出典:家庭医学大全 6訂版(2011年)
二次性赤血球増加症
にじせいせっけっきゅうぞうかしょう
- 内科
- 診療に適した科
二次性赤血球増加症とは?
どんな病気か
二次性赤血球増加症は、何らかの原因に反応して実際に血液中の赤血球総数が増加する状態のことをいいます。表9に示したように、赤血球が腫瘍性に増殖する真性多血症は含まれません。また、脱水症などによる見かけ上の赤血球増加症(相対的赤血球増加症)も含みません。
原因は何か
①心臓および肺の疾患による低酸素血症、あるいは過度の喫煙によって赤血球が増加する場合と、②悪性腫瘍(一部の腎がん、肝細胞がん、子宮がん、小脳腫瘍など)の組織が赤血球を増やす物質(エリスロポエチン)を産生する場合とがあります。いずれの場合も、血中エリスロポエチン量の増加が認められます。
検査と診断
血液検査で赤血球数の増加が認められます。脱水症あるいはストレスが原因となって起こる見かけ上の赤血球増加(相対的赤血球増加症)と区別するために、循環赤血球量の測定を行い、血液中の総赤血球数が真に増加していることを確認します(真性多血症)。
さらに、心・肺疾患の有無の確認、動脈血酸素飽和度の測定、大量喫煙歴の確認、血中エリスロポエチン量の測定などを順次行います。
真性多血症の場合と異なり、白血球および血小板数の増加は伴わず、また脾臓のはれも認めません。エリスロポエチン産生腫瘍が疑われる場合には、腫瘍の検索を併せて行う必要があります。
治療の方法
心・肺疾患、エリスロポエチン産生腫瘍など、原因となる疾患の治療が主となります。喫煙が原因の場合には、禁煙が重要になります。