獨協医科大学埼玉医療センター

専門医より推薦を受けた診療科目・診療領域

獨協医科大学埼玉医療センターは、複数の有名専門医(※)の間で「自分や家族がかかりたい」と推薦されています。
このページでは、専門医より推薦を受けた分野(科目、領域)の特色や症例数、所属している医師について取材・調査回答書より記載しています。 ※推薦、選定して頂いた有名専門医の一覧表

消化器内科

分野

消化器・一般内科

特色

獨協医科大学越谷病院は大学病院であるとともに、地域の中核病院としての役割を担った施設である。JR武蔵野線と東武伊勢崎線が交差する交通の利便さもあり、埼玉県のみでなく広い地域から多くの患者様が来院する

★消化器内科では地域の一般病医院と連携し、各学会の資格を有する専門医によるチーム医療によって、消化管領域では食道胃逆流症、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、炎症性腸疾患、食道癌、胃癌、大腸癌など、肝胆膵領域ではウイルス性肝炎、自己免疫性肝疾患、アルコール性肝疾患、代謝性肝疾患、肝細胞癌、転移性肝腫瘍、胆道結石、胆道感染症、胆道癌、膵炎、膵癌などの多彩な疾患を診療している

★特に肝疾患については、埼玉県の肝疾患診療連携地域拠点病院として、B型肝炎、C型肝炎、肝細胞癌の最新の医療を提供している。

症例数

外来患者は1日平均150人、年間延べ数41,000人。入院患者の年間延べ数は1,300人。年間の検査件数としては、上部消化管内視鏡検査は2,800件、下部消化管内視鏡検査は1,700件、腹部超音波検査は3,500件である。また、特殊治療として上部消化管腫瘍に対する内視鏡的切除は60件、下部消化管腫瘍に対する内視鏡的切除は330件、肝細胞癌に対するラジオ波焼灼療法(RFA)は20件程度に試行し、いずれも良好な成績を得ている。また、C型肝炎に対するインターフェロン療法は年間100件以上に施行し、12年4月からは最新薬であるテラプレビルを併用するインターフェロン療法も導入している。

医療設備

上下部消化管内視鏡、拡大内視鏡、超音波内視鏡、カプセル内視鏡、小腸内視鏡、腹部超音波、CT、MRI、腹部血管造影。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 埼玉県」(ライフ企画 2012年11月)

心臓血管外科・呼吸器外科

分野

心臓血管外科

特色

心臓血管外科(狭心症、弁膜症、大動脈瘤など)、呼吸器外科(肺癌、縦隔腫瘍、気胸、胸郭など胸部一般)、末梢血管外科(動脈瘤、動脈閉塞症、静脈血栓症、静脈瘤など)の領域にわたり診療を行う

★外来では、手術予定またはセカンドオピニオンを求める患者さんに対し、手術の適応・必要性と危険性について詳細に説明する。手術は低侵襲をモットーに、人工心肺を使用しないオフポンプ冠動脈血行再建手術や胸骨小切開による心臓弁膜症手術(国内最大規模の症例数)を行っている。大血管手術は胸部と腹部に限らず、広範囲な胸腹部大動脈瘤の手術も手がける。10年4月から腹部大動脈に対するステントグラフト留置術、11年10月から胸部大動脈に対するステントグラフト留置術を開始した。12年4月から下肢静脈瘤に対する外来ストリッピング手術を開始した(それまでは入院手術)

★呼吸器外科領域では、適応を決めて鏡視下(胸腔鏡)手術を行い、呼吸機能の温存と術後の早期回復を目標にしている。末梢血管領域ではカテーテルによる血管内治療を導入し、当院放射線科医師とも協力して患者さんに負担の少ない手術を目ざす。緊急手術に対してはスタッフ全員が24時間体制で対応している。

症例数

当科は日本成人心臓血管外科手術データベース(JACVSD)の参加施設として手術症例数と成績を管理している。11年の心臓手術件数は約110件で、胸部外科と末梢血管領域を含めると総数で約400件の手術を行っている。緊急手術に関しては、当院が第3次救急病院であるため、重症心不全例や大動脈瘤破裂例も多く、死亡率は10%前後である

★弁膜症手術は、10年約50件であり、胸骨を縦断せず部分切開による低侵襲手術を特徴とし、全国的にも有数の症例数(430例)を誇る。また、僧帽弁閉鎖不全症に対する弁形成術や同時手術として心房細動根治術(メイズ手術)も積極的に導入している

★冠動脈手術は、10年約50件である。心拍動下冠動脈バイパス術(人工心肺使用・不使用含めて)は95%以上の症例に行い、良好な成績を得ている

★胸部大動脈手術は定時手術が10年約30件である。合併症の多いこの領域の手術では、意識障害などの重篤な合併症の発生率は5%前後である。急性大動脈解離と大動脈瘤破裂に対する緊急手術は年間10件以上であった。ステントグラフト留置術は開始から現在まで胸部・腹部総数で100例を超えた

★末梢動脈病変の血管内治療として、足の閉塞性動脈硬化症には病変に合わせた薬物療法、運動療法、血管内治療や手術治療を行っており、骨盤の腸骨動脈狭窄や瘤などにも血管内治療を行っている

★下肢静脈瘤手術は200 例前後で、外来での局所麻酔下での高位結紮手術、静脈瘤硬化療法、局所麻酔下での外来手術を組み合わせて行っている

★呼吸器外科手術は、肺悪性腫瘍に対する手術を年間約70件行っており、自然気胸に対する手術は毎年約30件行い、ほとんどが胸腔鏡下の手術である。縦隔腫瘍の手術は毎年10~20件行い、胸腔鏡手術を積極的に実施している。

医療設備

放射線科での血管造影治療設備、手術室でのモバイルフラットパネル、心エコ-装置、64列CT、MRI、MRA、心筋RI装置、IABP、PCPS、補助人工心臓、人工心肺装置、DSCTなど。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 ○
  • 執刀医指名 ○

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 埼玉県」(ライフ企画 2012年11月)

