[女性に多い病気] 2011/02/10[木]

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 不定愁訴(ふていしゅうそ)という言葉を知っていますか?
 動悸やのぼせ、頭痛、不眠など人によって内容は様々ですが、自律神経系が関与する自覚症状があり、その症状の強弱や内容が字のごとく「定まらない秋の心」のように変化します。しかし、外観や検査データなどで確認できない症状が多いこともあって、本人以外に判りにくく、周囲から理解されずに苦しむ人が少なくないようです。
 QLifeでは20代・30代の女性に対して、不定愁訴の実態調査を行いました。有効回答6,355人のうち、フルタイム就業者と完全無職者とで年代ごとに同数になるように割付集計しました。

 その結果によると、「不定愁訴」という言葉の認知率は33.8%でした。50%の人が、PMS(月経前症候群)以外で毎月「不定愁訴」に悩まされており、症状の内容は、「だるい・疲れがとれない」「イライラする」「頭痛」など多岐にわたりました。
 また、PMS以外で「不定愁訴」ある人のうち、医師相談経験があるのは20.2%。42.6%は何もせず「我慢する」をメイン対処法としているようです。
 「不定愁訴は女性に多い」と79.0%が思っており、それは「女性の社会的ハンデ」と66.0%が考えていることがわかりました。これを軽減するには、男性・会社など周囲の理解促進と、「休みを取りやすく」など制度・施設面の改善が有効と考える人が多いという結果でした。

1:「不定愁訴」(ふていしゅうそ)という言葉を知っていますか?

「不定愁訴」という言葉の認知率は33.8%、内容理解率は14.5%であった。これらの比率は、年齢が高まるに伴って上昇し、30代後半では認知率37.8%となる。また、フルタイム就業者の方が無職の人よりも、認知していた。

2:月経周期とは関係なく、具体的・深刻な病気が原因でないのに、なんとなく体調がすぐれない状態になることがありますか。

※以下の数値は、「現在、深刻な病気にかかっている」(=全体の4.2%)を、母数から除外して集計

PMS以外で毎月「不定愁訴」に悩まされる人が50.0%に及ぶことが分かった(「深刻な病気にかかっている人」を母数に含めた集計では47.9%)。うち36.3%が、「月1回程度x1-3日以内」の不調だが、なかには頻度=週1-2回程度だったり、長さ=1週間以上という人もいる。就業状況別では、フルタイム就業者の方が「PMS以外の不定愁訴」に悩む人は少ないが、これは前問と同じく、症状によってはフルタイム就業が困難で結果として「フルタイム就業者」群における不定愁訴を抱える人の割合が低くなっている可能性が考えられる。

3:「不定愁訴」時の、具体的症状を教えてください

※【2】で「月経周期と関係ない不定愁訴がある」と回答した人(=全体の47.9%)に質問

「月経周期と関係ない不定愁訴がある」人に、症状の内容を訊いたところ、最も多いのが「だるい・疲れがとれない」(82.8%)で、次いで「イライラする」(60.6%)、そして「頭痛」(56.5%)、「肩こり・腰痛」(54.3%)、「憂鬱」(43.1%)、「無気力」(43.1%)が多い。

また、現れる症状には次の傾向がうかがえる。
– 加齢に伴い増加=「肩こり・腰痛」「頭痛」
– 加齢に伴い減少=「だるい・疲れ」「吐き気」「胃もたれ」「目の疲れ」「貧血」「めまい」「緊張」「無気力」
– 有職の方が多い=「頭痛」「めまい」を除く、身体的症状
– 無職の方が多い=精神的症状


4:「不定愁訴」の症状を、医師に相談したことがありますか

※【2】で「月経周期と関係ない不定愁訴がある」と回答した人に質問

「月経周期と関係ない不定愁訴がある」とした人に、その症状を医師に相談するか否かを問うたところ、全体の20.2%しか、相談していなかった。30代の方が20代よりも受診率が低い。

医師に相談しない理由

「医師に相談しない」と回答した人に、その理由を訊いたところ、次の通りであった。
★印の合計すなわち「不定愁訴を相談できる医療機関が分からないから受診しない人」、は21.1%であった。これに、☆印の合計すなわち「不定愁訴は、診療の対象であると考えていないから受診しない人」、を加えると49.3%に上る。つまり、「現在の受診経験者20.2%」と比べて、同数近い16.8%(=未受診者79.8%x21.1%)、ないし2倍の39.3% (=未受診者79.8%x49.3%)が、適切な情報がないために受診していない層として存在する。

病気ではない/この程度の理由で病院に行くべきでない ☆ 18.00%
しばらくすれば治る 16.20%
症状が軽い 10.50%
面倒/体調悪い時には動きたくない 9.00%
どうせ解決しない/「どこも悪くない」「気のせい」と言われる/相手にしてくれないと思う ★ 8.60%
時間がない/忙しい/休みを取れない 8.30%
お金がかかる/金銭的余裕がない 6.00%
何科に行けば良いか分からない ★ 5.60%
症状を説明しにくい/どう相談すればよいか分からない ★ 5.60%
自分で原因が分かっている/ただの疲れ ☆ 5.30%
病院嫌い/薬が嫌い/精神疾患と診断されたくない ☆ 4.90%
いつものこと/慣れている 2.60%
市販薬で治る/寝れば治る/マッサージ等で治る 1.90%
かかりつけ医がいない/気軽に相談できる医師がいない ★ 1.10%
その他 2.60%
なんとなく/機会がない/特に理由はない 3.80%
合計 110.20%
★印の合計 21.10%
☆印の合計 28.20%
※自由記入内容を読み取って分類。重複集計のため合計は100%超。
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