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[ヘルスケアニュース] 2021/06/07[月]

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 歩くときは体重の約2.6倍、階段の上り下りでは約3.2倍もの負担がひざにかかっていることを知っていますか? 関節のクッションの役割をする軟骨が加齢などによってすり減り、痛みを引き起こす変形性ひざ関節症にり患している人は、人口の1/5に上るといわれています。

 「いつまでも元気でいたい」「趣味をあきらめたくない」――。変形性ひざ関節症患者さんがいきいきとした生活を送り続けるためには、ひざの痛みを抑えることが大切です。

ひざを動かさないでいると、最終的には寝たきりにつながることも

 変形性ひざ関節症になると、腫れやこわばり、関節の変形も生じ、階段の上り下りをする、しゃがむ、正座をするといった動作が難しくなります。有病率は50代から年齢とともに高くなり、女性に多いことがわかっています。調査データ1)によると、国内の変形性ひざ関節症の患者数は推計約約2,530万人(男性約860万人、女性約1,670万人)。人口の1/5がり患している計算です。

 変形性ひざ関節症に詳しい島根大学医学部の内尾祐司先生(整形外科学講座教授)は5月26日、製薬会社の小野薬品工業のセミナーで講演しました。


内尾祐司先生(島根大学医学部整形外科学講座教授)

 内尾先生は、ひざを動かさないでいると、筋力や体力が低下したり、うつ状態になったりして、痛みが悪化し、ますます動けなくなるという悪循環を繰り返し、最終的には寝たきりにつながることを紹介。「健康寿命(介護を必要とせず、日常生活に制限のない期間)を延ばすために、痛みを抑えることがとても大事だ」と強調しました。また、「活力ある高齢者の社会参画が必要とされている観点からも、変形性ひざ関節症の克服は喫緊の課題の1つ」との考えを表しました。

少しずつでも毎日運動療法を取り入れることが大事

 変形性ひざ関節症の治療は運動療法が基本です。このほか、炎症や痛みを抑えるための薬物療法や関節を保護しひざへの負担をサポートする装具療法、血流を良くするための物理療法があります。それでも良くならない場合は手術を検討します。薬物療法では具体的に、非ステロイド系抗炎症薬を含んだ塗り薬や湿布、非ステロイド性消炎鎮痛薬の内服薬が使われます。痛みが強い場合は、坐薬も使用することも。関節内注射としては、関節機能改善剤注射、ステロイド注射、非ステロイド性消炎鎮痛薬と関節機能改善剤の結合剤があります。

 運動療法では、ウォーキング、ストレッチ、筋力トレーニングが有効です。

 ウォーキングを行う際は、耳からひざ、くるぶしが一直線になるような良い姿勢を意識すると、膝全体にバランスよく負荷がかかり、痛みの軽減につながるといいます。猫背や内股といった姿勢は、ひざや腰、股関節に負担がかかるので、注意が必要です。

 ひざや太ももの裏側、ふくらはぎ、アキレス腱のストレッチをすることで、ひざと筋肉の柔軟性が高まり、関節の動く範囲が広がります。また、ひざの周りや太もも、腹筋を鍛えることで、ひざ関節を支える力が強くなります。毎日少しずつでも運動療法を取り入れてみましょう。

 生活スタイルの見直しも大切です。特に下りの階段はひざへの負担が大きいので、手すりを使用してみましょう。重い荷物を持つことも、ひざへの負担となります。キャスター付きのバッグの活用が有効です。

 新型コロナウイルス感染症の影響で外出自粛が求められていますが、お家でできる運動もあります。好きな趣味を続けていくために、今できることから始めてみてはいかがでしょうか? (QLife編集部)

1)Yoshimura N et al. J Bone Miner Metab. 2009;27(5):620-8.

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