泌尿器科

分野

泌尿器科

特色

98年4月に新設され、埼玉県東部地域の基幹病院としての役割を担っている。初代主任教授安田耕作の指導の下、排尿障害、前立腺肥大症、尿路悪性腫瘍、小児泌尿器などの領域で診療実績を伸ばし、県下有数の症例数を誇る教室となった。07年4月第2代主任教授として岡田弘が着任し、上記の領域の他に男性不妊症、女性泌尿器、尿路結石、性機能、腹腔鏡手術などにも新たに力を入れている。岡田教授の医局運営方針として医局員各自が得意分野を専門とし、それぞれの領域で中心スタッフとして診療にあたることとしている。

症例数

10年度:外来新患者数2,767人、入院患者数1,389人。手術件数は740件(ESWLを含まず)、内訳は鏡視下副腎摘除13件、開放根治的腎摘13件、鏡視下腎摘除19件、開放腎尿管全摘12件、鏡視下腎尿管全摘6件、経尿道的膀胱腫瘍切除術126件、根治的膀胱全摘14件、根治的前立腺全摘27件、腹腔鏡下前立腺全摘11件、HoLEP43件、MD-TESE80件、TOT10件、TVM24件、VUR根治術14件、鏡視下腎盂形成12件、尿道下裂手術10例、fTUL15件、PNL4件

排尿障害=質問表・尿流測定・尿流動態検査などを用いて、病態を明らかにした上で、治療を行っている。特に前立腺肥大症に対しては、従来の経尿道的前立腺切除術(TUR-P)や開放被膜下前立腺摘除術に代わり、出血も少なく大きな線腫の治療も可能なホルミウムレーザー前立腺核出術(HoLEP)を埼玉県下で最初に導入し実績を積んでいる

尿路性器悪性腫瘍=超音波検査、CT、MRI、各種シンチ、軟性膀胱鏡、軟性尿管鏡、PSAなどを用い、正確な病期診断を行い、的確な治療方針を選択している。副腎腫瘍・早期腎腫瘍に対しては腹腔鏡手術を、前立腺癌に対しては小切開手術や腹腔鏡下前立腺全摘を行っており低侵襲を心がけている。術後尿失禁の頻度も低く、希望に応じて神経温存手術も行っている。12年5月より、前立腺癌に対する永久挿入密封小線源療法を開始し、さらなる低侵襲治療を目指している。筋層浸潤性膀胱癌に対する膀胱全摘時の尿路変更法は、従来の回腸導管・尿管皮膚瘻に加えて、尿道から排尿可能な腸管利用自然排尿型新膀胱造設術も症例に応じて積極的に行っている。なお、膀胱癌・前立腺癌に対しては医師主導型治験や先進医療という形で久留米大学との共同研究によるペプチドワクチン療法を症例を選んで施行している。進行性精巣腫瘍に対してはリスク分類に従い化学療法を施行し、必要に応じて射精神経温存後腹膜リンパ節郭清を行っており、これまで全例長期生存を得ている

男性不妊症=顕微鏡下に精細管を観察し、高率に精子を回収することができるMD-TESEを行い、従来精子回収が困難であったクラインフェルター症候群や癌化学療法後の症例の精子回収を可能にし、顕微受精への門戸を開いている。精索静脈瘤に対しては単孔式腹腔鏡手術を取り入れている

尿路結石=最新のドルニエ社製の治療装置を用い体外衝撃波結石破砕術(ESWL)を行い、短期間の入院で効率的な破砕を行っている。比較的大きい結石に対しては、経皮的腎砕石術(PNL)や経尿道的砕石術(fTUL)を積極的に取り入れ、ESWLを併用して完全排石を目指している

女性泌尿器疾患=腹圧性尿失禁に対してはTOT手術、膀胱瘤や直腸瘤などの性器脱に対してはTVM手術など新しい術式を取り入れ、良好な成績を収めている

小児泌尿器疾患=小児泌尿器専門医により尿道下裂、膀胱尿管逆流症(VUR)、水腎症、遺尿症などをはじめとする小児特有の疾患の専門的治療を行っている。他施設では治療困難な症例も多く受け入れ、腹腔鏡手術や気膀胱手術(膀胱内に空気を注入して腹腔鏡などで行う手術)などを積極的に取り入れ低侵襲治療を行っている。

医療設備

超音波診断装置、軟性膀胱鏡、軟性尿管鏡、尿流動態検査、体外衝撃波結石破砕装置(ESWL)、ホルミウムレーザー発生装置(HoLEP、結石破砕術に使用)、腹腔鏡手術装置一式、前立腺癌小線源療法装置一式、夜間勃起機能検査(リジスキャン)、小児用内視鏡・切除鏡一式。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 ○
  • 執刀医指名 ○

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 埼玉県」(ライフ企画 2012年11月)

整形外科

分野

整形外科

特色

すべての整形外科疾患に対して、手術療法を中心に高度な専門治療を行っている。特に、先天性内反足と脊柱変形(側彎症など)は日本におけるセンター的施設の一つとして活動している。また、併設されている救命救急センターとの連携で、重度四肢外傷や脊椎脊髄損傷の手術治療も積極的に行っている。各疾患ともバイオメカニクスに基づいた手術法の選択と、早期離床・後療法の簡略化など、患者さんの日常生活に即応した治療法の選択に留意している。

症例数

年間の手術症例数は600~750件である

★小児整形外科は脊柱側彎症、先天性内反足、先天性股関節脱臼を中心に、広く行っている

★治療の難しい麻痺性疾患・変性疾患・リウマチ性疾患・外傷後などの上下肢変形に対しイリザロフ創外固定やテーラー創外固定を用いた四肢変形矯正や脚延長を行っている

★スポーツや外傷による靱帯機能不全に対して、靱帯再建手術を膝、足関節を中心に行っている。特に足関節外側靱帯機能不全に対しては独自の靱帯再建手術を考案して行っており、良好な成績を得ている

★踵骨骨折に対しては、独自に考案・作製した内固定金属を用いた観血的整復固定術を積極的に行っており、良好な成績を得ている

★四肢関節における慢性疾患に対する治療では、患者さんのQOL(生活の質)に留意した手術法の選択をしている。変形性股関節症、変形性膝関節症に対する人工関節置換術が多い

