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[ニュース ベーリンガーインゲルハイム ジャパン株式会社:プレスリリース Powered by PR TIMES] 2012/06/28[木]

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この資料は、ドイツのベーリンガーインゲルハイム(Boehringer Ingelheim GmbH)が6月18日に発表したプレスリリースを日本語に翻訳したものです。なお、日本の法規制などの観点から一部、削除、改変または追記している部分があります。この資料の内容および解釈についてはオリジナルが優先することをご了承ください。
抗凝固療法を受けている患者は、手術や侵襲的手技を受ける際に出血の危険性が増大するため、危険性に応じて抗凝固薬投与の一時中止や代替療法の使用を考慮すべきです。

2012年6月18日  ドイツ/インゲルハイム
手術・侵襲的手技を受ける心房細動患者において、直接トロンビン阻害剤ダビガトランエテキシラート(日本での製品名:プラザキサ(R))はワルファリンに比べて、手術前の投与中止期間を短縮させることが、RE-LY試験の新たな解析結果から示されました。その研究内容がこのほど、Circulation誌に掲載されました1。抗凝固療法を中止している間、脳卒中発症のリスクは高まりますが、この解析結果から、ダビガトランエテキシラートはワルファリンに比べて、中止期間を短くするばかりでなく、投与中止後48時間以内に手術を受けた場合に、周術期の出血リスクを低下させることが明らかにされました1。
この新たな解析から、投与中止後48時間以内に手術を受けることのできた患者の割合は、ワルファリン群よりもダビガトランエテキシラート群で有意に高いことが示されました(ワルファリン群11% vs. ダビガトランエテキシラート群 [150 mg 1日2回投与/110 mg 1日2回投与] 46%、p < 0.001)1。その理由として、半減期がワルファリンで約36時間であるのに対し、ダビガトランエテキシラートは12~17時間と短く2、抗凝固作用の発現と消失がワルファリンよりも速やかである本剤の薬物動態的特性が考えられます。

さらに、緊急手術や大手術を含む手術・侵襲的手技を受けた患者においてみとめられた出血イベントや塞栓症イベントの発現率は、ダビガトランエテキシラート群とワルファリン群で同等でした1。

マクマスター大学(ハミルトン/カナダ)のジェフ・ヒーリー(Jeff Healey)医師は次のように述べています。「抗凝固療法を受ける心房細動患者さんが手術・侵襲的手技を必要とするケースは少なくありません。今回の解析結果から、ダビガトランエテキシラートは、大手術、小手術にかかわらず、周術期の出血リスクと塞栓症イベントについてワルファリンと同等であることが示されました。また、ダビガトランエテキシラートが投与された患者さんの約半数は、抗凝固療法の投与中止から48時間以内に手術を受けることができました。このように塞栓症のリスクが高まる投与中止期間を短縮しながら、手術時に十分な止血効果が得られたのは重要なことです」。

RE-LY(R)試験で手術を1回以上受けた患者は、ダビガトランエテキシラート110 mg 1日2回投与群の24.7%、ダビガトランエテキシラート150 mg 1日2回投与群の25.4%、ワルファリン群の25.9%であり、合計4,591人でした。手術を受けた背景を頻度の高い順に挙げると、ペースメーカーまたは除細動器植え込み(10.3%)、歯科手技(10.0%)、診断的手技(10.0%)でした。解析から示された主な結果は以下の通りです1。

・周術期における大出血の発現率において、ダビガトランエテキシラート両用量群とワルファリン群で有意な差はみとめられなかった(110 mg 1日2回投与群:RR=0.83、95% CI:0.59~1.17、p=0.28/150 mg 1日2回投与群:RR=1.09、95% CI:0.80~1.49、p=0.58)

・投与中止から48時間未満で手術を受けた際の大出血の発現率は、ダビガトランエテキシラート両用量群において、ワルファリン群に比べて有意に低かった
o投与中止から24時間~48時間: 110 mg 1日2回投与群:RR=0.35、95% CI:0.16~0.80、p=0.01/150 mg 1日2回投与群:RR=0.36、95% CI:0.16~0.82、p=0.01
o投与中止から24時間未満:110 mg 1日2回投与群:RR=0.18、95% CI:0.07~0.50、p<0.001/150 mg 1日2回投与群:RR=0.44、95% CI:0.21~0.92、p=0.027

