[内視鏡検査] 2016/07/12[火]

7月14日(な・い・し)は「内視鏡の日」って知っていますか?

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7月14日(な・い・し)は「内視鏡の日」。内視鏡医学研究振興財団が制定し、日本記念日協会からも認定を受けています。胃や大腸などの消化器疾患の早期発見、早期治療において重要な役割を担う内視鏡医学のさらなる発展と普及を願ったものです。

7月14日の「内視鏡の日」に合わせ、世界で初めて胃カメラの実用化に成功したオリンパスは、毎年、内視鏡検査に関する意識調査を行っており、今年で11回目を迎えます。全国の20歳以上の男女を対象に行われたインターネット調査(2016年2月10日~3月23日)では、25,000人以上の回答が得られました。

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今回のアンケートでは、新たな胃がん検診制度(後述)についての質問を設けており、そのうちのひとつ、「もし、あなたが胃がん検診を受けるとしたら、胃部X線検査と胃内視鏡検査のどちらを選択しますか?」という質問に対しては、全体の約64%が胃内視鏡検査を選択し、約36%が胃部X線検査を選びました。特に、胃内視鏡検査の受診経験者の約77%が次も内視鏡検査を選択しました。胃内視鏡検査を選択した理由第1位は「精密な検査ができると思ったから」が約56%、一方胃部X線検査を選択した人の理由1位は「身体への負担が少なそうだから」で約40%でした。

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今年度から新たに胃内視鏡検査が対策型胃がん検診に推奨

2015年に発行された「有効性評価に基づく胃がん検診ガイドライン」2014年度版では、胃内視鏡検査は複数の観察研究で死亡率減少効果を示す証拠が確認されたため、従来推奨されていた胃部X線検査と同様に「推奨」とされました。これを受けて、2016年2月4日に「がん予防重点健康教育及び検診実施のための指針の一部改正について」(健発0204 第13号厚生労働省健康局長通知)が発せられ、この改正により、2016年4月1日から、胃がん検診の項目は、問診に加え50歳以上を対象に2年に1回、胃部X線検査か胃内視鏡検査のいずれかを選択できるようになりました。胃部X線検査に関しては、当面40歳以上を対象としてもよく、また年1回の実施でも差し支えないとしています。

早期発見と治療が、がん生存率を向上。定期的な検査の重要性

図3国立がん研究センターがん対策情報センター(生存率データより作成)

がんは、進行度によって、生存率も異なります。がんと診断され5年後も生きている人の割合を「5年生存率」といい、予後やがんの悪性度の指標となっています。胃がんの進行度別の5年生存率は、がんが胃だけで増殖している段階(限局)では95%を超えますが、周りの臓器やリンパ節に広がっていたり(領域)、がんが遠く離れた臓器にまで広がっていれば(遠隔)5年生存率は大幅に下降してしまいます。

早期に治療を開始した方が、5年生存率が高く、早期に発見し早期に治療を行うことが大変重要であると言えます。

しかし、胃がん検診の受診率は、2007年が28.7%、2010年が30.1%、2013年が36.7%と年々高くなってはいますが、まだ十分な受診率とはいえません。早期のがんは、自覚症状も出にくいため症状がなくても検査によって発見できることもあります。がんが検査で見つかるようになるまでには、がんの種類によって多少異なりますが一定の期間がかかります。そのため必要以上の検査は必要ありませんが、検査が必要とされる年齢になったら、定期的な検査を受けることが大切です。もちろん、何らかの症状や異変を感じた場合は、年齢に関係なく、医療機関に早めに相談するように心がけましょう。

出典:国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」

提供:オリンパス株式会社

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