専門医より推薦を受けた診療科目・診療領域

神戸大学医学部附属病院は、複数の有名専門医(※)の間で「自分や家族がかかりたい」と推薦されています。
このページでは、専門医より推薦を受けた分野(科目、領域)の特色や症例数、所属している医師について取材・調査回答書より記載しています。 ※推薦、選定して頂いた有名専門医の一覧表

消化器内科

分野

消化器・一般内科

特色

消化器内科では各種消化器疾患すなわち食道、胃、十二指腸、小腸、大腸、胆道、膵臓、肝臓疾患の診断と治療を行っている。対象疾患としてはまず癌であり、食道癌、胃癌、大腸癌、胆道癌、膵臓癌、肝臓癌などについて内視鏡、超音波を用いた各種検査、内科的治療(内視鏡的粘膜切除術、内視鏡的粘膜下層剥離術、胆膵内視鏡治療、経皮的ラジオ波焼灼術、癌化学療法など)を行うとともに、放射線科や外科と共同で集約的検査・治療に積極的に取り組んでいる。内視鏡的治療は消化管の早期粘膜癌においては、完全治療が得られるばかりではなく、外科的手術適応とならない進行癌においては、患者様の生活の質を向上させる効果が得られる、また、患者様の負担が少なく、機能障害が残らないという大きな利点があり、手術に耐えられないような高齢者や合併症を有する患者様に対しても施術が可能である。次に難治性疾患として、現在、厚生労働省が指定している特定疾患である、潰瘍性大腸炎、クローン病、原発性胆汁性肝硬変劇症肝炎、重症急性膵炎などを対象とし、高度先端医療による診断・治療を行っている。さらに、最近のストレス社会において増加してきている機能性胃腸症、過敏性大腸症候郡などの機能的疾患に対して特殊な消化管機能検査を用いた病態解析により、診断と治療を行っている。

症例数

年間外来患者数約30,000人、入院患者数約1,200人で、常時50人以上の入院患者がいる。年間約6,000例の上部消化管内視鏡検査と約3,000例の下部消化管内視鏡検査、約6,000例の腹部超音波検査、約900件の胆・膵内視鏡検査を行っている

★食道疾患に関しては、逆流性食道炎や食道癌が主な疾患。食道癌に対しては、他科との合同カンファレンスを行い、外科手術、内視鏡的切除術、放射線療法、化学療法の中から、それぞれ個々の患者の病態に合った治療法を用いて集学的治療を行っている。早期食道癌の内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を年間約150例行っている

★胃・十二指腸疾患では、ヘリコバクター・ピロリ感染症、早期胃癌の内視鏡診断・治療を中心に行っている。治療前には従来の色素内視鏡に加えて、Narrow Band Imaging (NBI)や拡大内視鏡といった新しい診断機器を用いて精密な術前検査を行っている。早期胃癌のESDの症例は年間約180例であり、うち98%以上の一括完全切除率が得られている。また、進行胃癌の外科的手術不能例には化学療法を積極的に行っている

★小腸・大腸疾患に関しては、大腸癌、腺腫が最も多く、内視鏡的粘膜切除術を年間約400件、ESDを年間約200件行っている。また、進行大腸癌の外科的手術不能例には化学療法を積極的に行っている。潰瘍性大腸炎、クローン病などの炎症性腸疾患に対しても、白血球除去療法や抗TNF・抗体などを用いて治療を行っている

★肝臓疾患では、肝臓、慢性肝炎、肝硬変などの症例がある。肝癌の治療では、大きさ、数、肝予備能などを考慮して治療法を選択し、経皮的ラジオ波焼灼療法(RFA)や経皮的エタノール注入療法(PEIT)、肝動脈塞栓術(TAE)や、肝動脈持続動注療法を含む化学療法を行っている。肝硬変に伴う食道静脈瘤に対して薬物療法、内視鏡的結紫および硬化療法も積極的に行っている。B型慢性肝炎、C型慢性肝炎には、インターフェロンや抗ウイルス剤を用いた治療を行い、良好な治療成績を得ている。また、肝移植に関しても移植外科とタイアップして積極的に取り組んでいる

★胆・膵疾患では、悪性疾患に加え、結石、慢性膵炎など症例があり、年間約900例の胆・膵内視鏡検査のうち、乳頭切開術(EST)、胆管および膵管ステント挿入や胆石および膵石症治療などの処置内視鏡を年間約500例、また超音波内視鏡下吸引針生検(EUSFNAB)を行っている

★患者様へ:腹部超音波検査、各種内視鏡検査は月曜~金曜の毎日行っておりますが、原則的に予約が必要となります。吐血、下血、黄疸などの救急時の腹部超音波、各種内視鏡検査、治療はすべて当科で迅速に対応しています。

医療設備

CT、MRI、PET、電子ファイバースコープ(NBI、拡大:上部消化管、下部消化管)、超音波内視鏡(EUS)、小腸内視鏡、カプセル内視鏡、カラードプラ付超音波装置。

「医者がすすめる専門病院 兵庫・京都・滋賀」(ライフ企画 2011年5月)

食道胃腸外科

分野

消化器・一般外科

特色

神戸大学医学部附属病院食道胃腸外科では、食道、胃、小腸、大腸、肛門のすべての消化管疾患を担当している。扱う疾患のほとんどは癌を中心とした悪性腫瘍で、食道癌、胃癌、大腸癌などの外科的治療を行っている。潰瘍性大腸炎、クローン病などの炎症性腸疾患に対する外科的治療、食道裂孔ヘルニア、GERD、食道アカラシアなどの機能性疾患に対する外科的治療も行っている。特色としては、傷の小さな手術、低侵襲の手術である内視鏡外科手術を積極的に導入している。すなわち、「癌(悪性腫瘍)の制御」という腫瘍外科の側面と、内視鏡外科手術をはじめとする「低侵襲」「縮小、機能温存」といった技術的側面の高度な統合を目指した診療を実践している。具体的には、高度の侵襲となる食道癌手術で内視鏡外科手術(胸腔鏡下食道切除、腹腔鏡補助下胃管再建術)の導入率が最も高く、約80%が内視鏡下に行われている。胃癌では、早期胃癌に対して腹腔鏡下胃切除術を適応し、胃全摘術も腹腔鏡下に行っている。大腸癌では、食道癌に次いで内視鏡外科手術の導入率が高く、結腸癌、直腸癌すべての部位で適応としている。特に、低位の直腸癌に対しては肛門機能を温存した内肛門括約筋切除による直腸低位前方切除(ISR)を腹腔鏡下に行っている。進行癌症例に対しては、腫瘍内科、放射線科と協同して、化学療法(抗癌剤治療)、放射線療法と手術を組み合わせた集学的治療を積極的に進めている。進行食道癌に対する術前化学療法、進行直腸癌に対する術前化学放射線療法などを行い、治療成績の向上に努めている。

症例数

病床数は40床。手術症例数は09年で全身麻酔件数400件

★主な疾患別では食道癌手術41件(胸腔鏡手術32件)、胃癌手術86件(腹腔鏡手術40件)、結腸癌手術70件(腹腔鏡手術49件)、直腸癌手術32件(腹腔鏡手術12件)等が行われている

★特に食道癌症例の増加が著しく、07年が24例、08年が38例、09年が41例となっている。StageII・III食道癌に対しては、術前化学療法を施行した上で、完全胸腔鏡下に食道を切除し、再建も腹腔鏡補助下に臍部小切開のみによる胃管再建術を行い、侵襲の軽減を図っている

★胃癌では、腹腔鏡補助下幽門側胃切除術に加えて、腹腔鏡下胃全摘術も6例に行い、また、腹腔鏡補助下噴門側切除術も導入している

★直腸癌では、可能な限り人工肛門を回避する手術の適応を考慮し、また、根治性の向上を目指して、術前放射線化学療法も積極的に導入している

★09年6月より、整容性に優れた単孔式内視鏡手術も行っている。臍部1カ所の傷から、腹腔鏡、操作鉗子を挿入し、通常の腹腔鏡手術と同様の手術を行うもので、胃粘膜下腫瘍などの良性疾患、早期大腸癌に対して応用している。単孔式手術では1週間後にはほとんど傷は分からないscarlessの状態となり、患者側からも高い満足度を得ている。

医療設備

各種内視鏡外科手術機器、超音波凝固切開装置、血管シーリングシステム、CT、MRI、PET、EUSを含めた各種内視鏡、超音波診断装置、その他。

「医者がすすめる専門病院 兵庫・京都・滋賀」(ライフ企画 2011年5月)

