専門医より推薦を受けた診療科目・診療領域

がん研有明病院は、複数の有名専門医(※)の間で「自分や家族がかかりたい」と推薦されています。
このページでは、専門医より推薦を受けた分野(科目、領域)の特色や症例数、所属している医師について取材・調査回答書より記載しています。 ※推薦、選定して頂いた有名専門医の一覧表

消化器外科

分野

消化器・一般外科

特色

食道癌、胃癌を担当する上部消化管グループ、大腸癌を担当する下部消化管グループ、肝臓癌、膵臓癌、胆道癌などを担当する肝胆膵グループに分かれて診療している。3つの消化器外科グループは、消化器癌の治内視鏡や抗癌剤治療を担当する内科医とともに、同じ外来、同じ病棟で共同で診断と治療にあたっている。腹腔鏡を利用した患者さんに負担のない手術を大幅に導入している。また、治療の困難な転移癌や、再発癌にも積極的な治療を試みている。

症例数

症例数(10年):食道癌100、胃癌558、大腸癌492、肝細胞癌49、転移性肝癌95、胆道癌43、膵癌69。治療成績はホームページをご覧ください。

医療設備

PET、MRI、PET-CT、CT、外来化学療法センター、緩和病棟、放射線治療など。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ○
  • 主治医指名 ○
  • 執刀医指名 △

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東京都版」(ライフ企画 2011年11月)

呼吸器内科

分野

呼吸器内科

特色

当院は東京都のがん診療連携拠点病院に指定されている。当科は胸郭内悪性腫瘍とくに肺癌を主に診療している。呼吸器センターとして呼吸器外科・内科・放射線治療科がグループで総合的に肺癌診療にあたり、専門家が各々の立場から治療を検討、常に共同で最新・最適・安全な治療に努めることを基本方針としている。

症例数

当院で治療をうける肺癌の新患受診数は年間500例超(切除230例、初回化学療法230例、放射線治療単独30例、無治療経過観察20例)。セカンドオピニオンで受診される肺癌症例は年間約200例。年間約500例の気管支鏡検査、超音波気管支鏡を用いた縦隔リンパ節生検も積極的に行っている

★非小細胞癌I~IIIA期は手術が第一選択 胸腔鏡を用いた手術も積極的に導入している。高齢者、呼吸機能が不良の場合、定位放射線照射を行う。また、II期以上では術後化学療法を行う。IIIA~IIIBでは3次元的胸部放射線照射を用いた化学放射線療法を行う。IV期は化学療法。高齢、全身状態の良くない場合、単剤での化学療法もしくは支持療法のみ

★小細胞癌のI期は手術+化学療法、限局型化学療法+放射線療法、進展型には化学療法を行う

★最近は2次、3次治療も積極的に行っている。また分子標的治療薬などの新規抗癌剤の治験や臨床試験も積極的に行っている

★切除不能III期の非小細胞癌に対する3年生存率は30%、IV期非小細胞癌の3年生存率は10%。細胞癌では限局型の3年生存率20%、進展型の3年生存率は8%。

医療設備

CT、MRI、PET、リニアック、RIなど。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ○
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東京都版」(ライフ企画 2011年11月)

呼吸器外科

分野

呼吸器外科

特色

肺癌診療を主体とした呼吸器悪性腫瘍の専門診療科。迅速かつ正確な診断と適切な治療がモットー。外来診療の段階から呼吸器内科、放射線科、病理部、細胞診断部、看護部が参加するCancer board(癌検討会)を有効に活用したチーム医療を実践。肺癌手術予定の患者さんには、外来で「肺がん手術を受ける方へ」の小冊子を配布。肺癌の進行度、患者さんの体力などを総合的に判断して十分なインフォームド・コンセントのもとに適正な手術を提供している。

症例数

年間の手術件数は370例(10年)(肺癌238例、転移性肺腫瘍82例、縦隔腫瘍27例、その他23例)

★肺癌のI、II期症例は外科療法が基本。III期症例には集学的治療が原則であるが、症例に応じては拡大手術も実施。末梢の小型肺癌には、胸腔鏡手術も施行しており、肺葉切除例の約4割の比率。施設独自および多施設共同臨床試験に参加し、現状を打開する次の標準治療の確立にも努めている