★胸椎・腰椎外科では、椎間板ヘルニアおよび腰部脊柱管狭窄症に対して内視鏡下手術を行い、変性すべり症、分離すべり症、変性側彎症においては、適切な除圧と不安定性には脊椎インスツルメンテーションを用いた脊椎固定術を行っている

★脊柱変形(側彎症など)は特発性、先天性、症候性などすべての病因にわたって治療している。その矯正手術では可動脊椎の可及的温存をテーマに、前方矯正固定、後方矯正固定、脊椎骨切り術など、あらゆる技術を駆使して取り組んでいる。特に短い範囲で大きな効果が得られる脊椎前方矯正固定を積極的に行っている。最近は若年性ばかりでなく、中高齢者の側彎や後彎変形に対しても積極的に矯正手術を行っている。手術のみならず装具療法も積極的に行っている

★頸椎外科では、頸椎症性脊髄症や後縦靱帯骨化症に対する椎弓形成術を積極的に行っており、術後外固定の省略や早期運動療法を推進している。関節リウマチによる頸椎・頸髄障害に対しても、手術治療を積極的に行っている。外傷、腫瘍、関節リウマチなどによる不安定性に対しては、脊椎インスツルメンテーションを用いた頸椎再建を積極的に行っている

★脊椎・脊髄損傷に対しては、バイオメカニクスに基づいた術式選択と脊椎インスツルメンテーションを用いた脊柱再建を行っている

★手の外科領域では、多指・合指といった先天奇形からマイクロサージャリーを用いた足趾移植、血管柄付き骨移植などの複合組織移植、腕神経叢麻痺を含めた末梢神経再建外科まで幅広く取り組んでいる

★骨・軟部腫瘍症例も紹介例を中心に多い。悪性腫瘍例でも患肢温存手術を原則とし、手術後の化学療法も一貫して行っている

★出血量が多いと予想される手術では、自己血輸血を積極的に施行している。

医療設備

MRI、CT、RI(シンチグラフィー)、DEXA(骨量測定)他。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 ○
  • 執刀医指名 ○

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 埼玉県」(ライフ企画 2012年11月)

産科婦人科

分野

産婦人科

特色

産科婦人科学の専門分野は、周産期医学、腫瘍学、生殖内分泌学、思春期・更年期・老年期医学等に大別されるが、ほぼ全領域にわたり、それぞれの専門医が診断と治療にあたっている

★周産期医学では林教授の開発したエムハヤシダブルバルーンという分娩時間を半減させる装置がある。これを使用して痛みの強い分娩の時間を極小にすることができる。あらかじめ妊娠38~39週に分娩日を設定して入院し、朝9時からエムハヤシダブルバルーンを装着し、その1時間後から陣痛誘発剤を点滴すると陣痛の軽い計画分娩が施行でき、95%の妊婦が、その日の18時までに分娩を完了できる。この方法をとると、あらかじめ夫が設定した分娩日に会社を休めば、分娩全行程に立ち会うことができ、その日に新生児を抱くことができる

★また、婦人科癌の手術、化学療法、放射線療法では高度な治療を行っている。女性心身医学の分野では中高年女性の健康維持を目的として、従来の婦人科の概念にとらわれない幅広い診療を行っている。

症例数

年間(11年)の分娩は342件であった。分娩監視装置、超音波診断装置などを用いて、入念な分娩管理を行っている。当院は埼玉県東部地区のセンター的病院であり、近隣の病院・医院から異常を認めた妊産婦が送られて来るため、帝王切開率はやや高くなり45.0%であった。子宮頸管無力症、妊娠高血圧症候群、双胎、低置胎盤、前置胎盤、羊水過多症、子宮内胎児発育不全、子宮筋腫合併妊娠、内科疾患合併妊娠などの異常妊娠に対しては関連各科とも連携して、特に力を入れて診療している

★年間の全開腹手術症例数は390例で、悪性腫瘍根治術が68例、良性腫瘍手術168例、腟式手術126例、腹腔鏡手術が52例であった

★子宮筋腫の手術には筋腫核のみ摘出し手術後に妊娠分娩が可能な術式と、子宮を摘出する術式とがある。当科では患者の希望に沿って術式を選択している。また、手術を希望しない患者には薬物療法を行うこともある

★卵巣の良性腫瘍には手術治療を行うが、若年者や手術後に妊娠分娩を希望する患者には、卵巣を温存する術式を行う

★子宮内膜症の治療法の選択は個別的に行われるべきであり、年齢、挙児希望の有無、症状の程度などを考慮して決定する。いろいろな種類の薬物療法と手術療法とを適切に選択して行う

★子宮頚癌のIb期からIIb期までは骨盤リンパ節郭清を含めた広汎性子宮全摘術を行い、Ia1期からIa2期には円錐切除術から準広汎性子宮全摘術を選択して行う。IIIb期以上には同時化学放射線療法を行う。5年生存率:Ia期100%、Ib期93%、IIb期72%、III期47%、IV期17%

★子宮体癌には傍大動脈リンパ節と骨盤リンパ節郭清を含めた根治手術、および進行期に沿った縮小手術を行う。進行例は手術後に抗癌剤治療を行う。5年生存率:I期88%、II期77%、III期49%、IV期36%

★卵巣癌には傍大動脈リンパ節と骨盤リンパ節郭清、子宮全摘術、両側付属器切除術を含めた根治手術および、進行期に沿った縮小手術を行う。5年生存率:I期93%、II期53%、III期18%、IV期0%

★不妊症にはホルモン検査、子宮卵管造影検査、卵管通気検査、精液検査、腹腔鏡検査などを行う。排卵誘発のための内服および注射による内分泌治療を行っているが、高プロラクチン血症や多嚢胞性卵巣症候群の不妊患者を多数治療した実績がある。また、乏精子症の患者に対する人工授精の症例数は豊富で良好な成績を収めている

★不育症の大部分は習慣流産であるが、その原因(内分泌機能異常、抗リン脂質抗体症候群、自己免疫疾患、子宮奇形など)に応じてそれぞれ専門的な治療を行っている

★女性心身医学の分野では、アンケート調査を駆使して患者の不定愁訴を十分に聞きだし、その愁訴に応じた個別的治療を行って、患者の生活の質(QOL)の向上に努め、良好な成績を収めている

