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[薬とサプリを正しく知ろう] 2018/12/21[金]

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パパもママも知りたい!薬の上手な飲み方・飲ませ方

薬には飲み合わせがあるって聞いたけど本当?子どもに薬を飲ませたいけど、なかなか飲んでくれない。飲んだ薬を吐き出してしまった――。みなさん薬に関するいろいろな疑問やご苦労があるのではないでしょうか?そこで今回は、薬を服用するときに知っておきたい豆知識や裏ワザと、子どもに薬を飲ませるコツについて、国立成育医療研究センター・薬剤部の薬剤師 齋藤裕里奈さんに教えていただきました。

(ライター:橋口佐紀子)

齋藤裕里奈(さいとう・ゆりな)さん

齋藤裕里奈(さいとう・ゆりな)さん

国立成育医療研究センター 薬剤部・薬剤師

2015年3月 国立成育医療研究センター 薬剤師レジデント 修了
2015年4月 国立成育医療研究センター 薬剤師
小児アレルギーエデュケーター

グレープフルーツジュース、お茶、牛乳…薬は何で飲んでもいいの?

薬は通常、水で服用することを前提につくられています。小児用の薬は、子どもでも飲みやすいように甘みがつけられていることが多いのですが、そうではないものもあり、飲ませるのに毎回苦労しているという親御さんも多いのではないでしょうか。また、独特の味や苦みをごまかすために、ジュースやヨーグルト、アイスクリームに混ぜて飲ませているというご家庭も多いかと思います。しかし、その場合はいくつか気を付けなければならない飲み合わせがあるそうです。

その代表的なものが、グレープフルーツジュース。齋藤先生によると、「グレープフルーツに含まれる『フラノクマリン類』という有機化合物は、薬を代謝する酵素を邪魔するので、薬が効きすぎてしまいやすい」のだとか。

このフラノクマリン類は、グレープフルーツや文旦(ブンタン)、スウィーティーなどの柑橘系に多く含まれているそうです。そして、これらの柑橘系は、薬と一緒にジュースを飲むだけではなく、果物そのものを一緒に食べることもNGとのこと。

「柑橘系の果物すべてがダメなわけではありません。柑橘系が好きな子には、温州みかんなどを選んでください。その他にも、食べても問題ないものなどは薬剤師に相談してください。

齋藤先生は、他にも「薬を飲むときに注意が必要な飲み物」として、以下を挙げています。

  • 牛乳

    抗菌薬のなかには、牛乳に含まれるカルシウムと結合すると効果が減弱するものがあります。それらの薬を服用する場合には、牛乳はもちろん、ヨーグルトやアイスクリームも避けてください。ただし、効果が下がると言ってもわずかであれば、水で全く飲めないよりは効果が期待できるので、薬剤師に相談してみてください。
  • 緑茶、紅茶、コーヒー

    これらの飲み物にはカフェインが多く含まれています。薬とカフェインを一緒に摂ると、相互作用で、薬の効果を高めたり、弱めたりするものがあるがあるので、カフェインの入っている飲み物はなるべく避けるようにしましょう。
  • ハーブティー

    ハーブティーはカフェインが含まれていないものがほとんどですが、 セントジョーンズワート(西洋オトギリソウ)など、種類によっては薬の効果を高めたり弱めたりするものがあるので注意が必要です。
  • フルーツジュースやスポーツドリンク全般

    お薬を飲みやすくする目的で使用されることが多いフルーツジュースやスポーツドリンクです。しかし、これらの多くが「酸性」のため、苦みを感じにくくするためのコーティングが取れてしまい、かえって薬の苦みが出て、飲みにくくなってしまうことがあります。反対に、フルーツジュースやスポーツドリンクで飲みやすくなるお薬もあるので、一緒に飲ませる場合は、薬剤師に相談しましょう。

薬と納豆は相性が悪い!? 市販薬との飲み合わせは?

