[インフルエンザ調査] 2010/11/18[木]

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 インフルエンザ感染者数増加のニュースが聞こえ始めている。QLifeでは、インフルエンザの予防接種状況について、アンケートを行った。まず、直近3年間の状況を聞いたところ、予防接種を「毎年受けている」派が3割、「全く受けていない」派が5割という結果が出た。今年に関しては、「もう受けた」はまだ2割。「受けるつもり」「まだ決めていない」層があわせて5割、「受けるつもりない」が3割であった。
 「受ける」派の理由は、「家族(子供や高齢者)への感染を防ぐ」という回答のほか、「(自身の)重症化/感染や、流行を防ぐ」「過去に罹患経験がある」からとする人が多かった。一方で「受けない」派の理由は、「かかったことがない/かからないと思う」とする人が多かったが、「効果がない」「金額が高い」「副作用が怖い」も少なくなかった。
 「予防接種を受けようと決めるきっかけ」を聞いたところ、「今年もう受けた」層では半数以上が「毎年、接種時期を決めている」と習慣化していることが分かった。「まだ決めていない」層では、テレビなどの報道や周囲からの勧めからの影響が大きく、「受けるつもりはない」層では「医療機関からの勧め」が最も影響を与えることが分かった。

1:インフルエンザの予防接種を毎年受けていますか?

インフルエンザ予防接種を毎年受ける人はどのくらいいるのか、実態を確認した。「毎年受けている(直近3年間)」としたのは、全体の3割に満たず、男女別では女性の方がやや多い。年代別では、70代、80代が多かった。「全く受けていない(直近3年間)」のは約半数を占め、予防接種を受ける習慣を持つ人は必ずしも多くないことがわかった。


2:今年は、インフルエンザの予防接種を受けますか?

次に、「今年の予防接種をどうするか」を聞いたところ、予防接種を「もう受けた」としたのは、まだ2割程度であった(2010年11月15日現在)。「受けようと思っている」を含めても半数に満たない。逆に「受けるつもりはない」としたのは、3割だった。年代別でみると、70代、80代が「もう受けた」「受けようと思っている」傾向が高い。市区町村によっては、高齢者を対象に接種費用の助成を行っていることが影響しているのかもしれない。

ワクチンの接種費用は、市区町村によって異なるが、多くの場合はこれまでの季節性インフルエンザの接種と同じくらいの金額が目安となる(※注)。
低所得者ついては、無料あるいは一部を負担することでワクチンを接種することができる。また、市町村によっては、高齢者や子供を対象に接種費用の助成を行っている場合があり、詳しい情報は、各市町村のホームページなどで公開されている。
※新型インフルエンザワクチン接種事業(平成22年度)で国と契約した全国の診療所・病院(受託医療機関)で接種する場合。


「もう受けた・受けようと思ってる」派の主張・事情

  • 下の子が5ヶ月で予防接種を受けることができないため、家族からの感染を防ぐ意味合いから、下の子以外の家族全員が予防接種を受けることにした。[40代・男性]
  • 結婚した年から2年連続で夫婦で感染したので、その次の年からは必ず予防接種を受けるようにした。特に今は子供が小さいので感染が心配。[30代・女性]
  • 予防接種から抗体があがりはじめるまでに2週間程かかるので、遅くとも11月初旬までに接種するのが妥当と考えたので。[40代・女性]
  • 子供がいるので、うつしてもいけないし、私が倒れるとお弁当作ったり幼稚園の送迎に困るから、インフルエンザには出来る限りかかりたくないため、毎年予防接種を受けます。今年も受ける予定です。[40代・女性]
  • 昨年まではフリーランスで通常は自宅で作業していたが、今年は不特定多数の人間が集まる場所に毎日出勤しているので予防しなくてはならないと思う意識が強い。[50代・女性]
  • 職場で無料で受けられるし、万が一インフルエンザにかかっても軽く済むと思うので。[30代・女性]

「受けるつもりはない」派の主張・事情

  • 予防接種を受けてもインフルエンザに感染する可能性はなくならないのと、費用と手間を考えて。また、今まで予防接種を受けた事が無いので(受ける習慣がないので)。[50代・男性]
  • 自分自身殆ど風邪等引くことがないので、必要を感じない。万が一罹っても、一人暮らしに付、迷惑をかける人もいないため。[50代・女性]
  • 昔、インフルエンザの予防接種をすると、決まって発熱していたため。小学3年以来、インフルエンザにはかかっていないので、必要ないと思っている。[30代・女性]
  • アレルギー体質を理由に拒否してる。根本的に今年はやるものの対応をワクチンがしていると思えない。[40代・女性]
  • 不況で収入が減って食っていくのがやっとなので。インフルエンザに罹らないように、お金の掛からない方法で予防します。[50代・男性]

3:どんなきっかけでインフルエンザの予防接種を受ける決心をしますか?

どんなきっかけがあれば予防接種を受ける決心に繋がるかを聞いてみたところ、「毎年接種時期を決めている」が最も多く、次いで「医療機関から勧めがあったとき」が多かった。

これらの回答内容を、【2:今年は、インフルエンザの予防接種を受けますか?】での回答と相関を見たところ、「もう受けた」人の過半が、「毎年接種時期を決めている」ことがわかった。「受けようと思っている」人は「テレビ・新聞」、「職場」、「家族」からの勧めで接種することが多く、周囲から「インフルエンザ」という言葉が聞こえてくると「そろそろ受けなくては…」と思うようだ。一方、「受けるつもりがない」人は、周囲の声よりも、「医療機関からの勧め」で受ける可能性が最も高いことがわかった。

4:新型インフルエンザは、怖いと感じますか?

去年、各地でワクチン不足が話題となり、半分パニック状態が報道された「新型インフルエンザ」。今はどう感じているのかを聞いてみたところ、去年と「同等に怖い」とするのが6割で、昨年より「怖くない」としているのが3割。高齢になるほど、怖いと感じる率が高い。

5:ワクチンの中身、正しく知っていますか?

新型インフルエンザ用のワクチンと、季節性インフルエンザ用のワクチンは、一度にまとめて済ますことができる。そのことを知っているか否かを質問したところ、認知度は半数程度であることがわかった。

厚生労働省が公開している情報では、ワクチンには、インフルエンザの発症をある程度おさえる効果がみとめられており、(感染したら必ず発症するわけではなく、症状がでないまま済んでしまう人もいる。)かかっても重症になるのを防ぐのに一定の効果が期待できるほか、家族や周囲の人に感染が広がるのをおさえる効果が期待できる。自分が辛い思いをしない事は勿論、家族や周囲に感染させないよう、予防接種は早目に医療機関ですませましょう。

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