★更年期・老年期の診療では主に貼付剤を使用したホルモン補充療法(HRT)を中心にして、更年期障害、骨粗鬆症、高脂血症の予防と治療を行っている。HRTを好まない患者には、その他の薬物療法および漢方療法も行う

★思春期の疾患(原発性・続発性・体重減少性無月経、月経不順、月経困難症、帯下など)についても適切に診断・治療を行っている。

医療設備

MRI、CT、4D・カラードプラ超音波診断装置、腹腔鏡、子宮鏡、子宮卵管造影モニター装置、コルポスコピー、DEXA骨密度測定装置、リニアック。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ×
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 △

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 埼玉県」(ライフ企画 2012年11月)

小児科

分野

小児医療

特色

大学病院としての機能を果たすため、全領域をカバーしうる点と、東埼玉地区の中核病院としての地域密着型機能をも有する点が特徴である。現在、医局員は30人を超えており、毎日のグループ回診、週それぞれ1回の教授、准教授回診で、チーム医療を行っており、医療レベル均一化と向上に心掛けている

★大学病院としての、教育、研究の実践のため、医療機器は最新が揃い、医師、看護師、技師などの士気は高く、時間外においてもスムーズに仕事が運ばれる。医師の出身大学は、一つの大学に偏ることのないように努めたため、東京大学、慶應大学、日本大学、神戸大学、高知医大、愛媛大学、旭川医大、香川医大、獨協医科大学など多岐に及んでおり、そのお蔭で、お互いが切磋琢磨し個性豊かな医療の提供が可能となっている

★専門外来は、毎週午後に開設されており、遺伝、神経、内分泌・代謝、循環器、腎臓、精神、肝臓、新生児がある。臨床心理士、院内学級などを小児科独自に開設し、社会のニーズに応えている。夜間時間外診療は、われわれの地域では、1次診療は時間外救急診療所を、医師会・行政と共に開設し365日、8時~11時に行い、2次は市民病院、3次はわれわれが担っている

★現在社会問題となっている小児科医不足は、国が何十年もの間、小児科医が育ちにくい環境を放置し続けたためである。小児科医の個人的努力だけでは、この現状は補えず、医療のシステム化が不可欠である。獨協医科大学越谷病院小児科のある越谷市は、日本でも若い世代が極めて集中した場所であるが、この地域は、われわれの施設の他、越谷市立病院、草加市立病院、川口市立医療センター、さいたま市立病院などの医療資源の豊富な地域でもある。これらの医療資源を有効に利用することで小児医療レベルの最高峰を目指している。

症例数

1日の外来数は、平均80人を5人の医師で担当しているため、比較的時間をかけて診療が実践される。入院可能病床は40床であり、救急疾患は近隣の市民病院を中心に治療していただき、大学病院では、重症疾患を中心に担当するという任務分担体制ができている

★遺伝外来は、多種多様の染色体異常症、先天奇形症候群、遺伝子病などを扱い、その診断、遺伝相談、治療に当たっている。遺伝外来はまだ国内には少なく、埼玉県では、埼玉小児医療センターと獨協のみであるため、ニーズが高い。なかでもプラダー・ウイリー症候群患者は約230人の患者が来院しており、世界でもトップの医療サービスを提供している

★神経外来は、当院の伝統ある専門外来で患者の種類、数は多い。難治性けいれん、退行性疾患、筋ジストロフィー症等の神経筋疾患などの患者の治療が行われている。とりわけ筋疾患は、国立精神神経センターとの連携が密に行われている

★内分泌・代謝外来は、甲状腺、下垂体、副腎、性腺などの機能異常症、糖尿病、低身長などを中心に治療が行われている

★循環器外来では、先天性心疾患、不整脈、川崎病などが中心である。病院の事情から、遺伝、神経、代謝異常症などの特殊疾患に起因した心臓疾患の検索にも優れている

★腎臓外来では、種々の腎炎、ネフローゼ、尿路感染症が泌尿器科との連携の下治療されている。腎臓疾患は、都立小児総合医療センターの腎臓科との連携が密で、疾患での合同カンファレンスが定期的に行われている

★精神外来は、神経性摂食障害、不登校、パニック症候群など、多岐にわたる疾患の治療に医師、臨床心理士などの協力の下行われている。埼玉県下には、小児心身症での入院施設はなく、われわれの施設が担わざるを得なくなっている。不登校児や長期入院を余儀なくされる心身症児には、院内学級を提供している。09年1月から「子どものこころセンター」が独立し連日外来を行っている(要予約)

★肝臓外来では、あらゆる肝炎、ウイルソン病などの先天異常症、肝臓移植患者などのフォローにあたり、疾患の種類は豊富である

★新生児外来では、当院で出生された患者のフォローを中心としている。

医療設備

あらゆる医療設備が揃っている。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ○
  • 主治医指名 ○
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 埼玉県」(ライフ企画 2012年11月)

小児外科

分野

小児外科

特色

獨協医科大学越谷病院は84年に開院。現在、723床を有し救命救急センターを併設しており、日本医療機能評価機構の認定病院である。小児病棟は53床で、新生児から思春期にいたるまでのあらゆる小児の疾患に対応している

★小児外科は開院以来、一般小児外科疾患や救急疾患に長年取り組んできた実績があり、日本小児外科学会の認定施設として小児外科指導医や専門医をスタッフとし、埼玉県南東部を中心に東京都内、千葉県など周辺地域の基幹小児外科施設として、最先端の小児外科医療を提供している。ホームページを利用した情報公開や、疾患の説明などにも積極的に取り組んでいる(http://www.dokkyomed.ac.jp/dep-k/ped_surg/)

★小児は身体的にも精神的にも成長・発育の過程にあるため、入院や手術が必要な場合には、子どもの成長や発育に障害とならない治療法を選択し、治療後の精神的・心理的負担を少なくするよう配慮している。特に、腹腔鏡や胸腔鏡を用いた鏡視下手術を積極的に取り入れ、小さな創で手術後の回復が早くかつ安全な低侵襲手術を実施している。さらに形成外科的手技を応用し、整容的側面にも配慮するよう心掛けている