肝胆膵外科

分野

消化器・一般外科

特色

肝癌治療では肝切除、生体肝移植、ラジオ波凝固法、肝動脈塞栓療法などの既存の治療法と神戸大学独自の先端医療技術である経皮的肝灌流(古典的肝灌流のコンセプトを塗り替え、肝臓を標的とする新しいタイプの高用量局所化学療法で低侵襲、経皮的かつ反復できるのが特徴)を駆使し、患者様の病態別に幅広い至適治療を選択。06年からは粒子線療法を肝癌治療に積極的に導入し、治療可能域をさらに拡大。とくに超進行肝臓癌の治療では世界屈指の画期的な治療成績をあげており、他施設では治療困難な患者様でも5年を超える中—長期生存を実現。膵癌治療では県内有数の手術実績を有し、進行例では術前化学粒子線療法などの術前治療や術後補助化学療法と拡大手術を含めた外科切除により更なる治療成績の向上を目指す。一方、悪性度の低い疾患に対しては、縮小手術、腹腔鏡下手術を導入。胆道癌治療では年間約35例程度の手術例があり県下では有数の症例数。手術不可能例に対しても、内視鏡的ステント術による黄疸解除、減量手術、新規抗癌剤治療を積極的に組み合わせ、良好な成績を得る。胆石症に対しては、単孔式手術を導入するなど腹腔鏡手術を推進。臓器移植では10年に脳死肝移植の新規施設認定を受け、生体および脳死肝移植、膵臓移植が行える国内有数の施設。以上の先端治療を求めて国内外40大学以上から患者様の紹介あり。

症例数

09年の年間手術例数は約330例、肝切除術91例、胆道手術114例(腹腔鏡下手術54例を含む)、膵切除65例、肝灌流法15例、生体肝移植術7例、膵・腎同時移植1例

肝臓=治療法の決定は内科、放射線科と緊密に連携し、外科手術にこだわることなく肝機能や癌の進行度に基づいて最良の治療を提供。肝臓癌で肝切除を受けた患者様の5年生存率はStageIII63%、StegeIV34%で全国平均をStageIIIで20%以上、StegeIVでは10%も上回っている。さらに、他施設では切除不能とされる門脈腫瘍栓を有する多発進行肝癌でも、肝機能が良好であれば腫瘍栓切除・減量肝切除と肝灌流を組み合わせる2段階治療で有効率82%、完全寛解48%を達成。肝灌流単独でも切除不能肝癌に対し、有効率は63%、5年生存率24%と肝動脈塞栓療法などの他治療を凌駕している

膵臓=09年度の膵手術87例の内訳は、膵頭十二指腸切除38例(胆道癌10例を含む)、尾側膵切除19例、縮小・腹腔鏡手術8例、その他22例。血管合併切除例は6例に施行し、積極的な根治切除を施行。浸潤性膵管癌に対しては手術、全身化学療法などの標準治療だけでなく、局所進行例では術前粒子線照射や術後補助化学療法などを臨床試験として施行

胆道=09年度の胆道癌手術(胆嚢癌、胆管癌、十二指腸乳頭部癌)は36例で、そのうち膵頭十二指腸切除9例、肝臓切除を含む胆道癌根治術13例。胆道癌は進行癌症例が多く、根治手術困難で再発例が多いため、手術に新規抗癌剤を積極的に組み合わせ、減量手術、粒子線治療も導入している。また先天性異常の膵胆管合流異常症に対する手術実績が年間約5例あり

移植=肝臓移植:脳死、生体肝移植が実施可能。肝移植を肝炎ウイルスによる末期肝硬変や肝癌治療の重要な選択肢の一つとして位置づけている。09年末までに53例の生体肝移植を実施し、91%が退院(1年生存率82%)。全例が成人でB、C型肝硬変、肝癌合併が大半なのが特徴。神戸大学は移植時C型肝炎に対する抗ウイルス療法の日本におけるパイオニアでありインターフェロン・リバビリン併用療法を9年前(01年)より実施。低用量のインターフェロン・リバビリン併用療法を長期持続することにより良好な肝炎制御を実現。膵臓移植:膵臓の独自の臓器保存法を開発し、99年に1型糖尿病に対する膵臓移植実施施設として認定。09年末までに 3例の膵・腎同時移植を実施した。

医療設備

PET、MRI、CT、DSA、超音波、腹腔鏡下手術装置、内視鏡、その他。

「医者がすすめる専門病院 兵庫・京都・滋賀」(ライフ企画 2011年5月)

呼吸器内科

分野

呼吸器内科

特色

すべての呼吸器疾患に対して対応できるように診療している。呼吸器感染症、呼吸不全などの急性期診療を行うとともに、近年特に増加傾向にある肺癌を中心とした胸郭内悪性腫瘍に対して、診断、化学療法、放射線療法(放射線科との共同)を行っている。当院呼吸器内科の最も特徴的なものは、呼吸器外科、放射線科、病理部との密接な連携である。毎週カンファレンスを開き、初診患者全員を対象にディスカッションし治療方針を決定している。

症例数

呼吸器内科では、10年7月現在、26床担当しており、09年度稼働率91.6%、年間入院患者数は565人であった。担当患者数の最も多いのは肺癌で、間質性肺炎、肺炎等呼吸器感染症と続く

肺癌診療について=カンファレンスにより集学的治療について綿密に検討した後、十分なインフォームド・コンセントを行い、最終的な治療方針を決定している。肺癌診療ガイドラインに沿った治療を行うとともに、西日本腫瘍臨床研究機構や兵庫県立がんセンターとの多施設臨床試験にも取り組んでいる。高齢者でも症例に応じて化学療法を選択し、治療を行っている。化学療法や放射線療法を行うと同時に症状緩和も積極的に行っており、患者さまのQOL(生活の質)確保に努力している。当院緩和ケアチーム長を西村善博呼吸器内科長が兼務している。

医療設備

CT4台、MRI3台、PET、DSA、核医学検査、気管支ファイバースコープ、フレキシブル胸腔鏡、ビデオ観察機器、ポリソムノグラフィー(精密検査用、簡易検査用)、呼吸機能検査、アストグラフ、モストグラフ、リニアックなど。

「医者がすすめる専門病院 兵庫・京都・滋賀」(ライフ企画 2011年5月)

腎臓内科・腎・血液浄化センター

分野

腎臓内科

特色

腎臓病学は内科学の中でも大変広い範囲をカバーしなければならない領域である。当科では、水電解質異常、酸塩基平衡異常、糖尿病、ホルモン異常などの代謝性異常をはじめとして、膠原病などの自己免疫性疾患、血液疾患、高血圧やその他の循環器系疾患に関係した慢性腎臓病(Chronic Kidney Disease: CKD)の病態治療を行っている。このような症例に関して、院内および院外から常に沢山の症例のコンサルトを受け、専門的な診療を行っている

★当科の方針として、診断、治療に関して、その病理組織像の解析が必要な症例に関しては腎生検を施行し、糸球体腎炎、尿細管間質性腎炎など、腎炎症性疾患の病理診断を病理専門医とともに行い、臨床像、病理組織像の両面からその病態を把握し、エビデンス(科学的根拠)に基づき、適切な治療を行うこととしている。前述のように、CKDには原発性、あるいは続発性の疾患が混在しており、これらの診断と治療に当たっては多方面の内科学分野の知識が必要とされる。このため、我々の科は、腎臓内科学の専門的知識をベースに持ち、さらに腎病理、ミネラル・骨代謝、血液浄化療法、循環器、糖尿病、腎移植、栄養学などの様々な専門を持つ複数の医師により構成されている

★また、血液浄化療法においては、透析治療を提供するだけでなく、同時に、集中治療部に入院した多臓器不全患者や重症心不全患者、劇症肝炎の症例に対して急性血液浄化療法を行い、救急医療も行っている。さらに、免疫内科、神経内科および消化器内科での免疫疾患に対する抗体吸着、血液型適合移植に対する抗体除去療法などといった特殊な血液浄化療法も担当している。腎不全患者の保存的治療から透析治療導入まで、きちんと責任を持って管理をするという我々の科の方針から、内シャント造設術に関してはほとんどの症例は自ら行うこととしている

★そして、移植症例の術前後の血液浄化療法を担当し、腎移植にもかかわっている。このような多方面にわたる領域の腎臓が関与する疾患に対して、きちんとした病態解明、診断を行い、先進的な治療法を取り入れた、国際レベルの高い水準の医療を提供するということを我々の科の目標として掲げている

★我々の施設では、日本内科学会、日本腎臓学会、日本透析医学会などの認定医・専門医修得が可能であり、全国から高い水準を目指す内科医を受け入れている(総合内科専門医3人、内科認定医7人、腎臓内科専門医8人、透析専門医8人、循環器専門医1人、臨床腎移植専門医1人)。医局紹介に関しては以下のインターネットサイトを参照(http://www.med.kobe-u.ac.jp/kidney/kidneynw.html)。