・脳卒中やその他すべての塞栓症イベント(心血管死、全身性塞栓症、心筋梗塞、肺塞栓症など)の発現率はいずれの投与群でも低く、有意な差はみとめられなかった

・今回の解析で、周術期における出血性脳卒中が、良好にコントロールされたワルファリン群で4件みとめられたのに対し、ダビガトランエテキシラート両用量群では0件であった(ワルファリン群 vs. ダビガトランエテキシラート110 mg 1日2回投与群:RR=0.00、p=0.04/ワルファリン群 vs. 150 mg 1日2回投与群:RR=0.00、p=0.046)

この解析では、RE-LY(R)試験実施中に作成された手術・侵襲的手技におけるダビガトランエテキシラートの投与中止期間に関するガイダンスの妥当性が検討されました。このガイダンスでは、手術による出血リスクのレベルや、主に腎排泄されるダビガトランエテキシラートの特性から患者の腎機能の程度が考慮されています。この解析から、本ガイダンスの妥当性が再確認されました。本ガイダンスの内容は欧州製品概要/添付文書にも反映されており、本剤の投与を中止すべき期間が、手術・侵襲的手技による出血リスクのレベル(StandardまたはHigh)と腎機能障害の程度に基づき示されています。

AntiCoagulation Europe (ACE)の共同設立者兼代表であるイヴ・ナイト(Eve Knight)氏は次のようにコメントしています。「出血リスクの高い緊急手術では、抗凝固療法を受ける患者さんに非常に強い恐怖感が伴います。しかし、ダビガトランエテキシラートはワルファリンに比べて、手術時の出血リスクを高めることなく、投与中止期間を短くできることが示されました。今回の解析結果は、患者さんにとって心強いものとなります」。

ダビガトランエテキシラートの有効性と安全性は広範な臨床試験プログラムで立証され3-8、これまで世界中の規制当局でそれぞれ独立した審査過程を経て承認されました。ダビガトランエテキシラートのこれまでの使用実績は78万患者・年※以上にのぼり、他のすべての新規経口抗凝固薬の臨床試験と実臨床での経験を上回ります9.10。
※患者・年は、使用患者数×使用年数を表したもので、ある薬剤を1人の患者が1年間使用した場合を1患者・年とします。

心房細動および脳卒中について
心房細動は最も一般的な不整脈であり11、40歳以上の約4人に1人が生涯の内に罹患します12。心房細動患者では血栓リスクが高く、これによって脳卒中リスクは5倍に上昇します12,13。世界各国で毎年、最大300万人が心房細動に起因する脳卒中を発症しますが14-17、心房細動に起因する脳卒中は重篤になる傾向があり、死亡率(20%)および後遺症発生率(60%)も高くなります18。心房細動に起因する脳卒中の多くは、適切な治療によって予防できます19。心房細動に起因する脳卒中の医療コストは、欧州全域の医療システムに大きな負荷となっています。心房細動に起因する脳卒中は、その他の脳卒中に比べて重篤になる傾向から、医療コストも大きくなります(年間直接医療費11,799ユーロ vs. 8,817ユーロ)20。

ダビガトランエテキシラート(日本での製品名プラザキサ(R))について
プラザキサ(R)は、「非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制」を効能・効果として2011年1月21日に承認され、同年3月14日に発売が開始されました。同様の適応症で、米国、欧州各国、カナダ、日本を含む世界70カ国以上で承認されています。

プラザキサ(R)は、直接トロンビン阻害剤として、血栓形成プロセスで中心的な役割を果たす酵素、トロンビン(遊離トロンビンならびにフィブリン結合トロンビン)の活性を直接かつ選択的に阻害することにより、抗凝固作用・抗血栓作用を発揮します。
医師が本剤を使用するにあたっては、必ず添付文書をご確認ください。なお、プラザキサ(R)に関する最新の情報は、弊社ホームページ(www.boehringer-ingelheim.co.jp)内の医療用医薬品基本情報サイトに掲載しています。

ベーリンガーインゲルハイムについて
ベーリンガーインゲルハイムグループは、世界でトップ20の製薬企業のひとつです。ドイツのインゲルハイムを本拠とし、世界で145の関連会社と44,000人以上の社員が、事業を展開しています。1885年の設立以来、株式公開をしない企業形態の特色を生かしながら、臨床的価値の高いヒト用医薬品および動物薬の研究開発、製造、販売に注力してきました。

