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[患者さんの相談事例] 2015/04/17[金]

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 現代の医療現場では、自分なりの判断や意思決定が求められます。患者側にだって、治療パートナー(医療者)と上手に対話して、疑問解消・意思伝達できるコミュニケーションスキルがあった方が良いですね。
 ここで紹介する「相談事例」は、患者側視点に基づくもので、実際にはもっと他の背景があったかもしれませんが、「私ならどうするか」を考えてみませんか?

患者さんから実際にあった電話相談

症状改善しないため別の眼科に行ったところ、元のクリニックで診てもらうようにと診察を断られました。(48歳・女性)

 数日前、訳もなく涙が止まらなくなったので、以前からアレルギーでかかっている眼科クリニックを受診しました。ドクターは「アレルギーの一種かな?」と言いながら、目薬を処方してくれました。
 2日ほど目薬をさしたのですが、涙は止まりません。そこで3日後に再度受診すると、「この目薬で効かないのなら、疲れ目かもしれませんね」と言われ、別の目薬を処方されて帰宅しました。そして、言われた通りにその目薬をさしたのですが、翌日には目が腫れてしまいました。
 私は同じ眼科に再び行く気になれず、近くで評判がよくて流行っていると聞いていた眼科クリニックを受診することにしました。女性の院長で、大学病院の部長を経て開業されたのだそうです。実際に受診してみると、クリニックはとても混んでいて、受診前の検査を受けるまでに2時間近く待たされました。視力や眼圧といった基本的な検査を受け、更に30分以上待って、ようやく診察室に呼ばれました。
 診察室でドクターの横に座り、「初めてなので、よろしくお願いします」と挨拶したのですが、ドクターは私を見ようともしません。診察に入る前に、ここ数日の状況を知ってもらおうと経過を伝えると、いきなり「既に別の眼科にかかっているなら、元のクリニックに行ってください。こちらでは診ません」と断定的に言われました。私が「いえ、こちらで診ていただきたくて……」と言いかけると、「今日の診察代は要りませんから」とかぶせるように言われ、診察してもらうことができませんでした。
 診察代は要らないと言われたけれど、事前の検査は受けていたので、受付の待合で待っていると、ナースが来て「お支払いは結構ですので、お引き取りください」と言われたのです。長時間待たされた挙句、診てもらうことができず、支払いは要らないから帰れという態度に唖然としてしまいました。こんな対応をされたのは初めてです。翌日、目の腫れは引いたので良かったのですが、何か釈然としない気持ちが残っています。

より良いコミュニケーションを目指そう!患者さんこうしてみては・・・?
 きちんと事情を伝えたうえで診てもらおうと思って経過を話したのに、一方的に拒否されたのでは不快な思いをされたことと思います。翌日に目の腫れが引いて大事に至らなかったことは、せめてもの救いのように感じました。
 このような場合、患者さんにできることは限られていると思いますが、できることとすれば、後から「支払いは要らない」と伝えにきたナースに、診察を拒否された理由を尋ねることぐらいでしょうか。そうすれば、少なくともあなたの受診した思いは伝えることができたかもしれません。ただ、それもきちんと耳を傾けてくれるナースが対応することが前提ですから、必ずしも思いが伝わるとは限りませんが。
より良いコミュニケーションを目指そう!医療機関さんこうしてみては・・・?
 経過を聞いて、いきなり診察を拒否するというのは、やはり乱暴だと思います。「診ない」「支払いは要らない」という結論だけでは、理由もわからないままです。流行っている眼科で、別の眼科にかかって悪化している患者の診察に時間をとられたくなかったのかもしれませんが、それにしても患者の思いに配慮した説明が必要ではないでしょうか。
 また、初めての患者が挨拶しているのに、顔すら見ないというのは、基本的なコミュニケーションの問題だと思います。「忙しい」「長く話さないで」という意思表示にはなるかもしれませんが、患者との信頼関係を築けるとは思えません。やはり、患者と向き合う基本的な姿勢が問われているのだと思います。
※写真はイメージです

この実例紹介とアドバイスのご提供は・・・


認定NPO法人
ささえあい医療人権センターCOML

理事長 山口育子

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