新型コロナワクチンの特徴は?-ファイザー製のmRNAワクチンについて
[感染症] 2021/03/25[木]
・ファイザー製の新型コロナのワクチンの特徴をまとめた
・日本の主な予防接種に用いられてきたワクチンと異なる特徴の1つが「mRNA」
・海外で行われた約4万人対象の臨床試験で、ワクチンの有効率は95%
新型コロナウイルス感染症のワクチンについて、厚生労働省は、米国ファイザー社のほか、英国アストラゼネカ社、米国モデルナ社(日本では武田薬品が輸入/供給)と正式契約を締結し、供給を受ける体制を整えています。このうち、現在行われている医療従事者向けの接種で使用されているのは、ファイザー製のワクチンです。
さまざまな報道から、「これまでの予防接種のワクチンとは違う特徴がある」ということはご存知かもしれませんが、改めて、厚生労働省が公開している情報に基づいて、ファイザー製ワクチンの特徴をまとめました。
ウイルスの「遺伝情報」を持ったmRNAワクチン

大きな特徴の1つがワクチンの種類です。「mRNA」といい、「メッセンジャーアール・エヌ・エー」と読みます。
これまで日本で使用されてきたワクチンは主に、
・生ワクチン-病原性を弱めた病原体(代表的なワクチン:MR、水痘、BCGなど)
・不活化ワクチン、組換えタンパクワクチン-感染力をなくした病原体や、病原体を構成するタンパク質(代表的なワクチン:インフルエンザ、肺炎球菌など)
一方、今回のmRNAワクチンは、ウイルスを構成するタンパク質の遺伝情報を投与します。
mRNAワクチンの接種後、その遺伝情報をもとに、ウイルスのタンパク質の一部がつくられ、それに対する抗体などができることで、ウイルスに対する免疫ができます。「mRNAは時間の経過とともに分解される」「mRNAは人のDNAに組み込まれるものではない」などの理由から、投与した遺伝情報が長期間体の中に残ったり、精子や卵子の遺伝情報に取り込まれたりすることはないと考えられています。
また、mRNA自体がとても不安定な物質なので、有効性を保つために、運搬や保管の際の温度管理が厳しく制限されています。ファイザー製のワクチンについては、医療機関では「超低温冷凍庫」や「外箱+ドライアイス」での保管が必要とされています。
日本人160人対象の試験で中和抗体の上昇を確認
最近たびたび報道されている「ワクチンの有効率95%」は、海外で行われた約4万人対象の臨床試験の結果に基づいた数値です。2回目の接種後7日以降の発症の有無が比較され、過去に新型コロナウイルスの感染歴がない場合で95.0%、感染歴の有無を問わない場合でも94.6%のワクチン有効率が確認されています。
日本人の健康な成人160人を対象に、ワクチンを接種する人とプラセボ(有効成分を含まない偽薬)を接種する人に分けて行われた試験では、発症予防効果が確認された海外の臨床試験と同程度以上に、血液中の中和抗体(ウイルスの感染力または毒素の活性を中和できる抗体)の上昇が認められています。
また、接種の対象年齢は、「現時点の科学的知見」に基づき決められています。ファイザー製ワクチンは、「接種日に満16歳以上」となっており、厚生労働省は「将来的には、接種の対象年齢が広がる可能性もある」としています。ファイザー社はすでに、12歳以上の小児を対象とした臨床試験を海外で開始しているので、その動向にも注目です。
ここで紹介した情報は、ファイザー製ワクチンの特徴の一部です。詳細な情報や、副作用などに関する最新情報は厚生労働省から随時発表されていますので、気になる方は確認してみましょう。(QLife編集部)
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