症例数

腎・血液浄化センターでこなしている症例数は延べ年間3,400件にも及び、全国の独立行政法人附属病院ではトップレベルの件数の血液浄化療法を施行している。この中には、通常の血液透析のみならず、血漿交換、二重濾過膜血漿交換、LCAP、エンドトキシン吸着、持続的血液濾過透析などの特殊血液浄化療法も含まれている

★当院における腎臓内科外来は月曜日から金曜日まで毎日開設されている。平均すると週当たり約120~150人程度の患者さんの診察を行っている。入院ベッド数は15床であるが、常に90%以上の病床回転率をほこり、年間延べ患者数で約5,000人の患者さんの入院治療を行っている

★入院患者の主たる疾患は、慢性糸球体腎炎、自己免疫疾患、急性腎不全、慢性腎不全、透析合併症などとなっている。年間、腎生検数は80~90件程度で、内シャント造設術件数も年間50~60件程度にのぼり、毎週これらの手技をこなしている。糸球体腎炎に関して、我が国で主要疾患であるIgA腎症に対する、扁桃摘出術+ステロイドパルス療法を耳鼻咽喉科の協力も得て積極的に施行している。また、難病疾患に指定されているファブリー病に関しても特殊治療を行っている

★近年、透析患者の高齢化が進んでおり、透析合併症も特に心血管系疾患が増加している。我々の施設はこれらを管理、治療できる、兵庫県下で数少ない施設のうちの一つであり、心臓血管外科、循環器内科と連携をとりながら、かなりの数の心臓弁膜手術、冠動脈インターベンション、不整脈に対するアブレーション、冠動脈バイパス手術、末梢血管外科手術症例の対応にも当っている

★長期透析においては、二次性副甲状腺機能亢進症の問題が派生し、薬物コントロールが不能な症例に対しては、骨合併症の評価を行い、耳鼻咽喉科と協力し、副甲状腺摘出術を含めた、術後の電解質管理を行っている

★腎移植症例は年間15例程度で、生体及び献腎移植が泌尿器科にて行われており、その術前後のバックアップを行うこととしている。当院は、病診連携体制も整えられており、近隣の医療機関のみならず、兵庫県内の様々な医療施設から治療に難渋する患者さんの紹介をいただいている。

医療設備

入院病床の定数は基本的には15床(病棟11階北、11階南、10階北)で常にほぼ満床状態が続いている

★診療病棟3階にある腎・血液浄化センターは12床の透析ベッドと透析コンソールを有しており、透析専門の看護師、技師が配属されている。血液浄化機器としては、血漿交換装置、血液吸着装置なども備えている

★腎・血液浄化センターは集中治療部と隣接しており、依頼に応じて集中治療部でも血液透析濾過装置を利用し、血液濾過、血液透析濾過、持続的血液透析濾過などが行える体制を整えている

★また、当大学病院内には診断、治療に必要な、エコー、CT、MRI、アイソトープ検査、血管造影などの最新の画像診断装置も完備されている。

「医者がすすめる専門病院 兵庫・京都・滋賀」(ライフ企画 2011年5月)

泌尿器科

分野

泌尿器科

特色

泌尿器科の幅広い分野においてエキスパートを擁し、患者さんにとって優しい最先端の医療を提供している。腹腔鏡手術を積極的に行い低侵襲な治療を目指すとともに、治療後の患者さんのQOL向上を考慮した生涯にわたる治療を心がけている。尿路悪性腫瘍、男性不妊、性機能障害、男性更年期、腎移植、尿路性器感染症、排尿障害、尿路結石、小児泌尿器、女性外来などの専門外来を設置し、エビデンスに基づいた治療を行っている。

症例数

09年の入院患者数1,058人、総手術件数544例。副腎摘除術24(22)例、根治的腎摘除術67(32)例、腎部分切除16(10)例、根治的腎尿管全摘除術22(12)例、根治的前立腺全摘除術42(16)例、根治的膀胱全摘除術15例。( )内は腹腔鏡手術。経尿道的膀胱腫瘍切除術153例、ホルミウムレーザー前立腺核出術27例。尿路変更として自排尿型代用膀胱造設術3例。腎移植13例。精索静脈瘤結紮術19例

前立腺癌=年間症例数92例。早期前立腺癌に対しては、手術療法を主体として腹腔鏡下手術あるいは小切開内視鏡手術を行っている。腹腔鏡手術は施設限定の保険診療が認可されている。術後の尿失禁はほとんどなく、勃起機能温存のため術中神経刺激装置を用いた神経温存手術あるいは神経移植術を行っている。進行例に対してはホルモンあるいは放射線治療を行っている

腎癌=年間症例数158例。早期例に対しては、後腹膜鏡下部分切除術あるいは腹腔鏡下腎摘除術を行っており、術後早期回復が可能である。下大静脈腫瘍塞栓例においても経験豊富である。進行例ではインターフェロンあるいはIL-2を用いた免疫療法を行っている

膀胱癌=年間症例数210例。表在性腫瘍に対しては経尿道的切除術を行っている。浸潤性腫瘍の場合は、膀胱全摘除術を主として行っている。全摘術後の尿路変更として患者さんのQOL向上を考慮して、術後も尿道から自然な形で排尿ができる腸管を利用した代用膀胱造設術を可能な限り行っている。進行例では、抗癌化学療法(M-VAC療法)や放射線療法を併用した集学的治療を行っている

腎盂、尿管癌=年間症例数72例。早期症例は後腹膜鏡下に腎尿管全摘除術を行っている。進行例では抗癌化学療法(M-VAC療法)を併用している

精巣腫瘍=年間症例数74例。早期症例では高位精巣摘除術(±放射線療法)を行っている。進行症例では多剤併用抗癌化学療法(BEP療法など)を併用している

TNM分類による5年生存率(%、疾患特異的)は、前立腺癌=pT1:100、pT2:100、pT3:68、pT4:42。腎癌=pT1a:100、pT1b:87、pT2:80、pT3a:65、pT3b:40、pT4:0。膀胱癌=pT1:95、pT2:81、pT3:51、pT4:28。精巣癌=StageI:95.8、II:80、III:80.6である

副腎腫瘍=年間症例数24例。良性腫瘍に対しては、ほぼ全例腹腔鏡手術で治療可能である。悪性腫瘍に対しては開腹手術を行っている

男性不妊=年間症例数67例。精索静脈瘤に対して積極的に顕微鏡下静脈結紮術を行っている。無精子症例のうち40%の症例で顕微鏡下の精巣内精子採取術(41例、06年)にて精子が回収でき、顕微授精にて挙児可能である

前立腺肥大症=薬物療法あるいは手術としてホルミウムレーザー前立腺核出術を行っており、非常に低侵襲である

尿路結石=原則として体外衝撃波結石破砕術を行っているが、破砕困難症例に対しては経皮的あるいは経尿道的内視鏡手術を併用している

尿失禁=腹圧性に対しては負担の少ないTVTスリング手術を行い、失禁とQOLの改善を図っている

腎移植=腎移植の項参照。

医療設備

マルチスライスCT、MRI、PET、ESWL、ホルミウムレーザー、カラードプラ超音波診断装置、リニアックなど。

「医者がすすめる専門病院 兵庫・京都・滋賀」(ライフ企画 2011年5月)

泌尿器科(腎移植)

分野

腎移植

特色

経験豊富なスタッフが、腎・血液浄化センター(腎臓内科)、輸血部、薬剤部、看護部等との連携をとりながら、チーム医療を構築している。また、院内コーディネーターを設置して、臓器提供マニュアル整備や、ドナーアクションプログラムに従って移植医療の院内普及啓発を図っている。当院は小児例が多いことが特徴的であり、小児科とも協力して小児腎不全外科診療を行っている。

症例数

神戸大学では過去に158例(生体腎129例、脳死体腎29例)の腎移植を施行している。最近5年間に施行した66例では、周術期に機能廃絶となった2例と再発性腎炎で透析再導入となった1例を除き、全例生着中と良好な管理成績を挙げている。また、ハイリスクの糖尿病性腎症や血液型不適合、抗体陽性症例にも取り組み、理想的とされる透析導入前症例への移植医療も、症例を選定して施行している。安全性、低侵襲性が要求される生体ドナー腎摘除術においては、約7cmの直視下皮膚切開で行っており、腎機能保持の観点からも良好な成績が得られている。最近問題にされる生体腎ドナーの提供意思確認については、ドナー単独の外来診療の頻度を上げることで確認の機会を増やすように以前より対応している。もちろん、当事者だけでなく、第3者(精神科医)にもカウンセリングを依頼している。ドナー不足の現況から、移植腎の長期生着を目指すと共に、献腎移植医療推進を図るべく啓蒙活動も他の移植施設、NPO、及び地方自治体と共同で行っている。

