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[患者さんの相談事例] 2016/01/22[金]

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 現代の医療現場では、自分なりの判断や意思決定が求められます。患者側にだって、治療パートナー(医療者)と上手に対話して、疑問解消・意思伝達できるコミュニケーションスキルがあった方が良いですね。
 ここで紹介する「相談事例」は、患者側視点に基づくもので、実際にはもっと他の背景があったかもしれませんが、「私ならどうするか」を考えてみませんか?

患者さんから実際にあった電話相談

薬局でプライバシーに配慮することなく、病気のことを詳しく聞かれ、不愉快な思いをしました。(71歳・女性)

 先日、足にできた魚の目を取ってもらうため、皮膚科を受診しました。その際、化膿予防にと塗り薬が処方されたので、ときどき利用している調剤薬局に処方せんを持っていきました。
 すると、薬を渡す前に薬剤師がいきなり「どこが悪いのですか?」と聞くのです。その薬局はあまり広くないので、周りにやりとりが丸聞こえです。私はほかの患者さんに自分の病気のことを知られたくないので、「皮膚科にかかりました」と漠然と答えました。すると、「それは○○皮膚科クリニックから出された処方せんだからわかっています。そうではなくて、どのような病名で、何の目的でこの薬が処方されたと聞かれているかを確認したいのです」と言います。私は思わずカッとなって「どうしてそんなことをあなたに言わないといけないのですか」とトゲのある言い方で返してしまいました。薬剤師は「すみません」と謝っていましたが、きっと私がなぜ気分を害したのかは理解できていないと思います。
 最近は薬局で根掘り葉掘り病気のことを尋ねられることが増えましたが、何も考えず、質問攻めにしている印象です。伝えて何か意義があるなら伝えますが、せめてほかの患者がいるときには聞こえない配慮をしてもらいたいのです。今度から同じ状況になったときは、どう言ったらわかってもらえるのでしょうか。

より良いコミュニケーションを目指そう!患者さんこうしてみては・・・?
 確かに、何の目的で質問されているかわからなければ、病気はプライバシーに関する情報なのでご納得がいかないことと思います。
 実は、薬剤師にはさまざまな役割があり、薬剤情報提供をすることも法律で義務として定められています。それ以外にも、どのような医薬品がこれまで処方されて、アレルギーや副作用が出たかを記録している「薬剤服用歴管理」、他院で出されている医薬品と重複していないかや過去に副作用が生じた経験がないか、量や飲み合わせに問題はないかを処方監査し、疑問があれば処方医に確認する「疑義照会」、さらには飲み忘れなどで余っている薬があれば整理する「残薬整理」などが基本的な役割です。
 そこで、患者さんにできることとして、質問されている意図がわからなければ「それは何のために聞いてくださっているのですか?」と確認したり、ほかの患者に聞かれたくないときには「ちょっとほかの方に聞こえる状況では話しづらいのですが・・・」と伝えたりしてみてはどうでしょうか。想いを言語化して伝えることは大切なことだと思います。
より良いコミュニケーションを目指そう!医療機関さんこうしてみては・・・?
 薬剤師の役割が患者さんに理解されていないと、質問の目的がわからず、ただ単に「根掘り葉掘り聞かれる」という不満しか残りません。そのため、COMLでは薬剤師の役割の“見える化”の必要性を薬剤師さんに伝える機会があれば強くアピールしているところです。
 また、薬局内で大きな声で病気や薬の話をすることで、ほかの患者や家族にその内容が丸聞こえになるというプライバシーの問題もあります。せめて、「病気や薬について立ち入った話をしたいのですが、このままここでお話ししてもよろしいでしょうか」という確認の一言はほしいものです。
※写真はイメージです

この実例紹介とアドバイスのご提供は・・・


認定NPO法人
ささえあい医療人権センターCOML

理事長 山口育子

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