★新生児外科では、出生前の超音波検査による胎児の異常として発見されることも多く、産科・小児科との緊密な連携のもとに治療を行っている。加えて、より高度な治療技術を要する低出生体重児の外科手術にも積極的に対応している

★小児悪性腫瘍(小児がん)の治療では小児外科、小児科、放射線科、病理などの関連各科と協力し集学的治療を行い、看護師、ソーシャルワーカー、薬剤師、栄養士などのメディカルスタッフと綿密に連絡を取り合い、チーム医療を実践し治療成績の向上に努力している。小児泌尿器疾患の治療では、泌尿器科の小児泌尿器専門医と協力しながら、将来の機能を損なわない治療に心掛けている。また、近年、重症心身障害児の生活の質を向上させる目的で、胃食道逆流症や呼吸障害に対する外科治療にも積極的に取り組んでいる。

症例数

年間手術件数は600件以上。11年の外来延べ患者数は6,440人で、うち新患数は1,520人。入院患者数は620人で、手術件数は603件。対象疾患は一般小児外科疾患(鼠径ヘルニア、停留精巣、臍ヘルニア、包茎、乳児痔瘻、肥厚性幽門狭窄症、血管腫、リンパ管腫などで、肥厚性幽門狭窄症では創の目立たない臍輪切開を採用)、救急疾患(外傷、熱傷、異物・誤飲、急性虫垂炎、腸重積症、鼠径ヘルニア嵌頓、急性腹症などで地域からの依頼に24時間対応している)、新生児外科疾患(先天性食道閉鎖症、先天性横隔膜ヘルニア、腹壁異常、小腸閉鎖、ヒルシュスプルング病、鎖肛など)、消化器疾患(胆道閉鎖症、先天性胆道拡張症、胃食道逆流症、炎症性腸疾患、消化管ポリープおよび慢性便秘、下血など)、悪性腫瘍(神経芽腫、腎芽腫、肝芽腫、横紋筋肉腫、奇形腫などで、全国レベルの治療研究による治療または標準治療を実施)、良性腫瘍、泌尿器疾患(先天性腎尿路疾患、膀胱尿管逆流現象など)、呼吸器疾患(先天性肺嚢胞症、肺分画症など)、形成外科疾患(先天異常、熱傷、漏斗胸など、漏斗胸では創の目立たないナス手術を採用)などである。

医療設備

小児腹腔鏡・胸腔鏡手術器具、小児用内視鏡(消化管内視鏡・気管支鏡・膀胱鏡など)、診断用超音波装置、消化管内圧検査装置、食道pHモニター装置などを備えている。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ○
  • 主治医指名 ○
  • 執刀医指名 ○

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 埼玉県」(ライフ企画 2012年11月)

眼科

分野

眼科

特色

白内障をはじめとする眼疾患全般を扱っているが、特に難治性網膜剝離、増殖糖尿病網膜症、黄斑疾患、網膜静脈閉塞症などの網膜硝子体疾患が多いことが特色であり、県内はもとより県外からも多くの患者が紹介受診する。

症例数

11年度の外来患者数52,381人、1日平均185.7人、そのうち初診患者数は6,231人で、1日約20~30人であった。入院患者数は1,271人で1日平均47.3人、眼科専用に常時57床が用意され、外傷、網膜剝離など緊急手術の必要な患者が常時入院するため、実際は全病床数723床の1割以上を使用している。内眼部手術件数は年間約2,500件で、月曜から土曜日の毎日定時手術、緊急手術を行い、それ以外に眼科専用外来手術室にて翼状片、眼瞼下垂などの外眼部手術を行っている

★白内障手術では、全国に先駆けて超音波乳化吸引術+眼内レンズ挿入術を積極的に行ってきた草分け的な病院として知られており、現在は年間約1,500件でほぼ全例2.2~2.75mm幅の小切開で施行し、早期の視機能回復、社会復帰に努めている

★網膜硝子体手術についても、84年の開院時より積極的に行っており年間約750件で、網膜剝離に対する網膜復位率は難治例を含めほぼ100%で、原則として緊急入院とし速やかに手術を行う体制を確立している。増殖糖尿病網膜症に対する硝子体手術は、進行例を含めても初回網膜復位率85%、視力改善率70%の成績をあげているが、より良好な視機能の生涯にわたる維持のために早期硝子体手術を行っており、視力0.5以上85%、0.8以上70%の好成績を得ている。また、積極的に25ゲージ無縫合硝子体手術も取り入れ、良好な手術成績を得ている。中心窩脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性に対しては、外来に設置した眼科専用手術室にて04年から認定医による光線力学的療法、抗VEGF抗体を用いた硝子体内注射を施行している

★緑内障は、網膜神経線維層解析装置などの早期診断機器を用いて確実な早期発見と治療に取り組み、開放隅角・閉塞隅角緑内障、さらに血管新生緑内障などの難治緑内障に対しても各病型に適応したレーザー、手術(インプラント手術を含む)を専門医が施行し、緑内障手術は年間約120件である

★眼窩底骨折に対する眼窩底骨折整復術は骨移植、骨膜移植、上顎洞内へのバルーン留置や3D内視鏡などを用いて行っており、年間約35件で複視消退率は線状型、トラップドア型、骨欠損型の全体で92.3%であった

★斜視手術は年間約40件で、神経眼科疾患では脳神経外科や内科、放射線科と協力して正確な診断を目指している

★01年よりロービジョン外来を開設し、年間約200件で、視覚障害者のQOL(生活の質)の向上を目指して補助具の選定や使用訓練、歩行訓練、就学・就労相談、福祉サービスの情報提供、心理的サポートなど、きめ細かい生活支援を行っている

★角膜移植は埼玉県腎・アイバンク協会と密に連携を取り、様々な症例に対応している。

医療設備

眼科手術専用顕微鏡6台、超音波白内障手術装置2台(インフィニティ)、硝子体手術装置3台(アキュラス2台、コンステレーション)、硝子体手術専用光凝固装置2台、炭酸ガスレーザー、3D内視鏡装置、レーザー光凝固装置4台(マルチカラー2台、パスカル、PDT用半導体)、Nd:YAGレーザー、パノラミックオフサルモスコープ200Tx、レーザーフレアセルメーター、ハンフリー視野計、ゴールドマン視野計、MP-1マイクロぺリメータ、スペクトラルドメイン光干渉断層計、網膜神経線維層解析装置、多局所網膜電図、多機能型3D前眼部解析測定装置、3D超音波診断装置など、常に最先端の眼科医療装置を備えている。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ○
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 △

