も導入し、少ない侵襲で良好な成績を得ている。主要研究テーマ:カーボンナノチューブの生体材料への応用、絞扼性末梢神経の病態、大腿骨頭壊死の病態、軟骨変性の評価と再生、腱の生体力学、骨の再生、骨粗鬆の代謝。

医療設備

CT、MRI、各種シンチグラフィー、血管造影、超音波診断装置、関節可動域獲得のためのCPM装置、手術用顕微鏡、関節鏡、三次元光造形システム、リハビリテーション部など。

「医者がすすめる専門病院 北信越版」(ライフ企画 2009年5月)

産婦人科

分野

産婦人科

特色

産婦人科のすべての診療分野の専門医により、女性の生涯にわたるあらゆる悩みに対応し、地域の中核病院として最善の治療を提供する。同じ疾患であっても、その病状や程度は患者さん一人ひとりで異なることを重視し、正確な病態診断と徹底した治療前カンファレンスを行い、個別化された治療を提案する。さらに、患者さんの要望や社会的背景を最大限に考慮し、十分なインフォームド・コンセントを得て治療を行う。

症例数

周産期=分娩数は年間600~700例。正常分娩は「自然に」がモットー。重症妊娠高血圧症候群のほか、糖尿病、甲状腺疾患、自己免疫疾患、血液疾患などの内科的合併症妊娠が多い。他診療科との連携も緊密で円滑。母体だけでなく、NST、カラードプラなどを用いて胎児の状態を正確に把握し総合的に管理。母体搬送も多く、長野県の地域周産期母子医療センターに指定。帝王切開率は約25%。信州大学遺伝子診療部と連携した高水準の出生前診断と詳細なカウンセリング

婦人科=婦人科腫瘍は正確な病理組織診断を行い、MRI、CTなどの画像診断を活用して詳細に術前評価

★子宮頸癌は年間約50例。初期病変にはリープ円錐切除による低侵襲の保存療法。診断の難しい頸部悪性腺腫にはMRIと胃型粘液発現により早期診断。広汎子宮全摘術には自己血輸血を併用して通常の輸血を回避。進行頸癌には術前化学療法(NAC)を行い、特に進行期II期、III期の治療成績が改善。また、進行癌、再発癌に対する放射線療法と化学療法の同時併用療法(CCRT)の導入により治療成績が向上(5年生存率は0期100%、I期90%、II期75%、III期48%)

★子宮体癌は年間約50例。経腟超音波、子宮鏡検査で早期発見。前癌病変の子宮内膜増殖症は正確な病理診断が重要。若年女性の異型増殖症および初期体癌にホルモン療法を行い妊娠例も認める。体癌手術には骨盤、傍大動脈リンパ節郭清も施行(5年生存率はI期95%、II期87%、III期65%)

★良性の卵巣腫瘍は腹腔鏡手術。若年女性の悪性胚細胞腫瘍は妊孕性温存手術の後、化学療法を行い予後良好。卵巣癌は年間約25例、MRI、CT、カラードプラと腫瘍マーカーにより正確に術前診断。若年女性の初期卵巣癌は妊孕性温存を考慮。子宮内膜症性嚢胞からの卵巣癌発生をカラードプラと造影MRIで早期診断。卵巣癌には徹底した腫瘍減量手術に加え、骨盤、傍大動脈リンパ郭清も施行。術後は化学療法と適切な時期の2期的腫瘍減量手術を重視(5年生存率はI期85%、II期68%、III期41%)

★その他の悪性腫瘍、腹膜癌、卵管癌、外陰癌、腟癌などの患者も数多く治療

★進行癌や再発癌に対する骨盤内除臓術や外科・泌尿器科と共同の他臓器合併切除などの拡大術式の症例数も多い。脳転移に対してはガンマナイフ治療。緩和ケアも重視

★子宮筋腫はMRIを用いた子宮肉腫との鑑別診断が大切。治療は単純子宮全摘術、筋腫核出術からGnRHアナログを使用した薬物療法まで、患者の希望・状況に応じた治療法を選択して対応

