[実践!病院でのコミュニケーションテクニック&秘訣] 2017/02/24[金]

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 現代の医療現場では、自分なりの判断や意思決定が求められます。患者側にだって、治療パートナー(医療者)と上手に対話して、疑問解消・意思伝達できるコミュニケーションスキルがあった方が良いですね。
 ここで紹介する「相談事例」は、患者側視点に基づくもので 、実際にはもっと実際にはもっと他の背景があったかもしれませんが、「私ならどうするか」を考えてみませんか?

患者さんから実際にあった電話相談

脳動脈瘤の手術後、左半身の麻痺が判明。原因は不明と言われましたが…。(55歳・女性)

 農業を営んでいる夫(56歳)は、積極的な品種改良や販路の拡大に取り組んでおり、地域の農業の牽引役を担っています。本人はとても仕事にやりがいを感じていて、それだけに「からだが資本」と健康に人一倍気をつけ、毎年欠かさず人間ドックを受けていました。3年前には「そろそろ50歳代半ばにさしかかったので、さらに詳しく調べておきたい」と脳ドックも受けました。ところがその結果、脳動脈瘤が見つかったのです。そこで地域の基幹病院に脳ドックの結果を持って受診したところ、「動脈瘤は難しい部位にできているので、手術をするには危険を伴います。幸いまだ小さいので、大きくならないなら経過観察を続けていきましょう」と言われ、定期的に検査を受けることになりました。

 動脈瘤は少しずつ大きくなっていたのですが、3か月前の定期検査で「さらに大きくなっています。もう手術をしないほうが危険な状態になってきました」と言われ、手術を受けることになりました。術前に、血管のどのような部分に動脈瘤ができていて、何が難しいのか、とても詳しい説明を受けました。そのため、手術手技の難しさに伴う合併症は覚悟のうえで手術に臨みました。

 手術の結果、恐れていた合併症は起きなかったと言われてホッとしたのもつかの間、「じつは、左手と左足に麻痺が生じています。どうやら脳梗塞が起きたようです」と担当医から説明がありました。すぐにリハビリが始まり、回復期リハビリテーション病棟がある病院に転院し、現在も入院してリハビリを受けています。夫にはまだ伝えていないのですが、ドクターから「麻痺はどうしても残りますから、仕事に完全復帰するのは無理でしょう」と言われています。いまは仕事に復帰するどころか、装具をつけてようやく歩ける状況です。夫は自分でも薄々回復は難しいと感じているようで、つねに鬼のような怒りの表情で無口になり、精神状態が悪化しているように思うのです。

 手術をしてくれたドクターは、脳梗塞が起きた原因については「わからない」と言っています。しかし、夫が仕事に復帰できないというのは私たち家族にとって死活問題です。せめて原因を明確にして、何らかの補償をしてもらう方法はないのでしょうか。

より良いコミュニケーションを目指そう!患者さんこうしてみては・・・?
 ご本人にとっても、ご家族にとっても深刻な問題だと思います。とくにご本人は意のままにならないからだの状態に焦りや怒り、将来の不安など、持って行き場のない感情を抱え、鬼のような形相になっておられるのでしょう。
 完全な仕事への復帰が無理なことはまだお伝えになっていないとのことですが、ご家族で本音の会話ができていないことで、患者さんが自分の思いを吐き出す場がないのかもしれません。まずは患者さんの思いに耳を傾けてみる努力をされてみてはどうでしょうか。
より良いコミュニケーションを目指そう!医療機関さんこうしてみては・・・?
 脳梗塞が起きた原因について、明確に限定することはできないかもしれませんが、まずは一般論でもいいので脳動脈瘤の手術で脳梗塞が起きる場合の原因の可能性について説明が必要だと思います。そのような場合、ややもすると責任がないことを強調してしまいがちですが、それが言い訳に聞こえると不信感を招いてしまいかねません。どれだけ真摯に誠実な説明をするかが大切だと思います。
※写真はイメージです

この実例紹介とアドバイスのご提供は・・・


認定NPO法人
ささえあい医療人権センターCOML

理事長 山口育子

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