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 埼玉県」(ライフ企画 2012年11月)

耳鼻咽喉科

分野

耳鼻咽喉科・頭頸部外科

特色

当病院は東武スカイツリーラインとJR武蔵野線が交差する新越谷駅と南越谷駅より徒歩3分の立地であり、交通の便にとても優れている。埼玉県南部をはじめ足立区、墨田区、江東区などの都下を含め広い範囲より患者が受診している。11年4月より新しい教授が就任し、それに伴いスタッフも一新され、これまでとは全く異なる新体制で診療を行っている。地域医療に根付いた医療を基本とするが、大学病院としてより高度な医療を提供できるよう診療体制を整えている

★診療内容としては、耳鼻咽喉科領域全般をカバーし、平日だけでなく土・日を含めて毎日当直業務も行っている

★耳科領域では、慢性中耳炎や真珠腫性中耳炎をはじめとする中耳疾患に対し、手術治療を主体に治療を行っている。教授の専門が真珠腫性中耳炎や癒着性中耳炎に対する手術治療であるため、中耳手術の手術件数は11年に比べ倍増している。さらに、先天性耳小骨奇形や耳硬化症などの非炎症性疾患に対する手術治療では、90%以上の症例でほぼ正常に近い良好な聴力改善が得られている。人工内耳に対する手術は、これまでは年間1、2例しか施行していないため、今後増加させ患者のQOL(生活の質)を向上させる

★鼻科領域では、慢性副鼻腔炎に対し、ほとんどの症例で内視鏡を用いた鼻内副鼻腔手術を行っている。当院の手術は副鼻腔炎に対する手術件数が日本で一番多い慈恵医大にて研鑽を積んだ医師が担当するため、術後経過も極めて良好である。解剖学的に難治な副鼻腔疾患や再手術症例に対してはナビゲーションを用いて、より安全で確実な手術を行っている

★そして頭頸部腫瘍に対しては、顎下腺、耳下腺、甲状腺などの良性腫瘍から口腔、咽頭、喉頭癌などの悪性腫瘍に対する手術まで幅広く行っている。術後成績も良好であり、悪性腫瘍に対する再発率もここ1年で急激に減少した。

症例数

11年度の年間手術件数は602例である

真珠腫性中耳炎=基本的に外耳道後壁を保存する術式を用いている。より生理的な形態を維持できるため術後のケアが楽であり、術後のQOLが向上する。アブミ骨が残存する場合は70%以上の症例で術後の聴力は改善する

癒着性中耳炎=極めて難治で再発しやすい疾患であるが、自己の耳介軟骨を用いて鼓膜を形成するcartilage tympanoplastyを術式として用いることにより、95%の症例で術後の再発がなく、また聴力改善成績も40%台から70%弱まで改善した

耳硬化症=聴力改善成績は、90%以上の症例でほぼ正常に近い良好な術後聴力が得られている。最近では炭酸ガスレーザーを用いてアブミ骨を蒸散する方法を採用したことにより、術後のめまいが出現することはほとんどない

慢性副鼻腔炎=過去に行われていた歯齦部(はぐき)を切開する上顎洞根本術は現在行っていない。ほとんどすべての症例に対し、内視鏡を用いた鼻副鼻腔手術を行っている。基本的にポリープの基部を残したり、蜂巣と呼ばれる構造をきちんと開放しないと副鼻腔炎の再発につながるため、病変部位は徹底的に清掃を行い単洞化させる。術後の痛みを緩和させるために術後鼻内に挿入するガーゼの代用として、抜去不要なアルギン酸カルシウム(ソーブサン)を使用している。これにより術後処置による痛みがほとんどなくなった。年間で150例程度の鼻副鼻腔手術を施行しているが、重篤な術後の副損傷や合併症は発生しておらず、ほとんどの症例で鼻症状の改善がみられている。ただし、近年増加傾向にある好酸球性副鼻腔炎は極めて難治であり、再発を来しやすいので術後外来通院による厳重な管理を要する

アレルギー性鼻炎=高周波電気凝固術、炭酸ガスレーザーによる蒸散術、タービネートブレードを用いた下甲介粘膜下組織除去術など患者のニーズに応じた手術療法を行う。手術治療以外の根治的な治療としては原因抗原を同定したうえでの減感作治療も行っている

頭頸部腫瘍=舌、口腔、咽頭(上咽頭、中咽頭、下咽頭)、喉頭、唾液腺(耳下腺、顎下腺)、甲状腺などすべての頭頸部腫瘍に対して治療を行っている。頭頸部腫瘍に対する手術治療はおよそ年間150件である。悪性腫瘍に対しては治療成績の向上のみならず、QOLの向上を目指し、機能温存(音声機能、摂食機能など)を考慮した治療を行っている。そのため、手術治療だけでなく放射線治療、化学療法、選択的動注療法など患者の状態や重症度、生活環境などを考慮し、最良の治療法を選択している。

医療設備

ナビゲーションシステム、マイクロデブリッダー、炭酸ガスレーザー、高周波電気凝固装置(コブレーター)、各種内視鏡。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 ○
  • 執刀医指名 △

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 埼玉県」(ライフ企画 2012年11月)

糖尿病内分泌・血液内科

分野

糖尿病内分泌内科

特色

当科は、内科学統合の実践の場として、細分化されたより高度な専門的医療を統合し、総合的な治療を行うことを目標としている。内分泌・代謝疾患をはじめとして、神経疾患、血液疾患の専門的診療に加え、内科疾患全般の診療に携わっている。また、大学の使命である、診療、研究、教育に加え、患者の立場に立った“温かい医療”を診療科のモットーにしている。日常検査は多岐にわたり、頸部・心臓および腹部超音波検査、甲状腺細胞診、甲状腺シンチグラム、頭部CTおよびMRI画像検査、腰椎穿刺、神経伝導速度測定、脳波測定、骨髄穿刺等の豊富な検査手段を駆使して、絶えず的確な診療を実践している。

