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[患者さんの相談事例] 2011/01/07[金]

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 現代の医療現場では、自分なりの判断や意思決定が求められます。患者側にだって、治療パートナー(医療者)と上手に対話して、疑問解消・意思伝達できるコミュニケーションスキルがあった方が良いですね。
 ここで紹介する「相談事例」は、患者側視点に基づくもので、実際にはもっと他の背景があったかもしれませんが、「私ならどうするか」を考えてみませんか?

患者さんから実際にあった電話相談

最近は、大きな病院は紹介状が必要で、紹介状がないと特別料金を請求されると聞きました。(52歳・女性)

 私は、3年前に肺炎と喘息を患いました。それ以来、鼻が詰まりがちで、痰も絡むことが増えてきました。とくに鼻の詰りはひどくなる一方で、何だか変な臭いもするようになってきました。そこで半年ほど前、耳鼻科を受診しました。すると、副鼻腔炎と診断され、漢方薬が出されたのです。「漢方薬は一定期間飲み続けないと効果が出ません」と言われ、この半年間ずっと真面目に服用してきました。しかし、一向に症状は改善しませんでした。
 そうこうしているうちに、先日から目が痛くて開けていられない状態になりました。眼科医院を受診して症状を伝えたのですが、ドクターは簡単な検査をしただけで「何ともありません」と言います。私が副鼻腔炎との関係を心配していると伝えたところ、「副鼻腔炎は耳鼻科の領域ですから……。もっと詳しい検査を受けて、なおかつ副鼻腔炎との兼ね合いを調べるのなら、眼科と耳鼻科の両方がある大きな病院に行ってください」と面倒くさそうに言われてしまいました。
 このままでは症状の改善は望めそうにないので、大きな病院できちんと検査を受けようと思っています。しかし最近は、大きな病院は紹介状が必要で、紹介状がないと特別料金を請求されると聞きました。しかし、紹介状を書いてもらうのにも費用がいるらしいですね。紹介状を持っていくのと、紹介状を持たずに大きな病院に行くのとでは、どちらが安くなるのでしょうか。

より良いコミュニケーションを目指そう!患者さんこうしてみては・・・?
 たしかに、紹介状は「診療情報提供書」と呼ばれ、診療報酬点数で「診療情報提供料 250点」と定められています。しかし、紹介状を書いてもらうためには受診しなければなりませんから、診療所ならば、再診料69点と外来管理加算52点、(医療費の)明細書発行体制等加算1点は最低でも請求されると思います。そうすると、診療所に支払う費用は3割負担で1,120円です。
 一方、200床以上の病院に紹介状を持参せずに行くと、初診時に特別料金が請求されます。この費用は、病院ごとに決めていいことになっているので、額は一定ではありません。特別料金が上記の1,120円以下なら紹介状を持参しないほうが安いと言えますが、その場合、検査などが二重に必要になって、その分の費用がかかる可能性もあります。
 ですので、一概に料金だけで決めず、状態に合わせて紹介状の必要の有無を判断することが大切です。
より良いコミュニケーションを目指そう!医療機関さんこうしてみては・・・?
 検査をしたけれど、異常はみられない。しかし、症状を訴える、という患者さんに「ドクターは冷たい」という相談はよく届きます。症状がある以上、患者はそれを認めてもらいたい、何とか楽になる方法を一緒に考えてもらいたいと思うものです。やはり親身に相談に乗る姿勢が必要ではないでしょうか。
 最近は、医療費の明細書が発行されるようになったこともあり、医療費に関心を向ける患者さんは増えつつあります。COMLに届く相談のまさに13%が医療費に関係する内容です。もちろん、COMLでは「安い方を選びましょう」と安易にお勧めはしていません。患者さん一人ひとりの状態に合った選択をアドバイスしています。ただ、この方のように考える患者さんが登場していることも事実です。
※写真はイメージです

この実例紹介とアドバイスのご提供は・・・


NPO法人
ささえあい医療人権センターCOML

理事長 山口育子

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