医療設備

マルチスライスCT、MRI、PET、ESWL、カラードプラ超音波診断装置、リニアック、小線源治療。

「医者がすすめる専門病院 兵庫・京都・滋賀」(ライフ企画 2011年5月)

形成外科

分野

形成外科

特色

形成外科疾患全般を扱っているが、特に頭頸部癌手術の再建(顕微鏡下手術=マイクロサージャリー)、乳房の再建、義眼患者の治療、傷・傷痕、褥瘡・難治性の皮膚潰瘍、眼瞼下垂、顔面神経麻痺、レーザー治療、血管腫に対する硬化療法などに力を入れている。また、07年度に美容外科が開設された。

症例数

09年度実績では、新患者数2,250人、手術件数718件(全身麻酔493件、局所麻酔225件)である。特に症例が多いものとしては以下の通りである(以下すべて09年度実績)

★頭頸部腫瘍の再建は、耳鼻咽喉科・頭頸部外科、歯科口腔外科、消化器外科、移植外科、脳神経外科などと共同で、年間約100件と多数の顕微鏡下手術(マイクロサージャリー)を行っている。その生着率は95%と高率を誇っており、近年では機能面を重視した再建を行っている

★褥瘡・難治性潰瘍では専門外来を開いており、他病院とも連携して新しい血行動態評価に基づいた治療を行っている(手術46件)

★眼瞼下垂(先天性および加齢による)の手術も多く手がけており、年間80件の手術を行っている

★アザ・血管腫のレーザー治療については年間200件の治療を行っている。血管腫は専門外来を開いており、レーザー治療では対処が困難な症例について、硬化療法なども行っている。

医療設備

Qスイッチルビーレーザー、Qスイッチアレキサンドライトレーザー、色素レーザー、炭酸ガスレーザー、手術用内視鏡など。

「医者がすすめる専門病院 兵庫・京都・滋賀」(ライフ企画 2011年5月)

小児科

分野

小児医療

特色

豊富な症例数に基づいた臨床研究に重点を置き、不治の病といわれた筋ジストロフィーの治療方法の開発、白血病の根治治療のための骨髄移植、小児腎不全への腎移植など、小児の先進・先端医療に積極的に取り組んでいる。遺伝子診療部として難病の胎児診断や保因者診断を実施しており、デュシェンヌ型筋ジストロフィー症と脊髄性筋萎縮症については全国から依頼が集まっている。兵庫県内の周産期母子医療センターの中核施設として24時間体制で高度周産期医療を提供し、ハイリスク妊婦・胎児・早産児・病的新生児に対する集中治療をチーム医療で実践している。親と子の心療部として発達行動心理の診療を実施しており、軽度発達障害、不登校、食思不振症などの高いニーズに対応し、学校やこども家庭センターとの連携に力を入れている。小児外科・眼科等、他科とも連携し、種々の合併疾患にも柔軟に対応している。

症例数

入院は、こどもセンターとして独立した一般小児病棟に小児科25床、成育母子1床、小児・女性共通7床、小児外科5床、GCU6床と、周産母子センターに新生児室22床(うちNICU 9床)で対応している。09年の入院患者数は小児科病棟311人、新生児室419人。外来は、専門外来を中心に6つの診察室を駆使し、1日平均60人の患者数である

筋代謝内分泌=松尾教授、竹島特命教授、八木助教、粟野特命助教を中心に、筋ジストロフィー症の診断・療育指導を全国的に展開し、その臨床データベースは国内随一である。倫理委員会許可のもと遺伝子診断・治療にも取り組んでいる。低身長、糖尿病をはじめ、先天性代謝異常症では尿中有機酸スクリーニング事業にも参加している

血液腫瘍=早川講師、矢内助教、森助教が担当。白血病、固形腫瘍の全国多施設共同プロトコールでの治療を実施し、造血細胞移植の実施経験も豊富である

腎臓=飯島特命教授、野津助教、貝藤特命助教担当。慢性腎炎、ネフローゼの症例経験が豊富で、年間平均50例の腎生検を実施している。溶血性尿毒症症候群、急性腎不全に対する緊急透析管理、慢性腎不全への腹膜透析管理、腎移植も実施している

神経=高田保健学科教授、中川特定助教担当。けいれん性疾患のフォロー、脳性麻痺の療育、重症心身障害児の在宅管理、精神遅滞等の軽度発達障害に対応している。養護学校における教諭による医療的ケア指導は全国モデルとなっている

乳児=横山准教授、森岡助教、柴田助教、三輪特定助教担当。新生児室を退院していく未熟児や病的新生児の発育・発達フォローを実施しており、3、6歳児には心理テスト等による評価を実施している

発達行動心理=北山講師担当。自閉性障害、学習障害、注意欠陥多動性障害などの軽度発達障害、不登校、心身症、食思不振症などに対応し、初診患者は年間約170人である。こども家庭センターや教育委員会との連携も密に行っている

心臓=横山准教授担当。先天性心疾患のスクリーニングや川崎病後のフォローを実施

小児療育=理学療法士によるリハビリ指導を実施

心理=臨床心理士による発達評価、心理判定を実施。

医療設備

超音波診断装置、ABR、脳波、連続指血圧測定装置、膜型人工肺による体外循環装置、一酸化窒素吸入装置、広画角デジタル眼底カメラ、頭部冷却装置など多くの先進設備が備わっている。

「医者がすすめる専門病院 兵庫・京都・滋賀」(ライフ企画 2011年5月)

小児外科

分野

小児外科

特色

日本小児外科学会関連施設。15歳までの消化器外科疾患、呼吸器外科疾患、小児固形腫瘍(小児がん)の外科治療、新生児外科疾患の治療を行っている。周産母子センター、こどもセンターを併設。

症例数

年間手術総数は200例以上

★約30%が鼠径ヘルニア、停留精巣、臍ヘルニアなど小児特有の外科疾患。いずれも短期滞在入院での手術治療を積極的に行い、好評を得ている

★新生児外科疾患は約10%。先天性横隔膜ヘルニア、食道閉鎖症、腸閉鎖症、鎖肛、臍帯ヘルニアなど出生前に診断される症例が多く、周産母子センターにて産科・新生児科との連携により多くの重症例の救命実績を持つ。体重1,000g未満の超低出生体重児の手術成功例も多い

★小児の呼吸器疾患、気道狭窄症、重症呼吸不全に対する外科治療も積極的に行っており、膜型人工肺(ECMO)による治療の実績を持つ。小児の気管支鏡検査も常時行える体制にある

★院内救命救急科との連携により、小児の急性腹症(虫垂炎、腹膜炎、腸閉塞症など)や外傷、異物誤飲などの疾患も24時間受け入れが可能である

★神経芽細胞腫をはじめとする小児がんに対しては、外科治療に加え、小児科・放射線科・病理診断科と連携した集学的治療を行い良好な成績を得ている

★重症心身障害児(者)の呼吸障害、誤嚥性肺炎、胃食道逆流症、摂食障害などに対しても、生活の質の向上を目指した積極的な外科治療をすすめている。

医療設備

CT、MRI、小児内視鏡、気管支鏡、リニアック、核医学検査、超音波診断、膜型人工肺、クリーンルームなど。

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眼科

分野

眼科

特色

あらゆる領域の眼疾患に対応可能である。高度かつ先進的であると同時に患者さんの立場に立った医療を提供するべく努力している。

症例数

09年度の外来総患者数39,281人、うち初診患者数2,019人、手術件数978例であった

白内障=09年は373例。ほとんどの症例を無縫合、折りたたみ眼内レンズを使用した小切開の超音波白内障手術で行っている。片眼4日、両眼7日が標準的な入院日数であるが、全身および眼の状態が良好な場合は相談の上、日帰り手術も可能である

緑内障=ハンフリー自動静的視野・動的視野・FDT各種視野計を用いて、機能的視野障害を判定している。視神経変化を視診に加えてOptical coherence tomography(CirrusOCT)を使用して解析している。前眼部変化を超音波生体顕微鏡やペンタカムも併用して客観的に診断している。病期や眼圧レベル、患者の社会背景を総合的に評価して、薬物療法、レーザー療法、手術療法を選択している、手術は、線維柱帯切開術・切除術、隅角癒着解離術を中心に、年間約150例行っている。成人に加えて、乳幼児緑内障手術も年間約10例行っている。難治緑内障例や濾過胞漏出例では、試験的に羊膜移植併用(現在までで80例)を行っている

