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[クリニックインタビュー] 2016/04/28[木]

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患者のこと、地域のことを第一に考えながら、独自の工夫で医療の最前線に取り組んでいる開業医のお医者さん。そんなお医者さん達の、診療現場、開業秘話、人生観、休日の過ごし方、夢などを、教えてもらいました。

高山漢方クリニック 江藤公則院長

漢方医学に専念することを決意し開業

 医学部を卒業し研修病院で卒業研修をした後、外科医として勤務していました。その後10年くらいは肛門科を専攻しました。当時は今のように救急とはっきり分かれていませんでしたから、外科をしながら救急も診るといった具合で、随分救急にも携わりました。
 外科を一通り経験したあと、今度はそれまで興味のあった漢方医学の勉強を本格的にしたいと思いました。そこで、福岡の原病院で勉強させていただくことにしました。院長先生(故人)が、漢方治療に熱心だったからです。
 それから間もなく、漢方専門院を開くための計画を立てました。開業するなら内科全般も診る必要があると考え、一般内科の勉強をするため知り合いの先輩が院長を務める沖縄の病院へ行くことにしました。1年の予定でしたが、都合で2年くらい勤めました。
 再び福岡に戻ってきてからは、別の病院に勤めながら当院の前院長だった高山先生の診察を見学させていただいていました。ある日、先生が「僕はそろそろ辞めようと思うから、君が引き継いでやってみる気はないかね」とおっしゃってくださり、それで当院を引き継ぐことになったのです。

責任を持った治療のためには妥協しない

 インターンの時代”おっかなびっくり”に患部を触っていると、場合によっては患者さんにかなりの痛みがはしったりします。患者さんの反応に私がひるんでいたら、先輩の先生から「そこでひるむんじゃない!いい加減に診るほうが良くないんだ」と、そういう教育を受けました。医師は患者さんのその時の反応で、「じゃあこれ以上は診るのを止めておきます」と毎回言っていたら、本当に責任を持った治療ができません。時流はマイルドムードで、患者さんが嫌がることはしないでおこうという風潮もあります。しかし、それでは診断を誤ることにもなりかねません。ですから、嫌がられる場合でも触らないといけないときはあえて触る、それが私のポリシーです。もちろん、誰でも触られたくないところや、聞かれたくないことはありますから、必要もなく触ったり、言いたくないことを無理に聞きだしたりはしません。
 私は難しい病気でもしっかり診て、しっかり治せるのが一番いい医師だと思います。ただ、それを目指して進む道は平たんではないだろうと考えています。患者さんの感じ方はさまざまです。半分くらいしか治っていないのに良くなったと誤解されて喜ばれるよりは、患者さんの診療に対する印象があまりよくなかったとしてもしっかり診て治すほうを、私は選択します。

十分な診察と総合的な判断で、ピタリと合う薬を探る

 実際の診療では、しっかり話を聞き必要な検査をした上で様子をよく観察します。最初にそれらをきっちり行わないと治療がうまくいかないことになりかねませんし、順調に治らない場合、患者さんも疑問を持たれるでしょう。
 また、漢方薬は患者さんがどうしても飲めないと言われることもあります。薬がその人に合っていないためです。一方で、漢方治療には『瞑眩』と呼ばれる現象があります。これは薬があまりにもぴったり合っているために効き過ぎて、かえって一時的に調子が悪くなる現象です。この2つを見分けるのはとても難しいです。そんなときは処方を検討したり、いろんな勉強会で他の先生方に相談して意見を聞いたりもします。
 今後はもっと治癒率を上げたいですね。そのために、福岡市内である漢方の勉強会は時間の都合がつく限り参加しています。月4回の日曜日のうち、2日は勉強会です。

取材・文/後藤 玲(Rei Goto)
医療系を中心にWEB、紙媒体で執筆。健康、料理、お菓子作りなど生活全般における執筆も得意とする。病院取材の他、一般企業への取材活動も行っている。

高山漢方クリニック

医院ホームページ:http://eto-kampo.com/

地下鉄「天神駅」2番出口から徒歩1分。肥後天神宝ビル5階。1階に肥後銀行があります。広々とした待合室は開放的で、診察室に行くまでの間に普段あまり目にしないさまざまな漢方薬がずらりと並べられているのが印象的です。
詳しい道案内は医院ホームページから。

診療科目

内科、呼吸器科、胃腸科、循環器科

江藤公則(えとう・きみのり)院長略歴
1974年 山口大学 医学部 卒業
1976年 沖縄県立中部病院 卒後研修
諸所の病院にて外科医として勤務
1982年 九州がんセンター 呼吸器部(肺癌の内科及び外科治療)
諸所の病院にて外科医として勤務
1991年 高野病院(熊本市) 肛門科(大腸肛門科の内科外科治療)
2004年 ちばなクリニック(沖縄市)開業前2年間一般内科(西洋医学)を研修
2006年4月 中国に於いて天津中医薬大学教授石学敏先生はじめ中国著明鍼灸師多数による鍼灸講義及び実習を受講
2007年4月 高山クリニック継承開業 


■所属・資格他
日本東洋医学会 専門医、日本大腸肛門病学会 肛門科専門医、日本医師会認定 産業医


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