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[患者さんの相談事例] 2017/04/07[金]

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 現代の医療現場では、自分なりの判断や意思決定が求められます。患者側にだって、治療パートナー(医療者)と上手に対話して、疑問解消・意思伝達できるコミュニケーションスキルがあった方が良いですね。
 ここで紹介する「相談事例」は、患者側視点に基づくもので 、実際にはもっと実際にはもっと他の背景があったかもしれませんが、「私ならどうするか」を考えてみませんか?

患者さんから実際にあった電話相談

高齢の夫に見つかった皮膚がん。治療すべきか悩んでいます。(78歳・女性)

 86歳の夫は、仕事をしていた若い頃は病気知らずで元気な人だったのですが、70歳代後半からさまざまな病気にかかるようになりました。これまでにも脳梗塞や低血糖などで半年に一度は入院し、何度も入退院を繰り返しています。現在も半年前に誤嚥性肺炎を起こして入院して以来、なかなかよくならず、入院が継続している状態です。

 ところが先日、皮膚がんが新たに見つかりました。主治医は「当院に皮膚科はないし、私も専門外なので、大学病院を紹介することもできますよ」と言ってくれています。しかし子どもたちは、「いま痛みを訴えているわけではないし、これまでの病気のことを考えると、体力的に手術や抗がん剤治療なんて無理だ。穏やかにこのまま入院を継続しよう」と言います。確かに私も夫の年齢を考えると、積極的な治療をとは思っていませんが、何もしないというのもかわいそうな気がします。主治医に意向を伝えることになっているのですが、どう伝えていいものかと悩んでいます。

より良いコミュニケーションを目指そう!患者さんこうしてみては・・・?
 病気が見つかり、放置すれば悪化していくことがわかりながら、何もしないというのは、身近で見ているご家族にとってはつらいことも多いと思います。まずはこの患者さんの状態で、もし治療をするとすればどのような方法があるのか、そのなかで実際にできそうな治療は何なのか、それらは何を目的におこなうものなのか(治癒、進行を防ぐ、とりあえずできることはそれぐらいなど)を確認したうえで改めて考えるという方法もあるかと思います。また、このまま何もしなかった場合、どのように症状が進行する可能性が高いのかを確認しておくことも判断する際の参考になるかもしれません。それをするためにはどうすればいいかを主治医に相談してみてはどうでしょうか。
より良いコミュニケーションを目指そう!医療機関さんこうしてみては・・・?
 これから複数の慢性疾患を抱えた高齢者が増えるなかで、同様の問題は多く起きると思います。この患者さんの場合も、ご本人は意思表示ができる状況にはないとのことでした。それだけに家族の間で意見が分かれると、選択は難しくなります。このようなご相談が届くたびに、やはり若くて元気なうちから病気になったときのことを話し合っておく必要性を痛感します。
 最近では、ACP(アドバンス・ケア・プランニング)という考え方が注目され、今後予想される変化にも備え、患者側の意思表示を促し、文章化して医療者と共有する試みがなされていると聞きます。やはり患者側だけで先のことを予測して意思表示をするのは困難なことが多いだけに、「共に考える」という姿勢を医療側には示していただくことが必要だと思います。
※写真はイメージです

この実例紹介とアドバイスのご提供は・・・


認定NPO法人
ささえあい医療人権センターCOML

理事長 山口育子

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