網膜硝子体疾患=網膜剥離、糖尿病網膜症、黄斑上膜、黄斑円孔、その他の網膜疾患に対し年間平均約400例の網膜硝子体手術を行っている。06年秋より手術後の疼痛、異物感が極めて少ない23ゲージ小切開硝子体手術も導入し、患者さんから好評である。網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫については、08年より組織プラスミノーゲン活性化因子の硝子体内注入を導入し良好な治療成績が得られている。重症未熟児網膜症(網膜全剥離)は、治療成績が極めて不良とされているが、完全失明を避けるべく、98年頃より積極的に硝子体手術を行ってきた。復位率は2000年には47%であったが、05年には自己血由来プラスミンを併用した硝子体手術を導入し、同年施行例7眼全例復位と向上した。さらに、より安全な硝子体手術を目指し、10年からは組織プラスミン活性化因子を併用した硝子体手術にも力を入れている。なお、糖尿病網膜症や網膜裂孔などに対するレーザー治療は随時外来にて行っている

加齢黄斑変性=04年に光線力学療法が導入されて以来、毎年100例以上の治療実績を積み上げると共に、09年からは抗血管内皮増殖因子抗体(商品名:ルセンティス)を直接眼内に注入する治療も毎月50~100例を施行している。ただ、これらの治療効果には個人差や人種差があることが知られており、それには各個人の遺伝的要因が関与していることが分かってきた。当科では患者の遺伝情報を用いた個別化医療を確立すべく、全国における複数の大学とチームを組んで研究を続けている。また、病気の危険因子となる遺伝子の探索も積極的に行っている

未熟児網膜症=当科は未熟児治療に関して発症初期の経過観察から重症例の手術治療まで、すべての状況に対応できる全国でも有数の施設であるが、10年より、本邦ではごく少数の施設にしか導入されていない最新型未熟児用眼底カメラが導入された。これにより乳幼児眼底疾患に関して本邦の最先端を担う施設としての活躍が期待できるようになった

神経眼科=ハンフリー自動静的視野・動的視野・FDT各種視野計を用いて、機能的視野障害を判定している。視神経変化を視診に加えてCirrusOCTを使用して解析している。また、対光反応を対数化neutral density filterを用いて定量化している。院内および画像診断システムを専門とする病院と連携して、迅速に頭部・眼窩部のコンピューター断層撮影(CT)や磁気共鳴画像(MRI)を行っている。視神経炎や多発性硬化症に対する副腎皮質ホルモンのパルス療法(約10例)、末梢性眼球運動関連神経(外転・動眼・滑車神経)麻痺に対する手術療法(約10例)を中心に治療を行っている。レーベル遺伝性視神経症に対する基礎的・臨床的研究も行っている

角膜疾患=外来日は毎週水曜日で1日平均外来患者数100人である。コンタクト専門の業者と連携し、円錐角膜などの治療専門のコンタクトレンズ処方が可能である。ドライアイに対する涙点プラグ、涙点焼灼を行っている。難治性の角膜上皮欠損に対して自己血清点眼、治療用ソフトコンタクトレンズ装用を施行している。また穿孔性疾患、周辺部角膜潰瘍、眼表面再建に羊膜を用いた手術を行っている。病院内にアイバンクを設置し、全層深層角膜移植、角膜上皮移植、輪部移植など幅広く対応している。角膜移植は年間平均20件施行している

眼炎症=専門外来では1日平均60人の患者診察を行っている。サルコイドーシスやベーチェット病、原田病などの代表的ぶどう膜炎のみならず、ヘルペスウイルスや結核などの感染性ぶどう膜炎、同定不能の難治性ぶどう膜炎を取り扱っている。治療には点眼や内服などの常套治療に加え、必要に応じて、薬剤のテノン嚢下注射、眼内注射を行い、治療および診断を目的とした硝子体手術も年間10例以上行っている。また、従来の副腎皮質ステロイド薬に頼った治療だけではなく、免疫内科の協力を得て、免疫抑制剤(レミケード、メトトレキセートなど)による治療も行っている

眼腫瘍/眼窩疾患=眼内および眼付属器(眼瞼、結膜、眼窩)の良性腫瘍、悪性腫瘍(脂腺癌や悪性黒色腫など)を幅広く扱っている。なかでも眼部に発生するリンパ腫(主にMALTリンパ腫)は、これまでに100例以上を扱い、血液内科や放射線科と協力して治療を行う体制を整えている。とくに、生命予後の悪い眼内に発生するリンパ腫については積極的早期診断/早期治療を推し進めている。眼窩疾患の中では、バセドウ病に対して力を入れており、甲状腺の専門病院である隈病院と連携し、眼症の治療を担当している。斜視や視神経症に対する副腎皮質ステロイド薬のパルス療法と放射線療法を年間20例以上経験する。一方、バセドウ病眼症によるまぶたの釣り上がり(眼瞼後退)や腫れ(眼瞼腫脹)といった美容上の問題を重視し、薬物や手術による積極的治療を行っている。とくに、眼瞼後退に対しては、ミュラー筋下にケナコルトを注入する治療を開発し、治療後6カ月の時点で、治療を受けた40人中約8割の方で改善をみた

斜視弱視・小児眼科=視力発達や眼の位置異常(斜視)に関する診断治療を専門医および視能訓練士により担当している。斜視手術は、成人では日帰り、小児では全身麻酔下に2泊3日の入院で年間約60例程度行っている。そのほか眼瞼内反症、先天緑内障や白内障などを含む小児眼科疾患全般にも対応している。小児白内障については、2歳以降を目安として眼内レンズ挿入を行っている

ロービジョンクリニック=すべての眼疾患に対して治療が奏効するわけではなく、生活視力を維持できない状態になる患者さんが存在する現実がある。そのような患者さんに対して低視力状態での生活ができるよう支援していく必要がある。本クリニックでは視覚障害者の生活支援に必要な助言、特殊機材の紹介等を行い、患者さんのQOL(生活の質)が少しでも向上するよう心掛けている。

医療設備

★検査機器:細隙燈顕微鏡、直像、倒像検眼鏡、自動屈折測定装置、非接触眼圧計、グレア測定装置、角膜内皮測定装置、角膜形状解析装置、涙液層観察装置、眼底カメラ、蛍光眼底撮影装置、ハンフリー自動静的視野計、ゴールドマン動的視野計、FDT視野計、超音波画像診断装置、光干渉断層計(CirrusOCT、RTVue-100)、多局所網膜電図計測装置、多局所視覚誘発電位計測装置、レーザー走査検眼鏡、網膜電図計測装置、大型弱視鏡、PL乳幼児視力検査器、他

★手術機器:網膜光凝固装置(マルチカラーレーザー)、YAGレーザー装置、白内障手術装置、硝子体手術装置、光線力学療法治療装置、未熟児用眼底カメラ(RetCam3)他。

「医者がすすめる専門病院 兵庫・京都・滋賀」(ライフ企画 2011年5月)

耳鼻咽喉・頭頸部外科

分野

耳鼻咽喉科・頭頸部外科

特色

耳鼻咽喉科・頭頸部外科疾患全般を対象として診療を行っている。頭頸部癌の治療では、放射線科・腫瘍内科・歯科口腔外科・消化器内科との合同カンファレンスにより治療方針を検討し、形成外科・消化器外科・脳神経外科の協力を得て、根治とQOL(生活の質)の両立を目指した治療を心がけている。慢性副鼻腔炎など鼻疾患も多く、耳鼻科専用ナビゲーションシステムを用いた低侵襲な内視鏡手術を行っている。音声機能改善手術、鼓室形成術、めまい・難聴の診断、嚥下障害の治療にも力を注いでいる。

症例数

【入院治療】年間手術件数は約400例

★喉頭癌・下咽頭癌の新患は年間各30~40例。多分割照射や化学療法の併用、機能温存手術により早期癌の喉頭温存率は極めて高い。喉頭全摘を要した症例では前教授が開発した天津法により音声機能を再建している

★口腔癌・中咽頭癌の新患は年間各30~40例。化学療法併用放射線治療や構音・嚥下機能を重視した手術、言語聴覚士によるリハビリテーションによりQOLの向上を目指している

