鼻出血
びしゅっけつ
- 耳鼻咽喉科
- 診療に適した科
鼻出血とは?
原因は何か
鼻出血の原因には、鼻粘膜の血管に原因がある場合、鼻のなかに腫瘍がある場合、首から上の血圧に原因がある場合、血液に原因がある場合があります。鼻の血管には、首の外頸動脈からの枝と脳の内頸動脈からの枝があり、最大の血管は外頸動脈由来の顎動脈の分枝である蝶口蓋動脈で、そのほかにも多くの血管が集まっています。
最も血管が集まっているのは鼻中隔の前方のキーゼルバッハ部位で、ここが鼻出血の最も起きやすい部位です。ここからの鼻出血はアレルギー性鼻炎のかゆみで鼻を強くこすったり、指を鼻に入れる習慣でも起こります。小児のこの部位からの鼻出血は、白血病やオスラー病などの疾患が否定されれば、病気として扱いません。
治療の方法
小鼻を強く押さえれば、数分で止血できます。頻繁な出血で生活に支障があれば、電気凝固、レーザー蒸散、粘膜乱切、粘膜除去などを行います。
月経の時に起こる鼻出血は代償出血といわれ、病的とはいえません。片側だけからのあまり多くない出血が続けば、血管腫や成人の上顎腫瘍などの鼻や上咽頭の腫瘍が疑われます。
成人の鼻出血で最も多い原因は、血圧の上昇です。鼻の上方からの出血は脳血管の枝からの出血のこともあり、脳の血圧を下げて、脳出血を予防する役目もあります。鼻出血を止めるよりも、血圧のコントロールが重要です。
また、ワーファリンやバファリンなどの心筋梗塞や脳梗塞の治療・予防のための薬(抗凝固薬)は血が止まりにくくなるため、鼻出血の原因になります。逆に鼻出血治療のために止血薬を使うのは、梗塞疾患の原因になる可能性もあります。
成人にみられる上方や後方からの鼻出血は、血圧のコントロールやタンポン留置などでは止血できず、内視鏡手術での血管の結紮(しばる)やクリッピングが必要になる場合もあります。このような手術は近年急速に進歩しています。
鼻出血症に関連する可能性がある薬
医療用医薬品の添付文書の記載をもとに、鼻出血症に関連する可能性がある薬を紹介しています。
処方は医師によって決定されます。服薬は決して自己判断では行わず、必ず、医師、薬剤師に相談してください。
・掲載している情報は薬剤師が監修して作成したものですが、内容を完全に保証するものではありません。
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