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[感染症] 2021/02/05[金]

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この記事のポイント
・妊娠中に感染しても基礎疾患がなければ、同年代の妊婦と経過は変わらない
・新生児の感染に関する報告は少数で、重症化するケースもまれ
・2つの関連学会は「妊婦をワクチン接種の対象から外さない」と提言

 コロナ禍での妊娠、出産、育児に不安を抱えている方は多いのではないでしょうか。母子感染の状況やワクチン接種など、厚生労働省および日本産科婦人科学会が妊産婦向けに公開している情報からまとめました。
※厚生労働省が2020年12月24日時点で公表している情報、日本産科婦人科学会が2021年1月27日時点で公表している情報に基づきます

 

感染によって胎児に先天異常が引き起こされる可能性は低い

【妊婦への影響】
Q:妊婦が感染した場合、重症化しやすい?
・妊娠中に新型コロナウイルスに感染しても、基礎疾患を持たない場合、その経過は同年代の妊娠していない女性と変わらないと考えられています。
高年齢での妊娠、肥満、高血圧、糖尿病などが新型コロナウイルス感染症の重症化のリスクになるという報告があります。
・新型コロナウイルスに限らず、妊婦が呼吸器感染症にかかった場合には、妊娠していない時に比べ、特に妊娠後期において重症化する可能性があります。

Q:妊婦が感染した場合、胎児への影響は?
・子宮内で胎児が新型コロナウイルスに感染したことを示唆する報告は少数ながらありますが、まれだと考えられています。
妊娠初期または中期に感染した場合に、ウイルスが原因で胎児に先天異常が引き起こされる可能性は低いとされています。
・米国では妊婦が新型コロナウイルスに感染した場合、非感染の妊婦と比較して、早産になりやすいという報告があります。

【新生児、乳幼児への影響】
Q:新生児が感染した場合、重症化しやすい?
・新生児が新型コロナウイルスに感染した事例が少ないですが、重症化するのはまれだと考えられています。
・海外では、先天性心疾患など基礎疾患のある新生児が新型コロナウイルスに感染し、重症化した事例が少数ながら報告されていますが、ほとんどは回復しています。

Q:乳幼児が感染した場合、重症化しやすい?
・一般的に小児は感染しにくいと考えられており、小児が感染しても重症化するのはまれですが、基礎疾患がある場合はリスクがやや高いという報告があります。
・新型コロナウイルスが体内の細胞にくっつく時に重要な「受容体」(ACE2)が小児では少ないことが、小児が感染しにくい理由の1つといわれています。

Q:母乳や授乳を介して乳児が感染することは?
・母乳を介して新型コロナウイルスが乳児に感染するリスクは低いと考えられていますが、母乳中に検出されたとする報告はあります。

ワクチン接種の対象から「妊婦を外さない」

 現在、新型コロナウイルスのワクチン接種に向け準備が進められています。そのワクチン接種について、⽇本産婦⼈科感染症学会および⽇本産科婦⼈科学会は、「流行拡大の現状を踏まえて、妊婦をワクチン接種対象から除外することはしない」とする提言を公表しています。

 ただし、接種する場合は「安全性が確立されてないことについて十分に説明を受けること」「器官形成期(妊娠12週まで)はワクチン接種を避けること」「産婦⼈科施設等で接種を受け、なるべく接種前と後にエコー検査などで胎児⼼拍を確認すること」など、留意点についても示しています。

 また、これから妊娠を希望する女性に向けては、「可能であれば、妊娠前に接種を」と呼びかけています。

 インターネット上には憶測に基づいた情報や、正確ではない情報がみられることもあります。厚生労働省などの国の機関や、日本産科婦人科学会など専門医が所属する学会のホームページなどから情報収集するようにしてくださいね。(QLife編集部)

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