[実践!病院でのコミュニケーションテクニック&秘訣] 2017/03/24[金]

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 現代の医療現場では、自分なりの判断や意思決定が求められます。患者側にだって、治療パートナー(医療者)と上手に対話して、疑問解消・意思伝達できるコミュニケーションスキルがあった方が良いですね。
 ここで紹介する「相談事例」は、患者側視点に基づくもので 、実際にはもっと実際にはもっと他の背景があったかもしれませんが、「私ならどうするか」を考えてみませんか?

患者さんから実際にあった電話相談

治療に不満を訴えたところ、治療費を返す代わりに、今後一切関わらないと約束してくれと言われ…。(48歳・女性)

 私は若いころから歯が弱く、40歳代になって以降、入れ歯が14本あります。その多くが最近ぐらつき始めたので、どんな治療を受ければいいのかいろいろ調べてみました。そして、インプラント治療を受けてはどうかと考えるようになりました。そこでインターネットで検索を繰り返し、インプラント治療を安価でおこなっている歯科医院を探しました。すると、お手軽な値段でインプラント治療をしている歯科医院が見つかったので、受診することにしました。

 その歯科医院では丁寧に口のなかの状態を確認してくれて、「これならインプラントにしなくても、セラミックで入れ歯を作ることができますよ。インプラントより経済的な負担もかなり軽く済みます。14本一挙に治してしまいましょう」と言われました。無理にインプラントを勧めることもなく、さらに安い治療を提案されたことに誠実さを感じ、とても嬉しくなって、即答で治療をお願いしました。そして、前払いで70万円支払い、治療が始まったのです。

 ところが、セラミックの入れ歯の治療が進むにつれ、痛みが生じるようになりました。日増しに痛みがひどくなるので歯科医に伝えるのですが、何度訴えても「そんなはずはないんですけど…」と言葉を濁すばかりで、きちんと対応してもらえませんでした。

 あまりに続く痛みに我慢できなくなり、ある日別の歯科医院を受診しました。すると、セラミックの入れ歯が合っていないのが痛みの原因なので、外すしかないと言われました。そのうえ、前の入れ歯を外した部分の穴が大きいので、すぐに治療はできない状態だと言われました。

 私は思い余ってセラミックの入れ歯を入れた歯科医院に行き、別の歯科医の見解とかなり不自由を強いられる結果になったことを伝え、納得いかないと訴えました。すると歯科医は私の話を遮るように「70万円は返金します。その代わり、今後いっさいこのことで交渉はしない、当院に連絡や訪問もしないと一筆書いてください」と言われてしまったのです。治療費を返しただけで、すべて解決に持っていこうとする態度に納得できず、一筆は保留して帰ってきました。そのため、治療費の返金も受けていません。こんな一方的な言い分に応じないと返金してもらえないなんて、納得できません。

より良いコミュニケーションを目指そう!患者さんこうしてみては・・・?
 確かに歯科医師の対応は一方的だと思います。その態度を変えず今後も同じ主張を繰り返すかもしれませんが、もしかしたら突然の訴えに感情的になってしまい、思わず言葉を遮って言ってしまったのかもしれません。そこで、あなたとしては何を求めたいのか具体的に整理して考えたうえで、もう一度冷静に話し合いと申し出てみてはいかがでしょうか。それでも応じてもらえないようなら、何ができるか弁護士に相談するのも一つの方法かと思います。
より良いコミュニケーションを目指そう!医療機関さんこうしてみては・・・?
 納得できないと訴えてきた患者に対してどう対応するかによって、患者側の受ける印象は大きく異なりがちです。まずは、治療中に痛みが発生した際は、その原因をつきとめ対応するのが当然の対応だと思います。それなのに、痛みを訴えたときに適切な対応がなかったために痛みが継続し、そのうえ入れ歯は外して、しばらく治療もできないとなると、やはり日常生活に支障をきたすわけです。そのことについて配慮ある言葉かけもないままに、「お金を返すから今後いっさい文句は言うな」と紋切型に対応したのでは、患者も頑なな気持ちになってしまいます。やはり基本は患者の訴えをしっかりと受け止めたうえで、誠実で真摯な姿勢での対応をすることだと思います。
※写真はイメージです

この実例紹介とアドバイスのご提供は・・・


認定NPO法人
ささえあい医療人権センターCOML

理事長 山口育子

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