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[実践!病院でのコミュニケーションテクニック&秘訣] 2011/01/21[金]

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 現代の医療現場では、自分なりの判断や意思決定が求められます。患者側にだって、治療パートナー(医療者)と上手に対話して、疑問解消・意思伝達できるコミュニケーションスキルがあった方が良いですね。
 ここで紹介する「相談事例」は、患者側視点に基づくもので、実際にはもっと他の背景があったかもしれませんが、「私ならどうするか」を考えてみませんか?

患者さんから実際にあった電話相談

ナースの独断、ドクターの発言、病院の対応に疑問が残ります。(71歳・女性)

 夫は2年前、直腸がんが見つかりました。手術を受けたのですが、その後、肝臓と肺に転移しました。ドクターから「最近注目されている大腸がんの抗がん剤治療で、胸の上部にCVポートというのを埋め込み、持続的に抗がん剤を注入する方法があります。その治療方法なら日常生活に支障がないので、ぜひ試みてみましょう」と言われ、CVポートを埋め込むために入院しました。ところが、CVポートを入れた後に熱が出てしまいました。ドクターから「熱があると抗がん剤が開始できないので、いったん退院して、傷口が落ちつくまで待ちましょう」と言われ、退院しました。
 ところが、退院後、さらに熱が高くなったのです。心配になった私は相談しようと、入院していた病棟に電話をかけました。すると、ナースが電話口に出て、「とりあえずお渡ししてある解熱剤を飲んでください。それでも下がらないなら、坐薬を入れてください」と指示されました。
 その後、薬で熱を抑えているという状態が続いたのですが、1週間もすると、CVポートを入れた部分が赤く腫れてきました。驚いて、夫に付き添って受診しました。診察したドクターは慌てて「ばい菌が入っているから、CVポートはすぐ外します。とりあえず、広範囲に効く抗生物質の点滴を開始します」と言ったのです。私がナースに電話で解熱剤を飲むように言われたことを伝えると、「ポートを入れた直後は体調の変化による熱だと思っていたのですが、退院後にそんな高い熱が出ていたんですか? ナースから報告がなかったので、知りませんでした」と言われ、解熱剤の指示はナースの独断だったことがわかりました。
 その後、ばい菌はブドウ球菌だとわかりました。夫が「CVポートを入れたときにブドウ球菌が入ったのではないのですか?」と聞くと、「あなたのからだが弱いからブドウ球菌が悪さをするのです」と強い調子で言われ、夫はとても傷ついた様子でした。
 結局、ブドウ球菌を抑える抗生物質の治療が長引き、それによって肝機能も悪化したため、抗がん剤治療は受けられず、2ヵ月前に夫は亡くなりました。病院の対応に疑問が残ったままなのですが……。

より良いコミュニケーションを目指そう!患者さんこうしてみては・・・?
 たしかに、免疫力のある元気な人にとっては、ブドウ球菌は弱い菌かもしれません。体力が落ちているからブドウ球菌に勝てず、炎症へと発展したのかもしれませんが、あたかも患者が悪いような言われ方をすると、傷つくのは当然です。なかには、腹を立てる人もいるでしょう。
 病院の対応に疑問が残ったままということですが、そのような場合、「それではこのように解決していきましょう」という一定の解決方法があるわけではありません。「もっと詳しい説明を再度求めたい」「夫がどんな言葉に傷ついたのかドクターにわかってほしい」「傷つくようなことを言ったドクターに謝ってほしい」など、同じような状況に置かれても人によって希望する内容は異なります。つまり、「どうしたいのか」「どうしてほしいのか」によって、“話し合いを求める”“交渉する”など、方法が異なるのです。
 まずは、いまの「納得できない」という思いを少しでも解決するためには、具体的に何を求めたいのか、冷静に考えることが必要だと思います。
より良いコミュニケーションを目指そう!医療機関さんこうしてみては・・・?
 退院後に熱が高くなったことを相談した際、ナースが独断で薬の服用で対処するように指示したのなら、これはやはり問題だと思います。それによって、ブドウ球菌の感染への対応を遅らせてしまった可能性もあるのではないでしょうか。患者の症状の変化はきちんとドクターに伝え、その判断を受けて対応するのが、ナースの役割ではないかと疑問を覚えました。
 また、ブドウ球菌の感染について患者が疑問を伝えた際のドクターの対応も、もう少し言い方があるのではないかと思います。おそらく、免疫力が下がっていたり、体力がなかったりすれば感染から発症しやすくなるという意味を伝えたかったのでしょう。しかし「あなたのからだが弱いから」と言われると、患者が悪いというニュアンスで伝わってしまいます。そのような些細な言葉の違和感の積み重なりが、患者の信頼感を傷つけ、不信感へとつながることも注意が必要ではないでしょうか。
※写真はイメージです

この実例紹介とアドバイスのご提供は・・・


NPO法人
ささえあい医療人権センターCOML

理事長 山口育子

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