2011年度は132億ユーロ(約1兆4,624億円)の売上を示しました。革新的な医薬品を世に送り出すべく、医療用医薬品事業の売上の23.5%相当額を研究開発に投資しました。

日本ではベーリンガーインゲルハイム ジャパン株式会社が持ち株会社として、その傘下にある完全子会社の日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社(医療用医薬品)、エスエス製薬株式会社(一般用医薬品)、ベーリンガーインゲルハイム ベトメディカ ジャパン株式会社(動物用医薬品)、ベーリンガーインゲルハイム製薬株式会社(医薬品製造)の4つの事業会社を統括しています。日本のグループ全体で約2,700人の社員が、革新的な医薬品の研究、開発、製造、販売に従事しています。

日本ベーリンガーインゲルハイムは、呼吸器、循環器、中枢神経などの疾患領域で革新的な医療用医薬品を提供しています。また、グローバルな研究・開発の一翼を担う医薬研究所を神戸に擁しています。
詳細は下記をご参照ください。www.boehringer-ingelheim.co.jp

References
1.Healey JS, et al. Peri-Procedural Bleeding and Thromboembolic Events with Dabigatran Compared to Warfarin: Results from the RE-LY randomized trial. Circulation 2012; published online on 14 June 2012; DOI: 10.1161/CIRCULATIONAHA.111.090464
2.Stangier J, et al. Influence of renal impairment on the pharmakonetics and pharmacodynamics of oral dabigatran etexilate. Clin Pharmacokinet 2010; 49(4):259-68.
3.Pradaxa(R), European Summary of Product Characteristics, 2012.
4.Connolly SJ, et al. Dabigatran versus warfarin in patients with atrial fibrillation. N Engl J Med 2009; 361:1139-51.
5.Connolly SJ, et al. Newly identified events in the RE-LY(R) trial. N Engl J Med 2010; 363(19):1875-6.
6.Schulman S, et al. Dabigatran etexilate versus warfarin in the treatment of acute venous thromboembolism. N Engl J Med 2009; 361:2342-52.
7.Eriksson BI, et al. Oral dabigatran etexilate vs. subcutaneous enoxaparin for the prevention of venous thromboembolism after total knee replacement: the RE-MODEL randomized trial. J Thromb Haemost 2007; 5:2178-85.
8.Eriksson BI, et al. Dabigatran etexilate versus enoxaparin for prevention of venous thromboembolism after total hip replacement: a randomised, double-blind, non-inferiority trial. Lancet 2007; 370: 949-56.
9.Data on file.
10.Eikelboom JW, et al. Does dabigatran improve stroke-prevention in atrial fibrillation? Reply to a rebuttal. J Thromb Haemost 2010; 8:1438-9.
11.Stewart S, et al. Cost of an emerging epidemic: an economic analysis of atrial fibrillation in the UK. Heart 2004; 90:286-92.
12.Lloyd-Jones DM, et al. Lifetime risk for development of atrial fibrillation: the Framingham Heart Study. Circulation 2004; 110:1042-6.
13.Fuster V, et al. ACC/AHA/ESC 2006 Guidelines for the Management of Patients with Atrial Fibrillation – executive summary. Circulation 2006; 114:700-52.
14.Kannel WB, et al. Final Draft Status of the Epidemiology of Atrial Fibrillation. Med Clin North Am. 2008; 92(1): 17-40.
15.Atlas of Heart Disease and Stroke, World Health Organization, September 2004. Viewed Dec 2010 at www.who.int/cardiovascular_diseases/en/ cvd_atlas_15_burden_stroke.pdf .
16.Wolf PA, et al. Atrial fibrillation as an independent risk factor for stroke: the Framingham Study. Stroke 1991: 22(8);983-8.
17.Marini C, et al. Contribution of atrial fibrillation to incidence and outcome of ischaemic stroke: results from a population-based study. Stroke 2005; 36:1115-9.
18.Lin HJ, et al. Stroke severity in atrial fibrillation: the Framingham study. Stroke 1996; 27:1760-4.
19.Hart RG, et al. Meta-analysis: antithrombotic therapy to prevent stroke in patients who have non-valvular atrial fibrillation. Ann Intern Med 2007; 146:857-67.
20.Bruggenjurgen B, et al. The Impact of Atrial Fibrillation on the Cost of Stroke: The Berlin Acute Stroke Study. Value Health 2007; 10: 137-43.
21.Di Nisio M, et al. Direct Thrombin Inhibitors. N Eng J Med 2005; 353:1028-40.

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