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[患者さんの相談事例] 2015/03/20[金]

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 現代の医療現場では、自分なりの判断や意思決定が求められます。患者側にだって、治療パートナー(医療者)と上手に対話して、疑問解消・意思伝達できるコミュニケーションスキルがあった方が良いですね。
 ここで紹介する「相談事例」は、患者側視点に基づくもので、実際にはもっと他の背景があったかもしれませんが、「私ならどうするか」を考えてみませんか?

患者さんから実際にあった電話相談

二重まぶたのプチ整形後、左目に起きた痛みが処方された目薬で悪化。賠償してもらうことはできるでしょうか。
(27歳・女性)

 私は、1か月半前、美容整形クリニックで両目とも二重まぶたにするプチ整形を受けました。とても簡単な方法という謳い文句だったので、軽い気持ちで受けた整形でした。
 ところが、整形したあと、左目だけ痛みがひどくて、3日目にはまぶたが開かない状態になってしまったのです。怖くなって美容整形クリニックに電話をかけたのですが、手術をした院長がすぐにつかまらず、夜になってようやく診てもらうことができました。
 診察をした院長は、「手術はうまくいっています。手術直後は炎症が起きることもあるので、この目薬を差してしばらく様子を見てください。一応、知り合いの眼科クリニックへの紹介状は書いておくので、ひどくなるようだったら受診してください」と言われました。
 出された目薬を差して様子を見ていたのですが、症状が治まるどころかひどくなる一方で、5日もすると痛みは激痛になり、夜には左目が完全に開かなくなってしまいました。放っておいて更にひどくなったら困ると思い、眼科のある救急診療所を受診したのですが、「眼の表面を覆っている膜に傷がついています。そこにウイルスが入ったのでしょう」と言われました。そして診断書を書いてくれて、「これを美容整形外科クリニックに持って行きなさい」と渡されました。
 私はもう1軒、セカンドオピニオンを受けたくなって、美容整形外科クリニックが紹介してくれたのとは異なる眼科を受診してみました。すると、「こんな状態のときに、この目薬を使ったら、悪化するだけだ。ここまでひどくなったのは、目薬が原因」と言われたのです。そして、その眼科でも「診断書を書いてあげるから、美容整形外科クリニックと交渉しなさい」と言ってくれました。
 私はまず目の治療が先決と思って、交渉する前に治療に通いました。お陰で、視力も少しずつ戻り、まぶたも開くようになってきています。しかし、その一方で、精神的なダメージが強くて、体調も大きく崩してしまったのです。職場の上司は「弁護士に頼んで賠償してもらうべきだ」と言いますが、どれだけ費用がかかるかもわからず、一歩が踏み出せません。どうすればいいのでしょうか。

より良いコミュニケーションを目指そう!患者さんこうしてみては・・・?
 軽い気持ちで受けたプチ整形で、まさかこんな大変な思いをするとは考えもされなかったことでしょう。まずは落ち着いて冷静に考えることができるまで、慌てて行動を起こす必要はないと思います。
 受けた医療に納得がいかないとき、「こういう場合は〇〇の解決策をとる」と方法が決まっているわけではありません。納得いかない結果になった原因を究明するのか、謝罪や賠償を求めるのかなど、求める内容によって手段も違ってきます。また、美容整形クリニックということなので、病気やケガで受診する医療機関とは契約自体が異なります。もし、上司に勧められているように弁護士に代理人になってもらいたいと希望するなら、まずは相談してみて、どんな方法があり、費用はいくらぐらいかかるのか、具体的に聞いてみてはどうでしょう。それから判断しても遅くはないと思います。
より良いコミュニケーションを目指そう!医療機関さんこうしてみては・・・?
 美容整形の場合、人目を引く言葉で宣伝されるので、その言葉に誘われたり鵜呑みにしたりして、結果「こんなはずではなかった」という相談になって届くことが多くあります。確かに希望して治療を受けるわけですが、結果に満足いかなければトラブルに発展します。やはりマイナス面は事前にきちんと説明し、納得いかない結果になった場合でも、真摯に向き合う姿勢が必要だと思います。
※写真はイメージです

この実例紹介とアドバイスのご提供は・・・


認定NPO法人
ささえあい医療人権センターCOML

理事長 山口育子

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