★肺癌の最近10年間の術後5年生存率(全死亡)は、IA期87%、IB期70%、IIA期59%、IIB期60%、IIIA期46%、IIIB期35%、 IV期40%。転移性肺腫瘍の肺転移切除後の5年生存率は、症例数の多い臓器で子宮癌70%、乳癌58%、大腸癌48%、頭頸部扁平上皮癌43%、骨肉腫35%

★00年からクリニカルパスを導入し、科学的根拠に基づいた術後管理と均質化を図り、現在は開胸手術と胸腔鏡手術に分けて運用。術後合併症は減少し手術の安全性が向上。05年に有明に移転にしてからも手術例は増加しているが、手術関連死亡率は0.3%(1/370例)と低率。

医療設備

マルチディテクタターCT、MRI、PETCT、超音波気管支鏡(EBUS)、リニアック、3次元定位照射装置、イリジウム小線源治療装置、ガンマカメラなど。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 △

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東京都版」(ライフ企画 2011年11月)

泌尿器科

分野

泌尿器科

特色

泌尿器癌を専門とした科である。早期癌には機能温存療法、局所進行癌には拡大手術±補助療法、進行転移癌には化学療法を中心とした集学的治療を基本方針とする。複数の選択肢がある場合、治療法の選択には患者さんの意向を尊重している。また、病理、放射線、化学療法の専門医師、緩和ケアチーム、看護師、薬剤士を含めた定例カンファレンス(キャンサーボード)を週2回催し、患者中心のチーム医療を推進している。

症例数

外来患者数は1日100人前後、入院患者数は40~45人

10年度の手術件数=膀胱癌に対するTUR-BT (内視鏡手術) が185件、膀胱全摘術が43件(尿路変更は自排尿型新膀胱が9例、回腸導管が34例)、前立腺癌に対する全摘術が187件 (その他IMRTが123件、小線源療法が22件)、腎臓癌に対する腎全摘術が28件、腎部分切除術が32件、腎盂尿管癌に対する腎尿管全摘術が30件、そして精巣癌に対する高位精巣摘除術が9件、などである

★また、進行癌に対する全身化学療法にも積極的に対応しており、他院よりセカンドライン化学療法の依頼患者も多い。最近では、1年間の転移例に対する化学療法施行新患者数は尿路上皮癌が30~35例、精巣癌が10~15例、前立腺癌が15~20例である。前立腺癌を除く化学療法の有効例には手術や放射線治療を積極的に併用し、根治を目指している。過去17年間のStage BとC前立腺癌全摘手術例の10年全生存率はそれぞれ90%と85%であり、Stage B(筋層浸潤)とC(脂肪織浸潤)膀胱癌全摘手術例の5年全生存率はそれぞれ76%と59%で、世界有数の成績である。

医療設備

リニアック3台、PETとPET-CTが各1台、MRI2台、ヘリカルCT3台、エコーセンターには腹部・乳腺を含め常時8台が稼働している。骨シンチグラムと骨密度測定器は各2台。その他に外来化学療法センター(ATC)として60ベッドを稼働している。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ○
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 △

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東京都版」(ライフ企画 2011年11月)

腫瘍整形外科

分野

整形外科

特色

骨軟部腫瘍の診断と治療を専門とし、診断の迅速性と確実性を図るため、画像検査から手術材料の評価まで、すべての行程に整形外科スタッフが関与している。軟部腫瘍では細胞診を導入し、初診当日に95%の例で良・悪性の診断が可能である。手術材料の評価を積み重ねることにより、手術法を改良し、安全でよりよい機能を持った患肢が温存されるように努めている。さらに、治癒率向上と優れたQOL(生活の質)獲得のため、化学療法や早期リハビリテーションにも力を注いでいる。

症例数

症例数=年間手術例は良性・悪性合わせて490例、うち悪性あるいはこれに準じる例が約200例であり、漸増傾向にある。過去32年間の主な手術症例は約7,600例、うち悪性は3,146例である。四肢悪性例の約95%に患肢温存術が行われている。骨肉腫の10年以上の長期生存率は約70%であるが、軟部肉腫の生存率は80%である

★手術・治療法の適応基準は、安全な切除範囲での腫瘍切除が原則である。原則を守って腫瘍を切除し、再建法で有用な機能が確保できれば患肢を温存し、これが無理な場合に限り切離断手術を行う。患肢温存の再建については、いくつかの再建方法の利点と欠点を十分理解して頂いた上で、選択して頂く

★再建法としては、人工関節447例、血管再建53例、皮弁移植(顕微鏡下手術を含む)521例、回転形成21例などを行ってきた。小児に対しては、延長可能な人工関節や創外固定による脚延長術を行っている

