新型コロナの「後遺症」、退院者の聞き取りからわかったこと
[感染症] 2021/02/12[金]
・新型コロナの退院者から聞き取った後遺症に関する調査結果が公表された
・発症から2か月後で48%、4か月後でも27%の人に後遺症
・20代は嗅覚障害、味覚障害の割合が多い結果に
せき、倦怠感、呼吸困難、嗅覚障害、味覚障害、たん、脱毛などの症状

新型コロナウイルス感染症にかかった人の一部は、倦怠感や脱毛、嗅覚障害など、多様な症状による後遺症を経験されています。
国立国際医療研究センターの研究グループが新型コロナの退院者に対し電話聞き取り調査を行い、その結果が東京都の新型コロナウイルスの感染状況などを分析する会議で公表されました。今回の記事は、そこで発表された資料に基づきまとめました。
2020年2月から6月にかけて同センターを退院した78人に電話での聞き取り調査が行われ、63人から回答が得られました。
その結果、発症から2か月後で48%、4か月後でも27%の人に後遺症がみられることがわかりました。この調査では、14日間を超えても症状が続くことを後遺症と定義されました。
【年代別】
20代:12人中9人(75%)
30代:6人中5人(83%)
40代:15人中10人(67%)
50代:10人中9人(90%)
60代:8人中7人(88%)
【症状別】
20代は嗅覚障害、味覚障害の割合が多い結果でしたが、30代以上では、せきや呼吸困難、倦怠感が多いことがわかりました。また、脱毛については24%の人にみられ、呼吸困難、倦怠感、嗅覚障害は4か月たっても約10%の人にみられたことがわかったそうです。
後遺症の相談ができる医療機関も
後遺症の原因について、「ウイルスによる過剰な炎症(サイトカインストーム)、活動性のウイルスそのものによる障害、不十分な抗体による免疫応答などが原因として挙げられているが、原因は明確になっていない」といいます。
また、「新型コロナウイルス感染症に罹患しないことが、最大の後遺症予防。こうした課題を踏まえ、さらに調査を進めていく」と、研究グループは示しています。
現在、神奈川県や東京都にある一部の大学病院、東京都内にある一部の個人クリニックなどで新型コロナの後遺症についてみてもらうことができる外来診療(オンライン診療対応も一部あり)が行われるようになっているようです。回復後の後遺症で悩まれている場合は、利用を検討してみてもいいかもしれません。(QLife編集部)
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