[医療人] 2011/04/01[金]

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大学病院が医療の最先端とは限りません。患者のこと、地域のことを第一に考えながら、独自の工夫で医療の最前線に取り組んでいる開業医もたくさんいます。そんなお医者さん達の、診療現場、開業秘話、人生観、休日の過ごし方、夢などを、教えてもらいました。

第109回
奥秋内科
奥秋 靖院長

父の姿を見て、自然に「医師になる」と意識

 私の父は内科医として開業していたので、「大きくなったら医者になるんだろうな」と、幼いころから自然に思っていました。昭和46年に、父がここ川口で開業し、それ以来、長く通い続けて下さっている患者さんも多数おられます。とくに親から「医師になれ」とか「医院を継げ」と言われた覚えはないのですが、ゆくゆくは父の後を継ぐという意識は自然とありました。
 内科医、特に消化器内科を選んだのは、医学部時代にさまざまな科を体験してみて、消化器内科がいちばん自分の肌に合うと感じたからです。科によって全然色合いが違うので、合う合わないはあると思います。例えば、同じ内科でも、消化器と循環器では、全く違う雰囲気があります。
 違うといえば、同じ医師という仕事でも、大学病院や総合病院と開業医では、大きく環境が異なると感じます。どこの企業でも同じでしょうが、大きい組織では人間関係が複雑になり、何かひとつするにも複数の上司の許可が必要になります。一方、開業医は、裁量の自由度は高いけど、その分経営リスクも自己責任です。どちらも大変さはあるけれど、自分には開業医が合っていると感じています。

「健康のよろず相談所」を目指す

 診療で心掛けていることは、「入り口の敷居は低くする」ことです。まず何に困っているのか、よく話を聞くことから始めています。目指しているのは、何でも相談しやすい町のホームドクター。よく「健康のよろず相談所」とキャッチフレーズで言っているのですが、どんなことでも相談して頂き、当院で可能な治療や検査はしますし、さらに精密検査が必要な場合や病状が重い場合には、大学病院や総合病院等を紹介しています。そのための診療連携は出来ているので、安心して頂いています。
 大学時代の恩師によく言われていたのは、「患者さんの話しをよく聞いて、病気だけでなくその人のバックグラウンドまでよく理解することが大事」ということ。その言葉は、今も自分の中にあります。たとえば、診療の合間に、お孫さんの話しをしたり、「お姑さんのお世話大変でしょ」と労ったり、そういう世間話ひとつで、コミュニケーションがスムーズに行くことも多いですよ。そういうこともカルテにちょっと書き入れて、時々会話にはさんだりしています。
 診療において、患者さんとのコミュニケーションはとても大切だと感じます。医師と患者も、基本的には「人対人」なので、相性もあるでしょうし、コミュニケーションがスムーズにいかない患者さんは、通い続けてはくれないのかもしれませんね。

健康の秘訣は手作りヨーグルト 趣味は写真

 医師になっていなかったら、と考えることはほとんどないのですが、ひとつ考えたことがあるのは、「官僚になる」ということです。医療全体の青写真は、官僚が描いており、その中で我々医療人は奮闘しています。どうせなら、全体を企画する立場になりたいと感じたからです。もちろん、自分には向いていない仕事なので、ちょっと思った程度です。
 健康の秘訣は、種菌からつくるヨーグルト。体に良さそうという理由で、もう5年ぐらい毎朝ヨーグルトを食べています。最初は、2週間ごとにスーパーで売っているいろいろなヨーグルトを買ってみて、いちばん気に入ったものを食べていました。3年ほど前に、後輩がカスピ海ヨーグルトの粉末の種菌をくれたので、作って食べてみたら気に入りました。それ以来、自分でも種菌を取り寄せて培養して作っています。朝起きたら、まず、テレビを見ながら健康器具に跨り、簡単なストレッチをして、それからヨーグルトと朝食を取るのが日課。他にはとくに気を付けていることはなく、外食も多いし、お酒も少々飲みますが、体調は良いですよ。
 最近楽しんでいるのが、写真を撮ること。デジタル一眼レフの値段が手頃になったので、早速購入し、去年からは、休日になると、小学校4年になる息子を連れて写真を撮りに出かけています。最近では、東京ドームの世界ラン展に行って蘭を撮り、その帰りに小石川後楽園で梅を撮影したりしてきました。人物はあまり撮らず、風景や自然を撮ることが多いですね。それが良いリフレッシュになっていると思います。これからまた写真を撮りに出かけるには良い季節になるので、あちこち出かけるのが楽しみです。息子は迷惑そうですけどね(笑)。

これからも地域社会に貢献していきたい

 ここ数年は、父の代から続いていたこの医院の建替と継承が一番の目標でした。一昨年の秋に、建替、継承が無事に完了したので、現在は、今後の展望を模索しているところです。
 ただ、いちばん大切なのは、継続性と考えています。個人開業医では、大学病院や総合病院のような日々の劇的な変化は乏しく、難しい診断や治療も多くありません。その中で、診療の質、モチベーションを維持して、継続的に地域社会に貢献できるかが、今後の課題であり目標です。そのために、医師会活動を通じた地域医療への協力、警察嘱託医を通じての地域社会の安全支援等を実行しております。これからもここ川口の地で、医療を通じて地域の方々に貢献していきたいと思います。

取材・文/出村真理子(Demura Mariko)
フリーライター。主に医療・健康、妊娠・出産、育児・教育関連の雑誌、書籍、ウェブサイト等において取材、記事作成をおこなっている。ほかに、住宅・リフォーム、ビジネス関連の取材・執筆も。

奥秋内科

医院ホームページ:http://www.okuaki-clinic.com/

JP「西川口」駅東口より徒歩2分。待合室は一面ガラス張りで、明るくきれいな医院です。詳しくは、医院ホームページから。

診療科目

内科・消化器内科・小児科

奥秋靖(おくあき・やすし)院長略歴
1988年 東京慈恵会医科大学卒業 同大学消化器・肝臓内科助手
2000年 川口市立医療センター 内科副部長
2005年 同医療センター退職 奥秋内科勤務
2009年 奥秋内科 院長に就任


■資格・所属学会他
川口医師会理事、川口警察署嘱託医、埼玉県警察協力医、川口市介護認定審査委員、日本内科学会総合内科専門医、日本肝臓学会専門医、日本消化器病学会専門医、日本医師会認定産業医、医学博士


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