今回ご紹介するのは、大阪府にお住まいの高木 千賀(たかぎ ちか)さんです。会社経営の傍ら、お子さんが通う学校のPTA活動でも活躍中のはつらつとした女性です。2019年に腰の大手術をしたのをきっかけに、身体のメンテナンスを決意。以前から気になっていたひざの症状を改善したいと2020年の初めにクリニックを受診し、再生医療を受けました。
手術の体験や持病のこと、ご家族とのエピソードまで、ユーモアたっぷりにお話くださり、終始笑い声が絶えない和やかなインタビューとなりました。

高木 千賀さん(50代・女性)※年齢は取材当時

大阪府で会社を経営。小さいころから体を動かすことが大好き。生活のうるおいは2匹の愛犬。
2020年の1月に再生医療を行っている医療機関を受診し、多血小板血漿治療を受ける。

腰の大手術から、早期発見、早期治療の大切さを実感

ひざの再生治療を受けられるまでの経緯を教えてください。

高木さん:10年ぐらい前から左ひざに痛みがありました。ただ、ずっと痛いわけではなくて、階段を下りるときに痛くなるぐらい。じっとしていると症状はおさまり、日常生活に支障があるほどでもないから、とそのままにしていました。
それよりも、少し車を運転したり歩いただけで脚の感覚がなくなったり痺れたりという症状が長年続いていて、そちらの方が気になって近くのクリニックに通っていました。「骨には異常がない」と言われて温熱療法などを受けましたが、なかなか改善しませんでした。
昨年(2019年)、思い立って別の整形外科に行ったところ、初めて原因が腰にあるということがわかりました。もともと腰椎分離すべり症があったところに狭窄症が重なり、神経が断裂していて、先生に「崖っぷちやで」と言われるほどひどい状態になっていたのです。その整形外科ではさまざまな体勢でレントゲンを撮って下さったので、寝た状態の写真ではわからない骨の異常もわかったとのことでした。
それで手術を受けたのですが、骨を大工事するほどの手術だったので、術後の3日間はそれはもう大変でした。喩えていうなら、松明をぎゅーっと押し付けられている感覚とでもいうか。おかげで腰は治りましたけれども、もう手術はこりごりだと思いました。

大変でしたね。ひざの治療を受けようと思われたのは、その時のご経験からですか?

高木さん:はい。手術で痺れの症状はとれたのですが、ひざの痛みは前よりひどくなっていて、「これは早めに手を打たないといけない」と思いました。それも、できれば「手術をしない治療」をしたい、と。最近ではiPS細胞や皮膚の再生医療が話題になっていましたので、「ひざについても何か方法があるのではないか」と調べているなかで、ひざの再生医療を知り、専門クリニックを受診しました。

まだまだやりたいことがあるから、今、治療する

診断結果はいかがでしたか?

高木さん:MRI検査を受けたところ、「半月板が割れている」と言われました。特にケガなどのきっかけは思い当たらないのですけれど、小学生の時はソフトボールのリトルリーグでピッチャーをしていましたし、その後も、じっとしていることができない性分で、いつも体を動かしていました。ですから、おそらく、ひざを酷使していて、そこへ体重が増えたりした影響が出てきたんだろうなぁと思っています。でもクリニックにも自転車で行けたぐらいですから、比較的軽症の方ではないかと考えて、まずはクリニックで提案された多血小板血漿治療を受けることにしました。

説明を聞いてすぐに決断されたのですか?

高木さん:即決でしたね。今、痛みがあるんだったら、今後は悪くなっていくだけでしょう。それなら早く対策したほうがいい。これまでの経験から、痛みが我慢できなくなるまで待つのは絶対にいやでしたからね。これからも自分の脚で歩いていくためには、すぐにメンテナンスを始めなくては。

その後の経過はいかがですか?

高木さん:おかげさまで、今は、腰もひざも痛みなく過ごしています。MRI検査でも、半月板の損傷が治っていました。私は自己免疫性肝炎※という難病指定の持病があって、毎月、主治医の先生に診ていただいているのですが、ひざの再生医療を受けたということを話したら、「それはよかったね」と言って下さいました。この病気の治療で、副腎皮質ステロイドを服用しているために骨が弱くなる懸念があったので、ひざ関節の状態が改善されたのは、ひとつの安心材料です。そういう面でも、今、このタイミングで治療できたこと、それも、手術も入院もせずに注射だけで治療できたのは、自分にとって良い選択だったと思います。
※何らかの原因により免疫機能に異常が生じ、自らの肝細胞を免疫細胞が破壊してしまう病気

以前に手術で辛い思いをされたからこその言葉ですね。

高木さん:母子家庭ということもあり、せめて娘が大学に行くまでは、倒れるわけにはいかないと思っています。それに、やりたいこともまだまだたくさんあります。たとえば、娘と旅行やショッピングに行きたいですね。以前ハワイに一緒に行った時には、すぐに脚が痛くなってしまい休憩ばかりしていて、娘に呆れられていたのですが、今なら一緒に楽しく廻ることができそうです。新型コロナウイルス感染拡大の状況が落ち着いたら行ってみようと、楽しみにしています。