★鼻副鼻腔癌の手術は年間約30例。早期癌に対しては、動注化学療法併用放射線治療に手術を組み合わせて機能と形態を温存した治療を行っている

★甲状腺腫瘍・唾液腫瘍の手術は年間各30例。甲状腺・耳下腺腫瘍は予後良好なものが多いため、QOLを落とさない治療を心がけている

★中耳手術は年間約60例。錐体尖真珠腫や中耳癌など難治症例が多いのが特徴

★喉頭手術は年間約50例。声帯ポリープなどに対する喉頭微細手術や、反回神経麻痺に対する喉頭枠組み手術、嚥下障害に対する機能改善手術が中心。言語聴覚士による術後リハビリテーションを受けられるのが当科の強み

★鼻副鼻腔手術は年間約100例。慢性副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎の手術が中心。鼻科手術専用ナビゲーションシステムを用いた内視鏡手術により、安全確実に低侵襲な手術を行っている。【専門外来】

★腫瘍外来の新規登録数は年間200例以上。各疾患の治療方針については上記参照

★鼻外来の新規登録数は年間約100人。慢性副鼻腔炎、嗅覚障害、アレルギー性鼻炎の検査と保存的治療を行っている

★喉頭外来の新患登録数は年間200人以上。声帯ポリープや喉頭肉芽腫などの良性疾患が中心。過緊張性発声や心因性発声障害などには言語聴覚士による音声治療を行っている

★めまい外来の新患登録数は年間約200人。良性発作性頭位めまい症やメニエール病などの診断と治療を行っている。良性発作性頭位めまい症に対しては、自宅での理学療法を指導し効果をあげている

★難聴外来の新患登録数は年約30人。聴性脳幹反応(ABR)などにより乳幼児難聴の精査とフォローアップ、聴神経腫瘍の術前・術後機能評価を中心に行っている

★顔面神経外来の新患登録数は年約50人。ステロイドホルモンと抗ウイルス剤によるベル麻痺・ハント症候群の治療が中心。セカンドオピニオン目的での受診も多い

★嚥下外来の新患登録数は年間200 例以上。脳梗塞、脳腫瘍、口腔・咽頭癌、反回神経麻痺など様々な原因による嚥下障害を対象としている。電子内視鏡に嚥下圧モニターによる検査を組み合わせて病態を把握し、言語聴覚士によるリハビリテーションのメニューや嚥下機能改善手術の適応を検討している。

医療設備

MRI、CT、PET、超音波検査装置、電子内視鏡、鼻内内視鏡手術システム、耳鼻科手術専用ナビゲーションシステム、マイクロデブリッダー、炭酸ガスレーザー、ヤグレーザー、ABR、ENG、重心動揺計、リニアックなど。

「医者がすすめる専門病院 兵庫・京都・滋賀」(ライフ企画 2011年5月)

歯科口腔外科

分野

歯科口腔外科

特色

当科は兵庫県唯一の国立大学法人医学部歯科口腔外科であり、一般の開業歯科医院や病院歯科などの医療機関と連携し、顎口腔領域の腫瘍・顎変形症・骨折・嚢胞・粘膜疾患・顎関節疾患などのすべての口腔外科疾患に対応している。また、インプラント・レーザー治療も積極的に行っている。一般歯科治療については、原則として重篤な全身疾患を有する場合のみ受け付けている。医学部内にあるため、医科の各科との連携は非常に円滑に行われている。各領域専門医による集学的高度歯科口腔外科医療に力を入れており、口腔癌に対する外科的治療、QOL向上のための顎口腔再建手術、顎変形症に対する外科的および歯科矯正的治療、先進医療である口腔インプラント治療による口腔機能再建、口腔軟組織疾患に対する各種レーザー治療などを最も得意としている。実際の診療に際しては、最善の歯科口腔外科医療を提供するために、丁寧な説明および診療を心がけている。外来は一般口腔外科診療の他に、腫瘍・顎変形症(顎矯正)・インプラント・レーザー・顎関節の専門外来がある。病棟は阪神・淡路大震災の経験を踏まえて03年に完成したヘリポートを有する新病棟の10階に20床を有している。個室、VIPルームあり。病院は特定機能病院、エイズ拠点病院、がん拠点病院、災害拠点病院など、地域の中核病院として機能している。

症例数

年間の初診患者数は約2,500人。年間入院患者数は約350人

口腔癌=初診患者数は毎年50~70人、入院患者数も毎年80~90人程度と、わが国の口腔外科施設としては最も多い部類に属する。舌癌が最も多く、次いで下顎歯肉癌、頬粘膜癌、口底癌と続く。早期癌のレーザー治療を含め、外科療法を第一選択としており、症例に応じて補助的に放射線療法・化学療法も行っている。手術は切除チームと再建チームに分かれ、それぞれの専門性を生かした高度の手術が行われる。特に舌癌進展例における喉頭温存手術は耳鼻咽喉・頭頸部外科の協力のもとに極めて高い水準を誇る。術後の整容性、機能性などQOL向上のため、各種皮弁を応用した即時再建を当科再建チームと形成外科とが共同で行う。血管柄付き遊離皮弁は、前腕皮弁、腹直筋皮弁、腓骨皮弁、肩甲骨皮弁など欠損部に応じて再建材料を選択している。また、大胸筋皮弁や広背筋皮弁などの有茎皮弁も必要に応じて利用している。5年生存率は手術例で、StageI~IIが96.3%、III~IVが80.0%であり、全症例ではI~IIが93.0%、III~IVが74.2%と極めて高い。術後嚥下機能訓練は専門チームにより、全国に先駆けて行われている。口腔悪性黒色腫の治療では全国の口腔外科のパイオニア的存在で、われわれの提唱した分類、治療法が国際的にも広く認められている。癌告知に関しては、患者個々の意識や考え方に十分に配慮し、「知る権利」とともに「知らされない権利」も尊重した告知を行っている

顎変形症=口腔外科専門医と歯科矯正専門医が常に協力して診療にあたるところに当科の特長がある。初診患者は毎年40人前後、入院患者は毎年30人前後となっている。当科は更生医療指定医療機関であるので、手術前後の矯正治療も含めて保険診療が行われる。手術は当科の所属する歯科矯正専門医の処置を受けた患者だけにとどまらず、他施設矯正医の治療を受けている患者も受け入れている。咬合の改善が本来の目的であるが、審美的な要素も十分に検討して処置を行っている。手術にあたっては、できるだけ侵襲の少ない手術法を選択しているため、上下顎同時手術の割合は少ない。また、必要に応じて骨延長術も取り入れている。下顎の手術はCT画像、ときには3次元実体モデルを作成して術前検討を行い、下顎枝矢状分割術かあるいは垂直骨切り術を用いるか、最も適した方法を決定している。このため顎変形症手術の最大の偶発症である術後の知覚神経麻痺の発生頻度は低い。顎間固定期間は下顎枝矢状分割術では1週間、垂直骨切り術では2週間を原則としている。輸血はほとんど必要としないが、安全のため自己血輸血を準備し対応している。また最近では保険外診療となるが、インプラント矯正の症例も増加しており、これにより部分的な歯槽部骨切り術は減少するとともに、低侵襲での処置が可能となっている

口腔インプラント=高度に吸収した歯槽骨で通常の義歯では十分な咀嚼機能が期待できない症例、種々の口腔外科的疾患(口腔癌、外傷、先天異常など)により顎骨の一部あるいは歯を喪失した症例、あるいは顎骨欠損に対して移植骨などによる再建が行われた症例で、義歯の作成や装着が困難な症例などに対して行っている。03年に国から先進医療の承認を受けてインプラント治療を行っているため、先進医療技術の部分だけは保険外となるが、その他の診察・検査・投薬・入院などの医療費は一般の保険診療となる。使用システムはブローネマルクシステム。埋入に伴うサイナスリフトやベニヤグラフト、歯槽骨延長といった手術件数も増加している。入院下で処置を受けるインプラント患者は年間40人程度で、最近急激に増加傾向にある。処置本数が少ない場合は、外来で埋入を行っている

レーザー=外科用メスや電気メスと異なるレーザーならではといえる特徴を応用することにより、疾患によっては患者にとって快適で侵襲の少ない処置が可能となる。具体的には出血がほとんどないため縫合を省略できる症例も多く、術後の瘢痕形成も少なくなる。ハードレーザー処置としては、主に炭酸ガスレーザーを用いて、早期口腔癌、白板症などの前癌病変、血管腫・線維腫・乳頭腫などの良性腫瘍、義歯性線維腫・エプーリスなどの腫瘍類似疾患、粘液嚢胞などの軟組織嚢胞、メラニン沈着などの粘膜病変、および上唇や舌小帯強直症の処置などを行っている。またNd:YAGレーザーの色素依存性があるという特徴を用いた血管腫の深部凝固療法も行っている。ソフトレーザー処置としては、神経麻痺の改善や鎮痛を目的として、半導体およびNd:YAGレーザーを用いている。レーザー外来の受診者は1日10人程度。最も患者数の多い白板症では、ルゴール染色を併用して取り残しのない確実な切除を心がけておりレーザー切除の再発率は6.6%