症例数

内分泌・代謝疾患では、糖尿病・甲状腺疾患を中心に専門的治療が行われている

糖尿病=糖尿病の外来通院中の患者数は約3,000人に上り、また常時20人前後の糖尿病患者が入院している。医師、看護師、薬剤師、栄養士、臨床検査技師が一体となって糖尿病教室を開き、患者教育に専念している。糖尿病患者の会も近々発足予定である。糖尿病性合併症の対処として、当院他科との連携の良さも当科糖尿病診療の一つの特徴である。糖尿病薬は、経口薬、インスリン製剤共に、新薬を積極的に取り入れ、きめの細かいオーダーメイド治療を目指している。血糖コントロールが改善しない患者では、絶えずその原因究明を心掛け、食事、運動療法の見直し、薬剤の組み合わせ変更を積極的に行い、少しでも多くの患者が良好な血糖コントロールが得られるよう尽力している。さらに、国内外の学会、研究会にも前向きに参加し、最先端の糖尿病診療技術を取り入れている

甲状腺疾患=外来通院患者数は約800人で、バセドウ病、慢性甲状腺炎が大部分を占めている。バセドウ病の治療法は主に薬物療法であるが、患者の背景、病態に応じて、手術療法、アイソトープ療法を選択することもある。甲状腺エコーは多数の患者を対象に複数の熟練した常勤医が取り組み、甲状腺腫瘍の的確な診断に貢献している。最近では、甲状腺嚢胞に対する経皮的エタノール注入療法(PEIT)の導入も検討中である

その他の内分泌代謝疾患=下垂体疾患、副甲状腺疾患、副腎疾患等も多数例、専門診療を行っている。それらの疾患では詳細な内分泌検査およびMRI、CT、シンチグラフィー等の画像検査を組み合わせた総合的診断を全うしている。手術適応となる腫瘍性疾患は、速やかに当院の外科系診療科に紹介している。一方、血中コレステロール、中性脂肪の上昇した高脂血症患者も多数例治療に当たり、効果の優れた新薬を積極的に使用している。一部の患者ではその原因究明のため、特殊酵素の測定、遺伝子解析も試みている

血液疾患=血液疾患では、臨床像、末梢血・骨髄像、リンパ球CDマーカー、リンパ節組織像および各種画像所見を駆使し、日々、専門的に的確な診断が下されている。白血病患者に対する化学療法では、新薬を導入した最先端の治療が施されている。悪性リンパ腫では放射線照射適用例も存在し、当院放射線科との綿密な連携の下に治療が進められている。

医療設備

大学付属病院としてあらゆる設備を有する。MRI、CT、超音波装置、シンチグラフィー、X線骨量測定装置、サーモグラフィー、神経伝導測定装置、人工膵臓、脳波計、血漿交換装置、レーザードプラ血流計、体脂肪計、ニューロメーター(知覚測定)等。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ○
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 埼玉県」(ライフ企画 2012年11月)

糖尿病内分泌・血液内科

分野

血液内科

特色

糖尿病内分泌内科と血液内科の混合内科である。各種の貧血、造血器腫瘍、出血性疾患などの血液疾患全般に対し、最新かつ最適な治療を行っている。詳細な病状説明と病名告知を原則としている。難治性造血器腫瘍についてはQOL(生活の質)を考慮し、患者中心の診療を心掛けている。日本血液学会認定施設。

症例数

年間の入院または外来血液疾患患者数は約500人で、急性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群、慢性骨髄性白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、再生不良性貧血、特発性血小板減少性紫斑病などの疾患が多くを占め、常時約30人が入院している

★急性骨髄性白血病の新患は年間約15例であり、JALSGのプロトコールに沿った化学療法を行っている。初回完全寛解率は約70~80%である

★高リスク骨髄異形成症候群に対しては、アザシチジンを皮下注射し比較的良好な成績を得ている

★慢性骨髄性白血病には、従来のイマチニブの他、初発時からニロチニブまたはダサチニブの内服を行っている

★悪性リンパ腫の新患は年間約60例であり、組織型毎に最適な治療を行っている。初回完全寛解率は80%以上である

★多発性骨髄腫については、従来の抗癌剤やステロイドによる化学療法に、ボルテゾミブ、レナリドマイド、サリドマイドを適宜併用した最適な治療を行っている

★再生不良性貧血については、免疫抑制療法やサイトカイン療法を行っている

★難治性の特発性血小板減少性紫斑病に対しては、トロンボポエチン受容体作動薬も使用している

★造血幹細胞移植は当科では施行していないが、適応症例については、他院の協力を得て積極的に進めている。

医療設備

クリーン室2床、層流式無菌装置、CT、MRI、リニアック。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 ×
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 埼玉県」(ライフ企画 2012年11月)

脳神経外科

分野

脳神経外科

特色

700床以上を有する大学病院でありながら、救命センターを併設し、多くの救急患者を受け入れている。また、脳腫瘍、未破裂脳動脈瘤、内頚動脈狭窄症など、他施設から多くの治療依頼を受け、脳神経外科治療を幅広く行っている。医師の異動が少ないため、継続した治療が可能であるのも特徴である。交通の便がよく、駅から徒歩3分の立地条件から多くの患者が来院する。丁寧・親切な医療を心がけている。JR武蔵野線「南越谷駅」、東武伊勢崎線「新越谷駅」より徒歩3分。

症例数

11年の外来患者延べ数10,808人、入院患者数816人、手術件数499件、脳動脈瘤クリッピング術31件、脳腫瘍摘出術60件、脳血管内治療183件、水頭症手術83件

★当科では特に脳血管内治療に多くの実績を持ち、治療困難な脳血管疾患に対しても良好な成績を収めている

★くも膜下出血、頭部外傷、脳内出血、脳梗塞などの救急疾患が数多く搬送され、治療症例は極めて豊富である

★脳梗塞急性期に対してはt-PAによる血栓溶解術が可能であり、迅速な救急体制が整っている

★他施設では治療困難な動脈瘤、脳動静脈奇形、内頚動脈狭窄症の患者が数多く紹介され、脳血管内治療学会指導医の兵頭教授を中心に治療が行われている。特に脳動脈瘤コイル塞栓術、内頚動脈ステント留置術には豊富な治療経験を有する