★更年期の不定愁訴に対しては、患者の状況に応じたホルモン補充療法(HRT)を行う。骨粗鬆症、高コレステロール血症を診断し予防する

★子宮脱は再発の少ない根治的手術療法を行うが、ペッサリーによる保存療法も考慮

★女性スノーボーダーの外陰外傷について警鐘

不妊症=不妊原因は外来でスクリーニング。体外受精を積極的に導入。受精困難例や男性不妊には顕微授精(ICSI)を施行して成績が向上。男性不妊に対して精巣内精子採取も行う。子宮内膜症には薬物療法や腹腔鏡手術などを施行。子宮腺筋症には保存的手術療法も行う。

医療設備

カラード カラードプラ、MRI、CT、リープ装置、腹腔鏡、子宮鏡、卵管鏡、顕微授精。

「医者がすすめる専門病院 北信越版」(ライフ企画 2009年5月)

神経内科

分野

神経内科

特色

 脳梗塞、認知症、パーキンソン病、脊髄小脳変性症などの変性疾患、末梢神経疾患、筋ジストロフィーなどの筋疾患、関節リウマチ、全身性エリテマトーデスなどの膠原病、アミロイドーシスなどの代謝性疾患を対象に専門的な診療を行っている。脳梗塞は急性期治療に主眼を置き、パーキンソン病には、相澤病院と連携して脳深部電極刺激療法、定位脳手術を積極的に実施している。筋ジストロフィー、遺伝性脊髄小脳変性症、家族性アミロイドポリニューロパチーには、遺伝子診療部と共同で発症前遺伝子診断と遺伝カウンセリングに取り組んでいる。家族性アミロイドポリニューロパチー、わが国に多い特殊な肝脳疾患である成人型シトルリン血症には、移植外科と連携して肝移植を行っている。関節リウマチおよび続発する反応性AAアミロイドーシスには、生物学的製剤の投与、膠原病の難治性合併症には、免疫抑制剤の投与、血液浄化療法を積極的に行っている。また、原発性全身性ALアミロイドーシスには、自己末梢血幹細胞移植を併用した大量化学療法を行っている。

症例数

新規発症の脳梗塞患者は年間約50名、救急部、脳神経外科との連携により、血栓溶解療法、脳血管撮影を実施している。眼瞼痙攣、片側顔面痙攣、痙性斜頚には、外来でボツリヌス毒素の局所注射療法を行っており、年間約30名が本治療を受けている。家族性アミロイドポリニューロパチーに対しては、1993年に肝移植が開始され、現在までに42名が本手術を受けている。術後10年以上の生存者は13名中10名であり、これら10名は全員社会復帰している。関節リウマチに対しては、約30名に生物学的製剤の投与を行っている。原発性全身性ALアミロイドーシスの紹介を全国各地より受けており、その数は過去5年間で180名を超えている。この中で実際に化学療法を施行することができたのは、約25%の患者であるが、血液学的に完全寛解した患者は5年生存率が80%以上である。成人型シトルリン血症に対しては、11名に肝移植を行い、うち10名は社会復帰を果たしている。また、本症患者の特異な食事内容を分析して、厳格な食事内容管理と薬物を組み合わせることで、内科的治療も行っている。

医療設備

CT、MRIなどほとんどの医療設備が整っている。

「医者がすすめる専門病院 北信越版」(ライフ企画 2009年5月)

乳腺・内分泌外科

分野

乳腺・内分泌外科

特色

乳腺・甲状腺・副甲状腺疾患について、診断から手術、化学療法を含む術後の治療と経過観察、終末期医療に至るまでを包括的に行っている。特に甲状腺疾患は教室開設以来60年の歴史をもち、豊富な治療経験を有する。乳腺疾患では、放射線科医、病理医との協力のもと、画像診断と病理診断の比較に力を入れ、良・悪性診断はもとより、癌については的確な広がりの把握に努めている。また、術前・術後・再発後を問わず、乳癌化学療法にも診療科全体で取り組んでいる。

