[ヘルスケアニュース] 2025/08/28[木]

いいね!つぶやく はてなブックマーク

命にかかわる病気を発症するリスクに

 みなさんは、「肥満」と「肥満症」の違いを知っていますか?

 肥満はBMIが25以上の状態のことですが、肥満症は、肥満であることに加えて、さまざまな生活習慣病の発症や悪化と影響し合うほか、脳卒中、心筋梗塞などの発症リスクを高める深刻な病気です。医療機関で治療を受けることが推奨されています。ところが、肥満症で適切な治療を受けている人は多くないといわれています。


協定締結式の様子(ノボ ノルディスク ファーマ提供)

 治療の大きなハードルとなっているのが、「スティグマ」の存在です。遺伝的な要因、経済的な要因などが複雑に絡み合って肥満や肥満症になることがわかっていますが、「自己責任」「努力不足」といった誤った理解が広がっており、受診を躊躇する原因となっています。

 こうした中、肥満症対策を通じた健康寿命延伸を目指し、青森県弘前市と製薬会社のノボ ノルディスク ファーマが2025年8月28日、弘前市で連携協定を結びました。9月から事業を開始するとしています。

 連携協定の概要は以下の通りです。

  • 弘前市の事業である「20・30代健診」受診者のうち肥満症高リスクの未治療者に、保健師等から専門医療機関への受診勧奨を行う。また、専門医療機関と連携しながら保健指導を実施する。
  • 肥満症の啓発資材や受診勧奨のチラシを作成し提供する。
  • 市民公開講座等や、保健師等への研修会を開催する。

 協定を結ぶことで、▼肥満症に関する知識の向上、▼肥満症患者さんが適切な肥満症治療を受けることができる機会の増加、▼透析などの合併症予防による将来的な医療費の軽減、▼肥満症治療の発展――を期待するとしています。

20代、30代から肥満症予防に取り組むことが必要

 協定締結式で弘前市の櫻田宏市長は、「弘前市では、肥満傾向にある小学5年生の割合が全国的にみても高い」「弘前市が独自に実施している20・30代健診の結果、2021年度から2024年度にかけて、肥満者の数が増加傾向にある」と問題視し、「生活習慣病に進展しないように、20代、30代から肥満症予防に取り組む必要がある」と強調。「本事業でも、若い世代への生活習慣病の発症・重症化予防に重点を置いて取り組みたい」と意欲を見せました。

 ノボ社は、千葉県千葉市、愛知県春日井市、北海道旭川市とも肥満や肥満症対策で連携協定を締結しています。同社のキャスパー・ブッカ・マイルヴァン社長は、「自治体との連携協定を通して、肥満症高リスク者が適切な検査・治療を受けるためのシステムを構築し、全国への普及を目指したい」としました。

 肥満症の疑いを指摘されたら、「自分だけでがんばろう」と思わずに、医療機関への相談を前向きに考えてみてくださいね。(QLife編集部)

肥満症に関する
この記事を読んだ人は
他にこんな記事も読んでいます。
記事の見出し、記事内容、およびリンク先の記事内容は株式会社QLifeの法人としての意見・見解を示すものではありません。
掲載されている記事や写真などの無断転載を禁じます。