独自の試みとして、パスツール処理骨による骨再建や、術中切除縁評価法(in situ preparation=ISP)による骨、血管、神経保存などを行っている。特にISPでは放射線治療を省くことが可能であり、治療費削減や治療期間短縮に有効である。

医療設備

PET、骨シンチ、MRI、CT、DSA、高精度放射線治療機械などが完備している。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ○
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 △

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東京都版」(ライフ企画 2011年11月)

レディースセンター婦人科

分野

産婦人科

特色

①婦人科常勤医17人が91床を担当し、日本で一番大きい婦人科悪性腫瘍治療施設である。②婦人科がん(0期や境界悪性、また再発を除く)の年間治療数が日本で一番多い(09年度;子宮頸癌261人、体癌/肉腫188人、卵巣癌/腹膜癌128人)。③当科で治療した患者は当院で看取る。④子宮癌根治手術後には、術後照射ではなく術後化学療法を行い、良好な成績を報告している(89年以来)。⑤子宮癌根治手術後に起こりやすい排尿障害を軽減する術式の採用。⑥他院で治療後の患者でも、当院でより良く行いうる治療法があれば受け入れる。

症例数

6人のレジデント(全員が産婦人科学会専門医で、卒後6年目以上)が、上級スタッフとペアを組み、91人の入院患者さんを受け持ち、手術、化学療法、放射線治療ならびに緩和的治療を行っている。手術件数は年間950例を超えるが、婦人科癌根治手術が500件、0期/境界悪性などが110件で、再発腫瘍や他院治療後の追加手術が40件、残り300件が良性疾患に対する手術である

子宮頸癌=進行期IA期に対しては準広汎子宮全摘術を適用し、IB期でも大きさが2cm長径以下であれば縮小広汎子宮全摘術を行い、術後の排尿障害を予防している。IB期で、大きさが2cmより大きいものからIIA期までは、骨盤神経温存広汎子宮全摘術を行う。IIB期以上の進行した症例には、同時的化学放射線治療(CCRT)を行う。09年度の広汎子宮全摘術実施件数は81例であり、CCRT実施件数は29例である。手術後の再発高危険群に対しては、化学療法を4~6コース実施した。臨床進行期別5年生存率:I期94%、II期81%、III期61%、IV期21%

子宮体癌=体癌には準広汎子宮全摘術を行うが、頸癌と間違えるぐらいに頸部浸潤があれば、広汎子宮全摘術を行う(年間5例程度)。子宮体部筋層浸潤が1/2以上あるものや、大きさが長径3cm以上のもの、予後不良な組織型(低分化類内膜癌、漿液性腺癌、明細胞癌、癌肉腫など)に対しては骨盤ならびに傍大動脈リンパ節郭清を行う。筋層浸潤がないIA期にも骨盤リンパ節郭清を勧めるが、患者の希望で省略することもある。09年度の標準手術実施件数は180例である。手術後の再発高危険群に対しては、化学療法を4~6コース実施した。臨床進行期別5年生存率:I期98%、II期84%、III期80%、IV期9%

卵巣癌=卵巣、卵管、腹膜原発の癌はI、II期74例、III、IV期54例を治療した。I、II期の早期癌には、初回手術で標準手術(子宮、両側卵巣摘出、大網切除、後腹膜リンパ節郭清)を行う。III、IV期では、初回手術は試験開腹にとどめて、Neoadjuvant Chemotherapy(術前化学療法)で腫瘍を小さくした後で根治手術を行うことが多かった。なお、腺水細胞診や表在リンパ節生検などで、腺癌であることやサブタイプの診断が可能である場合には、試験開腹なしで術前化学療法を行った。臨床進行期別5年生存率:I期89%、II期71%、III期41%、IV期29%。

医療設備

婦人科で用いるもの;PET-CT、MRI、CT、骨シンチ、ガリウムシンチ、カラードプラ、リープ円錐切除、コルポスコープ+経腟超音波(診察台備え付け)、骨粗鬆症検査、放射線治療装置(外照射、腔内照射、組織内照射)など。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 △
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 △

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東京都版」(ライフ企画 2011年11月)

乳腺センター(外科・診断)