症例数

乳癌手術件数は年間約120例で、2002年からRI法と色素法を併用したセンチネルリンパ節生検を行っている。術式の選択に際しては、MRIを用いた詳細な広がり診断を基に十分なインフォームド・コンセントを行い、患者の意思を尊重して決定している。乳房温存療法では、病理学的に癌を遺残なく切除し、原則として術後に温存乳房に放射線照射を施行しており、乳房内再発は極めて稀となっている。乳房温存療法の適応とならない症例には、形成外科と連携し、筋皮弁や生食バッグによる乳房再建を行っている

★甲状腺疾患手術は年間、甲状腺癌約60〜70例、良性甲状腺腫瘍約15例、バセドウ病約5例。甲状腺癌は局所進行症例が比較的多いが、合併症の少ない手術を心がけている

★副甲状腺疾患は、原発性および続発性機能亢進症の手術を年間約20例行っている。

医療設備

マンモグラフィ、超音波装置、CT、MRI、マンモトーム、各種シンチグラフィなど。

「医者がすすめる専門病院 北信越版」(ライフ企画 2009年5月)

ペインクリニック

分野

ペインクリニック

特色

主に急性疼痛、慢性疼痛、癌性疼痛を有する患者の疼痛緩和に努めている。局所麻酔薬を用いた神経ブロック療法に加え、低侵襲で副作用の少ない光学療法や鍼治療も取り入れている。また手術室やCTアンギオ室で、レントゲン透視下の神経ブロックや、高周波熱凝固法、脊髄刺激装置の植え込みなどの最新の治療方法を行い、難治性慢性疼痛患者の診療に取り組んでいる。金曜日は漢方外来も併設している。

症例数

外来患者は1日30~40人(週3回診療)。そのうち新規患者が1日1~3人。頸、肩、腰、上下肢の痛みを有する整形外科的疾患患者が約6割、帯状疱疹後神経痛を有する患者が約2割、複合性局所疼痛症候群などの難治性慢性疼痛患者が1割、その他は癌性疼痛や顔面神経麻痺、顔面痙攣患者などである。治療は神経ブロック療法では主に星状神経節ブロック、頸・胸・腰・仙骨部の硬膜外ブロック、超音波ガイド下末梢神経ブロックを行っている。また症状の軽い患者には低侵襲治療としてキセノンレーザー、スーパーライザーなどの光学治療を行っている。手術室では神経根ブロック(高周波熱凝固併用)、腰部交感神経ブロック、脊髄刺激装置植え込み術、腹腔神経叢ブロックなどを行っている。

医療設備

外来では治療用機器としてキセノンレーザー、スーパーライザー各2台、末梢神経ブロック用の超音波装置、神経刺激装置がある。測定用機器としてサーモグラフィ、ニューロメーターなどを有する。X線を必要とする場合は手術室、CTアンギオ室にその設備がある。

「医者がすすめる専門病院 北信越版」(ライフ企画 2009年5月)

QLifeでは次の治験にご協力いただける方を募集しています

治験参加メリット:専門医による詳しい検査、検査費用の負担、負担軽減費など

インフォメーション

信州大学医学部附属病院を見ている方は、他にこんな病院を見ています

信州大学医学部附属病院の近くにある病院

カテゴリから病院を探す

おすすめの記事

医療機関の情報について
掲載している医療機関の情報は、株式会社ウェルネスより提供を受けて掲載しています。この情報は、保険医療機関・保険薬局の指定一覧(地方厚生局作成)をもとに、各医療機関からの提供された情報や、QLifeおよび株式会社ウェルネスが独自に収集した情報をふまえて作成されています。
正確な情報提供に努めていますが、診療時間や診療内容、予約の要否などが変更されていることがありますので、受診前に直接医療機関へ確認してください。
名医の推薦分野について
名医の推薦分野に掲載する情報は、ライフ企画が独自に調査、取材し、出版する書籍、「医者がすすめる専門病院」「専門医が選んだ★印ホームドクター」から転載するものです。出版時期は、それぞれの情報ごとに記載しています。全ての情報は法人としてのQLifeの見解を示すものではなく、内容を完全に保証するものではありません。