口腔粘膜疾患=レーザー処置を中心としている白板症以外にも、扁平苔癬や難治性口内炎、舌痛症、口腔乾燥症(ドライマウス)などに対して、主に薬物療法を行っている

顎関節症=年間約250例前後。日本顎関節学会の診断基準・症型分類に基づいて、スプリント療法や薬物療法・運動療法を主体とした保存療法を中心に行っている。パンピングマニピュレーションや顎関節鏡視下剥離受動術なども行うが、手術症例は最近激減している

顎口腔外傷=多くは入院下でチタン製あるいは吸収性ミニプレートによる観血的整復手術を実施し、術後早期からの食事摂取を可能にしている。また、矯正的手法を応用して非観血的に咬合再建を行う治療法を積極的に導入し効果をあげている

障害者歯科=医科との連携がとりやすいという特徴を生かし、開業歯科医では対応が困難な、全身疾患を持つ患者や全身管理を必要とする患者の歯科口腔外科治療を積極的に受け入れている。ワーファリンなどの抗凝固療法を受けている患者に対しても、血栓塞栓症予防のため薬剤を中止することなく抜歯などの処置を行うことを原則としている。歯科治療恐怖患者に対する全身麻酔下の治療も増加の傾向にある

口腔ケア=当科の入院患者だけでなく、他科入院患者に対しても、歯科医師と歯科衛生士が中心となって手術の前後に専門的口腔ケアを行い、術後肺炎などの合併症の予防に効果をあげている。

医療設備

CT、MRI、核医学検査装置など、ほとんどすべての検査機器、またレーザー装置(炭酸ガス、Nd:YAG、半導体)、顎関節鏡、手術用顕微鏡、下顎運動検査機器(ナソヘキサグラフ)などの治療機器も完備している。

「医者がすすめる専門病院 兵庫・京都・滋賀」(ライフ企画 2011年5月)

免疫内科

分野

リウマチ・膠原病内科

特色

「病人(ひと)にやさしく疾病(やまい)にきびしく」をモットーに、患者さん一人ひとりに対して最も適切な「やさしい」医療を行うことを心がけている。数少ない膠原病専門科であり、地域の拠点として院内各科や院外病院との連携を推進し、重症・急性患者も含めて質の高い診療を提供している。チーム医療を実践し、看護スタッフはもちろんリハビリ部門や患者支援センター、薬剤師や検査技師も力を合わせて患者教育・指導(医師・看護師・薬剤師によるものおよび自作ビデオ教育)を行い、QOL(生活の質)の向上や在宅支援も含めたトータルケアを目指している。

症例数

外来患者数=1日平均約40人、月間約800人。うち関節リウマチは40%弱で、全身性エリテマトーデス、強皮症、多発性筋炎/皮膚筋炎、混合性結合組織病、シェーグレン症候群、ベーチェット病、血管炎、その他、膠原病類縁疾患が半数以上を占める。初診患者の大多数が紹介患者で、地域の病院・診療所と連携をとりながらの診療を心がけている

入院患者=平均約15人。膠原病の初発患者の診断・治療、再発患者や他院の膠原病難治患者の受け入れ、不明熱患者の精査が主な目的である

治療=関節リウマチにはメトトレキサートを中心とした抗リウマチ薬を早期より積極的に使用し、難治例には早期であっても生物学的製剤を導入する方針をとっている。生物学的製剤の使用前には、結核や悪性疾患のスクリーニングを徹底し、副作用を未然に防ぐ

★全身性エリテマトーデスには、的確な障害臓器の把握のもと必要な治療をしっかり行い、かつステロイドの長期大量~中等量投与が続かないように心がけている。ループス腎炎には、できるだけ腎生検によって活動度と進行度を検討し、必要な場合にはステロイドに加えてシクロホスファミド(パルス)、ミコフェノール酸などの免疫抑制薬を併用する。重症の中枢神経病変や肺病変の治療は、ステロイド大量にシクロホスファミドパルス療法、あるいは血漿交換療法などを行う

★多発性筋炎/皮膚筋炎には、まず筋炎の診断と並行して悪性腫瘍の検索と間質性肺炎の検索を迅速に行う。標準治療はステロイド大量療法で、間質性肺炎合併例や難治例には免疫抑制剤や免疫グロブリン大量療法を併用する

★強皮症については、皮膚の初期症状には少量ステロイドを用いるが、通常は主要薬剤とはしない。間質性肺炎、肺高血圧の早期発見に努め、前者にはシクロホスファミドパルス、後者にはトラクリアやレバチオを適応者には導入している

★ANCA関連血管炎については、重症度分類に基づきステロイド単独からシクロホスファミドや血漿交換を併用した治療を行っている。高安動脈炎や巨細胞性血管炎などの大血管炎に対しては、CT、MRI、エコー、PET-CTなどで活動性および進行度の評価を行い、寛解維持を目指した治療を行っている。高安動脈炎難治例で生物学的製剤を使用する。最近は側頭動脈エコーの導入により側頭動脈炎の診断が容易になった

★重症・急性期患者については良質の密度の高い治療を行うが、同時に長期寛解および副作用の軽減を心がけている。長期寛解のための強力な寛解導入療法には、上記のとおりである。副作用軽減については、全般的な感染予防とステロイドによる長期的副作用予防を重視している。感染予防のために教育、投薬、予防接種の推奨を積極的に行っている。ステロイドの長期副作用対策として、骨密度検査等による骨粗鬆症の早期発見、頸動脈超音波検査や脈波検査による動脈硬化の早期発見を特に重点的に行っており、これらの異常を認める場合には積極的に投薬を行っている。膠原病教室を開催し、保健所や友の会の活動にも参加し、講演会や相談会を行っている。

医療設備

CT(高分解能)、MRI、RI検査、PET、各種内視鏡、超音波、骨密度検査、透析室、ICU、リハビリテーション室(入院のみ)など。

「医者がすすめる専門病院 兵庫・京都・滋賀」(ライフ企画 2011年5月)

神経内科

分野

神経内科

特色

特定機能病院であり、近隣はもとより兵庫県のほぼ全域からの紹介を受ける。脳血管障害急性期治療から筋ジストロフィー診断まで広範な神経内科疾患全般を診療しているが、特に変性疾患(パーキンソン病、脊髄小脳変性症など)、免疫神経疾患(多発性硬化症、CIDP、重症筋無力症、多発筋炎)、代謝性神経筋疾患(糖原病、周期性四肢麻痺、ミトコンドリア脳筋症など)を多く診断治療している。

症例数

外来患者は1日40〜50人、新患5〜10人。紹介率は約80%。入院患者ベッド数は9階南および9階北病棟内に18床、実数20〜25人。新入院は年間約300人

★09年度の入院患者の内訳は、脳血管障害70人、パーキンソン病/脊髄小脳変性症64人、多発性硬化症32人、筋ジストロフィー/ミオパチー18人、運動ニューロン病16人、CIDP/ギラン・バレー症候群14人、重症筋無力症14人、多発筋炎/皮膚筋炎10人、神経・筋サルコイドーシス10人、脳炎/髄膜炎10人など、非常に広範多岐な疾患を網羅している。筋生検は年間20〜30例、神経生検は5〜10例、筋生検は凍結切片での組織化学染色による診断可能。電気生理学的検査は年間約1,000件行っている。外来中央検査部と9階南病棟の両方に脳波筋電図室があり、ネットワークでデータを共有管理。脊髄小脳変性症等の遺伝子診断を行っている

★パーキンソン病は、まずMRIやシンチを行って二次性パーキンソニズムとの鑑別を十分に行う。診断確定後は、それぞれの病状に合わせた薬剤を選択する。適応がある場合は、脳神経外科との協力で深部脳電極刺激も行う

★脊髄小脳変性症は、MRIやSPECT(脳血流シンチグラフィー)を駆使して、できるだけ正確な病型診断を行い、必要な場合は遺伝子診断。個々の症状に合わせた対症療法を行うほか、ヒルトニンを2週間連続で試験投与を行い、有効な症例には維持療法としての内服療法を行う

★多発性硬化症は、造影MRIと大脳誘発電位検査、髄液検査などで、診断の確定と病状の正確な把握を行う。急性増悪期にはステロイドパルス療法を1回〜数回。寛解期には、再発予防のためのインターフェロン導入を積極的に推進する