分野

乳腺・内分泌外科

特色

外科部門のほかに、乳腺センターの中には化学療法、放射線診断、放射線治療、形成外科、緩和ケア、病理などが含まれそれぞれ活動している。Cancer Boardと呼ばれる症例検討会で集まり、全体で討議、方針決定を行っている。乳癌診療に関して、国内では最も分業化された病院と言える。これらの専門集団が集まってチーム医療を実践している

★外来では、石灰化外来、乳頭分泌外来の特殊外来もあり、ステレオマンモトーム生検や乳管内視鏡検査などを常時行っている。多数例の蓄積により研究所の乳腺病理部は伝統的に優れた病理診断技術を有し、全国の施設から診断困難例のコンサルテーションを依頼されることが多い

★病棟はワンフロアのすべてを乳癌患者の治療に割り当て、外科治療から再発管理まできめ細やかなケアを実践している。乳腺外来では医師の分業化に対し、看護師は診断から手術、薬物治療、緩和までのすべてを共通の一貫した窓口とスタッフで行っている

★外来には乳癌認定看護師やリエゾンナースが配置され、これらのスタッフが中心になって、リンパ浮腫や疼痛管理、手術前後や再発治療中の精神的なケアに取り組んでいる。

症例数

10年の原発乳癌手術件数は1,044件で国内最多。そのうち乳房温存手術は約6割。乳房切除の場合でもその約3割に形成外科と共に同時再建手術を行っている。センチネルリンパ節生検の頻度は全体の8割を超えた。

医療設備

デジタルマンモグラフィ、ステレオガイドマンモトーム生検、エラストグラフィー、MRI、PETCT、RVS、エコー下穿刺細胞診、リニアック、緩和ケア病棟。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ○
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 △

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東京都版」(ライフ企画 2011年11月)

放射線治療科

分野

放射線科

特色

08年に100周年を迎えた我が国で最も古いがん専門病院である。日本放射線腫瘍学会の認定病院である。呼吸器センター、消化器センター、レディースセンター、乳腺センター、前立腺センターなど、各臓器別Cancer Boardのメンバーとして、個々の患者の放射線療法を実施している。副作用を減らし、病巣に正確に放射線をあてるために、多くの疾患に対して3次元照射、強度変調放射線治療(IMRT)、画像誘導放射線療法(IGRT)、体幹部定位照射(ピンポイント照射) を行っている。他に小線源治療として、前立腺癌ヨウ素125シード線源永久挿入治療、イリジウム高線量率照射ラルス (腔内組織内照射)を行っている。

症例数

日本で放射線治療件数が最も多く、10年は年間新規患者数は1,709例であった(頚部癌198、食道癌95、肺癌74、乳癌365、直腸・肛門癌38、子宮頚癌70、前立腺癌180、悪性リンパ腫80、他609、合計1,709)。高精度放射線療法は年々増加し10年はIMRT数146例であり、体幹部定位照射は53例であった。疾患別には、乳癌が一番多いが、頭頸部癌、前立腺癌、婦人科癌、肺癌、悪性リンパ腫が多い。標準治療から臨床試験まで幅広い放射線療法を行っている。根治的放射線療法だけでなく、緩和照射も実施している。それぞれに高い局所制御率と低い副作用の発生率を報告している。こうした放射線治療件数の増加や高精度放射線治療に対応するために、職員のシフト勤務を行っている。

医療設備

リニアック3台(1台はon-rail CT同室設置、1台はon-board imager付き)、治療計画CT、位置決め装置、マイクロセレクトロン、治療計画装置7台、放射線治療部門システム。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ○
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東京都版」(ライフ企画 2011年11月)

化学療法科

分野

癌化学療法

特色

当科は最も古い化学療法科のひとつである。当科は肺癌以外をほとんど対象としていたが、10年からの臓器別センター診療構想に移行したのでスタッフは臓器ごとのセンター所属になった。病床は11階東病棟46床(消化器癌)、6階東病棟12床(頭頸部腫瘍、原発不明癌、骨転移、肉腫、GIST)、9階東病棟15床(乳癌)である。一部を除いて原則外来治療であり、もっとも早く診断し、治療方針の決められる施設である。外来治療センター60床は日本最大であり、安全で、抗癌剤の治療を外来治療で行えるようにできている。治療法は、医師間の格差が全くなく、全員での毎週2回のカンファレンスで決定される。そのために再発してもすぐに議論されて次なる治療法が決定される。なお基本的には、新規薬剤の導入はほぼ発売と同時に使用できるように、チーム新薬をこれまでに、naverbine、capecitabine、oxaliplatin、avastin、sunitinib、sorafenib、などのチームを作って、発売前から準備しており、発売となったらすぐに使用できるようにしている