★悪性脳腫瘍に対しては、5-ALAを用いた手術治療に加え化学療法、放射線治療の実施が可能であり、症例により治療方法の選択が可能である

★髄膜腫、聴神経腫瘍、頭蓋咽頭腫などの良性腫瘍に対する手術成績は良好であり、ナビゲーションや頭蓋底手術手技の導入により安全で確実な治療を提供している

★三叉神経痛、顔面けいれんに対して微小血管減圧術による治療を行っており、治癒率は90%以上と良好である

★頸椎症・腰椎症に対する手術により歩行障害や坐骨神経痛の改善が可能である

★認知症・頭痛などに対する検査が可能であり、外科的治療により改善可能な疾患のチェックを行っている

★セカンドオピニオンや手術以外の治療に対しても、十分な面談・丁寧な説明により対応している

★近隣の病院・医院と病病・病診連携をとり、リハビリや生活習慣病などに対する定期的な治療計画を立てて対応している。

医療設備

MRI2台、CT3台、脳血管造影装置(バイプレインフラットパネル)、SPECT、放射線治療装置、手術用顕微鏡(5-ALA、ICG)、手術用内視鏡機器、術中ナビゲーション、術中生理学モニター。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 △

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 埼玉県」(ライフ企画 2012年11月)

乳腺センター

分野

乳腺・内分泌外科

特色

原発乳癌の外科的治療に加え、進行・再発乳癌では、内分泌療法や外来化学療法室で積極的に化学療法を行っている。地域基幹病院として地域と連携した診療を行い、十分なインフォームド・コンセントのもとに患者のQOL(生活の質)を重視した診療を心掛けている。また、埼玉乳がん臨床研究グループ(SBCCSG)の1施設として、多施設共同臨床研究や市民フォーラム等の患者啓蒙活動を行っている。日本乳癌学会認定専門施設。

症例数

年間における乳癌手術数は約150例で、年々増加傾向にある

★乳房温存手術は約80%で、原則として全例に残存乳房に対して放射線照射を行っている。創部の皮膚縫合を行わず、皮膚接着剤で閉創することにより、早期の入浴・退院を可能にしている。適応症例にはセンチネルリンパ節生検を行い、リンパ節郭清を省略することで術後の後遺症を少なくするように努めている。手術患者と家族には、術前は外来で手術内容や合併症を中心に、術後は病理結果と今後の治療方針を説明し、術後補助療法としての全身化学療法が必要な患者は、1コース目をそのまま入院で、2コース目以降は新設された外来化学療法室で看護師や薬剤師の協力のもとで行っている

★5年生存率は0期100%、I期96%、II期87%、III期66%、IV期28%である。再発患者には、入院前に外来で患者・家族が理解できるまで十分なインフォームド・コンセントを行い、1コース目は入院で、2コース目以降は外来化学療法室で行っている。

医療設備

マンモグラフィ、エコー、CT、MRI、マンモトーム、乳管造影、乳管内視鏡、核医学、放射線治療施設。
  • セカンドオピニオン受入 ×
  • 初診予約 ×
  • 主治医指名 ×
  • 執刀医指名 ×

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 埼玉県」(ライフ企画 2012年11月)

放射線科

分野

放射線科

特色

★画像診断では、頭部・大血管に対するMR血管撮影(MRA)、胆道・膵疾患に対するMR胆道膵管撮影(MRCP)は、従来の血管造影やERCPといった観血的・侵襲的検査の前段階のスクリーニングとして、病院内外から多数のご依頼をいただいている。また脳・心臓・腫瘍など諸疾患でのラジオアイソトープを利用した核医学検査(RI)をはじめ、CT、MRI、DSA、乳房撮影などの検査の依頼にも応じている。乳房撮影(マンモグラフィ)については、マンモグラフィ検診精度管理中央委員会による施設認定基準に合格しており、読影認定医師3人によって質の高い診断を行っている

★インターベンショナル・ラジオロジー(IVR)は、全例で日本IVR学会専門医が施行しており、肝細胞癌に対する経動脈性化学塞栓療法(TACE)や各種動脈瘤に対する塞栓術をはじめとした様々な臓器・疾患に対する動脈塞栓術や、肝切除術前の経皮経肝的門脈枝塞栓術(PTPE)・胃静脈瘤に対するバルーン閉塞下逆行性静脈瘤塞栓術(B-RTO)などの門脈・静脈系に対する塞栓術も施行している。閉塞性動脈硬化症(ASO)に対するPTA-stentingや大動脈瘤に対するEVARなどの血管内治療、頭頸部進行癌に対する動注併用放射線治療(RADPLAT)なども各科協力のもとに積極的に施行している。また、副腎静脈サンプリングなどのカテーテルを用いた検査、CTガイド下生検なども積極的に施行しており、いずれも良好な結果を得ている

★放射線治療では、放射線腫瘍学会認定医3人により、放射線治療外来を行っている。年間新規患者数は450を超え、埼玉東部医療圏における放射線治療の主要拠点となっている。対象疾患は肺癌、乳癌をはじめ、脳、頭頸部、食道、腹部消化器、泌尿器(とくに前立腺癌)、婦人科、血液・リンパ、骨軟部など広範囲の腫瘍に及ぶ。また高齢者の癌に対する放射線療法も高い評価を受けている。通院治療も可能で、現在、治療患者様の半数以上は外来通院で治療している。

症例数

11年度外来患者延べ数9,639人、CT診断16,180件、MRI診断5,628件、核医学診断2,191件、マンモグラフィ934件、消化管造影149件、その他画像診断376件、インターベンショナル・ラジオロジー300件、放射線治療延件数11,694件。

医療設備

CT3台、MRI 2台、血管造影検査室2室、ガンマカメラ1台、SPECT1台、放射線治療装置(リニアック)1台。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ○
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 埼玉県」(ライフ企画 2012年11月)

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