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[クリニックインタビュー] 2011/03/25[金]

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大学病院が医療の最先端とは限りません。患者のこと、地域のことを第一に考えながら、独自の工夫で医療の最前線に取り組んでいる開業医もたくさんいます。そんなお医者さん達の、診療現場、開業秘話、人生観、休日の過ごし方、夢などを、教えてもらいました。

第108回
医療法人社団福美会ヒロクリニック
岡 博史院長(取材当時)

疾患に手でふれ、目で見られる皮膚科医を選ぶ

 将来の職業として医師を選択するきっかけとなったのは、子どものころ、鼻に病気があったり膝にトラブルがあったりして、病院に行くことが多かったことだと思います。そんな体験から、進路選択のときに「そういう職業もいいかな」と医師になることを決めました。高校生くらいのときだったと思います。
 数ある診療科の中から皮膚科を選んだのは、すぐに診断がつき、治療につなげることができるから。内科の病気だと、CTやMRTなどで、ブラックボックスにさまざまな方向から光をあてて影を見るような検査をしたり、胃カメラを入れたりする検査が主流ですよね。見えることは見えるけど、なんだかとてももどかしい感じがしたのです。皮膚科なら、直接患部を目で見て、手でふれてすぐに診断がつくし、治療や手術もできる。そのダイレクトなわかりやすさに魅かれました。

患者さんの求めていることをしっかり把握する

 私が日々患者さんと接するときに心がけていることは、疾患だけでなく、その人の性格や生活などまでなるべく総合的に見て治療方針を決めるということです。私は、医療はサービス業だと考えています。医師として正しく迅速に病気を診断し治療するのは当たり前のことなので、それにプラスして、患者さんのニーズになるべく応えられる医療を提供したいと考えています。
 たとえば、忙しくて薬だけ欲しいと考えているような人には、なるべく治療時間を短くして、薬も長めに処方することもあります。ふつう、病院では3日分とか、長くても5日分ぐらいしか薬を出さないことが多いのですが、仕事で忙しい人に「3日後に来てください」といっても、なかなか難しい。あるいは、休日である土曜日に来院した人には、よほど重篤な症状で頻繁に経過を観察する必要がない場合には1週間分薬を出して、また次の休日に来てもらうようにしています。そうすることで、結果的に長くきちんと通い続けてもらうことにつながると思うのです。治らないうちに通うことが大変になって、治療が途中で途切れてしまうのがいちばん困ることだと思うので。
 反対に、ゆっくり話を聞いて欲しいと感じる人には、時間を十分とって丁寧に説明したり、対話をしながら治療を進めるようにしています。そして、薬がなくなる前でも、何かあったらいつでも受診してくださいとお伝えしています。

それぞれの患者さんに適した薬の使い方やフォローを

 病院に行ったほうがよさそうだと感じても、時間的、経済的に余裕がないなどの理由でなかなか受診できない人もいると思います。まずは電話でもいいので、気になることがあったら相談してみるといいでしょう。当クリニックでも、最初は電話で相談を受けることもあり、その場合はまずスタッフが対応し、判断がつかない場合は私がお話しするようにしています。必要な検査やアフターフォローはもちろんきっちりしますが、なるべく患者さんの負担が少ないように、余分に通ってもらったり、時間をかけさせたりしないようにしたいですね。そういう意味で、「よくなったらもう来なくていいですよ」とはよく言っています。
 また、湿疹やかゆみなどの症状がある場合、とりあえず市販薬を使ってみて、それでダメなら受診するという方も多いようですが、その場合は、使っていた薬を持ってきてもらえると助かります。皮膚疾患の治療ではポピュラーなステロイド剤にしても、使い方については医師によってさまざまな考えや方針があると思います。弱めで副作用の少ないものを使用すれば、その分治るまでに時間がかかりますし、だからといってやみくもに強い薬を使えばいいというものでもない。時期や症状、その方のライフスタイルなどを総合的に見ながら、使う薬剤や治療の方法を考えることが必要だと考えています。

今後は、皮膚科と並行して老人医療も手がけたい

 進路選択のとき、工学部に行ってエンジニアを目指そうかと考えたこともあり、機械いじりやパソコンなどは今も好きですね。リフレッシュ法はもっぱら犬の散歩で、趣味は将棋。ただ、今は4才と1才という手のかかる時期の子どもがいるので、休日はほとんど子どもたちとの時間になっています。ふたりとも男の子なのでこちらも体力勝負で、時々「仕事していたほうがラクかも」などと思うこともありますが、寝顔を見るとかわいくて、仕事の疲れも癒されますね。
 今後は、皮膚科の診療と並行して、高齢者の医療にかかわる事業も手がけたいと考えています。社会の高齢化は、これからますます進むはず。ケア施設の設立なども視野に入れつつ、少しずつ準備を進めています。ほかにもやりたいことはまだまだたくさんあるので、これからも医療者として患者さんのニーズにできるだけ応えられるよう、努力していきたいと考えています。

取材・文/出村真理子(Demura Mariko)
フリーライター。主に医療・健康、妊娠・出産、育児・教育関連の雑誌、書籍、ウェブサイト等において取材、記事作成をおこなっている。ほかに、住宅・リフォーム、ビジネス関連の取材・執筆も。

医療法人社団福美会ヒロクリニック

医院ホームページ:https://www.hiro-clinic.or.jp/

JR京浜東北線川口駅東口より徒歩3分。Hiro Build.2F~5F。詳しくは、医院ホームページから。

診療科目

皮膚科・形成外科

岡博史(おか・ひろし)院長(取材当時)略歴
1996年 慶応義塾大学医学部卒業 慶応大学皮膚科学教室入局
2003年 日本皮膚科学会皮膚科専門医
2005年 大手美容外科クリニック勤務
2008年 医療法人社団福美会ヒロクリニック開院


■所属学会
日本皮膚科学会、日本美容形成医師会、日本美容皮膚科学会、サーマクール認定医


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