齋藤裕里奈(さいとう・ゆりな)さん

薬との食べ合わせの悪い食べ物もあります。齋藤先生によると、そのひとつが「ワーファリンと納豆」だそうです。ワーファリン(一般名:ワルファリンカリウム)は、血液を固まりにくくし、血栓ができるのを防ぐ薬ですが、この飲み合わせにどのような問題があるのでしょうか。

「ワーファリンはビタミンKの働きを妨げることで、血液を固まりにくくする薬ですが、納豆はビタミンKを多く含むうえ、納豆菌が腸内でビタミンKを産生するため、ワーファリンの作用を弱めてしまうのです。しかも、納豆菌は、腸内にいる間はビタミンKを産生し続けます。ですから、間隔を空けるだけではダメです。ワーファリンを服用している間は、納豆を食べるのは避けてください」

また、納豆以外でも、クロレラや青汁などは、緑黄色野菜が凝縮されている分、ビタミンKをたくさん含んでおり、ワーファリンの効果に影響を与えてしまうことがあるそうです。同様に、マルチビタミンのサプリメントも、製品によってはビタミンKの含量が多いものがあるそうです。「製品によって含まれている量はさまざまなので、現物を持参して相談いただくと、一番確実です」と、齋藤先生。他に注意したいのは、以下の組み合わせです。

  • 処方薬と市販薬

    市販薬は、複数の効能を持つものが多くあります。例えば、総合かぜ薬の場合、解熱鎮痛薬や咳止め、抗ヒスタミン薬など、いろいろな成分が入っています。病院や診療所で処方された薬と同じ成分が入っていることが多いため、薬が効きすぎたり、副作用が強く出たりすることがあります。
  • 処方薬と市販薬

    大人用の栄養ドリンクなどにはアルコールが含まれています。そのようなものとお薬を一緒に飲むと、薬の作用を高めてしまい、症状も強くあらわれやすいので、一緒に摂取することは避けましょう。

食後に飲む薬を今すぐ飲みたいときの裏ワザ

ところで、薬を服用するタイミングは「食前」「食間」「食後」などと指定されますよね。食前は食事の30分前、食間は食事と食事の間で食事の2時間後、食後は食事のあと30分以内が目安です。多いのは「食後」ですが、その理由は「飲み忘れを防ぐため」だとか。小さいお子さんの場合、食後はお腹いっぱいになって薬を飲んでくれないこともありますが、食事の影響を受けない薬であれば、ごはんやミルクの前に飲ませても問題ないそうです。

一方、胃に負担をかけやすい薬など、必ず食後に服用すべき薬もあります。大人によく処方される鎮痛剤のロキソニン(一般名:ロキソプロフェンナトリウム水和物)もそのひとつ。ただ、突然痛みが出てしまい、すぐに食事を摂れないこともありますよね。そんなときは我慢するしかないのでしょうか。

「ビスケットを1枚食べるだけでもいいですし、それも難しければ、お薬を服用するときに、水を多めに飲むだけでも、胃への負担はやわらぎます。なお、子どもの解熱・鎮痛剤で処方されるカロナール(一般名:アセトアミノフェン)は、胃に負担がかからないので、空腹時にも服用可能です。

また、食前投与の薬を子どもに飲ませるのを忘れてしまったときはどうすればいいのでしょうか。

「お子さんに出される薬で食前に飲まなければいけないものは少ないですが、抗菌薬の『クラバモックス(一般名:クラブラン酸カリウム・アモキシシリン水和物)』というお薬は食前に服用してください。この抗菌薬には、細菌が作るβラクタマーゼという抗菌薬を分解する酵素を阻害する成分が配合されているのですが、空腹時でなければ吸収が落ちてしまい、十分な効果が得られません。うっかり食事を先に摂ってしまった場合は、食後2時間くらいを目安に飲ませてあげてください」

この薬効いてないかも。判断する方法はある?

齋藤裕里奈(さいとう・ゆりな)さん

薬を飲ませているのになかなか良くならず、主治医に相談すべきか迷うことがありますよね。そんなときに把握しておきたいのが、以下の2点です。

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