★患者さんへの重要なメッセージ=体力的に十分に充実していないと化学療法に耐えられません。基本的にはまず自分で歩行でき、食事や身の回りのことをきちんと自分でできることが条件です。体力を大切にしましょう、また、手遅れにならないうちに治療を受けられるようにしましょう。若い患者さんでは不妊症対策も同時におすすめしていますが、完全ではありません。

症例数

乳癌=乳腺センターが主体で診療。日本で最も多い患者数および手術数であり、世界で4番目である。化学療法を受ける患者数も日本で一番多い。以下に研究結果を述べる。「リンパ節転移陽性乳癌術後AC followed by paclitaxel療法の当院における成績」=当院では03年からリンパ節転移陽性乳癌症例の術後化学療法としてAC followed by paclitaxel(AC-P)療法を施行している。〈対象〉03年から05年1月までに当院で手術を行い、リンパ節転移個数が1~9個でAC-P療法を行った171例。平均年齢は50.5歳(26~73歳)。〈方法〉AC療法(Adriamycin 60mg/m2、Cyclophosphamide600mg/m2)を3週間間隔で4サイクル後、paclitaxel(P) 175mg/m2を3週間間隔で4サイクル(あるいは100mg/m2で8サイクル、80mg/m2で12サイクル)。〈結果〉ACは169例(98.8%)、Pを完遂した症例は154例(90.0%)であった。平均観察期間46.9カ月(6.5~66.5)の時点で無再発生存率89.4%、全生存率97.1%であった

大腸癌=消化器癌は消化器センターが中心に診療。転移再発大腸癌にはチームを作ってFOLFOX+アバスチン、FOLFIRI+アバスチン、高齢者には5FU/LV+アバスチンを用いている。現在アービタックス、ベクティビクスも開始している。およそ奏効率は50%であり、現在日本で最も多くの患者が治療を受けている。術後補助療法ではUFT/LV、5FU/LVからcapecitabineを導入

胃癌=S-1±CDDPが標準治療。Her-2陽性例ではXelodatcoop+ハーセプチンがファーストラインとなった。再発後または第2選択としてpaclitaxelを用いている

食道癌=放射線化学療法が中心である

小腸癌=標準治療はなく、大腸癌または胃癌に準じて化学療法を行っている

頭頸部腫瘍=すべての化学療法は当科で行うようになり、DCF(docetaxel+CDDP+5FU)療法および放射線科学療法が中心である

原発不明癌=原発不明癌は、本当に間違いなく不明癌なのかどうかが最も重要。基本的には体力的に元気がある方でないと化学療法の対象にはならない。女性、腹水のない方、胸水のない方が効果がでているが、CDDP+DocまたはCarboplatin+Paclitaxelの治療が基本である。外来治療が原則。なお効果があっても治癒することは非常に少ないので、悪化時に自宅の近くでかかられる医院や病院とは関係をよくしておくことが大切

骨転移=乳癌、前立腺癌、骨髄腫の骨病変を中心に扱っている

神経芽細胞腫=頭頸科、放射線治療科との協力で、早くから診断、治療を集学的に行い、CADO-CVP療法に引き続いて、手術または放射線療法、さらに必要な場合には末梢血幹細胞移植を行っており、奏効率は70%、長期生存例もでている

肉腫=基本的にはほとんどの方が治療に反応していない。唯一横紋筋肉腫がこれまでに10例あり、初期から治療に入れれば、強力な化学療法CADO-CVPを行ってPR(部分寛解)60%、CR(完全寛解)30%をあげているが、まだ短期間であり、かつ再発もあるので、決して油断できない状況である

GIST=診断には病理部とのよい協力で行い、imatinibの治療、場合によって効果がなくなった場合にはできるだけ早くsutentの導入を行っている。

医療設備

外来治療センター60床(日本最大)、乳癌、大腸癌に対する反応性検査可能(癌化学療法センター臨床部、オリンパスバイオイメージングラボで施行、ただし当院で血液検査をして治療同意のある患者さんに限る)。PET、PET-CTなどで治療前後の診断が可能である。
  • セカンドオピニオン受入 ○
  • 初診予約 ○
  • 主治医指名 △
  • 執刀医指名 /

○=可能 △=条件付きで可 ×=不可 /=未回答

「医者がすすめる専門病院 東京都版」(ライフ企画 2011年11月)

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