★脳血管障害は、脳神経外科や救急部と協力してSCU(脳卒中集中治療室)で対応している。MRIは24時間撮像可能であるので、特に拡散強調画像により正確な診断を行った後、病態・病型に応じて抗凝固療法や抗血小板療法を行う。経食道心エコーや頸動脈エコーなども適宜併用。発症3時間以内の超急性期には、適応を十分に検討した上でt‐PAを使用する

★筋萎縮性側索硬化症は、筋電図やMRI、髄液検査などを行い、他の疾患の除外に努める。進行期には、地域医療との連携を図りながら、NIPPVや人工呼吸器の導入、また、消化器内科との連携で、胃瘻(PEG)造設など行い、在宅療養への支援を行う

★CIDPは、髄液検査や末梢神経伝導検査で診断する。必要な場合は神経生検も行い、確定診断に努める。治療は、ステロイドの内服治療が基本であるが、重症例や再発例ではガンマグロブリン大量療法を積極的に行う。難治例では、免疫抑制剤を併用する

★ギラン・バレー症候群は原則として入院の上、診療する。髄液検査、血液中抗ガングリオシド抗体、末梢神経伝導検査などで確定診断する。重症例に対してガンマグロブリン大量療法あるいは血液浄化療法を行う

★重症筋無力症は、胸腺の検索を行い、異常が認められた場合や全身型の場合は、まず呼吸器外科で胸腺を摘除する。その後に、ステロイド大量療法を原則とするが、個々の症例の全身状況や病状に応じて治療法を選択する。クリーゼなど重症例では血液浄化療法、難治例では免疫抑制剤なども加える

★多発筋炎/皮膚筋炎は、筋生検にて確定診断する。悪性腫瘍の合併などに対する検索を十分に行う。治療は、ステロイドの長期内服を行うが、反応の悪い場合は免疫抑制剤を併用する

★代謝性ミオパチーは、阻血下前腕運動負荷試験や好気性運動負荷試験を行い、エネルギー代謝のスクリーニングを行った後、筋生検により確定診断する。

医療設備

MRI 4台、CT、SPECT、PET、頸動脈エコー、デジタル筋電図・誘発電位計、デジタル脳波計、経頭蓋磁気刺激装置など。

「医者がすすめる専門病院 兵庫・京都・滋賀」(ライフ企画 2011年5月)

麻酔科ペインクリニック

分野

ペインクリニック

特色

体の各部の痛みに対して神経ブロックを主体に治療している。神経ブロックは痛みだけでなく血流障害や自律神経失調など多くの疾患に効果がある。治療には神経ブロック以外にも各種薬物療法や光線療法など幅広く取り入れ、症状緩和を目指している。

症例数

外来患者数は1日70人前後。外来ベッド数は14台(うち11台はブロック用電動ベッド)。麻酔科入院ベッドは4床で、これに他科入院中の依頼患者が加わる

★神経ブロックは局所麻酔薬を用いたブロックと高周波熱凝固や神経破壊薬を用いたブロック(三叉神経ブロック、内臓神経ブロック、交感神経ブロックなど)がある。これらのブロックをより安全に施行するため、イメージ透視装置や超音波装置などを利用している。集中的な治療が必要な場合は入院のうえ加療している。難治性疼痛患者に対する硬膜外脊髄電気刺激療法も積極的に行っている

★神経ブロックだけでなく、各種薬物療法やレーザーなどの光線療法も取り入れている。薬物療法では、ドラッグチャレンジテストによる疼痛機序と有効薬物の判定、顔面けいれんなどに対するボツリヌストキシン療法、特殊院内製剤の作成、また個々に適した漢方薬の判定と処方も行っている。レーザー治療は各種神経ブロックと併用で使用すると効果的だが、神経ブロックが困難な患者ではレーザー単独での治療も可能

★総合病院であるメリットを生かして他科との連携で幅広い治療や検査が可能である。当科では患者と十分に話し合いながら個々に適した治療法を見つけ、より快適な日常を送るためのお手伝いをするのが役目と考えている。

医療設備

直線偏光近赤外線治療器、He-Neレーザー、イオントフォレーシス、TENS、イメージ透視装置、MRI、CT、超音波装置、高周波熱凝固装置ほか。

「医者がすすめる専門病院 兵庫・京都・滋賀」(ライフ企画 2011年5月)

救命救急科(救急部)

分野

救急医療

特色

阪神・淡路大震災の教訓を契機としてわが国に初めて設置された災害・救急医学講座(救命救急科)の医師が中心となり運営。地域の救急医療体制の充実強化、災害医学教育・研修システムの構築、災害医療救援の実践を通し、国際的に活躍できる救急医を育成する。診療部門である救急部は、初期・2次・3次にわたる質の高い救急医療の実践と救急医学の研究・教育、人材育成および病院前救護体制の充実・強化に力を注ぐ。救急総合医としての資質を持ち、同時に他診療科の専門医資格を持つスーパードクターを養成する。日本救急医学会指導医指定施設・同専門医指定施設

★全診療科のバックアップ体制のもと、2次・3次救急患者、直接来院した初期救急患者はすべて受け入れる。ヘリポートを有し遠隔地からの迅速な患者搬送に備えている。

症例数

06年の年間患者総数7,044人、入院総数1,991人、心肺停止患者数108人、外来死亡者数75人、救急車搬入台数2,299台である。救急患者の重症度別割合は、初期57.6%、2次30.3%、3次12.1%。救急部を経由して入院した患者総数1,991人のうち、救命救急科は531人、他診療科は1,460人である。救命救急科入院患者の救命率は93.4%。救命救急科のスタッフはすべて日本救急医学会ICLS(Immediate Cardiac Life Support:2次救命処置)の認定インストラクターを持ち、日本外傷診療機構の進めるJATECTM(Japan Advanced Trauma Evaluation and Care)に基づく質の高い外傷初期診療を実践している。国内、国外の大規模災害時医療支援にも積極的に医療チーム派遣を行っており、日本DMAT(Disaster Medical Assistant Team)認定チーム、英国MIMMS(Major Incident Management System)認定プロバイダー4人を有する。現在、急性薬物中毒・上部消化管穿孔・心肺蘇生後低酸素性脳症・腹部臓器損傷動脈塞栓術適応患者に対しては、クリニカルパスを用いた治療を行っている。他の疾患、病態についても標準的治療の実践を行っており、24時間、抜けの少ない、質の高い医療を提供する。救命救急科には、ICD制度協議会認定のインフェクション・コントロール・ドクターがおり、感染制御部と連携して感染症モニタリング、医原性感染予防、適切な抗菌薬投与計画等により、院内感染症による患者の重篤化は非常に少ない

外傷=救命救急科医師を中心に、JATECTM に基づく初期診療、迅速な画像診断、手術、集中治療管理を円滑に進めるが、手術室まで搬送する余裕がない場合は、救急外来で緊急手術を実施し得る。手術を要する場合、救命救急科医師と各診療科医師が連携して実施する

熱傷=広範囲熱傷、小児、高齢者、気道・顔面・手・足などの特殊熱傷を積極的に受け入れ、徹底した感染制御のもと、必要な場合は早期植皮術を実施する

脳血管障害=手術を要する場合は脳神経外科が担当となり、非手術の場合は救命救急科医師による集中治療管理を実施する。脳梗塞に対してはガイドラインに基づく標準治療を実施する

中毒=日本中毒学会が提唱する標準治療をもとに、クリニカルパスにより加療する

重症感染症=肺経由動脈熱希釈法(PiCCO)を用いた病態把握、他の感染症併発モニタリング、医原性感染予防、適切な抗菌薬投与など、厳密な感染制御のもと集中治療管理を実施する

臓器不全=呼吸・循環・体液管理を中心に、呼吸不全に対する人工呼吸管理、重症心不全に対する経皮的人工心肺補助循環装置(PCPS)、大動脈内バルーンパンピング(IABP)、持続的血液濾過透析(CHDF)、血液透析、血漿交換療法など、各種血液浄化法も24時間実施可能である

精神疾患合併患者への対応=基本的に精神科救急対応は実施していないが、自殺企図患者、精神科疾患を合併した重症救急患者には、精神科医と連携した診療を実施している。

医療設備

ICU(救命救急科6床含め計24床)、一般入院病床(救命救急科6床含め計920床)、MRI、CT、超音波診断装置、血管造影、血液検査(24時間)、血液ガス分析装置、PCPS、IABP、人工呼吸器、中毒薬物分析キット、各種ビデオ内視鏡、CHDF、血液透析装置、血漿交換装置、脳波計、聴性誘発電位検査装置、PiCCO、電子カルテなど。

「医者がすすめる専門病院 兵庫・京都・滋賀」(ライフ企画 2011年5月)

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