[実践!病院でのコミュニケーションテクニック&秘訣] 2017/02/10[金]

いいね!つぶやくはてなブックマークGooglePlus

 現代の医療現場では、自分なりの判断や意思決定が求められます。患者側にだって、治療パートナー(医療者)と上手に対話して、疑問解消・意思伝達できるコミュニケーションスキルがあった方が良いですね。
 ここで紹介する「相談事例」は、患者側視点に基づくもので 、実際にはもっと実際にはもっと他の背景があったかもしれませんが、「私ならどうするか」を考えてみませんか?

患者さんから実際にあった電話相談

受付に、“受診をキャンセルしたい”と伝えたはずなのに診察室へ。結局、医療費を請求されました。(37歳・男性)

 私は病気がちで、仕事に就いても長続きできず、職場を転々と変えています。今の職場は働き始めてまだ2週間なので、試用期間である2ヵ月が無事経過しないと社会保険には加入しないと言われています。そのため現在は無保険の状態です。

 3日前、頭痛がひどくなり仕事を休みました。以前からある筋緊張性頭痛が悪化したのだと思います。職場の上司から、「診断書があれば一定の受診費用は出るから、受診して提出しなさい。ただし、過剰な検査は認められないから、できるだけ費用を抑えるように」と言われました。

 そこで近くの脳神経外科クリニックに行き、まずは受付で「頭痛がひどいのですが、どんな検査になりますか?」と聞いたところ、「それは診察をした結果、先生が判断することなので、受付ではわかりません」と言われました。「保険証がないのですが、CTを撮ったらおいくらになりますか?」と確認すると、「自由診療だと3万円以上はかかります」と言われたので、「そんなに高いなら、受診はやめます」と言うと、「CTを撮るとは決まっていませんから、先生と相談してください」と、待合室で待つように言われました。

 その後、診察室から呼ばれたので、中に入ってドクターに「受診はキャンセルしたいのです」と伝えたのですが、症状は聞かれるままに答えました。その結果、会計で約9,000円の請求をされたのです。

 私としては受付でも診察室でもキャンセルを伝えたので、受診したつもりはありません。そもそも、どんな買いものをするときでも、事前にいくらかかるか提示されるのが普通だと思います。それなのに事前にいくらかかるどんな検査や治療をするのか知らされないまま、あとから請求されることに納得がいきません。そのときは9,000円の持ち合わせもなかったので、支払わずに帰ってきました。どうすればいいのでしょうか。

より良いコミュニケーションを目指そう!患者さんこうしてみては・・・?
 確かに一般的な買い物は品物に値札がついていたり、事前に見積もりが提示されたりします。ただ医療を受ける場合は、症状を聞いたうえでドクターが必要な検査や治療方法を提示するので、受付などの事前の段階で判断することができないという特殊性があります。それだけに、まずは診察室でドクターから問診を受ける必要があり、その段階で医療費は発生します。それだけに、もし受診自体をキャンセルするとすれば、受付でのやりとりの後、その医療機関から出る必要があるのです。保険証がないため費用は全額自己負担になり負担が重くなりお気の毒ですが、医療を受ける際のルールだとご理解いただく必要があると思います。
より良いコミュニケーションを目指そう!医療機関さんこうしてみては・・・?
 受付で患者さんが費用のことについて質問をした段階で、何を気にしているのかもう少し丁寧に確認できていれば、患者のニーズが理解できて対応も変わったのではないかと思います。また、「キャンセル」という言葉についても、具体的に何をキャンセルしたいと言っているのか確認していれば、診察室から呼ぶこともなかったのかもしれません。やはりトラブルを防ぐためには、目の前の患者が何を考え、希望しているのか、しっかりと理解する努力が欠かせないと思います。
※写真はイメージです

この実例紹介とアドバイスのご提供は・・・


認定NPO法人
ささえあい医療人権センターCOML

理事長 山口育子

おすすめの記事

この記事を読んだ人は他にこんな記事も読んでいます。
記事の見出し、記事内容、およびリンク先の記事内容は株式会社QLifeの法人としての意見・見解を示すものではありません。
掲載されている記事や写真などの無断転載を禁じます。

一言コメント

コメントが0件あります

コメント(0件)

  • コメントはまだありません。

コメントをどうぞ!(コメントは承認後、公開されます)

ニックネーム※必須公開されます
メールアドレス※必須公開されません
URL(サイトをお持ちの方)
メッセージ※必須